このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜


〜 葉桜月夜と行き散る者 誰をかも知る人にせむ 〜


〜 改訂版 〜


登場人物

土方歳三、沖田総司、斉藤一、島田魁、市村鉄之助




「誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔も 友ならなくに」

「小倉百人一首 三十四番」、及び、「古今集」、より

作者:藤原興風(ふじわらのおきかぜ)




ここは、函館。



現在は、明治と呼ぶ新しい時代になっている。



新撰組の隊士達は、北の国の戦いの場所を少しずつ変えていき、函館に着いた。

新政府軍と幕府軍の戦いは、函館に場所を移す情況になった。



或る夜の事。



辺りには、心地好い暖かさが広がっている。



戦いの続く厳しい日々が続いていたが、珍しく落ち着いた夜を迎えた。



新撰組の隊士達の楽しく話す姿と楽しく話す声が、辺りを明るい雰囲気にしている。



一軒の家。



土方歳三は、新撰組の隊士達を見ながら、一人だけで普通の表情で静かに席を離れた。



ほとんどの新撰組の隊士達は、土方歳三が席を外す行動を気にする様子がない。

数人の隊士が、土方歳三の席を外す行動を一瞥したが、変わらない様子で話し続けている。



木の傍。



土方歳三は普通の表情で来た。



土方歳三は月を普通の表情で見た。



月の光は辺りを静かに照らしている。



土方歳三は海の在る方向を普通の表情で見た。



夜のため、海の詳しい様子は分からない。



土方歳三は月を普通の表情で見た。



辺りに心地好い風が吹いた。



土方歳三は海の在る方向を見ると、微笑んで呟いた。

「“誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔も 友ならなくに”」

土方歳三は辺りを微笑んで見た。



辺りに人の姿は見えない。

辺りに人の居る気配を感じない。



土方歳三は月を見ると、苦笑して呟いた。

「俺らしくないかな?」



土方歳三の後から、土方歳三が以前に聞き慣れた明るい声が聞こえた。

「はい! 思います!」



辺りが優しい雰囲気に包まれた。



土方歳三は後ろを苦笑して見た。



辺りには、既に散った桜が、満開になって咲いている。



土方歳三は辺りを苦笑して見た。



辺りに人の姿は見えない。



土方歳三に向かって心地好い風が吹いた。



土方歳三は後ろを見ながら、苦笑して声を掛ける。

「声が聞こえる。傍に居るのだろ。早く姿を見せろ。」



桜の花が月の光を受けて淡く輝いた。



沖田総司が木の陰から笑顔で現れた。



沖田総司は既に亡くなっている状況になる。



土方歳三は沖田総司を見ると、普通の表情でため息を付いた。

沖田総司は土方歳三を不思議な様子で見た。

土方歳三は沖田総司に素っ気無く話し出す。

「総司。俺は、“誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔も 友ならなくに”、と詠んだ。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「はい。土方さんに呼ばれたので、土方さんに逢いに来ました。」

土方歳三は沖田総司に素っ気無く話し出す。

「俺は総司に対して歌を詠んだ訳ではない。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「はい。土方さんに呼ばれたので、土方さんに逢いに来ました。」

土方歳三は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は土方歳三に不思議な様子で話し出す。

「もしかして、近藤さんにも逢いたかったですか?」

土方歳三は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「もしかして、近藤さんの様子が知りたいですか?」

土方歳三は沖田総司に普通に話し出す。

「知りたいとは思わない。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「近藤さんに伝言はありますか?」

土方歳三は沖田総司に普通に話し出す。

「無い。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方さん。元気ですね。安心しました。」

土方歳三は沖田総司に怪訝な様子で話し出す。

「もしかして、総司は、俺が落ち込んでいると思って、俺を励ましにきたのか?」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「私の姿が見えて、私と話せる。土方さんは私に会って話したい内容がある状況です。土方さんは私に目的の内容を話しません。少しだけですが、心配になりました。」

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司が俺を心配する状況ならば、他の隊士達は俺を更に心配する状況になる。更に気を引き締める必要がある。」

沖田総司は土方歳三に苦笑して話し出す。

「土方さん。今は気を張る必要のない状況です。今は気を楽にしてください。」

土方歳三は沖田総司に普通に話し出す。

「剣術以外の内容に鈍い総司が、心配する状況。駄目な状況になる。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方さんは何時もしっかりとしています。安心してください。隊士達は土方さんを信頼して慕っています。隊士達の前では、気を楽にして過ごせませんよね。私の前では、気を楽にして過ごしてください。」

土方歳三は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方さん。近藤さんには敵いませんが、土方さんの傍に何時も居て、土方さんの細かい状況まで理解する人物が居ます。今は、残念ながら、該当する人物の姿は見えませんね。」

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「俺の細かい状況まで理解している人物の名前。是非、教えてくれ。」

沖田総司は土方歳三を微笑んで見た。

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「斉藤、などと答えるのだろ。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで頷いた。

土方歳三は沖田総司に不思議な様子で話し出す。

「他に誰かいるのか?」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「近藤さんは、土方さんの一番の理解者だと思います。斉藤さんも、土方さんを理解しています。近藤さんと斉藤さんには敵わないけれど、土方さんを理解する人物が、土方さんの傍に居ると思います。」

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司の話す人物。誰だ?」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「高砂の松は無理でも、傍に居ます。」

土方歳三は沖田総司に苦笑して話し出す。

「総司。向こうに行ってから、性格が変わっただろ。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「私は性格が変わりましたか?」

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司と話しても楽しくない。総司と一緒に居るのは飽きた。」

沖田総司は土方歳三を苦笑して見た。

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司。今の世に居る総司の高砂の松に、早く逢いに行け。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「はい。逢いに行きます。」

土方歳三は沖田総司に普通に話し出す。

「今の世に居る高砂の松とは、今も話しが出来ないのか?」

沖田総司は土方歳三に寂しく話し出す。

「はい。」

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司。しっかりしろ。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「はい。」

土方歳三は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は土方歳三に微笑んで軽く礼をした。

土方歳三は沖田総司に微笑んで頷いた。



辺りに心地好い風が吹いた。



沖田総司は微笑んで、静かに居なくなった。



直後の事。



一軒の家。



市村鉄之助は席に付いて隊士達の話を普通の表情で聞いている。



市村鉄之助の横に居る隊士が市村鉄之助に絡み始めた。

市村鉄之助は市村鉄之助に絡む隊士に困惑して話し出す。

「止めてください。」

市村鉄之助に絡む隊士は市村鉄之助を解放しない。

市村鉄之助は市村鉄之助に絡む隊士を見ながら、困惑してため息をついた。



島田魁は市村鉄之助に絡む隊士の前に普通に来た。



市村鉄之助は市村鉄之助に絡まれながら、島田魁を困惑して見た。

市村鉄之助を絡む隊士は、島田魁を見ると、市村鉄之助を慌てて直ぐに放した。

島田魁は市村鉄之助に普通に話し出す。

「鉄之助。何故、黙っている?」

市村鉄之助は島田魁を困惑して見た。

島田魁は市村鉄之助を絡む隊士に普通に話し出す。

「仲間に絡んで何をしたい? 力が有り余っているならば、維新側の人物を一人でも多く斬るか、見回りをして函館の人達を守る、などの、力を使う方法はたくさんある。」



市村鉄之助に絡む隊士は困惑して居なくなった。



島田魁は市村鉄之助の耳元で普通の表情で小さい声で話し出す。

「鉄之助。土方さんが居ない。みんなが気付くと騒がしくなる。静かに外に出て、土方さんを探しに行け。」

市村鉄之助は島田魁を見ると、島田魁に微笑んで軽く礼をした。



島田魁は自分の席へ普通に戻った。



市村鉄之助は微笑んで静かに居なくなった。



僅かに後の事。



木の傍。



土方歳三は辺りを微笑んで見た。



桜の花は咲いていない。



葉桜の姿に戻っている。



土方歳三は夜空を微笑んで見た。



月が輝いている。



土方歳三は海の在る方を見ると、微笑んで呟いた。

「“誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔も 友ならなくに”。」

土方歳三は月を見ると、苦笑して呟いた。

「答える人物は、居ないよな。」

土方歳三は辺りを苦笑して見た。



辺りに人の姿は見えない。



土方歳三の後から、人の近付く気配がする。



土方歳三は一瞬だけ気構えた。



土方歳三は直ぐに怪しい気配ではないと分かった。



土方歳三は後ろを微笑んで見た。



辺りには、優しい雰囲気の気配はするが、人の姿は見えない。



土方歳三は後ろを見ながら、微笑んで呟いた。

「近藤さんか総司が、傍に居るみたいだ。」



木の影から人の現れる気配が分かった。



土方歳三は木の影から出てくる人物を微笑んで見た。



市村鉄之助が木の影から不思議な様子で姿を見せた。



土方歳三は市村鉄之助に微笑んで話し出す。

「鉄之助。何をしに来た?」

市村鉄之助土方歳三に微笑んで話し出す。

「島田先生が、土方先生が居ないので、探しに行くように頼みました。土方先生はお一人で月を見ていると思いました。近くに在る月の綺麗な場所に来ました。」

土方歳三は市村鉄之助に苦笑して話し出す。

「今の鉄之助の話から想像すると、俺の居る場所を分かっていた状況になる。今の鉄之助の話の内容は、探す表現は使わない。」

市村鉄之助は土方歳三に微笑んで話し出す。

「実は、皆さんはいろいろなお話しで盛り上がっていました。私には、難しい内容の話、分からない内容の話、のみで、困っていました。島田先生は、私を気遣って、外に出してくれたと思います。」

土方歳三は市村鉄之助に苦笑して話し出す。

「鉄之助。下手だ。」

市村鉄之助は土方歳三を不思議な様子で見た。

土方歳三は市村鉄之助を苦笑して見た。

市村鉄之助は土方歳三に言い難く話し出す。

「実は、先程、土方先生に似た声で、近藤先生と沖田先生のお名前を呼んでいたように聞こえました。」

土方歳三は市村鉄之助を普通の表情で見た。

市村鉄之助は土方歳三に申し訳なく話し出す。

「申し訳ありません。私の聞き間違いだと思います。変な内容を話してしまいました。」

土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。

「鉄之助。俺に似た声を聞いた時に、桜が満開になって咲く様子を見た、誰か他の話し声が聞こえた、などの内容を見聞きしたか?」

市村鉄之助は土方歳三に不思議な様子で話し出す。

「桜の季節は先日に終わりました。桜の花は全て散りましたよね。話し声は聞こえませんでした。」

土方歳三は市村鉄之助を微笑んで見た。

市村鉄之助は土方歳三に心配して話し出す。

「土方先生。もしかして、近くに敵。」

土方歳三は市村鉄之助に微笑んで話し出す。

「俺は敵とは話していない。島田や鉄之助のように、俺を心配する人物が他にいるかと思って、確認しただけだ。」

市村鉄之助は土方歳三に微笑んで話し出す。

「島田先生だけではありません。私だけではありません。みんなが土方先生を心配しています。」

土方歳三は市村鉄之助を微笑んで見た。

市村鉄之助は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方先生を信頼して、みんなで函館まで着ました。みんなは土方先生を尊敬しています。不安はありません。」

土方歳三は市村鉄之助を微笑んで見ている。

市村鉄之助は土方歳三に微笑んで話し出す。

「私も土方先生を尊敬しています。」

土方歳三は市村鉄之助を微笑んで見ている。

市村鉄之助は土方歳三に微笑んで話し出す。

「私も土方先生を信頼しています。」

土方歳三は市村鉄之助を微笑んで見ている。

市村鉄之助は土方歳三に微笑んで話し出す。

「私も先生にずっと付いていきたいと思っています。」

土方歳三は市村鉄之助に微笑んで話し出す。

「分かった。話を止めろ。」

市村鉄之助は土方歳三を安心した表情で見た。

土方歳三は市村鉄之助に微笑んで話し出す。

「鉄之助。戻る。一緒に付いて来い。」

市村鉄之助は土方歳三に微笑んで話し出す。

「はい。」

土方歳三は市村鉄之助を微笑んで見た。



土方歳三は微笑んで歩き出した。

市村鉄之助も微笑んで歩き出した。



直後の事。



ここは、北の地の或る場所。



辺りは月の光に照らされている。



葉桜の木の傍。



沖田総司は微笑んで、静かに現れた。



沖田総司は辺りを微笑んで見た。



葉桜の木にもたれ掛かり座る男性の人影が見える。



男性は、目を閉じている。



男性は、一見すると寝ている様子に見える。



男性は、沖田総司のように戦いの中で生き抜いた者には、気配などから寝ていない様子が分かる。



男性は、沖田総司のように常に傍に居た者にも、気配などから寝ていない様子が分かる。



男性は、見慣れていない者が姿を見ると、寝ている様子にしか見えない。



沖田総司は男性を微笑んで見た。



葉桜の木が、次々に桜の花を咲かせた。



葉桜の木にもたれ掛かる男性は、目を閉じて座り続けている。



男性の頭上には、満開の桜の花が咲いている。



沖田総司は男性に微笑んで静かに話し掛ける。

「斉藤さん。なかなか傍に行けません。ゆっくりと話すのは、今は無理かも知れませんが、少しだけで良いから、話したいと思う時があります。」

男性は満開の桜の木にもたれ掛かり、目を閉じている。

沖田総司は男性に微笑んで静かに話し掛ける。

「“誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔も 友ならなくに”。先程、土方さんが詠んだ歌です。」

男性は満開の桜の木にもたれ掛かり、目を閉じている。

沖田総司は男性に微笑んで静かに話し掛ける。

「斉藤さんは誰の名前を挙げるでしょうか? 知りたくなりました。」

男性は満開の桜の木にもたれ掛かり、目を閉じている。

沖田総司は男性に微笑んで静かに話し掛ける。

「斉藤さん。風邪をひかないように気を付けてくださいね。ずっと元気で過ごしてくださいね。」

男性は満開の桜の木にもたれ掛かり、目を閉じている。

沖田総司は男性に微笑んで静かに話し掛ける。

「斉藤さん。戻る時間になりました。」

男性は満開の桜の木にもたれ掛かり、目を閉じている。

沖田総司は男性に微笑んで軽く礼をした。



男性は満開の桜の木にもたれ掛かり、目を閉じている。



沖田総司は微笑んで、静かに居なくなった。



辺りの桜は満開の桜から葉桜へと戻った。



男性は満開の桜の木にもたれ掛かり、ゆっくりと目を開けた。

男性は辺りを普通の表情で見た。



葉桜が見える。



変わった様子は無い。



人の気配を感じない。



人の姿も見えない。



男性は地面を普通の表情で見た。



桜の花びらが一枚だけ落ちている。



男性は桜の花びらを拾うと、桜の花びらを普通の表情で見た。



桜の花びらは、先程まで咲いていたように感じるほどの綺麗な姿をしている。



男性は桜の花びらを持ち、桜の花びらを見ながら、普通の表情で呟いた。

「隠れるのが下手なのか。分かって欲しいのか。はっきりとしない。」

男性は桜の花びらを持ち、桜の花びらを見ながら、普通の表情で呟いた。

「あいつらしい。」



桜の花びらは、男性の手の中で、淡く光ったように感じた。



男性は桜の花びらを普通の表情で掌に握り締めた。



男性は桜の花びらを掌で握り締めて、普通の表情で静かに立った。



辺りは月の光で淡く照らされている。



男性は桜の花びらを掌で握り締めて、普通の表情で居なくなった。




*      *      *      *      *     *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

この物語に登場する歌は、「小倉百人一首 三十四番」、及び、「古今集」

「誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔も 友ならなくに」

ひらがなの読み方は「たれをかも しるひとにせむ たかさごの まつもむかしも ともならなくに」

作者は「藤原興風(ふじわらのおきかぜ)」

歌の意味は、「みんながあの世に旅立った今、いったい誰を親友とすればいいのでしょうか。あの長寿の高砂の松でさえ、昔からの友達ではないのに。」、となるそうです。

この歌の「高砂」は、「播磨(現在の兵庫県高砂市)」の国の枕言葉だそうです。

枕詞というと、歌の中に導かれる言葉が詠まれています。

しかし、この歌の中には、「播磨」の言葉はありません。

「高砂の松」を「播磨の国」の枕詞として詠んだかについては、解釈がいろいろとあるようです。

この物語の中では、「高砂」は関係せずに、歌の意味から物語を考えました。

この物語の補足です。

この物語の舞台を何処にしようか考えましたが、函館が一番良いと考えました。

この物語の中心は、函館を舞台にして書きました。

この物語の最後の方に登場する男性は、斉藤一さんです。

斉藤一さんの居る場所は、函館ではありません。

斉藤一さんは、函館には行かずに会津に残りました。

この物語の設定時は、斉藤一さんと名乗っていません。

この物語は、ゆったりとした時間が流れていますが、実際の状況は少し違っていたと思います。

毎日厳しい状況ではなかったと考えて、このような雰囲気の物語になりました。

この歌の意味を知った時に、思い浮かんだのは、土方歳三さんと斉藤一さんでした。

いろいろと考えて、この物語の中心を、土方歳三さんにしました。

斉藤一さんにもこの歌を詠む場面を作ろうと考えましたが、状況から考えると詠むように思えませんでした。

そのため、斉藤一さんはこの物語では歌を詠んでいません。

「行き散る(ゆきちる)」についてです。

「ちりぢりになる。ちりぢりに別れる。」という意味です。

楽しんで頂けると嬉しいです。





←前            目次            次→


このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください