〜　雪月花　新撰組異聞　編　〜


〜　紫陽花模様　人知れずこそ思ひそめしか　〜


〜　改訂版　〜


登場人物

芹沢鴨、沖田総司、斉藤一、少女［美鈴・鈴］




「恋すてふ　わが名はまだき　立ちにけり　人知れずこそ　思ひそめしか」

「小倉百人一首　四一番」、及び、「拾遺集」、より

作者：壬生忠見（みぶのただみ）




ここは、京の町。



今は、紫陽花の季節。



沖田総司が京の町に着いてから初めて迎える紫陽花の季節になる。

沖田総司と少女が逢ってから初めての迎える紫陽花の季節になる。



曇り空の下で紫陽花がしっとりした姿で咲いている。



ここは、辺り一面に綺麗な青色の紫陽花の咲く場所。



沖田総司は微笑んで歩いている。

少女は青色の紫陽花を見ながら、微笑んで歩いている。



少女は微笑んで止まった。

沖田総司も微笑んで止まった。



少女は紫陽花を微笑んで見た。

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。紫陽花が綺麗に咲いています。」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は紫陽花を微笑んで見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。紫陽花は種類がたくさんあるね。同じ種類の青色の紫陽花でも、少しずつ違うね。」

少女は沖田総司を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんと一緒に居ると、花の勉強が出来る。鈴ちゃんと一緒に居ると、楽しくたくさん話しが出来る。とても楽しいよ。」

少女は沖田総司に恥ずかしく話し出す。

「私も、総司、さん、と、一緒に居ると楽しいです。」

沖田総司は少女に嬉しく話し出す。

「鈴ちゃんも同じなんだ！　嬉しいな！」

少女は沖田総司を恥ずかしく見た。

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃん！　向こうに咲く紫陽花も見よう！」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女の手を笑顔で握った。

少女は沖田総司を少し驚いた表情で見た。



沖田総司は少女と手を握り、笑顔で歩き出した。

少女は沖田総司と手を握り、微笑んで歩きだした。



少女は沖田総司の手を握り、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司、さん。」

沖田総司は少女の手を握り、少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司の手を握り、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司、さん。紫陽花が綺麗です。」

沖田総司は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。

「紫陽花。綺麗だよね。」

少女は沖田総司の手を握り、沖田総司を微笑んで見た。



僅かに後の事。



ここは、辺り一面に綺麗な青色の紫陽花の咲く場所。



紫陽花を通り抜ける細い小道の前。



沖田総司は少女の手を握り、微笑んで来た。

少女も沖田総司の手を握り、微笑んで来た。



沖田総司は少女の手を離すと、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。手を繋いで歩くのは無理な道幅だね。並んで歩こう。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。



沖田総司は紫陽花の咲く小道を並んで歩き出した。

少女も紫陽花の咲く小道を並んで歩き出した。



僅かに後の事。



ここは、辺り一面に綺麗な青色の紫陽花の咲く場所。



紫陽花を通り抜ける細い小道の途中。



沖田総司は微笑んで来た。

少女も微笑んで来た。



小道の道幅が少し広くなった。



少女は別な場所の紫陽花を指すと、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。向こうに咲く紫陽花を見たいです。」

沖田総司は少女を指した紫陽花を見ると、少女に微笑んで頷いた。



少女は後ろ向きに微笑んで歩き出した。



沖田総司は少女を心配して見た。



少女は後ろ向きに歩いて、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。早く来てください。」



沖田総司は少女に心配して慌てて話し出す。

「鈴ちゃん！　待って！」



少女は後ろ向きに歩いて、沖田総司を微笑んで見た。



直ぐの事。



ここは、辺り一面に綺麗な青色の紫陽花の咲く場所。



小道。



少女は後ろ向きに歩いて、沖田総司を見ながら、微笑んで入った。



脇に在る小道から、手が伸びた。



少女は小道から出た手を驚いて見た。



脇に在る小道から伸びた手は、少女の腕を掴んだ。



少女は腕を掴む手の先を驚いた表情で見た。



芹沢鴨が少女の腕を普通の表情で掴んでいる。



芹沢鴨は少女を自分の居る小道に普通に引っ張った。



直後の事。



ここは、辺り一面に綺麗な青色の紫陽花の咲く場所。



小道。



少女は芹沢鴨を驚いた表情で見た。

芹沢鴨は少女の腕を掴んで、少女を笑顔で見た。



芹沢鴨は少女の腕を掴んで、笑顔で歩き出した。

少女は芹沢鴨を見ながら、驚いた表情で歩き出した。



直後の事。



ここは、辺り一面に綺麗な青色の紫陽花の咲く場所。



小道。



沖田総司は慌てて来た。



少女の姿が見えない。



沖田総司は辺りを心配して見た。



少女の姿が見えない。

少女の気配を感じない。



沖田総司は辺りを見ながら、心配な表情で、少し大きい声を出した。

「鈴ちゃん。何処に居るの？」



少女からの返事はない。

少女の姿は見えない。

綺麗な青色の紫陽花の咲く姿のみが見える。



直後の事。



ここは、辺り一面に綺麗な青色の紫陽花の咲く場所。



少し奥まる場所に在る、少し広い小道。



芹沢鴨は少女の腕を掴んで、笑顔で歩いてきた。

少女は芹沢鴨を見ながら、驚いた表情で歩いてきた。



沖田総司からは、芹沢鴨の姿も少女の姿も、見えない場所になる。

芹沢鴨と少女からは、沖田総司の姿は見える場所になる。



芹沢鴨は少女の腕を掴んで、少女に微笑んで話し出す。

「こんにちは。」

少女は芹沢鴨に心配して話し出す。

「総司、さん、が心配していると思います。お願いします。手を離してください。」

芹沢鴨は少女の腕を掴んで、少女に微笑んで話し出す。

「美鈴お嬢さん。俺が挨拶をしているんだ。挨拶を返すのが礼儀だろ。」

少女は芹沢鴨に不安な様子で小さい声で話し出す。

「こんにちは。」

芹沢鴨は少女の腕を掴んで、少女に微笑んで話し出す。

「美鈴お嬢さん。挨拶は、相手の顔を見て行なうものだろ。」

少女は芹沢鴨に不安な様子で小さい声で話し出す。

「こんにちは。」

芹沢鴨は少女の腕を掴んで、少女に微笑んで話し出す。

「総司は美鈴お嬢さんの気持ちに気付いていない。鈍い総司を困らせよう。」

少女は芹沢鴨に不安な様子で話し出す。

「総司さんを困らせる言動は出来ません。総司さんの所に戻りたいです。」

芹沢鴨は少女の腕を掴んで、少女を微笑んで見た。

少女は芹沢鴨を不安な様子で見た。



直後の事。



ここは、辺り一面に綺麗な青色の紫陽花の咲く場所。



小道。



沖田総司は少女を心配な様子で探している。



沖田総司は辺りを見ながら、心配な様子で呟いた。

「少し離れた場所を探したいけれど、鈴ちゃんは近くに居るように思える。鈴ちゃんが近くに居ると困るから、遠くに行けない。周りには、紫陽花を見る人達が、僅かだけど居る。鈴ちゃんに迷惑を掛けないために、大きな声で呼べない。」



直後の事。



ここは、辺り一面に綺麗な青色の紫陽花の咲く場所。



少し奥まる場所に在る、少し広い小道。



芹沢鴨は少女の腕を掴んで、微笑んで居る。

少女は芹沢鴨を困惑した様子で見ている。



芹沢鴨は少女の腕を掴んで、少女に微笑んで話し出す。

「紫陽花に囲まれているから、近くに居るのに、総司は気付かない。」

少女は沖田総司を心配な様子で見た。

芹沢鴨は少女の腕を掴んで、少女に微笑んで話し出す。

「あんたが声を掛けて、総司が今の居る場所に来ても、俺は腕を離さない。総司は、俺を見たら、物凄く怒る。総司は上役の俺に刀を振り降ろすかも知れない。」

少女は芹沢鴨を不安な様子で見た。

芹沢鴨は少女の腕を掴んで、少女に微笑んで話し出す。

「総司の様子を暫く見る。」

少女は沖田総司を心配して見た。

芹沢鴨は少女の腕を掴んで、沖田総司を微笑んで見た。



直後の事。



ここは、辺り一面に綺麗な青色の紫陽花の咲く場所。



小道。



沖田総司は少女を心配な様子で探している。



沖田総司は辺りを見ながら、普段より少し大きな声で声を出した。

「鈴ちゃん〜　何処に居るの〜？」



少女からの返事はない。



沖田総司は辺りを見ながら、不安な様子で呟いた。

「短い時間では遠くに行けない。他の考えられる状況。」

沖田総司は辺りを見ながら、驚いた表情になった。

沖田総司は慌てた様子で首を横に振った。

沖田総司は辺りを見ると、言い聞かせるように呟いた。

「怪しい気配を感じなかった。危険な気配も感じなかった。鈴ちゃんは大丈夫。」



沖田総司は辺りを見ながら、少女を心配して探した。



直後の事。



ここは、辺り一面に綺麗な青色の紫陽花の咲く場所。



少し奥まる場所に在る、少し広い小道。



芹沢鴨は少女の腕を掴んで、沖田総司と少女を微笑んで見ている。

少女は沖田総司を心配して見ている。



芹沢鴨は少女の腕を掴んで、少女に微笑んで話し出す。

「あんた。総司を、総司さん、と呼んだ。」

少女は芹沢鴨を見ると、芹沢鴨に不安な様子で小さい声で話し出す。

「はい。」

芹沢鴨は少女の腕を掴んで、少女に微笑んで話し出す。

「あんたが総司さんと呼ぶほど、総司とあんたは、仲良くなったのか。」

少女は芹沢鴨を不安な様子で見た。

芹沢鴨は少女の腕を掴んで、少女に微笑んで話し出す。

「総司さん、と言い慣れない。初々しい。」

少女は芹沢鴨を不安な様子で見ている。

芹沢鴨は少女の腕を掴んで、少女に微笑んで話し出す。

「あんたは可愛い。気に入った。」

少女は芹沢鴨を不安な様子で見ている。

芹沢鴨は少女の腕を掴んで、少女に微笑んで話し出す。

「総司はあんたの気持ちに気付いていないのだろ。鈍い人物と付き合うのは大変だぞ。」

少女は芹沢鴨を悲しく見た。

芹沢鴨は少女の腕を掴んで、少女に微笑んで話し出す。

「“恋すてふ　わが名はまだき　立ちにけり　人知れずこそ　思ひそめしか”。」

少女は芹沢鴨を驚いた表情で見た。

芹沢鴨は少女の腕を掴んで、少女に微笑んで話し出す。

「今の歌の作者は、壬生忠見、という。不思議な歌だろ。」

少女は芹沢鴨に不安な様子で話し出す。

「私は総司さんに迷惑を掛ける訳にはいきません。だから、私は。」

芹沢鴨は少女の腕を掴んで、少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司を悲しく見た。

芹沢鴨は少女の腕を掴んで、沖田総司を微笑んで見た。



直後の事。



ここは、辺り一面に綺麗な青色の紫陽花の咲く場所。



小道。



沖田総司は少女を心配な様子で探している。



少女は見付からない。



沖田総司は辺りを見ながら、悲しく呟いた。

「辺りを幾度も見ても、紫陽花の咲く姿しか見えない。鈴ちゃんは一人になってしまって、寂しい思いをしているよね。私が来るのを待っているよね。鈴ちゃんを早く見付けないと。」

沖田総司は辺りを心配な様子で見た。



直後の事。



ここは、辺り一面に綺麗な青色の紫陽花の咲く場所。



少し奥まる場所に在る、少し広い小道。



芹沢鴨は少女の腕を掴んで、沖田総司を微笑んで見ている。

少女は沖田総司を心配して見ている。



芹沢鴨は少女の腕を掴んで、少女を微笑んで見た。



少女は沖田総司を今にも泣き出す表情で見ている。



芹沢鴨は少女の腕を掴んで、沖田総司を微笑んで見た。



沖田総司は辺りを心配な表情で見ている。



少女は芹沢鴨を見ると、芹沢鴨に今にも泣く表情で話し出す。

「総司さんが心配しています。総司さんに迷惑を掛けられません。総司さんの所に戻りたいです。」

芹沢鴨は少女の腕を掴んで、少女に微笑んで話し出す。

「総司が剣関係以外で真剣になる時は、食い物、斉藤、あんたが関係する時、だ。」

少女は芹沢鴨を今にも泣く表情で見ている。

芹沢鴨は少女の腕を離すと、少女に普通に話し出す。

「戻りたいのだろ。」

少女は芹沢鴨に今にも泣く表情で小さい声で話し出す。

「はい。」

芹沢鴨は少女に普通に話し出す。

「早く総司の所に行け。」

少女は芹沢鴨に今にも泣く表情で軽く礼をした。

芹沢鴨は少女に普通の表情で頷いた。



少女は今にも泣く表情で歩き出した。



直後の事。



ここは、辺り一面に綺麗な青色の紫陽花の咲く場所。



小道。



沖田総司は少女を心配な様子で探している。



突然に、少女が近くに居る気配を感じた。



沖田総司は辺りを慌てて見た。



少女は今にも泣く表情でゆっくりと歩いてきた。



沖田総司は少女の前に慌てて来た。



沖田総司は少女を心配して抱きしめた。

少女は沖田総司を見ながら、静かに泣き出した。

沖田総司は少女を抱きしめて、少女に申し訳なく話し出す。

「鈴ちゃん。一人で不安だったよね。寂しかったよね。直ぐに傍に行けなかった。ご免ね。」

少女は沖田総司を見ながら、静かに泣いた。



直後の事。



ここは、辺り一面に綺麗な青色の紫陽花の咲く場所。



少し奥まる場所に在る、少し広い小道。



芹沢鴨は沖田総司と少女を普通の表情で見ている。



芹沢鴨は普通に歩き出した。



芹沢鴨は普通に止まった。



芹沢鴨は横を普通の表情で見た。



斉藤一が芹沢鴨を普通の表情で見ている姿があった。



芹沢鴨は斉藤一に普通に話し出す。

「斉藤。あの子を総司の元に返した。良いだろ。」

斉藤一は芹沢鴨に普通に話し出す。

「総司は物凄く鈍いです。あの子は普通の子です。芹沢さんに合わせていたら、二人の身が持ちません。自重してください。」

芹沢鴨は斉藤一に不思議な様子で話し出す。

「斉藤。何時から傍に居た？」

斉藤一は芹沢鴨に普通に話し出す。

「総司の外出した直後に、芹沢さんが一人で外出する姿を見ました。念のために、後を付けていました。芹沢さんへの答えは、芹沢さんが屯所を出た時から、になります。」

芹沢鴨は斉藤一を感心と驚きの混じる表情で見た。

斉藤一は芹沢鴨に普通に話し出す。

「派手にあの子にかまっていると、斬られますよ。」

芹沢鴨は斉藤一に苦笑して話し出す。

「俺を斬る人物。是非、教えて欲しい。」

斉藤一は芹沢鴨を普通の表情で見た。



ここは、辺り一面に綺麗な青色の紫陽花の咲く場所。



小道。



沖田総司は少女を心配して抱いている。

少女は静かに泣いている。



少女は静かに泣き止んだ。

沖田総司は少女を抱いて、少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん。今日は疲れたよね。帰る？」

少女は沖田総司に心配な様子で小さい声で話し出す。

「帰りたくないです。紫陽花の花を見たいです。」

沖田総司は少女を抱いて、少女に微笑んで話し出す。

「分かった。離れた時に困るよね。今度は、ずっと手を握ろう。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女を抱いて、少女を微笑んで見た。



直後の事。



ここは、辺り一面に綺麗な青色の紫陽花の咲く場所。



芹沢鴨は普通に居る。

斉藤一も普通に居る。



芹沢鴨は斉藤一に普通に話し出す。

「斉藤。“恋すてふ　わが名はまだき　立ちにけり　人知れずこそ　思ひそめしか”。今の歌を知っているか？」

斉藤一は芹沢鴨に普通の表情で軽く礼をした。

芹沢鴨は斉藤一に普通に話し出す。

「作者は、壬生忠見、になる。」

斉藤一は芹沢鴨に普通の表情で軽く礼をした。

芹沢鴨は斉藤一に普通に話し出す。

「俺は、今の歌が好きだ。」

斉藤一は芹沢鴨を普通の表情で見た。

芹沢鴨は斉藤一に普通に話し出す。

「斉藤。一つだけ、今の歌の中で気に入らない部分がある。分かるか？」

斉藤一は芹沢鴨に普通に話し出す。

「競って負けたところです。」

芹沢鴨は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は芹沢鴨を普通の表情で見た。

芹沢鴨は斉藤一に微笑んで話し出す。

「今夜、俺と斉藤と総司の三人で飲みたくなった。付き合え。」

斉藤一は芹沢鴨に普通の表情で軽く礼をした。

芹沢鴨は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。後で会おう。」

斉藤一は芹沢鴨に普通の表情で軽く礼をした。



芹沢鴨は紫陽花を見ながら、微笑んで居なくなった。



斉藤一は辺りを普通の表情で見た。



芹沢鴨の姿は見えない。

芹沢鴨の気配を感じない。



斉藤一は紫陽花を見ながら、普通に居なくなった。



「恋すてふ　わが名はまだき　立ちにけり　人知れずこそ　思ひそめしか」

芹沢鴨、沖田総司、斉藤一、少女、四人の想いは、紫陽花色に染まっている。

色の違う紫陽花の想いだが、同じ種類の紫陽花になる。

紫陽花は、色々な気持ちを受けながら、綺麗な花を咲かせている。




＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

この物語に登場する歌は、「小倉百人一首　四一番」、及び、「拾遺集」

「恋すてふ　わが名はまだき　立ちにけり　人知れずこそ　思ひそめしか」

ひらがなの読み方は「こひすてふ　わがなはまだき　たちにけり　ひとしれずこそ　おもひそめしか」

作者は「壬生忠見（みぶのただみ）」

歌の意味は、「恋をしているらしいという私のうわさが、早くも立ってしまいました。誰にも知られないように、心ひそかにあなたのことを想いはじめていましたのに。」となるそうです。

この歌は、天徳四年（九六〇年）の内裏歌合で競われた歌の片方です。

競われた歌は、この一つ前の「四十番」の歌だそうです。

この「四十番」は有名な歌だと思います。

競われた結果の勝敗は、「四十番」の歌が勝ち、こちらの「四十一番」の歌が負けたそうです。

しかし、優劣をつけるのに、なかり苦労したそうです。

今回は「四十番」の歌は掲載いたしませんが、「小倉百人一首」の歌の話をすると、どちらの歌が好きか、という話が出る事があります。

私は、どちらが好きかと尋ねられると、「四十番」の歌の方が好きです。

この物語の補足です。

鈴ちゃんが、「総司さん。」と言えずに、「総司、さん。」と言う場面が有ります。

鈴ちゃんが、沖田総司さんの希望もあって、「沖田様」→「沖田さん」→「総司さん」と呼び方を変えていき、この物語の少し前に「総司さん」と呼ぶようになったため、慣れていないと思ってください。

鈴ちゃんが、「沖田様」や「沖田さん」などと呼ぶ物語は、幾作か書きました。

作品数の関係で、題名は書きません。

この物語の時間設定では、斉藤一さんと鈴ちゃんは、逢っていません。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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