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〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜


〜 梅見月物語 世の中は恋繁しゑや 〜


登場人物。

近藤勇、土方歳三、沖田総司、斉藤一、籐堂平助、原田左之助、

お雪、おまさ、少女[鈴・美鈴]、綺麗な女性



「世の中は 恋繁しゑや かくしあらば 梅の花にも 成らましものを」

「万葉集 第五巻 八一九番」より

作者:豊後守大伴大夫(ぶんごのかみおおとものたいふ)



梅の花が京の町に彩りを添えている。

沖田総司と少女は梅を見ながら、楽しそうに話しをしている。

少女は梅の花を嬉しそうに見ている。

沖田総司は少女を微笑んで見ている。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は微笑んで少女に話し掛ける。

「鈴ちゃん。梅の花が綺麗だよね。」

少女は沖田総司を見ると微笑んで頷いた。

沖田総司は微笑んで少女に話し掛ける。

「梅の花を見ていると楽しくなるね。」

少女は微笑んで沖田総司を見ながら頷いた。



沖田総司と少女が楽しそうに梅の花を見ている時の事。

土方歳三、斉藤一、藤堂平助の三人も、同じ場所にやってきた。

少し離れた場所には沖田総司と少女の姿が見える。

藤堂平助は寂しそうな表情で、沖田総司と少女を見ている。

斉藤一は藤堂平助の様子を黙って見ている。

土方歳三は藤堂平助を見ながら、微笑んで話し掛ける。

「平助。何か気になる事でもあるのか?」

藤堂平助は、沖田総司と少女を見ながら、土方歳三に羨ましそうに呟いた。

「あの子の笑顔は可愛いですよね。沖田さんが羨ましいです。」

土方歳三は藤堂平助を微笑んで見ている。

藤堂平助は慌てた様子で土方歳三に話し出す。

「あの、だから、可愛い笑顔だなと思っただけです。沖田さんは可愛い笑顔を傍で見られて、良いなと思っただけです。沖田さんにはこの話しは黙っていてください。」

土方歳三は微笑んで藤堂平助に話し掛ける。

「安心しろ。総司には言わないよ。」

藤堂平助は安心した表情で土方歳三を見ている。

土方歳三は微笑んで藤堂平助に話し掛ける。

「あの子の笑顔は傍で見ると可愛いぞ。平助も機会があったら必ず見ろよ。」

藤堂平助は動揺した様子で土方歳三を見ている。

土方歳三は微笑んで藤堂平助に話し掛ける。

「あの子に梅の花でもあげたらどうだ? あの子の可愛い笑顔が傍で見られるぞ。」

藤堂平助は土方歳三に動揺した様子で話し出す。

「土方さん。変な事を言わないでください。土方さんの言い方だと、私があの子の事を気に掛けているみたいに聞こえるではないですか。」

土方歳三は微笑んで藤堂平助に話し掛ける。

「そうだな。悪かったな。」

藤堂平助は土方歳三を見ながら、動揺した様子で話し掛ける。

「私は先に行きます。」

土方歳三は藤堂平助を見ながら微笑んで頷いた。

藤堂平助は、沖田総司と少女の様子を寂しそうに一瞥すると、梅の花咲く中を去っていった。

土方歳三は藤堂平助の去っていく姿を微笑んで見ている。

斉藤一は普通の表情のまま土方歳三を見ている。

土方歳三は籐堂平助の後姿を見ながら、斉藤一に話し掛ける。

「平助が自分の気持ちに気が付くのは、いつになると思う?」

斉藤一は土方歳三を黙って見ている。

土方歳三は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「斉藤。あの子の笑顔は本当に可愛いよな。」

斉藤一は土方歳三を黙って見ている。

土方歳三は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「斉藤はあの子の笑顔を傍で見る事が出来るんだよな。しかも、あの子と話しも出来るんだよな。平助じゃないけど斉藤が羨ましいな。」

斉藤一は土方歳三に怪訝そうに話し出す。

「土方さん。平助の今の話しを総司が知ったら何かが起こりますよ。」

土方歳三は微笑んで斉藤一に話し出す。

「そんな事を言ったら、総司が大暴れして大変だろ。俺も面倒に巻き込まれるのは嫌だよ。」

斉藤一は土方歳三に普通に話し掛ける。

「今の話しを信じても良いのですか?」

土方歳三は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「当たり前だろ。大体、総司に今の話しを伝えたら、平助がどうなるかわからないだろ。」

