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〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜


〜 早緑月 咲きにほふ馬酔木の花を袖に扱入れな 〜


登場人物。

山南敬助、伊東甲子太郎、沖田総司、斉藤一、少女[美鈴・鈴]



「池水に 影さへ見えて 咲きにほふ 馬酔木の花を 袖に汲入れな」

「万葉集 第二十巻 四五一二番」より

作者:大伴家持(おおとものやかもち)



今は春。

早咲きの梅は散り始め、遅咲きの梅が咲き始めている。

沖田総司と少女は梅の花を見にきた。

少女は微笑んで梅の花を見ている。

沖田総司は少女の様子を微笑んで見ている。

少女は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「総司さん。梅の花が綺麗ですね。」

沖田総司は微笑んで少女を見ながら頷いた。

少女は再び梅の花を微笑んで見始めた。

沖田総司は少女の様子を確認しながら梅の花を見ている。

少女は微笑んで沖田総司を見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「少し休もうか。」

少女は沖田総司を見ながら微笑んで頷いた。

沖田総司と少女は梅の花を背にして歩き出した。



沖田総司と少女は、楽しそうに話しをしながら歩いている。

たくさんの小さな白い花が咲いている小さめの木が見えた。

少女は立ち止まると、たくさんの白い花が咲いている姿を、微笑んで見た。

沖田総司も少女と一緒に立ち止まると、たくさんの白い花が咲いている姿を見た。

少女は沖田総司を見ると微笑んで話し掛ける。

「すいません。余所見をしてしまいました。」

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「鈴ちゃん。これは馬酔木でいいのかな?」

少女は微笑んで沖田総司を見ながら頷いた。

沖田総司は少女に嬉しそうに話し掛ける。

「当たった! 見た事がある花だと思ったんだ!」

少女は微笑んで沖田総司を見ている。

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「鈴ちゃん。馬酔木の花って、小さい壷が鈴生りになって咲いているみたいだよね。」

少女は沖田総司を見ながら微笑んで頷いた。

沖田総司は微笑んで少女に話し掛ける。

「壷にも見えるけど、鈴にも見えるね。」

少女は沖田総司を見ながら微笑んで頷いた。

沖田総司は嬉しそうに少女に話し掛ける。

「鈴が鈴生りだね!」

少女は沖田総司の話しを微笑んで聞いている。

沖田総司は少女に笑顔で話し掛ける。

「鈴が鈴生りって、面白いかな?!」

少女は笑顔で沖田総司を見ながら頷いた。

沖田総司は嬉しそうに少女に話し掛ける。

「馬酔木は小さい花が鈴生りになって咲いているね! 不思議だね!」

少女は沖田総司を見ながら微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に嬉しそうに話し掛ける。

「良く見ると白くて綺麗だね!」

少女は微笑んで沖田総司を見ながら頷いた。

沖田総司は少女に嬉しそうに話し掛ける。

「白くて小さい花が、鈴生りになって咲いていて可愛いね!」

少女は沖田総司を見ながら微笑んで頷いた。

沖田総司は少女を見ながら嬉しそうに話し出す。

「馬酔木って鈴ちゃんみたいだね!」

少女は不思議そうに沖田総司を見た。

沖田総司は笑顔で少女に話し掛ける。

「ねっ! 鈴ちゃん!」

少女は下を向いて考え込んでしまった。

沖田総司は不思議そうに少女に話し掛ける。

「鈴ちゃん。どうかしたの?」

少女は沖田総司を見ると微笑んで話し掛ける。

「総司さん。私は馬酔木に似ていますか?」

沖田総司は笑顔で少女に話し掛ける。

「似ているよ!」

少女は下を向いて考え込んでしまった。

沖田総司は少女に心配そうに話し掛ける。

「鈴ちゃん。私は何か変な事を言ったのかな?」

少女は微笑んで沖田総司を見ると、ゆっくりと首を横に振った。


沖田総司は少女を心配そうに見ながら話し出す。

「鈴ちゃん。やっぱり変な事を言ってしまったんだね。ごめんね。」

少女は微笑んで沖田総司を見ながら、ゆっくりと首を横に振った。

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「休みに行く途中だったのに、長く立ち話をしてしまったね。ごめんね。」

