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〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜


〜 紫陽花達の悪戯 諸弟らが練の村戸に 〜


〜 改訂版 〜


登場人物

土方歳三、沖田総司、斉藤一、綺麗な女性、少女[美鈴・鈴]




「言問わぬ 木すら紫陽花 諸弟らが 練の村戸に あざむかえけり」

「万葉集 第四巻 七七三番」より

作者:大伴家持(おおとものやかもち)




ここは、京の町。



紫陽花の季節を迎えている。



色とりどりの紫陽花が咲いている。



はっきりとしない天気が続いている。



沖田総司が京の町に着いてから、初めての紫陽花の季節を迎えている。

沖田総司と少女が逢ってから、初めての紫陽花の季節を迎えている。



ここは、色とりどりの紫陽花の咲く場所。



沖田総司は微笑んで歩いている。

少女も微笑んで歩いている。



沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。紫陽花が綺麗だね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女の手を握ると、少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女の手を握り、少女を微笑んで見ている。

少女は紫陽花を微笑んで見た。

沖田総司は少女の手を握り、少女を微笑んで見ている。

少女は沖田総司を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「おき、総司さん。傍の紫陽花は、綺麗な紅色をしています。」

沖田総司は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん〜 沖田さん、と呼びそうになった〜」

少女は沖田総司に恥ずかしく話し出す。

「すいません。」

沖田総司は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんが話す時は、最初に全て、総司さん、と呼んでから話そう。」

少女は沖田総司に困惑して話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。今、総司さん、と呼んでいないよ。」

少女は沖田総司に困惑して話し出す。

「すいません。」

沖田総司は少女の手を握り、少女に申し訳なく話し出す。

「鈴ちゃん。調子に乗り過ぎた。ご免ね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。大丈夫です。」

沖田総司は少女の手を握り、少女を安心した表情で見た。

少女は沖田総司を微笑んで見た。



同じ頃。



ここは、色とりどりの紫陽花の咲く場所。



土方歳三は微笑んで居る。

綺麗な女性も微笑んでいる。



斉藤一は、土方歳三と綺麗な女性から適度に離れて、土方歳三、綺麗な女性、紫陽花を普通の表情で見ている。



綺麗な女性は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方先生。土方先生と私は、様々な言動を取っています。若いお武家様には、刺激が強いと思います。」

土方歳三は綺麗な女性を不思議な様子で見た。

綺麗な女性は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方先生と私が一緒に居る間、若いお武家様は一言も話しません。心配になりました。」

土方歳三は綺麗な女性に微笑んで話し出す。

「傍に居る若い隊士は、必要以外は話さない性格で、俺達が何をしても動揺しない性格だ。傍に居る若い隊士が、俺の許しが無く傍を離れたいと思った時は、俺達に何か起きた時に直ぐに戻れる距離しか離れない。」

綺麗な女性は土方歳三に微笑んで話し出す。

「安心しました。」

土方歳三は綺麗な女性を微笑んで見た。



斉藤一は紫陽花を普通の表情で見た。



土方歳三は斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤も紫陽花に興味を持つのか。」



斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。



土方歳三は斉藤一の見た紫陽花を微笑んで見た。

綺麗な女性も斉藤一の見た紫陽花を微笑んで見た。

土方歳三は斉藤一の見た紫陽花を見ながら、微笑んで呟いた。

「まだまだ若い紫陽花が咲いている。」

綺麗な女性は土方歳三を不思議な様子で見た。



斉藤一は紫陽花を普通の表情で見た。



土方歳三は綺麗な女性に微笑んで話し出す。

「斉藤の見たまだまだ若い紫陽花は、剣を持つと威勢が良いが、特定の状況には晩生なんだ。」

綺麗な女性は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方先生。喩える内容が素敵です。」

土方歳三は綺麗な女性を微笑んで見た。

綺麗な女性は土方歳三に微笑んで話し出す。

「まだまだ若い紫陽花の隣で咲く可愛い紫陽花さん。大変ですね。」

土方歳三は綺麗な女性に微笑んで話し出す。

「剣を持つと威勢の良い紫陽花を、赤面させよう。」

綺麗な女性は土方歳三に微笑んで話し出す。

「はい。」



直後の事。



ここは、色とりどりの紫陽花の咲く場所。



沖田総司は辺りを微笑んで見ている。

少女も辺りを微笑んで見ている。



沖田総司は少し離れた場所を不思議な様子で見た。

少女は沖田総司を不思議な様子で見た。

沖田総司は少し離れた場所を赤面して見た。

少女は少し離れた場所を不思議な様子で見ようとした。

沖田総司は少女の手を握ると、少女に赤面して慌てて話し出す。

「鈴ちゃん! 私達が居る場所より紫陽花が綺麗に咲く場所があるよ! 綺麗に咲く紫陽花だから、近くで見たいよね! 早く行こう!」

少女は沖田総司を見ると、沖田総司に不思議な様子で話し出す。

「はい。総司さん。」

沖田総司は少女の手を握り、辺りを赤面して慌てて見た。

少女は沖田総司を不思議な様子で見た。

沖田総司は少女の手を握り、少女を見ると、少女に赤面して慌てて話し出す。

「鈴ちゃん! 止めよう!」

少女は沖田総司に不思議な様子で話し出す。

「はい。総司さん。」

沖田総司は少女の手を握り、赤面してしゃがんだ。

少女は不思議な様子でしゃがんだ。



直後の事。



ここは、色とりどりの紫陽花の咲く場所。



土方歳三は綺麗な女性を微笑んで抱いている。

綺麗な女性は微笑んで居る。



斉藤一は、土方歳三と綺麗な女性から適度に離れて、土方歳三、綺麗な女性、紫陽花を普通の表情で見ている。



土方歳三は綺麗な女性を抱いて、斉藤一を微笑んで見た。



斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。



土方歳三は綺麗な女性を抱いて、斉藤一に微笑んで頷いた。



斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。



斉藤一は辺りを見ながら、普通に歩き出した。



直後の事。



ここは、色とりどりの紫陽花の咲く場所。



沖田総司はしゃがんで、辺りを赤面して僅かに落ち着かない様子で見ている。

少女は不思議な様子でしゃがんでいる。



少女はしゃがんで、沖田総司に心配して話し出す。

「総司さん。お顔が赤いです。大丈夫ですか?」

沖田総司はしゃがんで、少女を見ると、少女に赤面して僅かに動揺して話し出す。

「大丈夫だよ。」

少女はしゃがんで、沖田総司を心配して見た。

沖田総司はしゃがんで、少女を赤面して僅かに動揺して見た。

少女はしゃがんで、沖田総司を心配して見ている。



沖田総司は背中に、危険を感じない物が突然に当たった。



沖田総司はしゃがんでいるため、耐えられずに、少女に赤面して倒れ掛かった。

少女はしゃがんで、沖田総司を驚いた表情で見た。

沖田総司はしゃがんで、少女を赤面して慌てて抱いた。

少女は沖田総司を驚いた表情で見ている。

沖田総司は少女を抱いて、少女に赤面して心配して話し出す。

「鈴ちゃん。大丈夫? 怪我はしていない?」

少女は沖田総司に小さい声で話し出す。

「はい。総司さん。」



直後の事。



ここは、色とりどりの紫陽花の咲く場所。



土方歳三は綺麗な女性を微笑んで抱いている。

綺麗な女性は微笑んで居る。



斉藤一は普通に来た。



土方歳三は綺麗な女性をゆっくりと微笑んで放した。

綺麗な女性は土方歳三と斉藤一を微笑んで見た。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「結果は?」

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は斉藤一に残念な様子で話し出す。

「駄目だったか。」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「総司は思い切り押しても問題は起きませんが、今の総司を思い切り押すと、総司があの子に被さり、あの子が怪我をする可能性があります。あの子を押すと、あの子が怪我をする可能性があります。あの子が怪我をすると困ります。今は、総司とあの子が抱き合っています。良い状況になったと考えてください。」

土方歳三は斉藤一を残念な様子で見た。

綺麗な女性は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方先生。女の子を押す行為は躊躇します。若いお武家様は可愛い紫陽花をご存知の様子です。若いお武家様が、可愛い紫陽花を押せない気持ちが強まる気持ちは分かります。」

土方歳三は綺麗な女性に寂しく話し出す。

「俺の味方をしてくれないのか?」

綺麗な女性は土方歳三に微笑んで話し出す。

「私は、土方先生の味方ですが、女の子を悲しませる行為には味方しません。」

土方歳三は綺麗な女性に寂しく話し出す。

「女の子の相方に対する行為ならば、味方してくれるのかな?」

綺麗な女性は土方歳三に微笑んで話し出す。

「行為の内容によります。」

土方歳三は綺麗な女性を微笑んで見た。

斉藤一は土方歳三と綺麗な女性を普通の表情で見た。



暫く後の事。



ここは、屯所。



庭。



土方歳三は微笑んで居る。

斉藤一は普通に居る。



沖田総司は微笑んで来た。



土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「今日、面白いものを見た。時の経つのが早く感じた。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「何を見たのですか? 教えてください。」

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「刀を持つと威勢の良い紫陽花が、赤面して慌てる姿を見た。」

沖田総司は土方歳三と斉藤一を不思議な様子で見た。

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「“言問わぬ 木すら紫陽花 諸弟らが 練の村戸に あざむかえけり”。」

沖田総司は土方歳三を不思議な様子で見た。

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「歌のように、言葉を操る、騙される、などした訳ではないが、今の歌が合うものだった。」

沖田総司は土方歳三と斉藤一を怪訝な様子で見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は目を閉じて、土方歳三と斉藤一に赤面して話し出す。

「斉藤さん! 土方さん!」

土方歳三は沖田総司を驚いて見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。



沖田総司は赤面して目を開けた。



土方歳三の姿は見えない。

斉藤一の姿も見えない。



沖田総司は庭を見ながら、赤面して拗ねて呟いた。

「土方さんも斉藤さんも、逃げ足が速過ぎる。」

沖田総司は辺りを見ながら、赤面して拗ねた様子で息をはいた。



沖田総司は赤面してゆっくりと歩き出した。



「言問わぬ 木すら紫陽花 諸弟らが 練の村戸に あざむかえけり」

沖田総司は、言葉を操った訳でもなく、騙された訳でもないが、納得がいかない。

沖田総司は土方歳三の詠んだ歌が気になる。

沖田総司は、土方歳三と斉藤一によって、赤面する状況になった。

沖田総司は、紫陽花のような土方歳三の高みにも、紫陽花のような斉藤一の高みにも、到達していない。

沖田総司は、色々な意味の勉強が必要な状況になっている。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

この物語に登場する歌は「万葉集 第四巻 七七三番」

「言問わぬ 木すら紫陽花 諸弟らが 練の村戸に あざむかえけり」

ひらがなの読み方は「こととわぬ きすらあじさい もろえらが ねりのむらとに あざむかえけり」

作者は「大伴家持(おおとものやかもち)」

歌の意味は「ものを言わない木でさえ、紫陽花のように色鮮やかに見せてくれますね。それ以上に言葉をあやつる諸弟たちの上手い言葉にすっかりだまされてしまったことですよ。」となるそうです。

原文は「事不問 木尚味狭藍 諸弟等之 練乃村戸二 所詐来」

大伴家持が坂上大嬢に贈った歌の一つです。

この物語の補足です。

この物語は、沖田総司さんが鈴ちゃんと一緒に居る時に、土方歳三さんと女性が一緒に居る所を見たらどうなるのかな? と考えて書きました。

時期的な関係もあり、ほのぼのした雰囲気で物語が進んでいます。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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