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〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜
〜 桜の咲く頃の物語 逢はでこの世を 〜
〜 改訂版 〜
登場人物
近藤勇、土方歳三、沖田総司、斉藤一、少女[美鈴・鈴]
「難波潟 みじかき芦の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや」
「小倉百人一首 十九番」、及び、「新古今集」
作者:伊勢(いせ)
今は春。
ここは、京の町。
たくさんの場所で桜が綺麗な姿で咲いている。
ここは、料亭。
庭。
桜が綺麗な姿で咲いている。
一室。
近藤勇は杯の酒を微笑んで飲んでいる。
土方歳三も杯の酒を微笑んで飲んでいる。
近藤勇の膳と土方歳三の膳には、美味しい酒と美味しい肴が載っている。
座る人物が居ない膳にも、美味しい酒と美味しい肴が載っている。
斉藤一は縁の傍で普通の表情で座っている。
近藤勇は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤の分も酒と肴を用意した。共に楽しもう。」
斉藤一は近藤勇と土方歳三を普通の表情で見た。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇に微笑んで話し出す。
「近藤さん。斉藤には奢りや礼だと伝えないと席に着かない。」
近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三を苦笑して見た。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤。今夜の同行への礼だ。安心して楽しんでくれ。」
斉藤一は近藤勇と土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
斉藤一は席に普通の表情で着いた。
近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三に苦笑して話し出す。
「今の状況ならば、斉藤は奢りだと気付くと思って説明しなかった。」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇に微笑んで話し出す。
「近藤さん。斉藤は冷静で慎重な性格だ。奢りの場合は説明が必要だ。」
近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三に苦笑して話し出す。
「斉藤は奢りや礼と伝えなくても、席に着く時がある。」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇に微笑んで話し出す。
「費用を出しても困らない規模の酒宴。俺が事前に説明済みの酒宴。総司が同席する酒宴。費用を出さないと確実に判断できる酒宴。以上の状況の時に、斉藤は席に着いている。」
近藤勇は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤。歳の話は合っているのか?」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、近藤勇に普通の表情で軽く礼をした。
近藤勇は杯の酒を飲みながら、斉藤一を微笑んで見た。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇と斉藤一を微笑んで見た。
近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三に微笑んで話し出す。
「歳が総司の名前を出した時に、思い出した内容がある。」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇を微笑んで見た。
近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三に微笑んで話し出す。
「今は桜の季節だ。桜を詠んだ歌はたくさんある。総司に教える今回の歌が知りたい。」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇に微笑んで話し出す。
「総司から相談が無いのに、俺が総司に頻繁に歌を教えたら、総司が怪しむ。総司からの相談を待つ。」
近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三に微笑んで話し出す。
「歳が直に教えなくても、斉藤を通して総司に教えているだろ。」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇に微笑んで話し出す。
「俺から斉藤に頼む時。俺が歌に関する調べ物に同席して覚えた知識を基に、斉藤が総司に直に教える時。以上の状況の時がある。ただし、俺が斉藤に頼む機会は少ない。」
近藤勇は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。
「歳は、歌の知識も他の知識も豊富だ。たくさんの内容を覚えられるだろ。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、近藤勇に普通の表情で軽く礼をした。
近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三に微笑んで話し出す。
「斉藤を同席させた時には、礼として何か奢るのだろ。」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇に微笑んで話し出す。
