このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜


〜 初夏 菖蒲の香り 君を相見て 〜


登場人物

近藤勇、土方歳三、沖田総司、斉藤一、少女[美鈴・鈴]



「春日野に 照れる夕日の 外のみに 君を相見て 今ぞ悔しき」

「万葉集 第十二巻 三〇〇一番」より

作者:詠み人知らず



暦は夏。



ここは、京の町。



少しずつ暑さを感じるようになったが、本格的な夏の暑さは感じない。



ここは、沖田総司と斉藤一と少女が幾度も訪れる寺。



寺の中。



沖田総司は微笑んで居る。

斉藤一は普通に居る。

少女は微笑んで居る。



沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。屯所で菖蒲湯に浸かるんだ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「端午の節句の日の他にも菖蒲湯に浸かるのですね。羨ましいです。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「菖蒲湯に浸かると気持ち良いし、“菖蒲”は“尚武”と“勝負”に繋がるだろ。隊士達に菖蒲湯の評判が良いんだ。隊士達の任務は危険で大変なんだ。近藤さんが、“菖蒲”が“尚武”と“勝負”に繋がるし、隊士達に菖蒲湯の評判が良いから、隊士達に日頃の疲れをとってもらうために、再び菖蒲湯を用意すると決めたんだ。」

少女は沖田総司の腕を心配な様子で掴んだ。

沖田総司は少女を不思議な様子で見た。

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「美鈴さん。近藤さんが菖蒲湯を用意した理由は、隊士達の気分転換と隊士達の疲れを取るためだ。総司は慌てて説明したから、誤解を招く説明になった。心配するな。」

沖田総司は少女に慌てて話し出す。

「鈴ちゃん! 京の町の警護などのたくさんの任務があるから忙しいけれど、想像より大変ではないし、想像より危険でもないよ! 鈴ちゃん上手に説明できなくて、心配を掛けてしまった! ごめんね!」

少女は沖田総司の腕から手を放すと、沖田総司と斉藤一に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女を微笑んで見た。

斉藤一は少女を普通の表情で見た。

少女は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。

「私も家の人に菖蒲湯に浸かりたいとお願いします。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんも菖蒲湯に浸かれると良いね。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。



暫く後の事。



ここは、京の町。



空が陽の落ちる気配を見せ始めた。



ここは、沖田総司と斉藤一と少女が幾度も訪れる寺。



寺の中。



沖田総司は微笑んで居る。

斉藤一は普通に居る。

少女は微笑んで居る。



沖田総司は少女に慌てて話し出す。

「鈴ちゃん! 楽し過ぎて長く話してしまった! 鈴ちゃんが家に帰るのが遅くなってしまう! ごめんね! 家まで送るね!」

少女は沖田総司に少し寂しい微笑みで頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。私は鈴ちゃんを家に送ってから屯所に戻ります。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。よろしくお願いします。」

沖田総司は少女と斉藤一を微笑んで見た。



少し後の事。



ここは、京の町。



空が陽の落ちる気配を見せ始めている。



近藤勇は普通に歩いている。

土方歳三も普通に歩いている。



土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「俺も近藤さんも立場の関係で、任務以外で共に出掛ける機会が減っているな。」

近藤勇は土方歳三に微笑んで頷いた。

土方歳三は空を微笑んで見た。

近藤勇も空を微笑んで見た。

土方歳三は空を見ながら、近藤勇に微笑んで話し出す。

「綺麗だな。」

近藤勇は空を見ながら、土方歳三に微笑んで話し出す。

「綺麗だな。」

土方歳三は辺りを微笑んで見た。



沖田総司と少女が微笑んで話して歩く姿が見える。



土方歳三は沖田総司と少女を微笑んで見た。

近藤勇は土方歳三を不思議な様子で見た。

土方歳三は沖田総司と少女を見ながら、近藤勇に微笑んで話し出す。

「楽しい気持ちが伝わるな。」

近藤勇は辺りを不思議な様子で見た。



沖田総司と少女が微笑んで話して歩く姿が見える。



近藤勇は沖田総司と少女を見ると、微笑んで話し出す。

「確かに楽しい気持ちが伝わるな。」

土方歳三は少女を見ながら、近藤勇に微笑んで話し出す。

「綺麗になったな。」

近藤勇は少女を見ながら、土方歳三に微笑んで話し出す。

「綺麗になった。」

土方歳三は近藤勇を見ると、近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん。念のために、綺麗になった、が差すものを教えてくれ。」

