このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜


〜 夢占 瀧の幻 面知る君が見えぬこのころ 〜


登場人物

土方歳三、沖田総司、斉藤一、市村鉄之助、妖しい女性[蓮華]、妖しい猫[白]



「神のごと 聞こゆる瀧の 白波の 面知る君が 見えぬこのころ」

「万葉集 第十二巻 三〇一五番」より

作者:詠み人知らず



今は夏。



幕府軍と薩長中心の新政府軍の戦いが続いている。



土方歳三は戦いの中で足に怪我をしたので、会津で医師の治療を受けている。

会津には良い温泉が幾つも在る。

医者の勧めにより、温泉で湯治をするようになった。



ここは、会津。



温泉地。



滝の音が絶え間なく聞こえている。



温泉からも滝が見える。



温泉からは暖かい湯気が立ち昇っている。



土方歳三は温泉に普通の表情で浸かっている。



土方歳三は温泉に浸かりながら、滝を普通の表情で見た。



滝の下で白波が立っている。



土方歳三は温泉に浸かりながら、滝を普通の表情で見て呟いた。

「“神のごと 聞こゆる瀧の 白波の 面知る君が 見えぬこのころ”」



温泉から立ち昇る湯気が、土方歳三を包んだ。

温泉から立ち上る湯気は、土方歳三の瞳に映る滝と白波も包んだ。



土方歳三は温泉に浸かりながら、滝を普通の表情で見た。



それから幾つかの季節が過ぎた。



今は夜。



ここは、函館。



森の中。



満天の星が辺りを明るく照らしている。



土方歳三は普通の表情で居る。



土方歳三の後ろから、市村鉄之助の心配そうな声が聞こえてきた。

「土方先生。大丈夫ですか?」



土方歳三は後ろを普通の表情で見た。



市村鉄之助が土方歳三を心配そうに見ている。



土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。

「大丈夫だ。」

市村鉄之助は土方歳三を安心した様子で見た。

土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。

「鉄之助。俺の言動で気になる点があるのか?」

市村鉄之助は土方歳三に慌てた様子で話し出す。

「土方先生は常にしっかりとされています! 大丈夫です!」

土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。

「常にしっかりとしている俺を、なぜ鉄之助は心配したんだ?」

市村鉄之助は土方歳三に慌てた様子で話し出す。

「土方先生が一人で夜の森の中に居ます! 強くてしっかりとした土方先生でも、夜の森の中に一人では、何か遭った時に危険です! 私達が騒がしくて静かに過ごせないので一人になったのか、大事な考え事をするために一人になったのか、体調が悪くなったのか、気になって心配で・・・!」

