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〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜
〜 冬月に見る夢 大柚の贈り物 時じくに 〜
登場人物
沖田総司、斉藤一、少女[美鈴・鈴]
夜の国の住人 夢
「橘は 花にも実にも 見つれども いや時じくに なほし見が欲し」
「万葉集 第十八巻 四一一二番」より
作者:大伴家持(おおとものやかもち)
今は冬。
ここは、京の町。
寒い日が続いている。
今は夜。
夜空には綺麗な星が輝いている。
ここは、屯所。
沖田総司の部屋。
沖田総司は床の中で気持ち良く眠っている。
部屋の中が不思議な雰囲気に包まれた。
沖田総司は床の中でゆっくりと目を開けた。
少女が沖田総司の顔を覆うように笑顔で覗き込んでいる。
沖田総司は、少女と同じ容姿の“夢”という名前の少女だと直ぐに分かった。
沖田総司は床の中で、夢に微笑んで話し出す。
「夢ちゃん。こんばんは。」
夢は沖田総司の顔を覆うように、沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さん。こんばんは。」
沖田総司は床の中で、少女を微笑んで見た。
夢は沖田総司の顔を覆うのを微笑んで止めた。
沖田総司は床の上に微笑んで体を起こした。
夢は沖田総司に微笑んで抱き付いた。
沖田総司は床に体を起こして、赤面して動きを止めた。
夢は沖田総司を抱いて、不思議な空気にゆっくりと包まれた。
沖田総司は赤面して、不思議な空気にゆっくりと包まれた。
一瞬の後の事。
ここは、夜の国。
沖田総司は赤面してゆっくりと目を開けた。
心地良い空気に包まれた。
夢は沖田総司を微笑んで抱いている。
夜空には満天の星が輝いている。
草原が広がっている。
夢は沖田総司から微笑んで放れた。
沖田総司は夢を赤面して見た。
夢は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さん。夜の国に招待する時は、顔が赤くなりますね。」
沖田総司は夢に赤面して話し出す。
「夢ちゃんが私に抱き付くからだよ。」
夢は沖田総司に微笑んで話し出す。
「私と美鈴さんは、容姿が物凄く似ています。私が抱き付くと総司さんの顔は赤くなりますが、美鈴さんが抱き付いても総司さんの顔は赤くなりません。」
沖田総司は夢に赤面して話し出す。
「鈴ちゃんと夢ちゃんは、容姿は物凄く似ているけれど、直ぐに違うと分かる。夢ちゃんが私に抱き付くから、顔が赤くなる。」
夢は沖田総司に微笑んで話し出す。
「斉藤さんも美鈴さんと私を直ぐに見分けられます。」
沖田総司は夢に赤面して話し出す。
「斉藤さんの観察力と洞察力は天才的だから、直ぐに分かるんだよ。」
夢は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さんは、美鈴さんを強く想う力によって、私と美鈴さんを直ぐに見分けるのですね。」
沖田総司は夢を赤面して見た。
夢は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さん。ずっと顔が赤いですね。」
沖田総司は夢に赤面して話し出す。
「夢ちゃんが変な内容を話すからだよ。」
夢は沖田総司に微笑んで話し出す。
「私は変な内容を話していません。私が話す変な内容を、具体的に教えてください。」
沖田総司は夢を赤面して動揺して見た。
夢は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さんは美鈴さんに対して、何も想っていないのですね。」
沖田総司は夢に赤面して慌てて話し出す。
「違う!」
夢は沖田総司に微笑んで話し出す。
「私の話の内容は合っているのですね。」
沖田総司は夢を赤面して動揺して見た。
夢は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さんと話すと、いろいろな表情が見られます。楽しいです。」
沖田総司は夢を赤面して怪訝な様子で見た。
夢は沖田総司の手を掴むと、沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さん。手が温かいです。体も温まりましたよね。」
沖田総司は夢を赤面して怪訝な様子で見ている。
夢は沖田総司の手を放すと、沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さんが夜の国で私と過ごすと、美鈴さんが総司さんと夜の国で過ごす時間が減ります。美鈴さんに申し訳ありません。私は暫く別な場所に居ます。」
沖田総司は夢に赤面して話し出す。
「鈴ちゃんと斉藤さんが居る場所を教えてくれ。」
夢は微笑んで、静かに居なくなった。
沖田総司は辺りを赤面して見た。
斉藤一の姿は見えない。
少女の姿も見えない。
沖田総司は辺りを見ながら、赤面して不思議な様子で呟いた。
「斉藤さんの姿も見えないし、鈴ちゃんの姿も見えないけれど、近くに居る気配を感じる。」
沖田総司の後ろから、斉藤一の普通の声が聞こえた。
「総司。」
沖田総司は後ろを赤面して微笑んで見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は斉藤一に赤面して微笑んで話し出す。
「斉藤さん。こんばんは。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で話し出す。
「総司。美鈴さんに似る人物と楽しい時間を過ごしていたな。」
沖田総司は斉藤一に赤面して慌てて話し出す。
「違います! 誤解です!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「俺は誤解しているのか?」
沖田総司は斉藤一に赤面して慌てて話し出す。
「はい!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「ふ〜ん。」
沖田総司は斉藤一に赤面して慌てて話し出す。
「斉藤さんの勘違いです! 怒らないでください!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司の話す勘違いを具体的に教えてくれ。」
沖田総司は斉藤一を赤面して動揺して見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司と一緒に居ると本当に面白い。」
沖田総司は斉藤一に赤面して拗ねて話し出す。
「斉藤さん。酷いです。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。先程から顔が赤い。赤面する総司を見ると、美鈴さんが心配する。赤面が治まるまで、美鈴さんに逢えないな。場所を変えて少し休め。」
沖田総司は斉藤一に赤面して寂しく頷いた。
斉藤一は普通の表情で、静かに居なくなった。
沖田総司は赤面して寂しい様子で、静かに居なくなった。
一瞬の後の事。
ここは、夢の家。
夢を含めて家の中に人の姿は見えない。
一室。
斉藤一は普通の表情で、静かに現れた。
沖田総司は微笑んで、静かに現れた。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。赤面していない。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「直ぐに元に戻りました。良かったです。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は部屋の中を微笑んで見た。
机の上に、南瓜と同じ大きさの黄色い果物が載っている。
大きな黄色い果物は、柚子のような香りをほのかに放っている。
沖田総司は大きな黄色い果物を見ながら、斉藤一に不思議な様子で話し出す。
「斉藤さん。大きな黄色い物は、果物ですか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「“大柚”、“獅子柚”、“鬼柚”、などと呼ぶ果物だそうだ。」
南瓜と同じ大きさの黄色い果物は、“大柚”、“獅子柚”、“鬼柚”、などと呼ぶ果物らしい。
沖田総司は大柚を見ながら、不思議な様子で呟いた。
「“おおゆず”。“ししゆず”。“おにゆず”。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。大柚は食べられますか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「大柚は主に飾りとして使うそうだ。大柚を食べる人物は少ないらしい。」
沖田総司は大柚を残念な様子で見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「夜の国で大柚を入れた風呂を勧められた。了承の返事をした。」
沖田総司は斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。
「大柚湯と呼ぶのでしょうか? 楽しみです。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。美鈴さんに大柚を入れた風呂を勧められて了承したと話せ。美鈴さんに大柚と共に歌を贈れ。美鈴さんは喜ぶぞ。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんに柚子を詠んだ歌を贈るのですか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「柚子ではなく、橘を詠んだ歌を贈る。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「良い歌を知っているのですか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「“橘は 花にも実にも 見つれども いや時じくに なほし見が欲し”」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「歌の意味を教えてください。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「“橘は、花も実も見るが、いつもいつも見ていたいものだ。”、となるそうだ。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「私の考えた意味とほとんど同じです。安心しました。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司の話す、安心した、の意味を教えてくれ。」
沖田総司は斉藤一に僅かに慌てて話し出す。
「斉藤さんを疑っていません。私の歌の訳と斉藤さんの訳がほとんど同じだったので、安心したと話しました。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。慌てて話す内容なのか?」
沖田総司は斉藤一に苦笑して話し出す。