近藤勇は土方歳三を苦笑して見た。

土方歳三は沖田総司と少女を見ると、近藤勇に微笑んで話し出す。

「“春日野に 照れる夕日の 外のみに 君を相見て 今ぞ悔しき”」

近藤勇は土方歳三を不思議な様子で見た。

土方歳三は近藤勇を見ると、近藤勇に微笑んで話し出す。

「などと、近藤さんは、今の空の様子の時に、今の歌を詠まないように。」

近藤勇は土方歳三を苦笑して見た。

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん。もしかして、“春日野に 照れる夕日の 外のみに 君を相見て 今ぞ悔しき”、なのか?」

近藤勇は土方歳三を見ながら、微笑んで首を横に振った。

土方歳三は近藤勇を微笑んで見た。

近藤勇も土方歳三を微笑んで見た。



数日後の事。



ここは、京の町。



屯所。



風呂場。



沖田総司は菖蒲湯に笑顔で浸かっている。



湯船には、長くて緑色の葉菖蒲が浮かんでいる。



沖田総司は菖蒲湯に浸かり、葉菖蒲を取ると、葉菖蒲を顔に笑顔で近付けた。

沖田総司は菖蒲湯に浸かり、葉菖蒲を湯船に戻すと、葉菖蒲を笑顔で揺らした。



土方歳三が風呂場の傍に微笑んで来た。

斉藤一が風呂場の傍に普通に来た。



沖田総司は菖蒲湯に浸かり、土方歳三と斉藤一を笑顔で見た。



土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司。笑顔だな。」

斉藤一は土方歳三と沖田総司を普通の表情で見た。



沖田総司は菖蒲湯に浸かり、土方歳三と斉藤一に笑顔で話し出す。

「菖蒲湯は楽しいです! 菖蒲湯は気持ち良いです!」



土方歳三は沖田総司を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。



沖田総司は菖蒲湯に浸かり、土方歳三と斉藤一を笑顔で見た。



土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司。あの子も菖蒲湯に浸かっているのかな?」



沖田総司は菖蒲湯に浸かり、土方歳三を赤面して見た。



土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司。突然に顔が赤くなったぞ。もしかして、一緒に菖蒲湯に浸かると約束したのか?」

斉藤一は土方歳三と沖田総司を普通の表情で見た。



沖田総司は菖蒲湯に浸かり、土方歳三に赤面して話し出す。

「土方さんが話す内容の約束はしていません。」



土方歳三は沖田総司を微笑んで見た。

斉藤一は土方歳三と沖田総司を普通の表情で見ている。



沖田総司は菖蒲湯に浸かり、土方歳三と斉藤一を赤面して見た。



土方歳三は沖田総司を微笑んで見ている。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。



沖田総司は菖蒲湯に浸かり、赤面して少しぐったりとした。



斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。大丈夫か?」



沖田総司は菖蒲湯に浸かり、赤面して少しぐったりとして小さく頷いた。



土方歳三は沖田総司に慌てて話し出す。

「総司! 直ぐに傍に行く! 風呂の中に沈むな!」



沖田総司は菖蒲湯に浸かり、赤面して少しぐったりとして小さく頷いた。



土方歳三は風呂場に慌てて入った。

斉藤一は風呂場に普通に入った。



暫く後の事。



ここは、屯所。



沖田総司の部屋。



障子が半分ほど開いている。



沖田総司は浴衣を着て、布団にぐったりと横になっている。

斉藤一は沖田総司に団扇を普通に扇いでいる。



沖田総司は布団にぐったりと横になり、斉藤一に小さい声で話し出す。

「斉藤さん。すいません。」

斉藤一は沖田総司に団扇を扇いで、沖田総司に普通に話し出す。

「気にするな。」

沖田総司は布団にぐったりと横になり、斉藤一に小さい声で話し出す。

「土方さん。変な内容を話しましたよね。」

斉藤一は沖田総司に団扇を扇いで、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は布団にぐったりと横になり、斉藤一に小さい声で話し出す。

「まさかとは思いますが、鈴ちゃんに逢ったのでしょうか?」

斉藤一は沖田総司に団扇を扇いで、沖田総司に普通に話し出す。

「土方さんは適当に話しただけだ。気にするな。」

沖田総司は布団にぐったりと横になり、斉藤一を疲れた様子で見た。

斉藤一は沖田総司に団扇を扇いで、沖田総司を普通の表情で見た。



土方歳三が急須と湯飲みを持ち、部屋の中に普通に入ってきた。



沖田総司は布団にぐったりと横になり、土方歳三を疲れた様子で見た。

斉藤一は沖田総司に団扇を扇いで、土方歳三と沖田総司を普通の表情で見た。

土方歳三は急須と湯飲みを傍に置くと、斉藤一に普通に話し出す。

「水を用意した。総司に飲ませてくれ。」

斉藤一は沖田総司に団扇を扇いで、土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

沖田総司は布団にぐったりと横になり、土方歳三を疲れた様子で見ている。



土方歳三は部屋を普通に出て行った。



僅かに後の事。



ここは、屯所。



近藤勇の部屋。



近藤勇は僅かに心配な様子で居る。



土方歳三は普通に訪れた。



近藤勇は土方歳三に心配して話し出す。

「歳。総司の様子を教えてくれ。」

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「辛くて布団に横になっているが、大丈夫だ。」

近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「歳。総司を余りからかうなよ。」

土方歳三は近藤勇を苦笑して見た。

近藤勇は土方歳三を微笑んで見た。

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん。頼みがある。」

近藤勇は土方歳三に不思議な様子で頷いた。



数日後の事。



ここは、屯所。



風呂場。



湯船には長い緑色の葉菖蒲が浮かんでいる。



沖田総司は菖蒲湯に笑顔で浸かっている。



沖田総司は葉菖蒲を取ると、葉菖蒲を顔に笑顔で近付けた。

沖田総司は葉菖蒲を湯船に戻すと、葉菖蒲を笑顔で軽く揺らした。



暫く後の事。



ここは、屯所。



縁。



沖田総司は笑顔で歩いている。



斉藤一は普通に来た。



沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「菖蒲湯はとても気持ち良かったです!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一を笑顔で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。出掛けるぞ。」

沖田総司は斉藤一に不思議な様子で頷いた。



斉藤一は普通に歩き出した。

沖田総司は不思議な様子で歩き出した。



少し後の事。



ここは、京の町。



空は少し経つと陽が落ちる気配を見せている。



沖田総司は微笑んで歩いている。

斉藤一は普通に歩いている。



沖田総司は赤面して立ち止まった。

斉藤一は普通に立ち止まった。



沖田総司は斉藤一の袖を赤面して掴んだ。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一の袖を掴んで、斉藤一に赤面して話し出す。

「斉藤さん。もしかして、今から行く場所は、鈴ちゃんの家ですか?」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一の袖を掴んで、斉藤一を赤面して見た。



斉藤一は普通に歩き出した。

沖田総司は斉藤一の袖を放して、赤面して歩き出した。



少し後の事。



ここは、少女の家の前。



斉藤一は普通に来た。

沖田総司は赤面して来た。



斉藤一は家の中に向かって声を掛けた。

「すいません。」

沖田総司は斉藤一を赤面して見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。



少し後の事。



ここは、少女の家。



玄関。



沖田総司は赤面して居る。

斉藤一は普通に居る。



少女は微笑んで来た。



斉藤一は少女に普通に話し出す。

「美鈴さん。突然に訪ねて悪かったな。」

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「総司さんと斉藤さんに約束の日の他に逢えて嬉しいです。」

斉藤一は沖田総司と少女に普通に話し出す。

「総司。美鈴さん。出掛ける。」

少女は斉藤一に微笑んで頷いた。

沖田総司は斉藤一と少女に赤面して頷いた。

少女は沖田総司に心配して話し出す。

「総司さん。お顔が赤いです。大丈夫ですか?」

斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。



斉藤一は普通に家の外に出て行った。



沖田総司は少女に赤面して焦って話し出す。

「出掛ける少し前に、菖蒲湯に浸かったんだ! 菖蒲湯は気持ち良かったよ! 斉藤さんが行ってしまう! 続きは出掛ける最中に話すね!」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。



沖田総司は赤面して家の外に出て行った。

少女は微笑んで家の外に出て行った。



僅かに後の事。



ここは、京の町。



斉藤一は普通に歩いている。

沖田総司は微笑んで歩いている。

少女は微笑んで歩いている。



少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんも斉藤さんも元気で安心しました。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

斉藤一は少女を普通の表情で見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「陽が落ちる頃に出掛ける機会は物凄く少ないよね。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「斉藤さんが連れて行ってくれる場所は何処かな? 楽しみだね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「楽しみです。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女も沖田総司を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。



僅かに後の事。



ここは、屯所。



近藤勇の部屋。



近藤勇は微笑んで居る。

土方歳三も微笑んで居る。



土方歳三は障子を微笑んで開けた。



少し経つと陽が暮れようとしている。



土方歳三は夕日を見ながら、微笑んで呟いた。

「“春日野に 照れる夕日の 外のみに 君を相見て 今ぞ悔しき”」

近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「歳。誰を想像して歌を詠んだんだ?」

土方歳三は近藤勇を見ると、近藤勇に微笑んで話し出す。

「秘密。」

近藤勇は土方歳三を微笑んで見た。

土方歳三も近藤勇を微笑んで見た。



「春日野に 照れる夕日の 外のみに 君を相見て 今ぞ悔しき」

沖田総司は、菖蒲湯に浸かった。

菖蒲の香りは、邪気を遠ざけるといわれている。

沖田総司と少女には、菖蒲の香りのように、さり気なく守る人達が居る。

菖蒲の香りが、沖田総司と少女を更にさり気なく守っている。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語に登場する歌は「万葉集 第十二巻 三〇〇一番」

「春日野に 照れる夕日の 外のみに 君を相見て 今ぞ悔しき」

ひらがなの読み方は「かすがのに てれるゆうひの よそのみに きみをあいみて いまぞくやしき」

作者は「詠み人知らず」

歌の意味は、「春日野(かすがの)に照る夕日のように遠くからあなたを見ていただけだったのが、今になって悔やまれてなりません。」となるそうです。

原文は「春日野尓 照有暮日之 外耳 君乎相見而 今曽悔寸」

「万葉集」の中に「夕日(入日)」を詠った歌は、約10首しかありません。

夕暮れを詠んだ「夕されば」を含めると、少し増えるそうです。

月や星を扱った歌の数と比べると、かなり少ないです。

「風呂」についてです。

江戸時代には銭湯をたくさんの人達が利用していました。

現在とは違い「蒸し風呂」のようになっていて、「戸棚風呂」と呼ばれる形だったそうです。

熱くなっている小石の上に水を掛けて蒸気を出していたそうです。

浴槽には膝の高さほどのお湯しかありませんでした。

下半身はお湯に浸して、上半身は小石から出る蒸気で温めていたそうです。

蒸気が逃げないようにするために、「石榴口(ざくろぐち)」が考えられたそうです。

天井から低く板を下げて、蒸気を逃げないようにしていました。

お風呂に入る人達はこの板をくぐって、風呂場の中へと入っていったそうです。

現在のお風呂に近い、深く浸かるお風呂も江戸時代に出来ました。

「据え風呂」と呼び、「慶長年間の末頃」に出来たそうです。

井戸水などから沸かすお風呂だったそうです。

一般の庶民の家に広まったそうです。

普及していたのは「鉄砲風呂」や「五右衛門風呂」だったそうです。

「鉄砲風呂」は、鉄の筒に燃えている薪を入れてお湯を温めるお風呂です。

鉄の筒でやけどをしないように、筒を遮るように柵で防護していたそうです。

鉄砲風呂の形のお風呂は、江戸で主流になっていたそうです。

「五右衛門風呂」は、下の鉄釜を熱して温めるお風呂です。

やけどをしないように、「釜板、兼、底板」を下に敷いてお風呂に入ったそうです。

五右衛門風呂の形のお風呂は、関西で主流になっていたそうです。

「菖蒲湯(しょうぶゆ)」についてです。

菖蒲の葉は強い香りがあります。

その香りが不浄を払い、邪気を遠ざけてくれるともいわれています。

「菖蒲根」の方が「葉菖蒲」よりも効能は期待できるそうです。

現在では「菖蒲根」は手に入り難くなっていて、葉菖蒲でも効能は期待出来る、葉菖蒲の手に入る場所が多いため、葉菖蒲を使う家庭が多いと思います。

「葉菖蒲」を使った入り方です。

葉菖蒲を生の状態のまま細かくして袋に入れます。

袋を桶などに入れてから熱いお湯を注ぎます。

ある程度の時間を置いてから、成分の出たお湯と袋を一緒に入れるそうです。

「菖蒲根」を使った入り方です。

天日干しした菖蒲(あやめ)の生根を、細かく刻んで布袋に詰めて煮出します。

袋と煮汁ごと浴槽に入れるそうです。

「葉菖蒲」と「菖蒲根」のどちらを使った方法でも、葉菖蒲を浴槽に浮かべると、緑と香りが楽しめます。

今回の方法は幾つかある入り方の一つです。

私は、葉菖蒲をそのまま浴槽に入れて楽しみます。

「菖蒲湯」の効能についてです。

鎮痛の効果と血行促進の効果があり、腰痛や神経通の痛みを和らげる効果もあるそうです。

菖蒲の精油成分や菖蒲の香りにも、癒しなどの効果があるそうです。

菖蒲湯の入り方の詳細と菖蒲の効能の詳細は、各自でご確認をお願いします。

「尚武(しょうぶ)」は「武道・武勇を重んじること」です。

「初夏(しょか)」は「夏の始め。陰暦四月の異称」です。

楽しんで頂けると嬉しいです。





←前            目次            次→


このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください