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〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜


〜 初夏の夜の夢 今夜の長さ五百夜継ぎこそ 〜


〜 改訂版 〜


登場人物

沖田総司、斉藤一、少女[美鈴・鈴]

夜の国の住民 夢




「天にます 月読壮武 賄はせむ 今夜の長さ 五百夜継ぎこそ」

「万葉集 第六巻 九八五番」より

作者:湯原王(ゆはらのおおきみ)




暦が春から夏へ移ってから少し後の事。



ここは、京の町。



暑さを感じる日もある。

心地良い日もある。

本格的な夏の気配を感じるのは少し先になる頃になる。



今日は、青空が広がっている。



ここは、落ち着いた雰囲気の場所。



木の下。



沖田総司は微笑んで居る。

少女も微笑んで居る。



沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。白色の小さい可愛い浜茄子を見付けたんだ。名前は、八重姫はまなす、というんだ。近い内に、私と斉藤さんと鈴ちゃんで、八重姫はまなすを見に行こう。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「白色の小さい可愛い浜茄子。八重姫はまなす。見る時が楽しみです。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「八重姫はまなすを見た時に、鈴ちゃんを思い出したんだ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「気を遣って頂いてありがとうございます。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「気を遣っていないよ。白色で小さくて可愛い浜茄子だから、鈴ちゃんを思い出したんだ。」

少女は沖田総司を恥ずかしく見た。

沖田総司は少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん。大丈夫? 暑くて調子が悪くなったのかな? 日差しが少し強いから、調子が悪くなったのかな?」

少女は沖田総司に恥ずかしく話し出す。

「大丈夫です。」

沖田総司は少女に心配して話し出す。

「辛くなった時は、無理せずに教えてね。」

少女は沖田総司に恥ずかしく話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。八重姫はまなすを見に行く日は、数日後になると思うんだ。大丈夫?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。楽しみだね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女も沖田総司を微笑んで見た。



数日後の事。



ここは、京の町。



朝から少し強めの雨が降り続いている。



ここは、屯所。



縁。



沖田総司は雨の降る様子を不安な様子で見ている。



斉藤一が普通に来た。



沖田総司は斉藤一を見ると、斉藤一に心配して話し出す。

「少し強い雨が降っています。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「雨は直ぐには止まないかも知れない。」

沖田総司は斉藤一に心配して話し出す。

「浜茄子を見に行くのは無理ですよね。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に心配して話し出す。

「予定を立て直します。次の予定の日まで浜茄子の花は綺麗に咲いているでしょうか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「雨は少し強く降っている。次の予定の日まで浜茄子の花が咲いているか分からない。」

沖田総司は斉藤一に寂しく話し出す。

「斉藤さん。少し経ったら鈴ちゃんの家に行きます。斉藤さんも一緒に鈴ちゃんの家に行きますか?」

斉藤一は沖田総司を見ながら、普通の表情で首を横に振った。

沖田総司は斉藤一に心配して話し出す。

「斉藤さん。次の予定の時も、私と斉藤さんと鈴ちゃんで、浜茄子を見に行けますよね?」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「安心しました。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。途中で雨が止んだら、鈴ちゃんの家の前まで来てください。一緒に出掛けましょう。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。



少し後の事。



ここは、少女の家。



玄関。



沖田総司は微笑んで訪れた。



少女は微笑んで現れた。



沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。今日は雨が強く降っているから、八重姫はまなすを見に行くのを止めようと思うんだ。」

少女は沖田総司を寂しく見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「差し支えなければ、鈴ちゃんの部屋で一緒に話したいと思うんだ。良いかな?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。家に上がってください。」

沖田総司は少女を微笑んで頷いた。



沖田総司は家の中に微笑んで入って行った。

少女も家の中に微笑んで入って行った。



数日後の事。



ここは、京の町。



雨が降る日、曇る日、が続いている。



ここは、屯所。



縁。



沖田総司は空を心配して見ている。



斉藤一は普通に来た。



斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「次の約束の日までに数日ほどある。今から心配するな。」