「秘密。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、近藤勇と土方歳三を普通の表情で見た。
近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三に微笑んで話し出す。
「歳。今も話しながら、贈る歌を考えているだろ。教えてくれ。」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇を微笑んで見た。
近藤勇も杯の酒を飲みながら、土方歳三を微笑んで見た。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇と斉藤一に微笑んで話し出す。
「“難波潟 みじかき芦の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや”。」
近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三と斉藤一に不思議な様子で話し出す。
「歳。今の歌を桜の季節に贈るのか? 総司とあの子の関係は、今の歌を贈るほどに進展したのか?」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三を普通の表情で見た。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇に微笑んで話し出す。
「俺が見る限り、斉藤が見る限り、遠く及ばない。」
近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三と斉藤一に不思議な様子で話し出す。
「今の歌は、小倉百人一首に撰ばれている。総司は歌に関して疎いから気付かないと思うが、あの子は賢い子に感じるから気付くと思う。あの子は今の歌の意味を理解している可能性が高い。総司があの子に今の歌を贈っても大丈夫なのか?」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇に微笑んで話し出す。
「さすが。近藤さん。」
近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三を苦笑して見た。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇に微笑んで話し出す。
「総司があの子に今の歌を贈る状況に相応しい関係になるまで待っていたら、暫く先になってしまう。総司に歌の勉強をさせる程に、総司の歌の知識が向上する。歌の知識が向上した総司に、今の歌を贈れと薦めると、総司は強固に嫌がると思う。今の状況が一番良い。」
近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三を苦笑して見ている。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤。今の歌について知っていると思うが、屯所に戻ったら今の歌について詳しく説明する。歌の説明が終わったら、歌を紙に書いてくれ。明日、総司に紙を見せて、あの子に今の歌を贈るように薦めてくれ。」
斉藤一は杯の酒を飲むのを止めると、土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一を微笑んで見た。
近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三と斉藤一を苦笑して見た。
翌日の事。
ここは、京の町。
たくさんの場所で桜の花が綺麗に咲いている。
ここは、屯所。
沖田総司の部屋。
沖田総司は微笑んで居る。
斉藤一は部屋に普通に来た。
沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。今日は美鈴さんに逢う日だろ。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。予定が無ければ、鈴ちゃんに一緒に逢いましょう。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は懐から紙を取り出すと、沖田総司に紙を普通の表情で渡した。
沖田総司は斉藤一から紙を不思議な様子で受け取った。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「紙に歌を書いた。文か紙に書き写して、美鈴さんに贈れ。」
沖田総司は紙を持ち、紙を不思議な様子で見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「“難波潟 みじかき芦の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや”。桜を詠んだ歌ではないが、今が見頃の桜と共に贈れば、美鈴さんも不思議に思わない。」
沖田総司は紙を持ち、紙を見て、斉藤一に考えながら話し出す。
「斉藤さん。私が以前に見聞きした歌に感じます。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司が以前に見聞きした歌だと思うだけで、確証はないのだろ。悩む時間が無駄だ。早く歌を書き写せ。美鈴さんに早く逢おう。」
沖田総司は紙を持ち、斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。
「はい。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は机に微笑んで向かった。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
少し後の事。
ここは、沖田総司、斉藤一、少女が良く訪れる寺。
境内。
桜が綺麗な姿で咲いている。
本堂。
縁の傍。
沖田総司は微笑んで居る。
斉藤一は普通に居る。
少女は微笑んで居る。
境内を微かな風が吹き抜けた。
桜の花びらが舞った。
少女は桜の舞う様子を微笑んで見た。
桜の花びらが本堂の縁にも舞った。
一枚の桜の花びらが、沖田総司の着物に静かに載った。
少女は沖田総司と一枚の桜の花びらを微笑んで見た。
沖田総司は少女と一枚の桜の花びらを微笑んで見た。
斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。
沖田総司は懐から紙を微笑んで取り出した。
少女は沖田総司を不思議な様子で見た。
沖田総司は紙を持ち、沖田総司の着物に載る一枚の桜の花びらを微笑んで取った。
少女は沖田総司を不思議な様子で見ている。
沖田総司は紙を持ち、一枚の桜の花びらを持ち、一枚の桜の花びらを紙に微笑んで載せた。
少女は沖田総司を不思議な様子で見ている。
沖田総司は一枚の桜の花びらと紙を少女に渡すと、少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。紙には歌が書いてあるんだ。桜の花びらと一緒に受け取って。」
少女は沖田総司から紙と一枚の桜の花びらを受け取ると、沖田総司に微笑んで話し出す。
「ありがとうございます。」
沖田総司は少女を微笑んで見た。
少女は紙を持ち、一枚の桜の花びらを少女のひざに微笑んで載せた。
沖田総司は少女を微笑んで見ている。
少女は紙を持ち、紙を微笑んで紙を見た。
沖田総司は少女を微笑んで見ている。
少女は紙を持ち、一枚の桜の花びらを恥ずかしく取った。
沖田総司は少女を不思議な様子で見た。
少女は紙と一枚の桜の花びらを持ち、沖田総司に恥ずかしく話し出す。
「ありがとうございます。」
沖田総司は少女を不思議な様子で見ている。
少女は紙を持ち、一枚の桜の花びらを紙に載せると、紙を恥ずかしく丁寧に畳んだ。
沖田総司は少女に心配して話し出す。
「鈴ちゃん。歌か私の言動に変なところがあったのかな?」
少女は紙を懐に丁寧に仕舞うと、沖田総司に恥ずかしく話し出す。
「無いです。」
沖田総司は斉藤一を心配して見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
少女は沖田総司に恥ずかしく話し出す。
「芦を詠んだお歌ですが、贈る方法を選べば、桜の季節に合うお歌になるのですね。勉強になりました。」
沖田総司は少女を安心した表情で見た。
少女は沖田総司に恥ずかしく話し出す。
「お歌の勉強を更に励みます。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「私も歌の勉強を更に励むね。」
少女は沖田総司を恥ずかしく見た。
沖田総司は少女を照れて見た。
斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。
暫く後の事。
ここは、屯所。
斉藤一の部屋。
沖田総司は不思議な様子で居る。
斉藤一は普通に居る。
沖田総司は斉藤一に不思議な様子で話し出す。
「斉藤さん。鈴ちゃんに歌を贈った時に、恥ずかしい様子に見えました。私は鈴ちゃんに変な言動をしたのでしょうか?」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で首を横に振った。
沖田総司は斉藤一を見ながら、不思議な様子で考えた。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「“難波潟 みじかき芦の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや”。歌の意味は、“難波潟に生えている芦の、短い節と節の間のようなほんの少しの時間でさえ、あなたに逢う事もなく、この世を生きていなさいとでも言うのですか?”となるそうだ。更に深い男女の仲を差して詠んだ歌と伝わる。」
沖田総司は斉藤一を赤面して見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司の着物に、風に乗った桜の花びらが一枚のみ舞い落ちた。総司は、総司の着物に載る一枚の桜の花びらを、歌を書いた紙に載せて、美鈴さんに贈った。美鈴さんに明るく歌を贈るのみならば、美鈴さんは歌を笑顔で受け取った。美鈴さんとの会話は和やかに続いた。総司は意識か無意識か分からないが、歌を書いた紙に、総司が身に着ける着物に載る一枚の桜の花びらを添えて贈る技を披露した。美鈴さんは賢い子だから、いろいろと考えた。」
沖田総司は斉藤一に赤面して話し出す。
「斉藤さんが贈る方法を考えれば良いと話したので、考えて贈っただけです。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「俺は、総司に総司の元に舞い落ちた桜の花びらを贈れと話していない。」
沖田総司は斉藤一を赤面して納得のいかない様子で見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。風流な印象も知識人の印象も、増した。総司の印象が良くなった。良かったな。」
沖田総司は斉藤一に赤面して動揺して話し出す。
「斉藤さん。私は鈴ちゃんに何をすれば良いのですか?!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「今になって訂正したら、美鈴さんに失礼だ。何もするな。」
沖田総司は斉藤一を赤面して動揺して見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「美鈴さんは、総司の言動から、歌の意味を深く理解せずに贈ったと考えた可能性が高い。総司は、風流な印象も知識人の印象も、増した。良い出来事が起きた。良かったな。」
沖田総司は斉藤一に赤面して動揺して話し出す。
「斉藤さんが、風を吹かせて、本堂の縁に桜の花びらを舞い散らせて、私の着物に一枚のみの桜の花びらを載せました! 責任を取ってください!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「俺は妖術使いのように話すな。」
沖田総司は斉藤一に赤面して動揺して話し出す。
「斉藤さんの能力を使って起きた出来事です! 責任を取ってください!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「偶然に起きた出来事だ。俺は妖術使いではない。俺が責任を取る理由はない。」
沖田総司は斉藤一を赤面して動揺して見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一を赤面して動揺して見ている。
斉藤一は沖田総司の額を指で普通の表情で思い切り弾いた。
沖田総司は赤面して、額を痛い様子で押さえて、斉藤一に驚いて話し出す。
「斉藤さん! 痛いです! 何をするのですか?!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「大切な物が表に出ると思って叩いた。今回も駄目だった。今回は、総司に、剣の技術が有るだけでなく、歌を贈る技術も有ると分かった。収穫はあった。由とする。」
沖田総司は赤面して、額を痛い様子で押さえて、斉藤一に怪訝な様子で話し出す。
「斉藤さんの話す意味が分かりません。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。念を押す。俺は妖術使いではない。」
沖田総司は赤面して、額を痛い様子で押さえて、斉藤一に怪訝な様子で話し出す。
「分かりました。分かりましたから、何もしないでください。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は赤面して、額を痛い様子で押さえて、斉藤一を怪訝な様子で見た。
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は赤面して、額を痛い様子で押さえて、斉藤一を苦笑して見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司と一緒に居ると本当に面白い。」
沖田総司は赤面して、額を押さえて、斉藤一に微笑んで話し出す。
「私も、斉藤さんと鈴ちゃんと一緒に居ると、楽しいです。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「俺は面白いと話した。総司は楽しいと話した。総司の話す意味と俺の話す意味は、違う。」
沖田総司は赤面して、額を押さえて、斉藤一を微笑んで話し出す。
「面白いと楽しいは、違いますね。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は赤面して、額を押さえて、斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
「難波潟 みじかき芦の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや」
沖田総司と少女は、ずっと一緒に居たいと想う。
沖田総司の今の言動を見る限り、斉藤一の苦労と少女の苦労は、暫く続くと思われる。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の改訂版です。
改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上、ご了承願います。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。
この物語に登場する歌は「小倉百人一首 十九番」、及び、「新古今集」
「難波潟 みじかき芦の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや」
ひらがなの読み方は「なにはがた もじかきあしの ふしのまも あはでこのよを すぐしてよとや」
作者は「伊勢(いせ)」
歌の意味は「難波潟に生えている芦の、その短い節と節の間のようなほんの少しの時間でさえ、あなたに逢うこともなく、この世を生きていなさいとでもいうのですか。」となるそうです。
「逢はでこの世を」の部分は、「あなたに逢うこともなく、この世を」という意味になるそうです。
逢いたい想いや男女の仲を差していますが、この歌の中では、もう少し深い意味で詠んでいます。
「伊勢」についてです。
「三十六歌仙」の一人です。
何人かの貴族・天皇・皇子などと恋愛をしています。
「伊勢」と「敦慶皇子」との間に生まれた子供の「中務(なかつかさ)」も「歌人」として知られ、「三十六歌仙」に選ばれています。
この物語の補足です。
土方歳三さんは歌を詠む人物なので、この物語に登場する歌を理解している設定です。
近藤勇さんは、文武両道の人物なので、この物語に登場する歌を理解している設定です。
斉藤一さんは、土方歳三さんなどから歌の説明を受ける、以前に教えてもらった歌の知識などから、この物語に登場する歌を理解している設定です。
鈴ちゃんは、歌について勉強をしている知識から、この物語に登場する歌を理解している設定です。
沖田総司さんは、この歌の意味を正確に理解していない設定です。
この登場する歌は「芦」となっていますが、「葦」の字にすると、「秋」の季語になります。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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