少女は微笑んで沖田総司を見ながら、ゆっくりと首を横に振った。

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「早く行こう。」

少女は微笑んで沖田総司を見ながら頷いた。


沖田総司と少女は、馬酔木を背にして歩きながら去っていった。



それから数日後の事。

沖田総司は少女の家を訪れた。

少女は沖田総司を微笑んで出迎えた。

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「鈴ちゃん。出掛けよう。」

少女は沖田総司を見ながら微笑んで頷いた。

沖田総司と少女は、一緒に出掛けて行った。



沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「今日はいつもと同じく寺で話しをしようか。」

少女は微笑んで沖田総司を見ながら頷いた。

沖田総司と少女は、楽しそうに話をしながら、寺へと向かって歩いている。



二人は寺にやってきた。

少女は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「総司さん。今日はお菓子を買ってきました。」

沖田総司は嬉しそうに少女に話し掛ける。

「どんなお菓子?!」

少女は微笑んで沖田総司に包みを差し出した。

沖田総司は包みを見ると、少女に嬉しそうに話し出す。

「大福だ〜!」

少女は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「総司さん。どうぞ。」

沖田総司は笑顔で包みから大福を手に取ると、少女に話し掛ける。

「いただきます〜!」

少女は微笑んで沖田総司を見ている。

沖田総司はおいしそうに大福を食べながら、少女に話し掛ける。

「鈴ちゃん! おいしいよ!」

少女は嬉しそうに沖田総司を見ている。

沖田総司は笑顔で二個目の大福を手に取ると、少女に話し掛ける。

「もう一個もらうね!」

少女は微笑んで沖田総司に話し掛ける。

「どうぞ。たくさん食べてください。」

沖田総司はおいしそうに大福を食べていたが、急に苦しそうな表情になった。

少女は心配そうに沖田総司を見ながら話し掛ける。

「総司さん? 大丈夫ですか?」

沖田総司は苦しそうに胸を叩いている。

少女は沖田総司に心配そうに話し掛ける。

「大福が喉に詰まりましたか?」

沖田総司は苦しそうに胸を叩きながら頷いた。

少女は沖田総司に心配そうに話し掛ける。

「水をもらってきます。」

沖田総司は苦しそうに胸を叩きながら頷いた。

少女は急いで居なくなった。



少女は直ぐに水を持って戻ってきた。

沖田総司は苦しそうな表情のまま、少女から水を受取った。

少女は心配そうに沖田総司の背中をさすった。

沖田総司は急いで水を飲んだ。

少女は心配そうに沖田総司の背中をさすっている。

沖田総司は水を飲み終わると、苦笑しながら少女に話し掛ける。

「大福がおいしかったから、急いで食べてしまった。そうしたら、喉に詰まってしまった。」

少女は申し訳なさそうに沖田総司に話し掛ける。

「すいません。」

沖田総司は苦笑しながら少女に話し掛ける。

「鈴ちゃんが謝る必要はないよ。」

少女は申し訳なさそうに沖田総司に話し掛ける。

「私が大福を買ったから、総司さんが辛い思いをしてしまいました。ごめんなさい。」

沖田総司は苦笑しながら少女に話し掛ける。

「鈴ちゃんは悪くないよ。」

少女は沖田総司に申し訳なさそうに話し掛ける。

「私が悪いから総司さんに迷惑を掛けてしまいました。ごめんなさい。」

沖田総司は心配そうに少女を見ながら話し掛ける。

「鈴ちゃん。何かあったの?」

少女は申し訳なさそう沖田総司を見ながら、小さく首を横に振った。

沖田総司は心配そうに少女に話し掛ける。

「これくらい、たいした事じゃないよ。心配しなくても大丈夫だよ。」

少女は申し訳なさそうに沖田総司を見ながら話し出す。

「すいません。」

沖田総司は心配そうに少女に話し掛ける。

「私は大丈夫だよ。そんなに心配しなくてもいいよ。」

少女は沖田総司に申し訳なさそうに話し掛ける。

「私はやっぱり馬酔木ですね。」

沖田総司は微笑んで少女に話し掛ける。

「そうだよ。鈴ちゃんは馬酔木の花みたいだよ。」

少女は申し訳なさそうな表情で、沖田総司を黙って見ている。

沖田総司は困った表情で少女を見ている。



その帰り道の事。

沖田総司は少女と一緒に歩いている。

少女は申し訳なさそうに何度も沖田総司に話し掛ける。

「すいません。」

沖田総司は心配そうに何度も少女に話し掛ける。

「鈴ちゃんは悪くないよ。私は大丈夫だからそんなに気にしないで。」

少女は申し訳なそうに沖田総司を見ている。

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「鈴ちゃん。元気を出して。」

少女は沖田総司を見ると微笑んで頷いた。

沖田総司は少女を安心した様子で見ている。



沖田総司は少女を家に送ると、直ぐに屯所に戻ってきた。

屯所に戻ると同時に、斉藤一の姿を探し始めた。



沖田総司は斉藤一の姿を見つけた。

山南敬助と斉藤一は、二人で話しをしている。

沖田総司は山南敬助と斉藤一のもとへ、ゆっくりと歩き出した。



沖田総司が山南敬助と斉藤一のもとに来た。

山南敬助は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「総司。何かありましたか?」