土方歳三は市村鉄之助の話の途中で、普通に話し出す。

「鉄之助。分かった。」

市村鉄之助は土方歳三に申し訳なさそうに話し出す。

「私のような者が、土方先生の心配をして、土方先生に意見を言ってしまいました! 申し訳ありませんでした!」

土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。

「鉄之助は、俺の心配をしたが、意見はしていない。周りの様子に気を配るのは、とても大事だ。鉄之助が謝る理由は無い。」

市村鉄之助は土方歳三に笑顔で話し出す。

「ありがとうございます!」

土方歳三は市村鉄之助を微笑んで見た。

市村鉄之助は土方歳三を笑顔で見た。

土方歳三は夜空を普通の表情で見た。



満天の星が輝いている。



市村鉄之助は夜空を微笑んで見た。

土方歳三は夜空を見ながら、普通の表情で呟いた。

「“神のごと 聞こゆる瀧の 白波の 面知る君が 見えぬこのころ”」

市村鉄之助は辺りを不思議そうに見た。

土方歳三は夜空を普通の表情で見た。

市村鉄之助は土方歳三を見ると、不思議そうに話し出す。

「土方先生。滝の音が聞こえるのですか?」

土方歳三は市村鉄之助を見ると、普通に話し出す。

「聞こえない。」

市村鉄之助は土方歳三を不思議そうに見た。

土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。

「鉄之助。少しの間だけ、一人で考え事をしたい。鉄之助は先に戻れ。」

市村鉄之助は土方歳三に普通に話し出す。

「分かりました。先に戻ります。」

土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。

「鉄之助。念のために話しておく。夜は暗い。注意が足元に向く時が多くなる。鉄之助は、普段の注意力で物凄く足りない、細心の注意力で足りない、と思え。」

市村鉄之助は土方歳三に真剣な表情で話し出す。

「はい!」

土方歳三は市村鉄之助を普通の表情で見た。

市村鉄之助は土方歳三に真剣な表情で軽く礼をした。

土方歳三は市村鉄之助に普通の表情で頷いた。



市村鉄之助は真剣な表情で歩き出した。



土方歳三は市村鉄之助を普通の表情で見た。



市村鉄之助の姿は見えなくなった。



土方歳三の元に、会津の温泉地の滝の音が聞こえてきた。



土方歳三は辺りを怪訝そうに見た。



見る事態だけに限定すれば、辺りに変わった様子はない。



土方歳三は僅かに不機嫌そうに話し出す。

「何を考えている?」



蓮華が妖しい微笑みで、土方歳三の前に静かに現れた。

白猫の白が普通の様子で、土方歳三と蓮華の傍に静かに現れた。



土方歳三は蓮華と白を僅かに不機嫌そうに見た。

蓮華は妖しい微笑みで、土方歳三に抱き付いた。

土方歳三は蓮華に僅かに不機嫌そうに話し出す。

「なぜ俺の前に現れた?」

蓮華は土方歳三に抱き付きながら、妖しい微笑みで話し出す。

「“神のごと 聞こゆる瀧の 白波の 面知る君が 見えぬこのころ”。土方様が私を呼んでくださいました。私も白も嬉しくなって、土方様の前に現れました。」

土方歳三は蓮華に僅かに不機嫌そうに話し出す。

「俺はどちらも呼んでいない。俺はどちらにも会いたくない。」

蓮華は土方歳三に抱き付きながら、僅かに寂しそうに話し出す。

「先生。酷いです。」

土方歳三は蓮華に僅かに不機嫌そうに話し出す。

「酷くない。」

白は土方歳三の元にゆっくりと近寄った。

蓮華は土方歳三に抱き付きながら、白を妖しい微笑みで見た。

土方歳三は白を普通の表情で見た。

蓮華は土方歳三に抱き付きながら、土方歳三を見ると、妖しい微笑みで話し出す。

「土方様。白も寂しがっています。」

土方歳三は蓮華を普通の表情で見た。

蓮華は土方歳三に抱き付きながら、妖しい微笑みで話し出す。

「土方様に大切な方々を偲んで頂きたいと思いました。滝の音は、私と白からの贈り物です。」

土方歳三は蓮華に僅かに不機嫌そうに話し出す。

「俺に大切な方々を偲んで頂きたいと本当に思うならば、別な贈り物が欲しかった。」

蓮華は土方歳三に抱き付きながら、妖しい微笑みで話し出す。

「土方様は不機嫌な姿も素敵です。土方様の幾つもの素敵な姿が見られて嬉しいです。」

土方歳三は僅かに不機嫌な様子で軽く息をはいた。

蓮華は土方歳三に抱き付きながら、妖しい微笑みで話し出す。

「不機嫌な様子で軽く息をはく土方様も素敵です。」

土方歳三は蓮華を普通の表情で見た。

蓮華は土方歳三から怪しい微笑みで離れた。

土方歳三は蓮華を普通の表情で見ている。

蓮華は土方歳三に妖しい微笑みで話し出す。

「土方様。突然に鋭い殺気を感じました。今回はこれで失礼します。」

土方歳三は蓮華を普通の表情で見ている。

蓮華は土方歳三に妖しい微笑みで話し出す。

「土方様は、私の姿が見えなくなると同時に、私に関する記憶が無くなります。仕方が無いと諦めながらも、諦めきれません。悲しいです。」

土方歳三は蓮華を普通の表情で見ている。

蓮華は土方歳三に妖しい微笑みで話し出す。

「土方様。再び逢いましょうね。」

土方歳三は蓮華に普通に話し出す。

「嫌だ。」

蓮華は土方歳三を妖しい微笑みで見た。

土方歳三は蓮華を普通の表情で見た。



蓮華は妖しい微笑みで、静かに居なくなった。

白は普通の様子で、静かに居なくなった。



滝の音は止まらずに聞こえる。



辺りが淡い光に包まれた。



土方歳三は辺りを微笑んで見た。



桜は淡い光に包まれながら、満開になって咲いた。



沖田総司が微笑みながら、静かに現れた。



土方歳三は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方さん。こんばんは。」

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「今回は、桜の他に滝の音も追加して現れたんだ。」

沖田総司は土方歳三に苦笑しながら話し出す。

「私と滝の音は、関係ありません。滝の音は名残です。」

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「滝の音が聞こえると同時に、嫌な感じがした。総司が現れる気配がしてから、嫌に感じが無くなった。一応、総司に礼を言うよ。」

