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〜 雪月花 新撰組異聞 偏 〜
〜 歳暮 蓮根と小竹の物語 益して思ほゆ 〜
〜 改訂版 〜
登場人物
山南敬助、土方歳三、沖田総司、斉藤一、少女[美鈴・鈴]
「小竹の葉に はだれふり覆ひ 消なばかも 忘れむといへば 益して思ほゆ」
「万葉集 第十巻 二三三七番」より
作者:詠み人知らず
今は、冬。
ここは、京の町。
寒い日が続いている。
ここは、沖田総司と少女が良く訪れる寺。
本堂。
沖田総司は微笑んで居る。
少女も微笑んで居る。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「近藤さんと山南さんと土方さんに、お歳暮を贈るんだ。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「上役さんにお歳暮を贈るのですね。お歳暮は贈る時に気を遣いますね。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「私は一番組組長を務めているから、お歳暮を贈る人数より、お歳暮を受け取る人数の方が、多いんだ。気を遣う人数が少ないから楽だよ。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さん。凄いです。」
沖田総司は少女に恥ずかしく話し出す。
「鈴ちゃん。今の話は自慢話に感じるよね。忘れて欲しいな。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さんは自慢して話す様子に感じません。安心してください。」
沖田総司は少女に恥ずかしく話し出す。
「鈴ちゃん。今の話は忘れて欲しいな。良いかな。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「はい。」
沖田総司は少女を微笑んで見た。
少女も沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「近藤さんと山南さんと土方さんには、たくさん世話になっているから、お歳暮をしっかりと贈るんだ。斉藤さんにはたくさん世話になっているけれど、私はお歳暮を受け取る側になるだろ。斉藤さんに対して気が引けてしまうな。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「斉藤さんへの日頃の感謝を込めて、総司さんと斉藤さんのお二人で出掛ける贈り物を考え付きました。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。ありがとう。参考にするね。」
少女は沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんにもたくさん世話になっているね。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「私が総司さんにたくさんお世話になっています。」
沖田総司は少女に慌てて話し出す。
「鈴ちゃん! 私のためにお歳暮を用意しなくて良いよ!」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「分かりました。家族に総司さんの話を伝えます。」
沖田総司は少女を安心して見た。
少女は沖田総司を微笑んで見た。
暫く後の事。
ここは、屯所。
土方歳三の部屋。
土方歳三は普通に居る。
斉藤一は包みを持ち、部屋を普通に訪れた。
土方歳三は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は土方歳三の前に包みを置くと、土方歳三に普通に話し出す。
「歳暮です。」
土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤。ありがとう。」
斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤から歳暮を受け取る行為。不思議な感じがする。」
斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。
土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。
「山南さんは、俺と似た内容は話さなかった。近藤さんは、俺と似た内容を話しただろ。」
斉藤一は土方歳三を微笑んで見た。
土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。
「当たったんだ。嬉しいな。」
斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。
土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤。あの子の家が総司に歳暮を贈る予定について聞いているか?」
斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。
「総司はあの子に歳暮について気を遣わないように話すそうです。」
土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤。歳暮に関して頼みがある。」
斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
土方歳三は斉藤一を微笑んで見た。
僅かに後の事。
ここは、屯所。
山南敬助の部屋。
山南敬助は普通に居る。
沖田総司は包みを持ち、部屋を微笑んで訪ねた。
山南敬助は沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は山南敬助の前に包みを置くと、山南敬助に微笑んで話し出す。
「山南さん。お歳暮を用意しました。受け取ってください。」
山南敬助は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司。ありがとう。」
沖田総司は山南敬助に微笑んで軽く礼をした。
山南敬助は沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は山南敬助に恥ずかしく話し出す。
「鈴ちゃんにお歳暮について話しました。私は一番組組長を務めているので、お歳暮を贈る人数より、お歳暮を贈られる人数が多い、と話しました。話した直後に自慢話に感じたので、慌てて補足しました。」
山南敬助は沖田総司に微笑んで話し出す。
「美鈴さんは優しくて理解力のある子だ。美鈴さんには総司の真意は伝わっている。」
沖田総司は山南敬助を微笑んで見た。
山南敬助は沖田総司に微笑んで頷いた。
沖田総司は山南敬助に微笑んで話し出す。
「私は斉藤さんや鈴ちゃんにたくさん世話になっています。私の立場では斉藤さんや鈴ちゃんにお歳暮を贈り難いです。斉藤さんや鈴ちゃんに、日頃の礼を兼ねて、美味しい物を食べに行くなどしたいです。私は、京の町に関しても雅に関しても、疎いです。相談する人物を考えました。山南さんを思い出しました。」
山南敬助は沖田総司に微笑んで話し出す。
「私を思い出してくれたのか。嬉しい。良い場所を考える。」
沖田総司は山南敬助に微笑んで話し出す。
「お願いします。」
山南敬助は沖田総司に微笑んで頷いた。
翌日の事。
ここは、屯所。
土方歳三の部屋。
土方歳三は微笑んで居る。
沖田総司も微笑んで居る。
斉藤一は普通に居る。
土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。
「御節料理などのために蓮根を用意する。総司が良く逢う子の家に蓮根を持っていけ。総司の立場では歳暮としては贈れないが、時期的に喜ばれると思う。総司の評価と新撰組の評価を共に上げる良い機会だ。しっかりと頼む。」
沖田総司は土方歳三に不思議な様子で話し出す。
「はい。」
土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。
「蓮根に歌を添えて贈ろう。教養面の評価も上げよう。」
沖田総司は土方歳三に怪訝な様子で話し出す。
「土方さん。何故、たくさん気を遣うのですか?」
土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司は、京の町に疎く、食べ物をたくさん食べる。以上の特徴の有る総司に、呆れずに逢い続ける子だ。上役として気を遣うのは当然だろ。」
沖田総司は土方歳三を困惑して見た。
土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司。納得したな。」
沖田総司は土方歳三に困惑して話し出す。
「はい。」
土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司が蓮根に添える歌。“小竹の葉に はだれふり覆ひ 消なばかも 忘れむといへば 益して思ほゆ”。」
沖田総司は土方歳三に不思議な様子で話し出す。
「土方さん。笹を詠んだ歌を蓮根に添えるのですか?」
土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。
「蓮根は縁起物だ。御節料理に使われる。笹は神聖な植物といわれる。さりげなく新年に向けて二つの贈り物を渡す。総司が覚えやすく説明しやすい歌を選んだ。」
沖田総司は土方歳三に苦笑して話し出す。
「土方さん。前半の説明は納得して聞けますが、後半の説明は複雑な思いで聞きました。」
土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。
「俺は事実を話した。苦笑するな」
沖田総司は土方歳三を僅かに拗ねて見た。
土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司。新撰組一番組組長として、立派に務めろ。」
沖田総司は土方歳三に苦笑して話し出す。
「土方さんの話す内容を聞いていると、重大な任務を務めるように感じます。」
土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。
「全ての方向から聞いても、全ての方向から考えても、重大な任務だ。」
斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
沖田総司は土方歳三と斉藤一を苦笑して見た。
土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。
「斉藤は昨日の間に歌に関して覚えた。総司。斉藤から指導を受けろ。」
沖田総司は斉藤一に僅かに驚いて話し出す。
「斉藤さん。一日で覚えたのですか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「土方さんに呼ばれたのは昨日の夜だ。一日も掛けずに覚えた。」
沖田総司は斉藤一を感心して見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤。頼むな。」
斉藤一は土方歳三を見ると、土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。お願いします。」
斉藤一は沖田総司を見ると、沖田総司に普通の表情で頷いた。
