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〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜


〜 紫陽花模様 しのぶれど色に出でにけりわが恋は 〜


〜 改訂版 〜


登場人物

土方歳三、沖田総司、斉藤一、藤堂平助、原田左之助、少女[美鈴・鈴]




「しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで」

「小倉百人一首 四十番」、及び、「拾遺集」、より

作者:平兼盛(たいらのかねもり)




ここは、京の町。



紫陽花が見頃の季節を迎えた。



辺りは赤色の紫陽花や青色の紫陽花が綺麗な姿で咲いている。



今日は、雨の降る様子はないが、どんよりとした空が広がっている。



ここは、辺りに一面に青色の紫陽花の咲く場所。



原田左之助は空色の羽織を着て微笑んで訪れた。

藤堂平助は空色の羽織を着て普通に訪れた。



原田左之助は紫陽花を微笑んで見た。

藤堂平助は原田左之助と紫陽花を微笑んで見た。

原田左之助は藤堂平助を見ると、藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助。紫陽花が綺麗に咲いているな。」

藤堂平助は原田左之助に微笑んで話し出す。

「はい。」

原田左之助は藤堂平助に不思議な様子で話し出す。

「平助。楽しくないのか?」

藤堂平助は原田左之助に微笑んで話し出す。

「紫陽花は綺麗に咲いていますが、原田さんを見る方が楽しいです。」

原田左之助は藤堂平助を不思議な様子で見た。

藤堂平助は原田左之助に微笑んで話し出す。

「試衛館で逢った頃の原田さんは、花に興味が無かったですよね。今の原田さんは紫陽花を楽しく見ています。同一人物に思えません。」

原田左之助は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「おまさちゃんに喜んで欲しくて、花について調べるだろ、歌の勉強をするだろ。花が綺麗に見えるようになったんだ。」

藤堂平助は原田左之助に微笑んで話し出す。

「私には良く分かりませんが、土方さんならば、原田さんの話の意味が分かりますよね。」

原田左之助は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「土方さんは達人だ。土方さんには既に分かっている内容だ。」

藤堂平助は原田左之助に微笑んで話し出す。

「はい。」

原田左之助は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助は達人ではないが、平助にも分かると内容だと思う。」

藤堂平助は原田左之助を不思議な様子で見た。

原田左之助は藤堂平助を微笑んで見た。

藤堂平助は原田左之助に不思議な様子で話し出す。

「沖田さんは原田さんの話の意味が分かるのでしょうか?」

原田左之助は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「分かると思う。」

藤堂平助は青色の紫陽花を微笑んで見た。

原田左之助は藤堂平助を微笑んで見た。

藤堂平助は青色の紫陽花を寂しく見た。

原田左之助は藤堂平助と藤堂平助の視線の先を不思議な様子で見た。



原田左之助の視線の先に、沖田総司と少女が楽しく話す姿が見える。



原田左之助は藤堂平助を見ると、藤堂平助に微笑んで話し出す。

「楽しい様子だな。」

藤堂平助は沖田総司と少女を見ながら、原田左之助に寂しく話し出す。

「はい。」



直後の事。



ここは、辺りに一面に青色の紫陽花の咲く場所。



沖田総司は少女と紫陽花を笑顔で見ている。

少女は沖田総司と紫陽花を微笑んで見ている。



斉藤一が沖田総司と少女の傍に普通に来た。



沖田総司は斉藤一を笑顔で見た。

少女は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司と少女に普通の表情で頷いた。

沖田総司は少女を見ると、少女に微笑んで手を差し出した。

少女は沖田総司を見ると、沖田総司の手を微笑んで握った。



直後の事。



ここは、辺りに一面に青色の紫陽花の咲く場所。



藤堂平助は、沖田総司、少女、紫陽花を寂しく見ている。

原田左之助は、沖田総司、斉藤一、少女、紫陽花を微笑んで見ている。



原田左之助は藤堂平助を見ると、藤堂平助に微笑んで話し出す。

「“しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで”。」

藤堂平助は原田左之助を見ると、原田左之助に僅かに慌てて話し出す。

「原田さん。突然に歌を詠まないでください。」

原田左之助は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「今の歌は、小倉百人一首に選ばれている。平助も知る歌だろ。良い歌だろ。」

藤堂平助は原田左之助に苦笑して話し出す。

「良い歌ですが、何故、今の歌を詠んだのですか?」

原田左之助は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「今の平助を表わしている歌だと思って詠んだ。」

藤堂平助は原田左之助に心配して話し出す。

「原田さん。勘違いをしています。他の人物まで勘違いをしていないですよね。」

原田左之助は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「土方さん以外は大丈夫だと思う。」

藤堂平助は原田左之助を苦笑して見た。

原田左之助は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助。寄り道の時間が長くなってしまった。土方さんに怒られる。帰ろう。」

藤堂平助は原田左之助に苦笑して話し出す。

「はい。」

原田左之助は藤堂平助を微笑んで見た。



原田左之助は紫陽花を見ながら、微笑んで歩き出した。

藤堂平助も紫陽花を見ながら、微笑んで歩き出した。



直後の事。



ここは、辺りに一面に青色の紫陽花の咲く場所。



沖田総司は少女の手を握り、辺りを不思議な様子で見ている。

少女は沖田総司の手を握り、沖田総司を不思議な様子で見ている。

斉藤一は、沖田総司と辺りを普通の表情で見ている。



沖田総司の見える青色の紫陽花の中に、二人分の空色の羽織が見える。



沖田総司は少女の手を握り、空色の羽織の人物を不思議な様子で確認した。



一人の空色の羽織の主は、原田左之助になる。

一人の空色の羽織の主は、藤堂平助になる。



沖田総司は少女を握り、原田左之助の姿を安心した様子で見た。

沖田総司は少女の手を握り、藤堂平助の姿を怪訝な様子で見た。



原田左之助の姿は、青色の紫陽花の中に紛れて見えなくなった。

藤堂平助の姿も、青色の紫陽花の中に紛れて見えなくなった。



沖田総司は少女の手を少し強く握ると、辺りを怪訝な様子で見た。

少女は沖田総司の手を握り、沖田総司に心配して話し出す。

「総司さん。何かありましたか?」

沖田総司は少女の手を握り、少女を見ると、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。何も起きていないよ。驚かせてご免ね。」

少女は沖田総司の手を握り、沖田総司と斉藤一に申し訳なく話し出す。

「総司さん。斉藤さん。紫陽花を見ても楽しくないですよね。直ぐに気付きませんでした。ごめんなさい。」

沖田総司は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんが楽しい内容は、私も楽しい内容だよ。謝らないで。」

斉藤一が少女に普通に話し出す。

「俺も総司も、詰まらないと思う時は、美鈴さんに隠さずに教える。安心しろ。」

沖田総司は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。

「斉藤さんの話すとおりだよ。安心して。」

少女は沖田総司の手を握り、沖田総司と斉藤一を安心して見た。

沖田総司は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。見る場所を変えると、紫陽花が違って見えるよね。紫陽花を歩いて見よう。」

少女は沖田総司の手を握り、沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。

「はい。」

斉藤一は沖田総司と少女に普通の表情で頷いた。

沖田総司は少女の手を握り、斉藤一と少女を微笑んで見た。



沖田総司は少女の手を握り、紫陽花を見ながら、微笑んで歩き出した。

少女は沖田総司の手を握り、紫陽花を見ながら、微笑んで歩き出した。

斉藤一は、沖田総司、少女、紫陽花を見ながら、普通に歩き出した。



暫く後の事。



ここは、屯所。



境内。



沖田総司は空色の羽織を着て、普通の表情で歩いている。

斉藤一も空色の羽織を着て、普通の表情で歩いている。



藤堂平助は普通の着物で、普通に歩いている。

原田左之助も普通の着物で、普通に歩いている。



沖田総司は藤堂平助を睨んで見ながら歩いた。



藤堂平助は驚いて止まった。

原田左之助は不思議な様子で止まった。



藤堂平助は沖田総司を驚いて見た。

原田左之助は藤堂平助を不思議な様子で見た。



沖田総司は前を普通の表情で見て歩いた。



沖田総司は普通に歩きながら居なくなった。

斉藤一も普通に歩きながら居なくなった。



原田左之助は藤堂平助に不思議な様子で話し出す。

「平助。総司と喧嘩をしたのか?」

藤堂平助は原田左之助に寂しく話し出す。

「以前に、沖田さんの親しい女の子に、迷惑を掛けた時があります。今回、沖田さんは私が近くに居たから、心配になったのだと思います。」

原田左之助は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助は真面目な性格だ。あの子が気になって、あの子に話し掛けたけれど、話す内容が分からなくて、仕事の内容を話したんだろ。」

藤堂平助は原田左之助に苦笑して話し出す。

「大体ですが、合っています。」

原田左之助は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「“しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで”。だな。」

藤堂平助は原田左之助に苦笑して話し出す。

「原田さん。勘違いです。止めてください。」

原田左之助は藤堂平助を微笑んで見た。



原田左之助は藤堂平助を見ながら、微笑んで歩き出した。

藤堂平助は苦笑して歩き出した。



僅かに後の事。



ここは、青色の紫陽花のたくさん咲く場所。



少女は青色の紫陽花を微笑んで見ている。



少女は青色の紫陽花を見ながら、微笑んで歩き出した。



直後の事。



ここは、青色の紫陽花のたくさん咲く場所。



土方歳三は普通に訪れた。



土方歳三は青色の紫陽花を普通の表情で見た。



土方歳三の視線の先に、少女が紫陽花を微笑んで見る姿が見えた。



土方歳三は少女と辺りを微笑んで見た。



土方歳三の視線の先に、沖田総司が辺りを見ながら微笑んで歩く姿が見えた。



土方歳三は少女を微笑んで見た。



少女は青色の紫陽花を微笑んで見ている。



少女が沖田総司を待つ様子はない。



土方歳三は微笑んで歩き出した。



僅かに後の事。



ここは、青色の紫陽花のたくさん咲く場所。



少女は青色の紫陽花を微笑んで見ている。



土方歳三が微笑んで来た。



少女は土方歳三を見ると、土方歳三に不安な様子で軽く礼をした。

土方歳三は少女に微笑んで話し出す。

「何故、俺が傍に来ると、困る表情なるのかな?」

少女は土方歳三に申し訳なく話し出す。

「すいません。」

土方歳三は少女に微笑んで話し出す。

「つれないな。」

少女は土方歳三を不安な様子で見た。

土方歳三は辺りを微笑んで見た。

少女は土方歳三を不思議な様子で見た。

土方歳三は少女を見ると、少女の手を微笑んで握った。

少女は土方歳三を驚いて見た。



僅かに後の事。



ここは、青色の紫陽花のたくさん咲く場所。



沖田総司は辺りを見ながら微笑んで歩いている。



沖田総司の視線の先に、土方歳三が小道に入る姿が見えた。



沖田総司は小道の方向を不思議な様子で見た。



斉藤一が普通に来た。



沖田総司は斉藤一を見ると、斉藤一に不思議な様子で話し出す。

「今、土方さんの姿を見ました。誰かと会う約束をしているのでしょうか?」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に不思議な様子で話し出す。

「土方さんは、私に青色の紫陽花を数本ほど用意しろと話しました。青色の紫陽花は屯所にも咲いていました。屯所に咲く青色の紫陽花では駄目なのでしょうか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「土方さんが、屯所の紫陽花では納得がいかないから、総司に頼んだ。土方さんにとっては、駄目になる。」

沖田総司は斉藤一に不思議な様子で話し出す。

「土方さんは、隊服を着て紫陽花を探すなと話しました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「隊服を着る人物は、新撰組の隊士だと直ぐに分かる。花に疎い総司に頼むと、変な花しか選ばない。土方さん本人が選べば、良い花が選べる。土方さんにとっては、意味がある。」

沖田総司は斉藤一に拗ねて話し出す。

「斉藤さん。酷いです。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「当然の内容の話だ。拗ねるな。」

沖田総司は斉藤一を拗ねて見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。



僅かに後の事。



ここは、青色の紫陽花のたくさん咲く場所。



小道。



土方歳三は少女の手を握り、微笑んで居る。

少女は土方歳三を困惑した表情で見ている。



土方歳三は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。

「今の居る場所に、総司と斉藤が来ている。」

少女は辺りを驚いた表情で見た。

土方歳三は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。

「総司の姿。斉藤の姿。見えるか?」

少女は沖田総司と斉藤一を見ると、土方歳三に切ない表情で小さい声で話し出す。

「はい。」

土方歳三は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。

「総司の傍に、斉藤の傍に、行きたいか?」

少女は土方歳三を見ると、土方歳三に切ない表情で小さい声で話し出す。

「はい。」

土方歳三は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。

「総司が任務中でも、斉藤が任務中でも、傍に行きたいか?」

少女は土方歳三を寂しい表情で見た。

土方歳三は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。

「君は、何をしても可愛く見える。本当に気に入った。」

少女は土方歳三を不安な様子で見た。

土方歳三は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。

「“しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで”。」

少女は土方歳三に不安な様子で話し出す。

「総司さんに迷惑を掛けないように気を付けます。許してください。」

土方歳三は微笑んで少女の手を握り、少女を微笑んで見た。

少女は土方歳三を不安な様子で見た。



直後の事。



ここは、青色の紫陽花のたくさん咲く場所。



沖田総司は辺りを微笑んで見ている。

斉藤一は普通に居る。



沖田総司は斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんの分の青色の紫陽花を選んで、鈴ちゃんに青色の紫陽花を持っていく時間はありますよね。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんの分の青色の紫陽花を先に選びます。土方さんの分の青色の紫陽花は、鈴ちゃんの分の青色の紫陽花を決めた後に、近くに咲く青色の紫陽花を数本ほど選びます。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「土方さんからの頼まれた青色の紫陽花を後に選ぶのか?」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「はい。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は青色の紫陽花を張り切って見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。少しの間、場所を動く。総司の居る場所に戻る。気にせずに青色の紫陽花を探せ。」

沖田総司は斉藤一を見ると、斉藤一に笑顔で話し出す。

「はい!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。



斉藤一は普通に居なくなった。



僅かに後の事。



ここは、青色の紫陽花のたくさん咲く場所。



小道。



土方歳三は少女の手を握り、微笑んで居る。

少女は土方歳三を困惑した表情で見ている。



斉藤一が普通に来た。



土方歳三は少女の手を握り、斉藤一を微笑んで見た。

少女は斉藤一を困惑して見た。

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「土方さん。何をしているのですか?」

土方歳三は少女の手を握り、斉藤一に微笑んで話し出す。

「可愛い女の子と話している。」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「手を繋ぎながら、話さなくて良いと思います。」

土方歳三は少女から手を離すと、斉藤一を微笑んで見た。

少女は土方歳三と斉藤一を不安な様子で見た。

土方歳三は少女に微笑んで話し出す。

「何もしない。安心しろ。」

少女は土方歳三を少し安心した表情で見た。

土方歳三は少女と斉藤一に微笑んで話し出す。

「“しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで”。俺は今の歌が好きなんだ。」

少女は土方歳三を不思議な様子で見た。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。俺が今の歌を好きな理由。分かるか?」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「勝ったからです。」

土方歳三は斉藤一に微笑んで頷いた。

斉藤一は少女を普通の表情で見た。

少女は斉藤一に不安な様子で話し出す。

「斉藤さん。お仕事中ですよね。大丈夫ですか?」

斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。この子を頼む。少しの間、場所を変えずに待っていてくれ。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。



土方歳三は微笑んで居なくなった。



僅かに後の事。



ここは、青色の紫陽花のたくさん咲く場所。



沖田総司は青色の紫陽花を真剣な表情で見ている。



沖田総司は青色の紫陽花を笑顔で見た。



沖田総司の後ろから、土方歳三の穏やかな声が聞こえた。

「総司。真剣に探してくれたのか。嬉しいぞ。」



沖田総司は後ろを普通の表情で見た。



土方歳三が微笑んで居る。



沖田総司は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は沖田総司の見ている青色の紫陽花を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司の見付けた青色の紫陽花。綺麗だ。総司にしては、綺麗な青色の紫陽花を見付けた。」

沖田総司は土方歳三を複雑な表情で見た。

土方歳三は沖田総司が見ていた青色の紫陽花を手折ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司。ありがとう。きっと喜ぶ。」

沖田総司は土方歳三を複雑な表情で見ている。



土方歳三は青色の紫陽花を持ち、微笑んで居なくなった。



沖田総司は青色の紫陽花を見ながら、ため息を付いた。



沖田総司の後ろから、斉藤一の普通の声が聞こえた。

「総司。何故、ため息をつく? 美鈴さんが心配している。」



沖田総司は後ろを驚いた表情で見た。



斉藤一が普通に居る。

少女は心配な様子で居る。



沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。紫陽花を見に来たの?」

少女は沖田総司に心配な様子で話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。紫陽花を持って帰れるよ。気に入る紫陽花を一緒に選ぼう。」

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「先程、総司の任務も終わった。時間に余裕がある。安心しろ。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。紫陽花を一緒に楽しく選ぼう。」

少女は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。



「しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで」

青色の紫陽花は、心の中に仕舞われている色々な想いを感じながら、咲いている。

紫陽花は、色々な想いを感じながら咲くから、色が変わるのかも知れない。

紫陽花の季節は、紫陽花について考えながら、ゆっくりと過ぎていく。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

この物語に登場する歌は「小倉百人一首 四十番」、及び、「拾遺集」

「しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで」

ひらがなの読み方は「しのぶれど いろにいでにけり わがこひは ものやおもふと ひとのとふまで」

作者は「平兼盛(たいらのかねもり)」

歌の意味は「あなたへの想いは、心の中に隠し通していたつもりなのに、いつの間にか顔色に出てしまっていたようです。物思いでもしているのかと、人から言われてはじめて気がつきましたよ」となるそうです。

この歌は、天徳四年(九六〇年)の内裏歌合で競われた歌の片方です。

競われた歌は、一つ後ろの「四十一番」の歌だそうです。

「第四十一番」も有名な歌だと思います。

競われた勝敗の結果は、「四十番」が勝ち、「四十一番」が負けたそうです。

しかし、優劣をつけるのに、なかり苦労したそうです。

今回は、「四十一番」の歌は掲載しませんが、「小倉百人一首」の話をすると、どちらの歌が好きかという話が、出る事があります。

私は、どちらが好きかと尋ねられたら、「四十番」と答えます。

この物語の補足です。

この物語は、「雪月花 新撰組異聞 編 短編 紫陽花模様 人知れずこそ思ひそめしか」の姉妹編というか後日談のようになっています。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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