沖田総司は考え込みながら、山南敬助と斉藤一に話し出す。

「今日、鈴ちゃんと会ったのですが、様子がおかしいんです。」

山南敬助は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「どのようにおかしいのですか?」

沖田総司は考え込みながら、山南敬助に話し出す。

「私に物凄く気を遣っています。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し掛ける。

「美鈴さんが総司に気を遣うのはいつもの事だろ。」

沖田総司は複雑そうな表情で斉藤一を見ている。

斉藤一は沖田総司を見ながら普通に話し掛ける。

「もっと具体的に話しをしろ。」

沖田総司は考え込みながら、斉藤一に話し出す。

「鈴ちゃんが悲しそうな顔で、自分は馬酔木みたいなのかと、尋ねてきました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し掛ける。

「総司は美鈴さんに、馬酔木のような人だと話しをしていないか?」

沖田総司は斉藤一を見ながら黙って頷いた。

斉藤一は沖田総司を黙って見ている。

沖田総司は考え込みながら、斉藤一に話し掛ける。

「この前、鈴ちゃんと一緒に会っている時に、馬酔木の花を見かけました。その時に、鈴ちゃんは馬酔木みたいだと言いました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し掛ける。

「美鈴さんの様子がおかしいのは、そのせいかもしれないな。」

沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し掛ける。

「なぜですか? 馬酔木は白くて小さい花がたくさん咲いていて、可愛い花ですよね。普通は喜びませんか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し掛ける。

「馬酔木の花の見た目は確かに可愛いと思う。」

沖田総司は斉藤一を不思議そうに見ている。

斉藤一は沖田総司に普通に話し掛ける。

「後は、馬酔木は虫を防ぐのにも使うよな。便利な花だよな。」

沖田総司は不思議そうに斉藤一を見ている。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「だが、馬酔木には毒がある。だから、馬酔木という名前になったそうだ。」

沖田総司は心配そうに斉藤一に話し掛ける。

「斉藤さん。もしかして、私は鈴ちゃんに酷い事を言ったのでしょうか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し掛ける。

「馬酔木は悪い花ではない。だから、総司の例えだけなら酷い事は言っていないと思う。ただ、美鈴さんが総司の例えを、違う意味で受取っている可能性は高いな。」

沖田総司は心配そうに斉藤一に話し掛ける。

「そんな。」

斉藤一は山南敬助を一瞥した。

山南敬助は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「総司は美鈴さんに、馬酔木を良い意味で例えて話しをしたという事を、わかるようにすれば良いと思います。」

沖田総司は山南敬助に心配そうに話し掛ける。

「山南さん。どうすれば良いのですか?」

山南敬助は微笑んで沖田総司に話し掛ける。

「馬酔木の花を詠んだ歌を贈るというのはどうですか?」

沖田総司は山南敬助にすがるように話し掛ける。

「山南さん。馬酔木の花を詠んだ歌と言われても、思い浮かびません。」

山南敬助は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「馬酔木を詠った歌は、何首もありますよ。」

沖田総司は山南敬助にすがるように話し掛けようとした。

伊東甲子太郎が、話しをしている最中の三人のもとやってきた。

山南敬助、沖田総司、斉藤一の三人は、伊東甲子太郎を同時に見た。

伊東甲子太郎は三人に微笑んで話し掛ける。

「楽しんでいる最中に申し訳ありません。山南さん。少しお時間を頂いてもよろしいでしょうか?」

山南敬助は微笑んで伊東甲子太郎を見ながら頷いた。

沖田総司はすがるような表情で山南敬助を見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し掛ける。

「総司。話しの続きは別な場所でしよう。俺が付き合う。」

沖田総司は斉藤一にすがるように話し掛ける。

「よろしくお願いします。」

沖田総司と斉藤一は、山南敬助と伊東甲子太郎に軽く礼をすると、その場を後にした。



伊東甲子太郎は微笑んで山南敬助に話し掛ける。

「三人で馬酔木の話しをしていたようですね。」

山南敬助は微笑んで伊東甲子太郎を見ながら頷いた。

伊東甲子太郎は微笑んで山南敬助に話し掛ける。

「馬酔木ですが、見た目は綺麗だとか可愛い花と言われていますが、毒がありますよね。」

山南敬助は微笑んで伊東甲子太郎を見ながら頷いた。

伊東甲子太郎は微笑んで山南敬助に話し出す。

「馬酔木は私の知っている方に似ています。」

山南敬助は不思議そうに伊東甲子太郎を見た。

伊東甲子太郎は微笑んで山南敬助に話し掛ける。

「最初に、見た目の良い所です。その方は優しくてたくさんの人に慕われています。人望も有り、たくさんの人に信頼もされています。馬酔木を見て綺麗とか可愛いと言う方がいますから、似ていますよね。」

山南敬助は不思議そうに伊東甲子太郎を見ている。

伊東甲子太郎は微笑んで山南敬助に話し掛ける。

「馬酔木は防虫に使われていまよね。便利な花ですよね。」

山南敬助は不思議そうに伊東甲子太郎を見ている。

伊東甲子太郎は微笑んで山南敬助に話し掛ける。

「それは、同時に毒の部分があるという事ですよね。」

山南敬助は話しの意味がわったのか、伊東甲子太郎をじっと見ている。

伊東甲子太郎は微笑んで山南敬助に話し掛ける。

「見る立場が変われば、どちらもなりますね。」

山南敬助は微笑んで伊東甲子太郎に話し掛ける。

「確かに怖いですね。」

伊東甲子太郎は微笑んで山南伊助に話し掛ける。

「沖田君と斉藤君も含めてとなりますが、何かに優れている人は、気を付けないといけませんね。」

山南敬助は微笑んで伊東甲子太郎に話し掛ける。

「そうですね。沖田君も斉藤君も優秀な人ですよね。気を付けるに越した事はないですよね。」

伊東甲子太郎は微笑んで山南敬助に話し掛ける。

「私達も気を付けないといけませんね。」

山南敬助は微笑んで伊東甲子太郎に話し掛ける。

「ご忠告ありがとうございます。」

伊東甲子太郎は微笑んで山南敬助に話し掛ける。

「お互いに気を付けましょう。」

山南敬助は微笑んで伊東甲子太郎を見ながら頷いた。

伊東甲子太郎は微笑んで山南敬助に話し掛ける。

「山南さん。籐堂君が待っています。早く行きましょう。」

山南敬助は微笑んで伊東甲子太郎を見ながら頷いた。

山南敬助と伊東甲子太郎は、話しをしながら居なくなった。



そんな出来事があったのとは別な日の事。

沖田総司と斉藤一と少女は、馬酔木の花が咲いている場所に居る。

三人の近くには池がある。

馬酔木の花が池の水面に写りながら、綺麗な姿で咲いている。

沖田総司は微笑んで文と馬酔木の花を、少女に差し出した。

少女は不思議そうに沖田総司を見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「鈴ちゃん。受取って。」

少女は微笑んで文と馬酔木の花を、沖田総司から受取った。

沖田総司は微笑んで少女に話し掛ける。

「鈴ちゃん。読んでみて。」

少女は不思議そうに文を読み始めた。

沖田総司は心配そうに少女の様子を見ている。

少女は文を読み終わると、微笑んで沖田総司を見た。

沖田総司は微笑んで少女に話し掛ける。

「鈴ちゃん。馬酔木の花を詠った歌を見つけたんだ。どうかな?」

少女は微笑んで沖田総司に話し掛ける。

「馬酔木の花を綺麗に詠ったお歌ですね。ありがとうございます。」

沖田総司は心配そうに少女に話し掛ける。

「鈴ちゃん。この前は言い方が悪くて、鈴ちゃんに悲しい思いをさせてしまった。ごめんね。」

少女は不思議そうに沖田総司を見た。

沖田総司は心配そうに少女に話し掛ける。

「私は、馬酔木の花が可愛かったから、鈴ちゃんみたいだと言ったんだ。」

少女は沖田総司をじっと見ている。

沖田総司は心配そうに少女に話し掛ける。

「馬酔木に毒があるという事を忘れていたんだ。」

少女は沖田総司をじっと見たまま返事がない。

沖田総司は心配そうに少女に話し掛ける。

「鈴ちゃんはいろいろと気が付くだから、私の言った事で悲しい思いをしているんじゃないかと、心配になったんだ。」

少女は微笑んで沖田総司に話し掛ける。

「総司さん。お気遣いを頂いてありがとうございます。」

沖田総司は安心した表情で少女を見ている。

少女は微笑んで沖田総司に話し掛ける。

「良いお歌も頂きました。ありがとうございました。」

沖田総司は微笑んで池のある方向を指しながら、少女に話し掛ける。

「鈴ちゃん。池を見て。」

少女は微笑んで沖田総司の指している方向を見た。

沖田総司は微笑んで少女に話し出す。

「馬酔木の花が綺麗だよね。」

少女は沖田総司を見ると、微笑んで話し掛ける。

「池の水面に馬酔木の花が映っています。綺麗ですね。」

沖田総司は池の近くにある馬酔木の花を採ると、少女の袖に入れた。

少女は不思議そうに沖田総司を見た。

沖田総司は微笑んで少女に話し出す。

「池水に 影さへ見えて 咲きにほふ 馬酔木の花を 袖に汲入れな」

少女は微笑んで沖田総司を見ながら頷いた。

沖田総司は微笑んで少女に話し掛ける。

「歌の通りになったね。」

少女は微笑みながら沖田総司に話し掛ける。

「嬉しいです。ありがとうございます。」

沖田総司は微笑んで少女を見ている。

少女は池の近くに咲いている馬酔木の花を採ると、恥ずかしそうに沖田総司の袖に入れた。

沖田総司は微笑んで少女を見ている。

少女は恥ずかしそうに沖田総司に話し掛ける。

「私も歌の通りにしてみました。どうでしょうか?」

沖田総司は微笑んで少女に話し掛ける。

「鈴ちゃん。ありがとう。」

少女は微笑んで沖田総司を見ている。



斉藤一は沖田総司と少女の様子を、少し離れた場所から黙って見ている。

沖田総司と少女は何かを話し合っている。

斉藤一は沖田総司と少女の様子を黙って見ている。

沖田総司と少女は、池の近くに咲いている馬酔木の花を採った。

斉藤一は沖田総司と少女の様子を黙って見ている。

沖田総司と少女は斉藤一のもとにやってきた。

斉藤一は沖田総司と少女を交互に見ている。

沖田総司と少女は微笑んで、馬酔木の花を斉藤一の袖に入れた。

斉藤一は沖田総司と少女を交互に見ている。

沖田総司は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「歌の通りにしてみました。」

斉藤一は沖田総司を黙って見ている。

沖田総司は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「斉藤さんは頼りになる人です。」

斉藤一は沖田総司を黙って見ている。

沖田総司は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「斉藤さんも一緒に馬酔木の花を見ましょう。」

斉藤一は沖田総司を見ながら黙って頷いた。

沖田総司と斉藤一と少女は、楽しそうに話しをしながら、馬酔木の花を見ている。



少女の笑顔も元に戻りました。

池の近くに咲いている馬酔木の花も、安心した様子で咲いています。

池の水面にも綺麗な姿を写しています。

今回も一応はめでたしめでたしとなりました。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語ですが、山南敬助さんが新撰組を脱走する少し前から直前の辺りを想像して書きました。

そのため、伊東甲子太郎さんが山南敬助さんに、馬酔木の花に例えて話しをしています。

沖田総司さんは鈴ちゃんを喜ばそうとしたのに、違う結果になってしまって、困っています。

斉藤一さんはいつもの様に、沖田総司さんと鈴ちゃんを、さり気なく助けています。

この物語に登場する歌は、「万葉集 第二十巻 四五一二番」の歌です。

「池水に、影さへ見えて、咲きにほふ、馬酔木の花を、袖に汲入れな」

ひらがなの読み方にすると、「いけみずに、かげさへみえて、さきにほふ、あしびのはなを、そでにこきれな」となります。

作者は、「大伴家持(おおとものやかもち)」です。

意味は、「池水(いけみず)に影を映して、美しく咲いている馬酔木(あしび)の花を、袖に入れましょう。」となるそうです。

原文は、「伊氣美豆尓 可氣左倍見要■ 佐伎尓保布 安之婢乃波奈乎 蘇弖尓古伎礼奈」です。

「■」の部分は、文字変換出来ない字のようです。

「馬酔木」ですが、「あしび」、または、「あせび」と読みます。

ここでは、「あしび」と読んでいます。

ツツジ科の有毒植物です。

殺虫剤に使われていたそうです。

二月の終わり頃から四月にかけて、枝の先に壷の形をした白い花を付けます。

ピンク色の花もあります。

馬が「あしび」を食べると苦しむので、「馬酔木」という名前が付いたと言われているそうです。

しかし、本当に馬が食べる訳ではないそうです。

「早緑月」は、「さみどりづき」と読みます。

「陰暦二月の異称」です。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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