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〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜


〜 桜月 春雨に桜の花は咲きそめにけり 〜


〜 改訂版 〜


登場人物

土方歳三、沖田総司、斉藤一、少女[美鈴・鈴]



「春雨に 争ひかねて 我が屋戸の 桜の花は 咲きそめにけり」

「万葉集 第十巻 一八六九番」より

作者:詠み人知らず



ここは、京の町。



桜の花の咲く季節の近付く頃。



今日は静かな春雨が降っている。



ここは、町中。



沖田総司は傘を差して、少女の様子を確認しながら、歩いている。

少女は傘を差して、沖田総司を幾度も見ながら、微笑んで歩いている。



少女は傘を差して、微笑んで止まった。

沖田総司は傘を差して、不思議な様子で止まった。



少女は傘を差して、上を微笑んで見た。

沖田総司は傘を差して、少女と上を、不思議な様子で見た。

少女は傘を差して、沖田総司を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。桜のつぼみが今にも開きそうです。」

沖田総司は傘を差して、上を微笑んで見た。

少女は傘を差して、沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は傘を差して、少女を見ると、少女に微笑んで話し出す。

「今にも桜のつぼみが開きそうだね。楽しみだね。」

少女は傘を差して、沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は傘を差して、少女を微笑んで見た。

少女は傘を差して、桜のつぼみを微笑んで見た。

沖田総司は傘を差して、少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん。上を長い時間も見ると濡れるよ。」

少女は傘を差して、沖田総司を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は傘を差して、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。外に長い時間も居ると濡れるよ。寺に早く行こう。」

少女は傘を差して、沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は傘を差して、少女を微笑んで見た。



沖田総司は傘を差して、微笑んで歩き出した。

少女は傘を差して、微笑んで歩き出した。



少女は傘を差して、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。桜の花が咲いたら、たくさんお出掛けしたいです。」

沖田総司は傘を差して、少女に微笑んで頷いた。

少女は傘を差して、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。約束ですね。」

沖田総司は傘を差して、少女に微笑んで頷いた。

少女は傘を差して、沖田総司を微笑んで見た。



少し後の事。



ここは、落ち着いた雰囲気の寺。



本堂。



縁の傍。



春雨の静かに降り続く様子が見える。



沖田総司は微笑んで座っている。

少女も微笑んで座っている。



沖田総司は境内を微笑んで見た。

少女は境内に植わる桜の木を微笑んで見た。

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は境内に植わる桜の木を見ながら、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。境内に植わる桜の木も、桜の花が直ぐに咲きそうです。」

沖田総司は境内の桜を微笑んで見た。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女を見ると、少女に微笑んで頷いた。

少女は沖田総司を微笑んで見ている。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。桜の花をたくさん一緒に見ようね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「桜の花が咲く間に、たくさん出掛ける場合は、都合を付けるのが大変だね。」

少女は沖田総司に心配して話し出す。

「総司さん。お仕事が忙しいですよね。大変ですよね。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「私は大丈夫だよ。鈴ちゃん。予定などは大丈夫?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「京の桜も綺麗だけど、江戸の桜も綺麗だよ。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんと一緒に江戸の桜が見たいな。」

少女は沖田総司を驚いた表情で見た。

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃんにも江戸の桜を見て欲しいんだ! 江戸の桜は本当に綺麗なんだよ!」

少女は沖田総司を寂しく見た。

沖田総司は少女を不思議な様子で見た。

少女は境内に植わる桜の木を寂しく見た。

沖田総司は少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん。大丈夫? 私は変な内容を話したのかな?」

少女は沖田総司を見ると、沖田総司に寂しく話し出す。

「総司さんは変な内容を話していません。」

沖田総司は少女に不安な様子で話し出す。

「鈴ちゃん。ご免ね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。私は大丈夫です。安心してください。」

沖田総司は少女に心配して頷いた。

少女は境内に植わる桜の木を寂しく見た。

沖田総司は少女を心配して見た。



春雨が静かに降り続いている。

今にも咲きそうな桜のつぼみにも、春雨は降り注いでいる。



暫く後の事。



ここは、屯所。



斉藤一の部屋。



斉藤一は普通に居る。



沖田総司は部屋を考えながら訪れた。



斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に考えながら話し出す。

「今日、鈴ちゃんと一緒に、直ぐに桜の花の咲きそうな桜の木を見ました。鈴ちゃんは最初の間は楽しく過ごしていました。鈴ちゃんは急に寂しい様子になりました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。美鈴さんに話した内容は何だ?」

沖田総司は斉藤一に考えながら話し出す。

「桜を一緒に見たいと話しました。京の桜は綺麗だと話しました。江戸の桜も綺麗だと話しました。鈴ちゃんに江戸の桜を見て欲しいと話しました。江戸の桜は本当に綺麗だと話しました。鈴ちゃんは急に寂しい表情になりました。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に心配して話し出す。

「良く考えると、鈴ちゃんは江戸の桜を簡単に見られません。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に心配して話し出す。

「私は、鈴ちゃんに江戸の桜を見て欲しいから話しました。私は、鈴ちゃんの気持ちを考えずに、話してしまいました。私は、鈴ちゃんを悲しませてしまいしまた。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に心配して話し出す。

「鈴ちゃんの笑顔を戻す方法は有りますか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんが江戸に桜を見に行く。一番に簡単で一番に良い方法がある。」

沖田総司は斉藤一を笑顔で見た。

斉藤一は沖田総司の耳元に普通の表情で顔を近付けた。

沖田総司は斉藤一に赤面して大きな声で話し出す。

「斉藤さん! 何を話しているのですか! 鈴ちゃんが困まってしまいます!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺は普通の内容を話している。美鈴さんは困らない。美鈴さんは喜ぶ。安心しろ。」

沖田総司は斉藤一に赤面して大きな声で話し出す。

「斉藤さんは嘘つきです! 鈴ちゃんは絶対に困ります! 鈴ちゃんは物凄く大切な友達です! 私は鈴ちゃんに斉藤さんの話す内容を話せません!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。



沖田総司は部屋を赤面して慌てて出て行った。



斉藤一は沖田総司の去る様子を普通の表情で見た。



翌日の事。



ここは、町中。



沖田総司は京の町の警護のために、颯爽と歩いている。



沖田総司の視線の先に、桜の木が見えた。



沖田総司は桜の木を見るために、歩みが少し遅くなった。



桜の木が少しずつ近付いてきた。



沖田総司は桜の木の前で普通に止まった。



沖田総司は桜の木を普通の表情で一瞥した。



桜の木は今にも桜の花の咲きそうな姿を見せている。



沖田総司は直ぐに前を普通の表情で向いた。



沖田総司は普通の表情で颯爽と歩き出した。



暫く後の事。



ここは、屯所。



玄関。



沖田総司は普通に戻ってきた。



沖田総司は外を普通の表情で見た。



春雨が降り出した。



沖田総司は屯所の中に普通に入った。



暫く後の事。



ここは、屯所。



斉藤一の部屋。



斉藤一は普通に居る。



沖田総司は部屋を微笑んで訪れた。



斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「屯所に戻ってから、春雨が降りました。春雨に濡れませんでした。良かったです。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「警護の途中で、直ぐに桜の花の咲きそうな桜の木を見付けました。桜の花が咲いて、鈴ちゃんと出掛ける時が、楽しみです。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「桜の花が咲いたら、斉藤さんも一緒に出掛けます。忘れずに予定を空けてくださいね。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司の話は、決まった話、約束、に感じる。」

沖田総司は斉藤一に心配して話し出す。

「斉藤さん。一緒に出掛けられないのですか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「都合が付けば一緒に行く。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「都合を付ける、ではなくて、都合を付けてください。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 話は終わりました! 失礼します!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。



沖田総司は部屋を笑顔で出て行った。



翌日の事。



ここは、京の町。



今日も春雨が降っている。



ここは、屯所。



縁。



沖田総司は嬉しい様子で居る。



一室。



障子は開いている。



土方歳三は沖田総司を普通の表情で見ている。



斉藤一は部屋の中に普通に入った。



土方歳三は沖田総司を見ながら、斉藤一に普通に話し出す。

「総司。朝から嬉しい様子だな。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は沖田総司を見ながら、斉藤一に普通に話し出す。

「“春雨に 争ひかねて 我が屋戸の 桜の花は 咲きそめにけり”。斉藤。今の歌を知っているか。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は沖田総司を見ながら、斉藤一に微笑んで話し出す。

「総司が咲き始めの桜を詠んだ歌の中で、良い歌がないかと質問した。簡単に該当する歌を教えるのは、面白くないだろ。総司の質問に答えなかった。総司は困った様子だった。」

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は沖田総司を見ながら、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。総司に直ぐに教える方が良いかな。」

斉藤一は沖田総司を見ると、土方歳三に普通に話し出す。

「総司が今の歌を既に知るか分かりません。総司に、今の歌を教えれば、喜びます。」

土方歳三は斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「俺は今の歌について話すのを止める。斉藤から今の歌について話してくれ。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一に微笑んで頷いた。



斉藤一は部屋を普通に出て行った。



暫く後の事。



ここは、京の町。



春雨は降り続いている。



ここは、落ち着いた雰囲気の寺。



境内。



沖田総司は傘を差して、微笑んで来た。

少女も傘を差して、微笑んで来た。



少女は傘を差して、境内を微笑んで見た。

沖田総司も傘を差して、境内を微笑んで見た。



春雨は止んでいる。



沖田総司は傘を差して、少女を見ると、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。春雨が止んだね。」

少女は傘を差して、沖田総司を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は傘を微笑んで閉じた。

少女も傘を微笑んで閉じた。

少女は傘を持ち、境内に植わる桜の木を微笑んで見た。



明日にも桜の花の咲きそうな桜の木の姿になっている。



沖田総司は傘を持ち、少女に微笑んで話し出す。

「“春雨に 争ひかねて 我が屋戸の 桜の花は 咲きそめにけり”。」

少女は傘を持ち、沖田総司を不思議な様子で見た。

沖田総司は傘を持ち、少女に微笑んで話し出す。

「桜の花は咲き始めていないけれど、今の時期に良い歌かなと思って詠んだんだ。」

少女は傘を持ち、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。今のお歌。万葉集に掲載しているお歌ですか?」

沖田総司は傘を持ち、少女に不思議な様子で話し出す。

「鈴ちゃん。今の歌を知っているの?」

少女は傘を持ち、沖田総司に微笑んで話し出す。

「いろいろなお歌を少しずつ覚えています。少し前に今のお歌を知りました。」

沖田総司は傘を持ち、少女を恥ずかしく見た。

少女は傘を持ち、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんは、いろいろな物事をたくさん知っています。私は、更に勉強します。」

沖田総司傘を持ち、少女に僅かに慌てて話し出す。

「鈴ちゃん。」

少女は傘を持ち、沖田総司を不思議な様子で見た。

沖田総司は傘を持ち、少女に僅かに慌てて話し出す。

「鈴ちゃん。私は物知りではないよ。私のために無理をしないでね。」

少女は傘を持ち、沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。無理をしないように気を付けます。」

沖田総司は傘を持ち、少女を安心して見た。

少女は傘を持ち、沖田総司に微笑んで話し出す。

「花について詠んだお歌。素敵なお歌が多いですね。」

沖田総司は傘を持ち、少女に苦笑して頷いた。

少女は傘を持ち、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんから、お歌を頂いた時に、しっかりとお礼を伝えるために、勉強します。」

沖田総司は傘を持ち、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。一緒に歌の勉強をしよう。」

少女は傘を持ち、沖田総司に微笑んで出す。

「はい。」

沖田総司は傘を持ち、少女を微笑んで見た。

少女も傘を持ち、沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は傘を持ち、境内に植わる桜の木を微笑んで見た。

少女も傘を持ち、境内に植わる桜の木を微笑んで見た。



「春雨に 争ひかねて 我が屋戸の 桜の花は 咲きそめにけり」

桜のつぼみには、春雨の雫がついている。

明日には、桜の花の咲く姿が見られるかも知れない。

京の町に桜の花の咲く季節が、直ぐ前まで訪れている。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

この物語の中に登場する歌は「万葉集 第十巻 一八六九番」

「春雨に 争ひかねて 我が屋戸の 桜の花は 咲きそめにけり」

ひらがなの読み方は「はるさめに あらそひかねて わがやどの さくらのはなは さきそめにけり」

作者は「詠み人知らず」

歌の意味は「春雨がせかすように降るので、家の庭の桜の花が咲き始めましたね。」となるそうです。

原文は「春雨尓 相争不勝而 吾屋前之 櫻花者 開始尓家里

この物語の補足です。

ほのぼのとした沖田総司さんと鈴ちゃんが書きたくて、考えた物語です。

史実の沖田総司さんが、歌を詠む、歌を贈る、などの話はほとんど聞きません。

そのような話の中で、沖田総司さんが詠んだとされる歌が、一首だけあります。

しかし、その歌は、沖田総司さんの歌ではないかと推測されるだけで、確証は無いそうです。

沖田総司さんも、自分で歌を作るかは別にして、好きな女性に歌を贈ったかも知れないと考えて、「雪月花 新撰組異聞 編」の中で、鈴ちゃんに歌を贈っています。

「雪月花 新撰組異聞 編」の中で、沖田総司さんは、男性ですが、斉藤一さんにも歌を贈っています。

「春雨」についてです。

「はるさめ」、または、「しゅんう」、と読みます。

この物語の題名や本文は、「はるさめ」と読んでいます。

「春に、しとしとと静かに降る雨。」を言います。

「桜月(さくらづき)」についてです。

「陰暦三月の異称」です。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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