斉藤一は土方歳三を見ながら黙って頷いた。

土方歳三は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「俺達もそろそろ行くか。」

斉藤一は土方歳三を見ながら黙って頷いた。

土方歳三と斉藤一は、梅の花咲く中を去っていった。

沖田総司と少女は、三人が居た事に気が付かないまま、楽しそうに話しをしている。



ここはお雪の家。

近藤勇がお雪のもとを訪れた。


お雪は近藤勇を見ると微笑んで話し掛ける。

「先生。こんにちは。」

近藤勇は微笑んでお雪に話し掛ける。

「家の方はかなり落ち着いたようだな。」

お雪は微笑んで近藤勇に話し掛ける。

「はい。かなり落ち着きました。」

近藤勇はお雪に申し訳なさそうに話し掛ける。

「家の片付けを手伝う事がほとんど出来なかった。一人で大変だっただろう。悪かったな。」

お雪は微笑んで近藤勇に話し掛ける。

「片づけは一人でも出来ます。先生は忙しい方です。気にしないでください。」

近藤勇は申し訳なさそうにお雪に話し掛ける。

「お雪とは、ほとんど話しもした事がないのに、身請けの話しを急に持ち出してしまった。悪かったな。」

お雪は微笑んで近藤勇に話し掛ける。

「先生。身請けの話しは、嫌だったらお断りしています。安心してください。」

近藤勇は微笑んでお雪に話し出す。

「お雪。ありがとう。」

お雪は微笑んで近藤勇に話し掛ける。

「先生。私にお礼を言うのは変ですよ。先生は私を身請けしてくれました。お礼を言うのは私の方です。」

近藤勇は微笑んでお雪を見ている。

お雪は微笑んで近藤勇を見ている。

近藤勇は微笑んでお雪に梅の小枝を差し出した。

お雪は近藤勇から梅の小枝を受取ると微笑んで話し出す。

「先生。ありがとうございます。」

近藤勇は微笑んでお雪に話し掛ける。

「梅をもらう機会があったんだ。土方がお雪に持っていくようにと話しをしてくれたんだ。」

お雪は梅の小枝を見ながら、近藤勇に微笑んで話し出す。

「土方先生にもお礼を言わないといけないですね。」

近藤勇は微笑んでお雪に話し掛ける。

「土方には私から話しをしておく。」

お雪は微笑んで近藤勇に話し掛ける。

「先生から梅を頂く事が出来て嬉しいです。」

近藤勇は微笑んでお雪に話し掛ける。

「お雪が喜んでくれて嬉しいよ。」

お雪は嬉しそうに梅の小枝を見ている。

近藤勇は微笑んでお雪の様子を見ている。



原田左之助は梅の小枝を持ちながら、笑顔でおまさのもとに向かっている。

おまさのもとに到着すると、笑顔で声を掛ける。

「おまさちゃん!」

おまさは原田左之助を見ると普通に話し出す。

「こんにちは。」

原田左之助は笑顔でおまさに話し出す。

「おまさちゃん! 元気そうだな!」

おまさは微笑んで原田左之助に話し掛ける。

「見ての通り元気です。」

原田左之助は笑顔でおまさに話し掛ける。

「おまさちゃん! これをあげる!」

おまさは不思議そうに原田左之助を見た。

原田左之助はおまさに笑顔で梅の小枝を手渡した。

おまさは原田左之助から微笑んで梅の枝を受取った。

原田左之助は笑顔でおまさの様子を見ている。

おまさは微笑んで梅の小枝を見ながら、原田左之助に話し出す。

「いろいろと持ってきてくれる物が、少しずつ気の利いた物になってきたわね。」

原田左之助は笑顔でおまさに話し掛ける。

「おまさちゃんの笑顔が見たいだろ。喜んでいる姿も見たいだろ。これでもいろいろと勉強しているんだ。」

おまさは微笑んで原田左之助を見ている。

原田左之助は笑顔でおまさに話し掛ける。

「おまさちゃんに喜んでもらえるように、もっと勉強するからな。」

おまさは微笑んで原田左之助に話し掛ける。

「楽しみにしているわね。」

原田左之助は笑顔でおまさに話し掛ける。

「おまさちゃん! また来るな!」

おまさは驚いた表情で原田左之助を見た。

原田左之助は元気良く去っていった。

おまさは原田左之助の去っていく様子を、寂しそうに見ている。

原田左之助はあっという間に居なくなった。

まさは梅の小枝を寂しそうに見た。

梅の小枝には紅梅と白梅が一緒に咲いている。

おまさは微笑んで梅の小枝を見ながら呟いた。

「紅梅と白梅が一緒に咲いている。不思議な梅ね。本当に勉強しているんだね。嬉しいな。」

梅の小枝はおまさの手の中で嬉しそうに咲いている。



土方歳三と斉藤一は、梅の花がひっそりと咲いている場所にやってきた。

斉藤一は一人だけ少し離れた場所へと居なくなった。

土方歳三は一人で梅の花を見ている。

綺麗な女性が土方歳三の後ろから声を掛けてきた。

「土方先生。」

土方歳三が微笑んで後ろを向いた。

綺麗な女性は拗ねた様子で土方歳三を見ている。

土方歳三は綺麗な女性に微笑んで話し掛ける。

「梅の花が綺麗に咲いているよ。」

綺麗な女性は拗ねた様子で土方歳三に話し出す。

「土方先生。なぜ私に声を掛けてくださらないのですか?」

土方歳三は寂しそうな表情で、綺麗な女性に話し出す。

「大切な物を忘れてしまったんだ。だから、どうやって声を掛ければ良いのか、わからなくなってしまったんだ。」

綺麗な女性は不思議そうに土方歳三を見た。

土方歳三は微笑んで綺麗な女性に話し掛ける。

「あなたの笑顔が見たくて、贈り物をしようと思ったんだ。だから、いろいろと考えていたんだ。」

綺麗な女性は不思議そうに土方歳三を見ている。

土方歳三は寂しそうな表情で綺麗な女性に話し掛ける。

「でも、早く逢いたくなってしまって、急いでここに来てしまった。気が付いたら何も用意していなかった。だから、どうして良いのかわからなくて考え込んでしまったんだ。」


綺麗な女性は微笑んで土方歳三を見ている。

土方歳三は寂しそうに綺麗な女性に話し掛ける。

「あなたの喜ぶ顔が見たかった。でも、私が慌ててしまったために、それが出来なくなってしまった。」

綺麗な女性は土方歳三に静かに抱きついた。

土方歳三はきれいな女性を抱き寄せると、心配そうに話し掛ける。

「もしかして、怒った?」

綺麗な女性は土方歳三に抱きつきながら、微笑んで話し出す。

「先生。言い訳がお上手ですね。」

土方歳三は綺麗な女性を抱きながら、寂しそうに話し掛ける。

「言い訳なんて言っていない。信じてくれないんだ。悲しいな。」

綺麗な女性は土方歳三に抱きつきながら、微笑んで話し出す。

「私も先生の事を信じたいです。」

土方歳三は綺麗な女性を抱きながら、微笑んで詠い出す。

「世の中は 恋繁しゑや かくしあらば 梅の花にも 成らましものを。」

綺麗な女性は土方歳三に抱き付きながら、微笑んで話し出す。

「先生は梅の花になるのですか?」

土方歳三は綺麗な女性を抱きながら、微笑んで話し出す。

「それがあなたの望みなら、俺は梅の花になるよ。」

綺麗な女性は土方歳三に強く抱き付いた。

土方歳三は綺麗な女性を微笑んで抱いている。

土方歳三と綺麗な女性の近くには、綺麗な梅の花がひっそりと咲いている。



そんな出来事があってから、かなりの時間が過ぎた。

斉藤一は一人でずっと酒を飲んでいる。

土方歳三が微笑んで斉藤一のもとを訪れた。

斉藤一は土方歳三を普通に見た。

土方歳三は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「待たせたな。いつも斉藤が一緒に来てくれるから、とても助かっているよ。」

斉藤一は酒を飲み終わると、土方歳三を見ながら普通に話し出す。

「どうでも良い事に付き合せないでください。」

土方歳三は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「そうだよな。斉藤はいつも変な事に付き合わされているよな。」

斉藤一は黙って酒を飲んでいる。

土方歳三は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「でも、斉藤と一緒に出掛けると、疑う奴もいないし変な事を言う奴もいないんだ。本当に助かるよ。」

斉藤一は土方歳三を見ながら、黙って酒を飲んでいる。

土方歳三は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「斉藤。まだ飲み足りないだろ。」

斉藤一は土方歳三を見ると黙って頷いた。

土方歳三は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「一緒に飲んでも良いかな。」

斉藤一は土方歳三を見ると黙って頷いた。

土方歳三は斉藤一の杯に梅の花を浮かべた。

斉藤一は杯に浮かんだ梅の花を黙って見ている。

土方歳三は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「おすそわけ。」

斉藤一は土方歳三を見ながら軽く頭を下げると、再び杯に浮かんでいる梅の花を見た。

土方歳三は自分で杯に酒を注いだ。

土方歳三と斉藤一は一緒に酒を飲み始めた。



そろそろ陽が暮れ始める時間となっている。

斉藤一が屯所に戻ってきた。

沖田総司が笑顔で斉藤一に声を掛ける。

「斉藤さん。」

斉藤一は立ち止まると、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「斉藤さん。今度、鈴ちゃんと三人で梅の花を見に行きませんか?」

斉藤一は沖田総司を見ると黙って頷いた。

沖田総司は笑顔で斉藤一に話し掛ける。

「約束ですよ! 忘れちゃ駄目ですよ!」

斉藤一は沖田総司を見ながら黙って頷いた。

沖田総司は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「斉藤さん。梅の綺麗な場所を知りませんか? 鈴ちゃんの喜ぶ顔が見たいのですが、私はそういう事に疎くて、良い場所が見つかりません。」

斉藤一は沖田総司を見ながら普通に話し出す。

「総司が疎いのはそれだけではないだろ。」

沖田総司は不思議そうに斉藤一を見ている。

斉藤一は黙って沖田総司を見た。

沖田総司は不思議そうに斉藤一を見ている。

斉藤一は沖田総司の額を指で思い切り弾いた。

沖田総司は痛そうに額を抑えながら、顔を赤くして斉藤一に話し出す。

「何をするんですか! 痛いじゃないですか!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司が余りに疎いから、こうすれば少しは良くなるかなと思ってやってみた。」

沖田総司は痛そうに額を抑えながら、顔を赤くして斉藤一を見ている。

斉藤一は沖田総司を見ながら普通に話し出す。

「今回も駄目か。総司の疎さは本当に手強いな。」

沖田総司は痛そうに額を抑えながら、斉藤一を見ている。

斉藤一は沖田総司に普通に話し掛ける。

「また後で話しをしよう。」

沖田総司は額を抑えながら、斉藤一に黙って頷いた。

斉藤一は沖田総司の様子を一瞥すると、黙って居なくなった。



そんな出来事があってから、少し後の事。

沖田総司、斉藤一、少女の三人が、梅の花を見る約束をした日となった。

沖田総司と少女はたくさんの梅が咲いている場所にやってきた。

沖田総司は微笑んで少女に話し掛ける。

「鈴ちゃん。斉藤さんは少し遅れてくるんだって。」

少女は微笑んで沖田総司を見ながら頷いた。

沖田総司は微笑んで少女に話し掛ける。

「斉藤さんが、ここから余り離れなければ、動いても良いって話しをしていたんだ。違う場所の梅も見てみようよ。」

少女は微笑んで沖田総司を見ながら頷いた。

沖田総司は微笑んで少女に話し掛ける。

「鈴ちゃん。あっちに思いのままが咲いているよ。見に行こう。」

少女は微笑んで沖田総司を見ながら頷いた。

沖田総司は微笑んで少女を見ながら、ゆっくりと手を差し出した。

少女は微笑んで沖田総司の手を静かに握った。

沖田総司は少女の手を掴むと、元気良く歩き出した。

少女は沖田総司の勢いに耐えられずに、前のめりの格好になった。

沖田総司は横を向くと、慌てて少女を抱きしめた。

少女は驚いた表情で沖田総司の腕の中に居る。

沖田総司は心配そうに少女を抱きながら話し出す。

「鈴ちゃん! 大丈夫?! 怪我はない?!」

少女は沖田総司の腕の中で小さく頷いた。

沖田総司は心配そうに少女を抱きながら様子を見ている。

少女は沖田総司の腕の中で、に恥ずかしそうに話し出す。

「躓きました。」

沖田総司は少女をゆっくりと離すと、申し訳なさそうに話し出す。

「鈴ちゃん。ごめんね。気を付けていたんだけど、つい力が入ってしまった。」

少女は微笑んで沖田総司に話し掛ける。

「私は大丈夫です。心配しないでください。」

沖田総司は申し訳なさそうに少女に話し出す。

「鈴ちゃんと一緒に居ると物凄く楽しいんだ。そのせいか、つい力が入ってしまうんだ。」

少女は微笑んで沖田総司に話し掛ける。

「私も総司さんと一緒に居ると楽しいです。」

沖田総司は顔を赤くして黙ってしまった。

少女は沖田総司に申し訳なさそうに話し出す。

「すいません。変な事を言ってしまいました。」

沖田総司は顔を赤くしたまま少女に話し出す。

「鈴ちゃんも一緒に居ると楽しいんだ。同じだね。嬉しいな。」

少女は恥かしそうに沖田総司を見ている。

沖田総司は顔を赤くしたまま少女を見ている。

少女は恥ずかしそうに下を向いてしまった。

沖田総司は顔を赤くしたまま少女の様子を見ると、心配そうに話し掛ける。

「鈴ちゃん。大丈夫? 私は何か変な事を言ったのかな?」

少女は恥ずかしそうに下を向いたまま、小さく首を横に振った。

沖田総司は少女に心配そうに話し掛ける。

「鈴ちゃん。もしかして、どこか痛いの?」

少女は沖田総司を微笑んで見ると、ゆっくりと首を横に振った。

沖田総司は安心した表情で少女を見た。

少女は微笑んで沖田総司を見ながら話し出す。

「総司さんと一緒に、思いのままが見たいです。」

沖田総司は微笑んで少女を見ながら手を差し出した。

少女は微笑んで沖田総司の手を取った。

沖田総司は少女の様子を確認しながら歩き出した。



沖田総司と少女は楽しそうに話しをしながら歩いている。

二人の視線の先に斉藤一の姿が見えた。

少女は微笑んで沖田総司に話し掛ける。

「斉藤さんが来ました。」

沖田総司は微笑んで少女を見ながら頷いた。

斉藤一は普通に歩きながら、二人のもとにやってきた。

沖田総司は笑顔で斉藤一に話し掛ける。

「斉藤さん。遅いですよ。」

斉藤一は沖田総司を見ながら普通に話し出す。

「遅れていないぞ。」

沖田総司は恥ずかしそうに斉藤一を見ながら話し出す。

「斉藤さんは時間通りに来ていますね。すいません。」

少女は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「斉藤さん。こんにちは。」

斉藤一は少女を見ると黙って頷いた。

沖田総司は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「斉藤さん。思いのままが咲いているそうです。早く見に行きましょう。」

斉藤一は沖田総司を見ると黙って頷いた。

沖田総司は微笑んで少女に話し掛ける。

「鈴ちゃん。行こう。」

少女は微笑んで沖田総司を見ながら頷いた。



沖田総司、斉藤一、少女の三人は、楽しそうに話しをしながら、思いのままを見ています。

思いのままが綺麗に咲いています。

いろいろな色をした梅の花が綺麗に咲いています。



恋の悩みはいつの世にもあるようです。

梅の花はみんなの悩みを聞きながら綺麗な花を咲かせています。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

新撰組の隊士達も恋愛をしていろいろと悩んでいる人も多かったと思います。

今回は、微笑ましい感じや、明るい感じで、その様子を表現してみました。

この物語のなかで実際に付き合っている人達が居ます。

原田左之助さんとおまささんです。

この二人は結婚をしています。

いつ結婚をしたのかがよくわからないので、この物語のなかではまだ結婚をしていないという設定で物語を書いています。

近藤勇さんとお雪さん。

近藤勇さんはお雪さんが美雪太夫と名乗っていた時に身請けをします。

この二組が実際に付き合っていた人達です。

この物語のなかに登場する「思いのまま」ですが、一本の木に紅梅と白梅が一緒に咲く不思議な梅です。

幕末の時代にあったのかどうかは不明ですが、物語のなかに使いました。

この物語のなかに登場する歌は、「万葉集 第五巻 八一九番」からの歌です。

「世の中は 恋繁しゑや かくしあらば 梅の花にも 成らましものを」

ひらがなの読み方は、「よのなかは こいしげしゑや かくしあらば うめのはなにも ならましものを」となります。

作者は、「豊後守大伴大夫(ぶんごのかみおおとものたいふ)」です。

意味は、「世の中では、恋の悩みが絶えませんね。こんな苦しむのだったら、梅の花にでもなれればいいのに。」となるそうです。

原文は、「余能奈可波 古飛斯宜志恵夜 加久之阿良婆 烏梅能波奈尓母 奈良麻之勿能怨」となります。

この歌は、天平二年一月十三日に、大伴旅人の邸宅で催された宴会のときに詠まれた歌の一つです。

「梅見月」ですが、「うめみづき」と読みます。

「陰暦二月の異称」です。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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