数日後の事。
ここは、少女の住む家。
少女の部屋。
沖田総司は微笑んで居る。
沖田総司の傍には、包みが置いてある。
少女は微笑んで居る。
沖田総司は少女の前に包みを置くと、少女に微笑んで話し出す。
「蓮根を用意したんだ。蓮根はお節料理などに使えるよね。私は鈴ちゃんにはいつも世話になっているけれど、私から歳暮は贈れないだろ。歳暮の代わりとして受け取ってくれると嬉しいな。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「ありがとうございます。」
沖田総司は少女を微笑んで見た。
少女は包みを微笑んで広げた。
包みの中には、蓮根と汚れないように包まれた少女宛ての文が入っている。
少女は文を取ると、文を微笑んで丁寧に広げた。
沖田総司は少女を微笑んで見た。
少女は文を微笑んで読んだ。
沖田総司は少女を微笑んで見ている。
少女は文を持ち、沖田総司を見ると、沖田総司に恥ずかしく話し出す。
「ありがとうございます。蓮根は家族と味わって食べます。お歌は大事にします。」
沖田総司は少女を笑顔で見た。
少女は文を持ち、沖田総司を恥ずかしく見た。
暫く後の事。
ここは、屯所。
斉藤一の部屋。
斉藤一は普通に居る。
沖田総司は部屋を微笑んで訪れた。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。鈴ちゃんは歌を恥ずかしい様子を感じましたが喜んで受け取ってくれました。ありがとうございました。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「美鈴さんは総司から受け取った歌だ。美鈴さんは意味も理解して喜んでいると思う。歌を選んだ人物は、土方さんだ。俺への礼は必要ない。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さんは今回も私が歌を覚えるまで付き合ってくれました。感謝や礼をするのは当然です。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。少し経ったら、土方さんに報告に行きましょう。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。鈴ちゃんに、私、斉藤さん、鈴ちゃんと一緒に、美味しい物を食べに行く内容を話しました。鈴ちゃんはいつでも良いと話しました。後で予定を決めましょう。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「突然ですが、斉藤さんからのお歳暮を受け取っていませんね。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「俺からの歳暮が欲しいのか?」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「お歳暮は大切な季節の挨拶です。斉藤さんからお歳暮がもらえたら、とても嬉しいです。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。恩に着せる訳ではないが、俺は総司を幾度も助けている。恩に着せる訳ではないが、総司は更に歳暮まで要求するのか?」
沖田総司は斉藤一に僅かに困惑して話し出す。
「私の話す内容が悪いために、斉藤さんに不快な思いをさせてしまいました。申し訳ありません。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「俺は不快な思いをしていない。安心しろ。」
沖田総司は斉藤一を安心して見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司の話すとおり、歳暮は大切な季節の挨拶だ。総司に歳暮を贈る。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「ありがとうございます。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は沖田総司の額を指で普通の表情で思い切り弾いた。
沖田総司は痛い表情で額を抑えると、斉藤一に大きな声で話し出す。
「斉藤さん! 痛いです!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「季節の大切な挨拶の歳暮だから、総司の大切な物が確実に表に現れるように思い切り張り切った。残念ながら、今回も駄目だった。」
沖田総司は痛い表情で額を押さえて、斉藤一に大きな声で話し出す。
「斉藤さん! お歳暮だからといって思い切り張り切らないでください! 斉藤さんの話す意味が分かりません!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「歳暮だと思い切り張り切ってはいけないのか。張り切らないで歳暮を贈り直す。」
沖田総司は痛い表情で額を押さえて、斉藤一に大きな声で話し出す。
「斉藤さんからのお歳暮は、ありがたく受け取りました! 贈り直さないでください!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「分かった。」
沖田総司は痛い表情で額を押さえて、斉藤一を警戒して見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。土方さんへの報告に行く。」
沖田総司は痛い表情で額を押さえて、斉藤一を警戒して見ている。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。歳暮の内容が物足りないのか? 直ぐに贈り直す。」
沖田総司は痛い表情で額を押さえて、斉藤一に大きな声で話し出す。
「斉藤さん! 充分です! 絶対に贈り直さないでください!」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は痛い表情で額を押さえて、斉藤一に警戒して話し出す。
「斉藤さん。額が痛いので赤くなっていると思います。斉藤さんの部屋で少し休んでから、土方さんに報告に行きたいです。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は痛い表情で額を押さえて、疲れた様子で軽く息をはいた。
「小竹の葉に はだれふり覆ひ 消なばかも 忘れむといへば 益して思ほゆ」
沖田総司にとって“益して思ほゆ”人は、少女。
沖田総司の気持ちはいろいろな出来事が重なっているために、深く仕舞われている。
沖田総司は気付いていないが、土方歳三、山南敬助、斉藤一は、少女が“小竹の葉に はだれふり覆ひ 消なばかも 忘れむ”という機会が訪れないように、さり気なく気を遣っている。
土方歳三、山南敬助、斉藤一、少女の苦労は、暫く続く予感がする。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の改訂版です。
改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上、ご了承願います。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。
この物語に登場する歌は「万葉集 第十巻 二三三七番」
「小竹の葉に はだれふり覆ひ 消なばかも 忘れむといへば 益して思ほゆ」
ひらがなの読み方は「ささのはに はだれふりおほひ けなばかも わすれむといへば ましておもほゆ」
作者は「詠み人知らず」
歌の意味は「“ささの葉にうっすらと積もっている雪が消えてゆくように、私がいなくなれば、私のことなんか忘れてしまうのですね。”などと言うので、いっそうかわいらしく思える。」となるそうです。
原文は「小竹葉尓 薄太礼零覆 消名羽鴨 将忘云者 益所念」
「ささ」は、古代から神降ろしのための聖なる植物とされていたようです。
「ささ」は、歌に詠まれる時、「ささ」という音と、その風に揺れる音を意識していたのだろうと思われます。
「蓮(はす)」全般についてです。
ハス科の多年水生草です。
「蓮の花」は、夏の季語です。
「蓮の実(はすのみ)」は、秋(晩秋)の季語です。
「蓮根」・「蓮根掘る(はすねほる)」は、冬(初冬)の季語です。
万葉集に掲載している蓮の登場する歌は、四首あるそうです。
四首共に、仏教時関係なく、綺麗な女性を連想して詠んでいるようです。
「蓮根(れんこん)」は、「蓮」の地下茎です。
食用として利用しています。
万葉の時代は蓮を食用として利用されていなかったらしく、主に観賞用として利用されていたようです。
蓮(蓮根も含む)が食用として利用され始めたのは、鎌倉時代からになるそうです。
江戸時代には、一部の蓮根料理は門外不出となっていたそうです。
古くから食用として利用されているのが分かります。
明治時代初期頃までは、蓮根は高価な食材だったそうです。
明治時代中期以前は、裕福な人達やある程度の身分の人達は食べていますが、それ以外の人達は、特別な時以外は食べる機会の少ない食材だったようです。
蓮根は蓮田で栽培します。
蓮の花は、現在の暦で、七月から八月の頃に咲きます。
蓮根は少しずつ太くなっていきます。
ある程度の太さやしっかりと太くなると、蓮田から蓮根を掘り出して収穫します。
早生種では梅雨明け頃から掘り出して収穫が始まります。
蓮根の掘り出しの中心になる時季は、晩秋から冬になります。
蓮根の旬は、現在の暦で、10月頃から3月頃です。
寒い時季が中心になるため掘り出す作業は大変だそうです。
晩生種も含めると、梅雨明け頃から春に掛けて掘り出して収穫が出来ます。
蓮根は穴が開いているので「先が見通せる」という事で、縁起物として「御節料理(おせちりょうり)」に利用されています。
蓮の実は、蓮の種子です。
未熟な物は、甘いので生食で利用されています。
完熟した物は、乾燥してお菓子や料理の材料に利用しています。
漢方や薬膳料理に利用されています。
蓮は、葉や花も食用として利用されています。
調理方法を含めた詳細については各自でご確認ください。
「歳暮(せいぼ。さいぼ。)」についてです。
「年の暮れ。歳末。年末。」という意味と「歳末の贈り物」という意味があります。
「お歳暮(おせいぼ)」と呼ぶ方が多いと思いますが、「歳暮」でも「お歳暮」を差します。
この物語では、両方の意味で「お歳暮」と「歳暮」の呼び方が登場します。
「お歳暮」についてです。
冬の季語です。
お歳暮は、古代中国の季節ごとに神様にお供え物をするという風習が基になったといわれています。
江戸時代のお歳暮は、武士の間では組頭への贈り物として、商家ではお得意様への贈り物として、結婚をした家の間の贈り物として、分家から本家への贈り物として、などに利用していたそうです。
血縁関係や血縁関係に近い関係の繋がりとして、日頃の感謝を込めて、などの思いを込めてお歳暮を贈っていたそうです。
明治時代になると、自分達の生活の向上や出世などのために、立場が上の人への贈り物として利用する状況が増えてきたそうです。
現在では、家族、親戚、友達、会社関係、日頃や過去にお世話になった人、などと人によって贈る対象が様々になっています。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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