「慌てて話す内容に該当しないと思いますが、つい、焦って話してしまいました。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「文に歌を添えて書きたいです。歌について更に教えてください。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。
少し後の事。
ここは、夢の家。
一室。
沖田総司は微笑んで居る。
斉藤一は普通に居る。
机には、大柚と歌を書いた文が載っている。
部屋の中が暖かい空気に包まれた。
沖田総司の後ろと斉藤一の後ろから、少女の穏やかな声が聞こえた。
「総司さん。斉藤さん。こんばんは。」
沖田総司は後ろを微笑んで見た。
斉藤一は後ろを普通の表情で見た。
少女は沖田総司と斉藤一を微笑んで見ている。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。こんばんは。」
斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。
沖田総司は大柚を指すと、少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。大きくて黄色い果物は大柚と呼ぶんだ。」
少女は大柚を微笑んで見た。
沖田総司は大柚を指すのを止めると、少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。柚子湯の季節だよね。大柚を入れた風呂を勧められたんだ。大柚を入れた風呂に浸かったら、楽しい気持ちになると思って、了承の返事をしたんだ。」
少女は沖田総司を見ると、沖田総司に微笑んで頷いた。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。大柚を入れた風呂に浸かって楽しんでね。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さん。大柚は複数個あるのですか?」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「一個だけだよ。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「大柚は大きいです。大柚を半分に分けても、楽しい気持ちでお風呂に浸かれると思います。大柚を半分に分けませんか?」
沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は少女を見ると、少女に微笑んで話し出す。
「大柚子を半分に分けて、大柚を入れた風呂に浸かろうね。」
少女は沖田総司に微笑んで頷いた。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。文に歌を書いたんだ。受け取ってくれるかな?」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「ありがとうございます。」
沖田総司は文を取ると、少女に文を微笑んで差し出した。
少女は文を微笑んで受け取った。
沖田総司は少女を微笑んで見た。
少女は文を丁寧に広げると、文を微笑んで読み始めた。
沖田総司は少女を微笑んで見ている。
斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
少女は文を持ち、文を微笑んで読み終わった。
沖田総司は少女を微笑んで見た。
斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「大柚や柚子ではなくて橘を詠んだ歌だけど、良い雰囲気の歌だよね。」
少女は文を懐に丁寧にたたむと、沖田総司に恥ずかしく話し出す。
「ありがとうございます。」
沖田総司は少女を不思議な様子で見た。
少女は文を懐に仕舞うと、沖田総司に恥ずかしく話し出す。
「大柚を分けてきます。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「大柚は私が持つよ。」
少女は沖田総司に恥ずかしく話し出す。
「ありがとうございます。」
沖田総司は少女を微笑んで見た。
少女は恥ずかしい様子で、静かに居なくなった。
沖田総司は大柚を持ち、微笑んで、静かに居なくなった。
斉藤一は普通の表情で、静かに居なくなった。
少し後の事。
ここは、夢の家。
浴室。
少女は風呂に微笑んで浸かっている。
風呂には、半分に切った大柚が浮かんでいる。
浴室は大柚の香りに包まれている。
少女は半分に切った大柚を見ながら、微笑んで呟いた。
「大柚は良い香りです。大柚を見ていると、楽しい気持ちになります。総司さん。斉藤さん。ありがとうございます。」
半分に切った大柚が風呂の中で揺れた。
少女は半分に切った大柚を微笑んで見た。
直後の事。
ここは、夢の家。
一室。
心地好い空気に包まれている。
沖田総司は微笑んで居る。
斉藤一は普通に居る。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「夜の国の風呂の準備は楽ですね。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一に不思議な様子で話し出す。
「鈴ちゃんは歌を贈ってから少しの間になりますが、恥ずかしがる様子に見えました。私の気のせいでしょうか?」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で首を横に振った。
沖田総司は不思議そうな表情で考えた。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司が美鈴さんに贈った歌。“橘は 花にも実にも 見つれども いや時じくに なほし見が欲し”。総司が美鈴さんに贈った果物は、大柚だ。橘より物凄く大きな大柚が、花を咲かせて実が生る様子をずっと見ていたいと解釈できる。大柚を半分に分けて、美鈴さん、総司、俺で、それぞれに大柚を入れた風呂に浸かる。いつもいつも見ていたいから、大柚を半分に分けた。美鈴さんは以上の内容で解釈した可能性がある。」
沖田総司は斉藤一に怪訝な様子で話し出す。
「斉藤さん。もしかして私を騙したのですか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「俺は騙してない。総司本人が、大柚は橘より大きい、大柚を分ける、大柚を運ぶ、など話した。」
沖田総司は斉藤一を怪訝な様子で見ている。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「美鈴さんも途中から喜んでいた。」
沖田総司は斉藤一に怪訝な様子で頷いた。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。先に大柚を入れた風呂に浸かれ。早く機嫌を直せ。」
沖田総司は斉藤一を考え込んで見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「はい。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
「橘は 花にも実にも 見つれども いや時じくに なほし見が欲し」
橘より大きい大柚。
大柚の香りが湯気に乗り、楽しい気持ちに変えていく。
大柚を入れた湯で、体が温かくなり、気持ちも温かくなる。
夜の国で過ごす冬の時間が更に楽しくなっていく。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語に登場する歌は「万葉集 第十八巻 四一一二番」
「橘は 花にも実にも 見つれども いや時じくに なほし見が欲し」
ひらがなの読み方は「たちばなは はなにもみにも みつれども いやときじくに なほしみがほし」
作者は「大伴家持(おおとものやかもち)」
歌の意味は「橘は、花も実も見るのですが、いつもいつも見ていたいものですよ。」となるそうです。
原文は「橘波 花尓毛實尓母 美都礼騰母 移夜時自久尓 奈保之見我保之」
「時じくに」は、「絶え間なく」という意味だそうです。
「橘」についてです。
ミカン科常緑小高木です。
「日本たちばな、または、ミカン科の総称」と考えられています。
「日本たちばな」は、日本産です。
六月頃に小さい白い花が咲き、秋から冬頃に小さい実が成るそうです。
実は熟しても酸味や苦味が強いために食用にはしていないそうです。
古事記では、橘は「非時香果(ときじくのみ)」とされているそうです。
「非時香果」とは、いつまでも香り高い果実という意味だそうです。
橘の実には、尊い生命力が宿ると信じられていたようです。
「大柚子(おおゆず)」についてです。
別名は、「獅子柚子(ししゆず)」、「獅子柚(ししゆ)」、「鬼柚子(おにゆず)」、「鬼柚(おにゆ)」、です。
「南瓜(かぼちゃ)」の大きさくらいあります。
表面はでこぼこしています。
食用にする事はほとんどなく、お正月の飾りや茶会の飾りなどに利用されているそうです。
大柚子も「柚子(ゆず)」も、ミカン科ミカン属ですが、大柚は「文旦(ぶんたん)」の仲間になるので、別な種類になります。
柚子の別名と柚子の古名に「柚」があるため、この物語では「大柚」としました。
「柚子湯(ゆずゆ)」についてです。
柚子を半分に切ってお風呂に浮かべたり、柚子の果汁をお風呂の中のお湯に直接絞って入れたりなど、いろいろな入り方があります。
私の家では、料理で残った柚子をそのまま浮かべた柚子湯のお風呂に入っています。
血行を促進して、疲労回復や、腰痛、ヒビ、アカギレなどに効果があるそうです。
疲労回復や冷え性にも高価があるそうです。
肌をしっとりとさせて美肌効果もあるといわれています。
柚子には精油成分があります。
現在は、柚子のエッセンシャルオイルを買う事が出来ます。
「柚子湯」といえば、「冬至(とうじ)」を思い出す方が多いと思います。
「冬至」は、二十四節気の一つです。
12月22日頃(現在の暦)、または、12月22日頃から小寒までの期間をいいます。
北半球では太陽が最も低く、夜が最も長くなる日です。
冬至に、柚子湯に入り、小豆粥や南瓜を食べると、風邪をひかないと言われています。
古代では、冬至を一年の始まりとしていたそうです。
太陽太陰暦では、十九年に一度、冬至の日が11月1日になる事があるそうです。
これを「朔旦冬至(さくたんとうじ)」と呼ぶそうです。
この時は盛大に祝っていたそうです。
一番最近の「朔旦冬至」は、1995年だそうです。
次の「朔旦冬至」は、2014年となるそうです。
冬至に南瓜を食べるようになったのは、江戸時代の中期の頃からと言われています。
南瓜は日本古来の野菜ではありませんが、江戸時代には既に手に入る野菜でした。
冬の時期に、採れる野菜や保存できる野菜も少ない中で、南瓜は冬至の頃に食べられて保存の利く野菜でした。
そこから冬至に南瓜を食べるという習慣が始まったそうです。
「冬月(とうげつ)」は「冬の季節。冬の夜の月。寒月。」という意味です。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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