沖田総司は斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「天気のはっきりとしない日が続きます。次の予定の日も、雨が降ってしまって、鈴ちゃんの寂しい姿を想像してしまいました。約束の日は晴れて、鈴ちゃんの笑顔が見られると信じます。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。



約束を翌日に控えた夜の事。



ここは、京の町。



綺麗な星空が広がっている。



ここは、屯所。



沖田総司の部屋の前に在る縁。



沖田総司は空を微笑んで見ている。



沖田総司が空を見ながら、微笑んで呟いた。

「今夜は星が綺麗に輝いている。約束の日も晴れると良いな。」



沖田総司は部屋の中に微笑んで入って行った。



暫く後の事。



ここは、屯所。



沖田総司の部屋。



部屋の中には、蚊帳が吊ってある。



蚊帳の中には、床が敷いてある。



沖田総司が床の中で、静かに寝ている。



沖田総司を幾度も感じる不思議な気配が包んだ。



沖田総司は床の中で、ゆっくりと目を開けた。



沖田総司は床の中で、部屋の中を微笑んで見た。



少女が微笑んで、静かに現れた。



沖田総司には、少女と同じ顔の夜の国の住人の“夢”だと直ぐに分かった。



沖田総司は床の中で、夢に微笑んで話し出す。

「夢ちゃん。こんばんは。」

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。こんばんは。」

沖田総司は床の上に微笑んで体を起こした。

夢は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は床の上に体を起こし、夢に微笑んで話し出す。

「夢ちゃん。今夜も夜の国に連れて行ってくれるんだよね。」

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は床の上に体を起こして、夢を微笑んで見た。

夢は沖田総司に微笑んで抱き付いた。

沖田総司は床の上に体を起こして、赤面して、動きを止めた。



夢は沖田総司を抱いて、微笑んで、静かに居なくなった。

沖田総司は床の上に体を起こして、赤面して、静かに居なくなった。



一瞬の後の事。



ここは、夜の国。



夜空には、月と満天の星が、綺麗に輝いている。



草原。



たくさんの星が夜空を覆うように輝いている。



夢は沖田総司を抱いて、微笑んで、静かに現れた。

沖田総司は動きを止めて、赤面して、静かに現れた。



夢は沖田総司から微笑んで放れた。

沖田総司は夢を赤面して見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。夜の国に到着しました。」

沖田総司は夢を赤面して見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。夜空にたくさんの星が輝いています。」

沖田総司は夜空を赤面して見た。

夢は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は夜空を見ながら、微笑んで呟いた。

「綺麗だな。」

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。突然ですが、暫くの間、失礼します。」

沖田総司は夢を見ると、夢に不思議な様子で話し出す。

「夢ちゃん。鈴ちゃんも斉藤さんも、夜の国に来ているよね。」



夢は微笑んで、静かに居なくなった。



沖田総司は辺りを不思議な様子で見た。



沖田総司の元に甘い香りが届いた。



沖田総司から少し離れた場所に、色とりどりの花がたくさん咲く姿が見えた。



沖田総司は色とりどりの花に向かって微笑んで近付いた。



直後の事。



ここは、夜の国。



たくさんの色とりどり花の咲く場所。



辺りは、甘い香りが立ち込めている。



少女はたくさんの色とりどりの花を微笑んで見ている。

少女は景色とたくさんの色とりどり花を見ながら、微笑んで呟いた。

「綺麗。素敵な香り。」



斉藤一が普通に来た。



少女は斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。たくさんの色のお花が咲いています。綺麗です。素敵な香りがします。」

斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「色とりどりのお花。浜茄子の花に似ています。名前を知っていますか?」

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「薔薇。」

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「色とりどりのお花の名前。ばら。勉強になりました。」

斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。



直後の事。



ここは、夜の国。



たくさんの色とりどりのバラの花の咲く場所。



辺りは、甘い香りが立ち込めている。



沖田総司は微笑んで来た。



沖田総司は色とりどりのバラの花を見ると、微笑んで呟いた。

「綺麗だな。鈴ちゃんが見たら喜ぶな。」



星の光が、沖田総司と色とりどりのバラの花を照らした。



沖田総司はバラの花を微笑んで花を手折ろうとした。



夢が慌てた様子で、静かに現れた。



沖田総司は夢を不思議な様子で見た。

夢は沖田総司に僅かに慌てて話し出す。

「総司さん。言い忘れました。バラがたくさん植わっています。バラには、棘があります。バラの棘で怪我をする可能性が有ります。気を付けてください。」

沖田総司は夢を不思議な様子で見ている。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんの手折ろうとした花が、バラです。」

沖田総司は夢に微笑んで話し出す。

「ばら、という名前なんだ。」

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は夢に微笑んで話し出す。

「ばらに似る花に、浜茄子の花があるんだ。」

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「浜茄子は、バラの一種類です。」

沖田総司は夢を感心して見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「言い忘れた内容は伝えました。再び、暫くの間、失礼します。」

沖田総司は夢を微笑んで見た。



夢は微笑んで、静かに居なくなった。



沖田総司の元に、甘い香りが届いた。



沖田総司は辺りを微笑んで見た。



沖田総司から少し離れた場所で、斉藤一と少女が、色とりどりのバラの花を見ている。



斉藤一と少女は、沖田総司の姿に気付いていない。



沖田総司は辺りを微笑んで見た。



沖田総司の傍に、濃い紅色のバラの花が見えた。



濃い紅色のバラの花は、星の光の下で、姿で咲いている。



沖田総司は濃い紅色のバラの花を、棘に気を付けて微笑んで手折った。



沖田総司は濃い紅色のバラの花を注意して持ち、斉藤一と少女の元へ微笑んで歩き出した。



直後の事。



ここは、夜の国。



たくさんの色とりどりのバラの花の咲く場所。



辺りは、甘い香りが立ち込めている。



少女はバラの花を微笑んで見ている。

斉藤一は少女を普通の表情で見ている。



バラの花の香りが強まった。



少女は辺りを不思議な様子で見た。



沖田総司は濃い紅色のバラの花を持ち、微笑んで来た。



少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。こんばんは。」

沖田総司は濃い紅色のバラの花を持ち、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。こんばんは。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は濃い紅色のバラの花を持ち、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。こんばんは。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は濃い紅色のバラの花を持ち、少女に微笑んで話し出す。

「綺麗な花だから、鈴ちゃんに贈りたいと思った。手折って持ってきた。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「綺麗なお花です。総司さん。ありがとうございます。」

沖田総司は少女に濃い紅色のバラの花を差し出して、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。ばらには棘がある。気を付けてね。」

少女は沖田総司から濃い紅色のバラの花を、微笑んで受け取とった。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「ばらの花を見ながら、ゆっくりと話そうね。」

少女は濃い紅色のバラの花を持ち、沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「美鈴さん。ばらには棘がある。俺がばらの花を代わりに持つ。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「斉藤さんに預けて。」

少女は濃い紅色のバラの花を持ち、沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は斉藤一に濃い紅色のバラの花を微笑んで渡した。

斉藤一は少女から濃い紅色のバラの花を普通に受け取った。

少女はバラの花に微笑んで顔を近付けた。



バラの花の甘い香りが届いた。



少女はバラの花とバラの花の甘い香りを微笑んで楽しんだ。

沖田総司は少女を微笑んで見ている。

少女は沖田総司を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。とても良い香りです。」

沖田総司はバラの花に微笑んで顔を近付けた。



バラの花の甘い香りが届いた。



沖田総司はバラの花とバラの花の甘い香りを微笑んで楽しんだ。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女を見ると、少女に微笑んで頷いた。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんと斉藤さんと一緒に、ばらの花をずっと見たいです。」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんの見付けた八重姫はまなす。早く見たいです。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司に寂しく話し出す。

「夜の国にずっと居たいです。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。今夜の京の町は綺麗な夜空だった。明日の京の町は晴れると思うんだ。私と斉藤さんと鈴ちゃんで、八重姫はまなすが見られるよ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女を微笑んで優しく抱いた。

少女は沖田総司を少し驚いた表情で見た。

沖田総司は少女を抱いて、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。たくさんのばらの花の咲く様子を見る時は、夜の国のみになると思うんだ。私も鈴ちゃんと一緒に、たくさんのばらの花を見たいんだ。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女を抱いて、少女に微笑んで話し出す。

「ばらの花を楽しんで見よう。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女を抱いて、少女を微笑んで見た。



直後の事。



ここは、夜の国。



たくさんの色とりどりのバラの花の咲く場所。



辺りは、甘い香りが立ち込めている。



斉藤一は濃い紅色のバラの花を持ち、普通に居る。

夢は微笑んで居る。



斉藤一は濃い紅色のバラの花を持ち、沖田総司と少女を普通の表情で見ている。

夢は斉藤一に微笑んで話し出す。

「総司さんも美鈴さんも、とても楽しく過ごしています。」

斉藤一は濃い紅色のバラの花を持ち、夢を見ると、夢に普通の表情で頷いた。

夢は沖田総司と少女を微笑んで見た。

斉藤一は濃い紅色のバラの花を持ち、夜空を見ると、普通の表情で呟いた。

「“天にます 月読壮武 賄はせむ 今夜の長さ 五百夜継ぎこそ”」

夢は斉藤一を微笑んで見た。



斉藤一の持つ濃い紅色のバラの花が淡く光った。



夢は濃い紅色のバラの花を微笑んで見た。

斉藤一は濃い紅色のバラの花を持ち、濃い紅色のバラの花を普通の表情で見た。



濃い紅色のバラの花は、静かに消えた。



夢は斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「バラの花がお供え物になりました。」

斉藤一は夢を見ると、夢に普通の表情で頷いた。

夢は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんの持っていた、バラの花の名前。黒真珠、といいます。月の神様にお供えに合う良い名前ですね。」

斉藤一は夢に普通に話し出す。

「総司は、偶然だが、良い名前を選んだ。」

夢は斉藤一に微笑んで話し出す。

「はい。」

斉藤一は夢を普通の表情で見た。



「天にます 月読壮武 賄はせむ 今夜の長さ 五百夜継ぎこそ」

沖田総司の手折った濃い紅色のバラの花の名前は、黒真珠、になる。

月の神様にお供えしたバラの花になる。

沖田総司の願いと斉藤一の願いと少女の願いは、月の神様に届いた。

夜の国の初夏の時間は、穏やかに続く。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを筆訂正して書きます。

この物語に登場する歌は「万葉集 第六巻 九八五番」

「天にます 月読壮武 賄はせむ 今夜の長さ 五百夜継ぎこそ」

ひらがなの読み方は「あめにます つくよみをとこ まひはせむ こんやのながさ いほよつぎこそ」

作者は「湯原王(ゆはらのおおきみ)」

歌の意味は「天にいらっしゃる月の神様、お供え物をいたしますから、どうか、この夜がいつまでも長く続きますように・・・」となるそうです。

原文は「天尓座 月讀壮士 幣者将為 今夜乃長者 五百夜継許増」

月読壮士(つくよみをとこ)は、月のことです。

月を男の神様と考えていたのかもしれないとのことです。

この物語の補足です。

この物語は、夜の国が登場する物語です。

夏の初め頃の設定の物語のため、初夏」を題名の先頭に付けて、新しく題名を考えました。

「真夏」が「真夏の夜の夢」なので、「初夏」は「初夏の夜の夢」にしました。

物語の中にたくさんのバラを登場させたいと思いました。

「浜茄子」は日本で古くから咲くバラです。

浜茄子は、物語の設定時の江戸時代に見られるバラだそうです。

現在も良く見られるバラになると、新撰組の人達の時代に見るのは無理だと思ったので、夜の国が登場する物語にしました。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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