沖田総司は土方歳三を微笑んで見た。

土方歳三は夜空を微笑んで見た。

沖田総司も夜空を微笑んで見た。

土方歳三は夜空を見ながら、微笑んで呟いた。

「“神のごと 聞こゆる瀧の 白波の 面知る君が 見えぬこのころ”」

沖田総司は土方歳三を見ると、微笑んで話し出す。

「私が来ました。喜んでください。」

土方歳三は沖田総司を見ると、普通に話し出す。

「俺は総司を呼んでいない。」

沖田総司は土方歳三に拗ねた様子で話し出す。

「私は土方さんが呼んだから来ました。土方さんは歌を詠みました。なぜ土方さんは嘘を付くのですか? なぜ土方さんは私を寂しがらせるのですか?」

土方歳三は沖田総司に普通に話し出す。

「“神のごと 聞こゆる瀧の 白波の 面知る君が 見えぬこのころ”。今夜の夜空を見ながら、この歌を詠んだ理由が分からない。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方さん。歌を詠んだ理由が分かるのに、歌を詠んだ理由が分からない、と言いましたね。」

土方歳三は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方さん。やはり私と話しがしたくて呼びましたね。」

土方歳三は沖田総司を微笑んで見ている。

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方さんが否定をしないで、私の考えは当たりにします。」

土方歳三は沖田総司を微笑んで見ている。

沖田総司は土方歳三を微笑んで見た。

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「せっかく来たんだ。寄り道してから戻れ。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「はい。」

土方歳三は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は土方歳三に微笑んで軽く礼をした。

土方歳三は沖田総司に微笑んで頷いた。



沖田総司は微笑みながら、静かに居なくなった。



土方歳三は夜空を微笑んで見た。



夜空には満天の星が輝いている。



土方歳三は辺りを微笑んで見た。



桜は元の姿に戻っている。



土方歳三の後ろから、市村鉄之助の心配そうな声が聞こえてきた。

「土方先生。大丈夫ですか?」



土方歳三は後ろを不思議そうに見た。



市村鉄之助が土方歳三を心配そうに見ている。



土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。

「鉄之助。迷子になったのか?」

市村鉄之助は土方歳三に慌てた様子で話し出す。

「土方先生が強くてしっかりとした方でも、夜の森の中に一人で居るのは心配です! 私のような未熟な者でも、土方先生の傍に居れば僅かでも役に立つ機会があると思い、戻ってきました!」

土方歳三は市村鉄之助を普通の表情で見た。

市村鉄之助は土方歳三に申し訳なさそうに話し出す。

「私のような者が、土方先生の心配をして、土方先生に意見を言ってしまいました! 申し訳ありませんでした!」

土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。

「鉄之助は、俺の心配をしたが、意見はしていない。周りの様子に気を配るのは、とても大事だ。鉄之助が謝る理由は無い。」

市村鉄之助は土方歳三に笑顔で話し出す。

「ありがとうございます!」

土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。

「先程と似た会話になっている。」

市村鉄之助は土方歳三に真剣な表情で話し出す。

「はい!」

土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。

「鉄之助。落ち着け。」

市村鉄之助は土方歳三に真剣な表情で話し出す。

「はい!」

土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。

「鉄之助。息をはけ。」

市村鉄之助は土方歳三を見ながら、大きく息をはいた。

土方歳三は市村鉄之助を普通の表情で見た。

市村鉄之助は土方歳三に微笑んで話し出す。

「落ち着きました。」

土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。

「戻るぞ。」

市村鉄之助は土方歳三に微笑んで話し出す。

「はい。」



土方歳三は普通に歩き出した。

市村鉄之助も普通に歩き出した。



それから僅かに後の事。



ここは、函館からも北の大地からも離れた場所。



満天の星が辺りを明るく照らしている。



ここは、一軒の屋敷。



縁。



武士姿の男性が、夜空を普通の表情で見ている。



武士姿の男性は、普通の表情で呟いた。

「“神のごと 聞こゆる瀧の 白波の 面知る君が 見えぬこのころ”」



武士姿の少年が、武士姿の男性の傍に不思議そうに来た。



武士姿の男性は、武士姿の少年を普通の表情で見た。

武士姿の少年は、武士姿の男性に不思議そうに話し出す。

「滝は見えず、滝の音は聞こえないのに、滝が登場する歌を詠みましたよね。」

武士姿の男性は、武士姿の少年を普通の表情で見た。

武士姿の少年は、武士姿の男性に申し分けなさそうに話し出す。

「すいません。」

武士姿の男性は、武士姿の少年に普通に話し出す。

「俺に謝る言動をしていないのに、なぜ謝る。」

武士姿の少年は、武士姿の男性に困惑した様子で話し出す。

「分かりません。」

武士姿の男性は、武士姿の少年を普通の表情で見た。

武士姿の少年は、武士姿の男性を困惑した様子で見ている。

武士姿の男性は、武士姿の少年に普通に話し出す。

「以前に所属していた組織の上役が、滝の見える温泉や滝の音の聞こえる温泉の療養中に詠んだ歌だ。」

武士姿の少年は、武士姿の男性に微笑んで話し出す。

「良い歌ですね。さすが上役の方ですね。」

武士姿の男性は、武士姿の少年に普通に話し出す。

「“神のごと 聞こゆる瀧の 白波の 面知る君が 見えぬこのころ”。上役が詠んだ歌だが、万葉集に掲載されている歌だ。」

武士姿の少年は、武士姿の男性に恥ずかしそうに話し出す。

「機会があった時に歌についても勉強します。」

武士姿の男性は、武士姿の少年に普通の表情で頷いた。

武士姿の少年は、武士姿の男性を微笑んで見た。

武士姿の男性は、武士姿の少年に普通に話し出す。

「早く寝ろ。」

武士姿の少年は、武士姿の男性に普通に話し出す。

「お言葉に甘えて先に休みます。」

武士姿の男性は、武士姿の少年を普通の表情で頷いた。

武士姿の少年は、武士姿の男性に微笑んで軽く礼をした。

武士姿の男性は、武士姿の少年に普通の表情で頷いた。



武士姿の少年は、微笑んで歩き出した。



武士姿の男性は、武士姿の少年を普通の表情で見た。



武士姿の少年は、部屋の中に静かに入った。



武士姿の男性は、夜空を普通の表情で見た。



満天の星が輝く夜空から、桜の花びらがゆっくりと舞い落ちてきた。



武士姿の男性は、桜の花びらを掌で普通に受け止めた。



武士姿の男性は、掌に桜の花びらを載せたまま、辺りを普通の表情で見た。



辺りに変わった気配はない。



武士姿の男性は、掌に載せた桜の花びらを普通の表情で見た。



桜の花びらは、淡い光を放ちながら、静かに消えた。



武士姿の男性は、掌を見ながら、普通の表情で呟いた。

「やはり面白い。」



武士姿の男性は、普通に歩き出した。



「神のごと 聞こゆる瀧の 白波の 面知る君が 見えぬこのころ」

土方歳三と斉藤一にとって、“神のごと 聞こゆる瀧の 白波の 面知る君が 見えぬこのころ”に該当する人物は誰なのか?

この世を生きる者の中で答えを知るのは、土方歳三本人と斉藤一本人だけかも知れない。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語に登場する歌は「万葉集 第十二巻 三〇一五番」です。

「神のごと 聞こゆる瀧の 白波の 面知る君が 見えぬこのころ」

ひらがなの読み方は「かみのごと きこゆるたきの しらなみの おもしるきみが みえぬこのころ」

作者は「詠み人知らず」

歌の意味は「神が鳴らしているように轟いている滝のようにはっきりと顔を知っているあなたが、このごろ姿をみせないのはどうされたのでしょうね。」となるそうです。

原文は「如神 所聞瀧之 白浪乃 面知君之 不所見比日」

近藤勇さん、土方歳三さん、斉藤一さん、市村鉄之助さん、について簡単に補足します。

土方歳三さんは、戊辰戦争の中での宇都宮の戦いの最中に、足を負傷します。

そのため、慶応四年(1868年)四月下旬に、会津に来たそうです。

現在の暦で五月頃になります。

会津で数ヶ月ほど療養したそうです。

療養中に、医者などの勧めがあり、現在の会津若松市に在る東山温泉で湯治をしたと伝わっています。

土方歳三さんが湯治をした頃の東山温泉には、会津藩指定の共同湯が在りました。

しかし、土方歳三さんが湯治に通った温泉は、幾つかの逸話がありますが特定は出来ないそうです。

東山温泉には、川が滝のように流れる場所や滝になっている場所が在ります。

土方歳三さんは、会津での療養中に、近藤勇さんのお墓を会津に在る寺に建てます。

慶応四年(1868年)八月頃に、戦線に復帰したそうです。

斉藤一さんは、幾つもの名前を名乗って過ごしていました。

その関係から、今回の物語では、“斉藤一”さんの名前が一部の場面に登場しますが、他の場面では特定の名前で登場していません。

斉藤一さんは、函館に向かわず会津に残りました。

近藤勇さんは、慶応四年四月二十五日(1868年5月17日)に斬首により亡くなります。

沖田総司さんは、慶応四年五月三十日(1868年7月19日)に病のために亡くなります。

物語の時間設定時は、斉藤一さんは存命中ですが、近藤勇さんと沖田総司さんは、既に亡くなっています。

土方歳三さんは、明治二年五月十一日(1869年6月20日)に戦いの中で亡くなります。

市村鉄之助さんは、明治二年(1869年)五月頃に、土方歳三さんの命令により、函館を脱出し多摩へと向かう事になります。

「夢占(ゆめうら)」は、「夢で吉凶を占う事。夢占い。」という意味です。

楽しんで頂けると嬉しいです。





←前            目次            次→


このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください