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〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜


〜 仲秋の砌 時と寄り来ね我が思ふ人 〜


登場人物

土方歳三、伊藤甲子太郎、沖田総司、斉藤一、藤堂平助、お雪、お孝、少女[美鈴・鈴]



「大野らに 小雨降りしく 木の下に 時と寄り来ね 我が思ふ人」

「万葉集 第十一巻 二四五七番」より

作者:柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)歌集より



今は秋。



ここは、京の町。



過ごしやすい日が続いている。



近藤勇が、お雪の体調が悪いため、お雪の妹のお孝を大坂から呼んだ。

お雪の妹のお孝は、お雪の見舞いと京の町の観光を兼ねて大坂から来ている。



ここは、お雪の家。



お雪、お孝、手伝いの人で主に過ごしている。



一室。



斉藤一は普通に居る。

斉藤一は前には、お茶が置いてある。

お雪は微笑んで居る。



お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。お茶よりお酒が良いですよね。直ぐに気付きませんでした。お酒を用意します。少しお待ちください。」

斉藤一はお雪に普通に話し出す。

「非番の日か任務の終了後ならば、酒を喜んで頂きます。今日は、お雪さんからの預かり物を近藤さんに渡す任務が残っています。酒は遠慮させてください。」

お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。

「私が斉藤さんに預けた物は、近藤さんに宛てた文です。文には重要な内容を書いていません。遠慮しないでください。」

斉藤一はお雪に普通に話し出す。

「近藤さんはお雪さんの文を楽しみにしています。酒は遠慮させてください。」

お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。

「分かりました。」

斉藤一はお雪に普通の表情で軽く礼をした。

お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。

「お孝が斉藤さんに土方さん宛ての文を頼みたいと話しています。お孝は遠慮せずに、いつもいろいろと話します。許してください。」

斉藤一はお雪に普通の表情で軽く礼をした。

お雪は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一はお雪に普通に話し出す。

「近藤さんがお雪さんの体調を心配しています。今のお雪さんの様子は、元気に見えます。お雪さん。体などに辛さを感じていませんか?」

お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。

「お孝が傍に居ます。美鈴さんとたくさん逢えます。新撰組最強の剣客と称えられる沖田さん、新撰組最強の剣客と称えられる斉藤さんが、幾度も訪ねてきてくれます。近藤先生や土方先生を含めた気遣いに、感謝しています。近藤先生と土方先生には、私の体調は落ち着いています、私は楽しく過ごしています、と伝えてください。」

斉藤一はお雪に普通の表情で軽く礼をした。

お雪は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一はお雪に普通に話し出す。

「お茶を頂きます。」

お雪は斉藤一に微笑んで軽く礼をした。

斉藤一はお茶を普通に飲み始めた。

お雪は斉藤一を微笑んで見た。



お孝は二通の文を持ち、部屋の中に普通に入ってきた。



斉藤一はお茶を飲みながら、お孝を普通の表情で見た。

お雪はお孝に微笑んで話し出す。

「お孝。文を二通も書いたの?」

お孝は二通の文を持ち、お雪に普通に話し出す。

「姉さんの部屋に行ったの。近藤さん宛ての文が机の上に置いてあったから、近藤さん宛ての文を持ってきたの。」

お雪はお孝に不思議な様子で話し出す。

「お孝。私は斉藤さんと話し中なのを知っているわよね。何故、私の部屋訪ねたの?」

お孝は二通の文を持ち、お雪に微笑んで話し出す。

「姉さんが斉藤さんと話しているのを忘れていたの。姉さんと話したくて部屋に行ったの。」

お雪はお孝に困惑して話し出す。

「お孝。斉藤さんは、私とお孝のために、忙しい時間を割いて訪ねてきたのよ。斉藤さんに失礼な内容を話すのは止めなさい。」

お孝は二通の文を持ち、お雪に不思議な様子で話し出す。

「斉藤さんは同じ敷地内に居ても存在感を感じないの。斉藤さんが訪問中なのを忘れて、姉さんの部屋に行ったの。」

お雪は斉藤一に申し訳なく話し出す。

「斉藤さん。申し訳ありません。」

斉藤一はお茶を飲み終わると、お雪に普通に話し出す。

「ある意味、褒め言葉です。」

お孝は二通の文を持ち、お雪に微笑んで話し出す。

「私は斉藤さんを褒めたの。斉藤さんには私の気持ちが通じたわ。」

お雪はお孝を困惑した様子で見た。

斉藤一はお雪とお孝を普通の表情で見た。

お孝は斉藤一に二通の文を差し出すと、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。今回もしっかりと文を届けてください。」

斉藤一はお孝から普通に文を受け取った。

お雪は斉藤一を見ると、斉藤一に申し訳なく話し出す。

「お孝は失礼な内容を幾度も話してしまいます。申し訳ありません。」

斉藤一は二通の文を懐に仕舞うと、お雪に普通に話し出す。

「ある意味、褒め言葉です。」

お孝はお雪に微笑んで話し出す。

「姉さん。斉藤さんは喜んでいるわ。」

お雪はお孝に困惑して話し出す。

「斉藤さん気を遣って話しているのよ。」

お孝はお雪に微笑んで話し出す。

「斉藤さんは私に気を遣う人物ではないわ。」

お雪は斉藤一に申し訳なく話し出す。

「斉藤さん。本当に申し訳ありません。」

斉藤一はお雪に普通の表情で軽く礼をした。

お孝は斉藤一とお雪を微笑んで見た。

お雪はお孝を困惑して見た。

斉藤一はお雪に普通に話し出す。

「突然ですが、美味しいお茶をありがとうございました。」

お雪は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一はお雪に普通に話し出す。

「屯所に戻りたいと思います。見送りは要りません。」

お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。

「お気遣いありがとうございます。今回も玄関でお見送りさせてください。」

斉藤一はお雪に普通の表情で軽く礼をした。



斉藤一は部屋を普通に出て行った。

お雪は部屋を微笑んで出て行った。

お孝は部屋を普通に出て行った。



暫く後の事。



ここは、屯所。



土方歳三の部屋。



土方歳三は机に普通に向かっている。



斉藤一は部屋を普通に訪ねた。



土方歳三は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は懐から文を取り出すと、土方歳三に普通に話し出す。

「文を預かりました。」

土方歳三は文を見ると、斉藤一に残念な様子で話し出す。

「今回もお雪さんからの文が届かなかった。」

斉藤一は土方歳三に文を差し出して、土方歳三に普通に話し出す。

「土方さん。申し訳ありませんが、早く受け取ってください。」

土方歳三は斉藤一を苦笑した表情で見た。

斉藤一は土方歳三に文を普通に差し出している。

土方歳三は斉藤一から苦笑した表情で文を受け取った。

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は文を持ち、文を普通の表情で読んだ。

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。



少し後の事。



ここは、屯所。



土方歳三の部屋。



土方歳三は文を持ち、文を普通の表情で読んでいる。

斉藤一は普通に居る。



土方歳三は文を持ち、文を普通の表情で読み終えた。

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は文を持ち、斉藤一を見ると、斉藤一に普通に話し出す。

「お孝さんが俺に宛てた文の中に、“大野らに 小雨降りしく 木の下に時と寄り来ね 我が思ふ人”、の歌が書いてある。明里さんが山南さんに贈った歌であり、お雪さんが近藤さんに贈った歌でもある。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は文を持ち、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤も覚えているのか。さすがだな。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は文を持ち、斉藤一に微笑んで話し出す。

「お孝さんが俺宛ての文に歌を書く時は、お孝さんがお雪さんの選んだ歌の中から選ぶか、お孝さんが自分で歌を選んでお雪さんに相談する。お雪さんがお孝さんに薦める歌には思えない。お孝さんが自分で選んでお雪さんに相談した歌だと思う。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は文を持ち、斉藤一に微笑んで話し出す。

「文の返事が書き難いな。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は文を持ち、斉藤一に微笑んで話し出す。

「今回の文の返事は、出来るだけ早く書く。文が書き終わったら、斉藤を呼ぶ。当日か翌日に文が届けられるように任務の調整をする。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は文を持ち、斉藤一を微笑んで見た。



翌々日の事。



ここは、お雪の家。



一室。



斉藤一は普通に居る。

お雪は微笑んで居る。

お孝も微笑んで居る。



斉藤一は懐から文を差し出すと、お孝に文を普通に差し出した。

お孝は斉藤一から文を受け取ると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「ありがとう。」

斉藤一はお孝に普通の表情で軽く礼をした。

お孝は文を持ち、斉藤一に微笑んで話し出す。

「今回は文の返事が早いのね。」

斉藤一はお孝に普通の表情で軽く礼をした。

お孝は文を持ち、文を微笑んで読んだ。

お雪はお孝を微笑んで見た。

斉藤一はお雪とお孝を普通の表情で見た。

お孝は文を持ち、文を読み終わると、残念な様子で軽く息をはいた。

お雪は斉藤一とお孝を微笑んで見た。

斉藤一はお雪とお孝を普通の表情で見ている。

お孝は文を持ち、お雪に残念な様子で話し出す。

「姉さん。着物の選び方、茶道、華道、など、たくさん教えて。」

お雪はお孝に微笑んで話し出す。

「着物の選び方、茶道、華道、などを学ぶように、文に書いてあるの?」

お孝は文を持ち、お雪に残念な様子で話し出す。

「歌のような状況を叶えたいならば、姉さんから様々な物事を学ぶように、という内容が文に書いてあるの。」

お雪はお孝に微笑んで話し出す。

「土方先生がお孝に学んで欲しい内容は、着物の選び方や華道や茶道という特定の物事を差していないなと思うわ。」

お孝は文を持ち、お雪を不思議な様子で見た。

お雪はお孝に微笑んで話し出す。

「お孝が土方さんに贈った歌は、“大野らに 小雨降りしく 木の下に 時と寄り来ね 我が思ふ人”よね。歌の意味は、“荒れ野に小雨が降っています。木の下に時々は立ち寄ってください。私の好きな人。”となるわ。お孝の良さを残しながら、“大野らに 小雨降りしく”という状況になった時に、“我が思ふ人”に“木の下に 時と寄り来ね”となってもらえるように努力しなさい。」

お孝は文を持ち、文を考え込んで読んだ。

お雪はお孝を微笑んで見た。

斉藤一はお雪とお孝を普通の表情で見た。



数日後の事。



ここは、京の町。



小雨が降っている。



ここは、お雪の家。



お孝の部屋。



障子は開いている。



縁の傍。



藤堂平助は微笑んで座っている。

お孝は微笑んで座っている。

お孝の傍と藤堂平助の傍には、お茶とおはぎが置いてある。



お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「わざわざ来てくれてありがとう。」

藤堂平助はお孝に苦笑して軽く礼をした。

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助さん。遠慮しないで食べて。」

藤堂平助はお孝に苦笑して軽く礼をした。

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「男性は、甘い物よりお酒を用意した方が嬉しいわよね。今からお酒を用意しようか?」

藤堂平助はお孝に苦笑して話し出す。

「任務で来ています。酒は遠慮させてください。」

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助さんは真面目なのね。」

藤堂平助はお孝を苦笑して見た。

お孝は藤堂平助に不思議な様子で話し出す。

「平助さん。何故、ずっと苦笑しているの?」

藤堂平助はお孝に苦笑して話し出す。

「お孝さんの雰囲気がいつもと違う状況が続くからです。」

お孝は藤堂平助に不思議な様子で話し出す。

「平助さんが苦笑するほどに違うの?」

藤堂平助はお孝を苦笑して見た。

お孝は藤堂平助を考え込んで見た。

藤堂平助はお孝を微笑んで見た。

お孝は藤堂平助を不思議な様子で見た。

藤堂平助はお孝に普通に話し出す。

「お孝さんの言動の真意は分かりませんが、無理をしないでください。」

お孝は藤堂平助に不思議な様子で話し出す。

「無理をしている様子に見えるの?」

藤堂平助はお孝に普通に話し出す。

「はい。」

お孝は藤堂平助に考え込んで話し出す。

「平助さん。歌について詳しい?」

藤堂平助はお孝に普通に話し出す。

「勉強中です。」

お孝は藤堂平助に普通に話し出す。

「沖田さんより歌について詳しいわよね。」

藤堂平助はお孝を苦笑して見た。

お孝は藤堂平助に考え込んで話し出す。

「“大野らに 小雨降りしく 木の下に 時と寄り来ね 我が思ふ人”。私は今の歌を贈るのに相応しくないのかな?」

藤堂平助はお孝を不思議な様子で見た。

お孝は藤堂平助に考え込んで話し出す。

「忌憚のない意見を言って良いわよ。」

藤堂平助はお孝に普通に話し出す。

「本当に忌憚のない意見を言っても良いのですか?」

お孝は藤堂平助に考え込んで話し出す。

「はい。」

藤堂平助はお孝に普通に話し出す。

「忌憚のない意見は、簡単には言えません。」

お孝は藤堂平助を不思議な様子で見た。

藤堂平助はお孝に普通に話し出す。

「“大野らに 小雨降りしく 木の下に 時と寄り来ね 我が思ふ人”。素敵の歌です。お孝さんが目標にする人物は分かりませんが、お孝さんにはお孝さんの良さがあります。今の歌の作者の想いや歌の情景を、お孝さんが一人で考えてください。お孝さん一人で考えて見付けた想いが、お孝さんにとっての答えになると思います。」

お孝は藤堂平助を考え込んで見た。

藤堂平助はお孝を普通の表情で見た。

お孝は藤堂平助に考え込んで話し出す。

「藤堂さんの話は難しいわ。」

藤堂平助はお孝を普通の表情で見ている。

お孝は藤堂平助に考え込んで話し出す。

「平助さん。用意したお茶が冷めてしまうわ。おはぎと一緒に早く味わって。」

藤堂平助はお孝に苦笑して軽く礼をした。

お孝は藤堂平助に考え込んで頷いた。

藤堂平助はお茶とお菓子を微笑んで味わった。



暫く後の事。



ここは、京の町。



小雨は降り続いている。



藤堂平助は傘を差して、普通に歩いている。



藤堂平助の視線の先に、沖田総司が傘を差して、楽しく歩く姿が見えた。



藤堂平助は傘を差して、立ち止まると、沖田総司を寂しく見た。



伊東甲子太郎の穏やかな声が、藤堂平助の後ろから聞こえた。

「沖田君は楽しく歩いているね。美鈴の名前を持つ女の子に逢いに行く途中に感じる。」



藤堂平助は傘を差して、後ろを不思議な様子で見た。



伊東甲子太郎は傘を差して、微笑んで立っている。



藤堂平助は傘を差して、伊東甲子太郎に微笑んで軽く礼をした。

伊東甲子太郎は傘を差して、藤堂平助に微笑んで話し出す。

「今の様子の沖田君に声を掛けると、物凄く怖い思いを体験すると聞いた。たくさんの危険を潜り抜けた隊士達の言葉なので重みがある。私は物凄く怖い思いを体験したくないので、沖田君の様子に注意しながら声を掛けるようにしている。」

藤堂平助は傘を差して、伊東甲子太郎に微笑んで軽く礼をした。

伊東甲子太郎は傘を差して、藤堂平助に微笑んで話し出す。

「藤堂君。今夜、予定が無ければ、酒を一緒に飲みたい。」

藤堂平助は傘を差して、伊東甲子太郎に微笑んで軽く礼をした。

伊東甲子太郎は傘を差して、藤堂平助を微笑んで見た。



伊東甲子太郎は傘を差して、微笑んで歩き出した。

藤堂平助も傘を差して、微笑んで歩き出した。



少し後の事。



ここは、少女の家。



玄関。



沖田総司は傘と包みを持ち、笑顔で居る。



少女は微笑んで来た。



沖田総司は傘と包みを持ち、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。こんにちは。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。こんにちは。」

沖田総司は傘と包みを持ち、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。今日は小雨だけど雨が降っているね。鈴ちゃんの部屋で話して過ごそう。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は傘と包みを持ち、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。おはぎを買ってきたんだ。話しながら、おはぎを食べよう。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。楽しみです。」

沖田総司は傘と包みを持ち、少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「お茶の用意を頼んできます。」

沖田総司は傘と包みを持ち、少女に微笑んで頷いた。



僅かに後の事。



ここは、京の町。



小雨は降り続いている。



ここは、お雪の家。



お孝の部屋の前に在る縁。



お孝は小雨の降る様子を普通の表情で見ている。



お孝は小雨の降る様子を見ながら、普通の表情で呟いた。

「土方さん。私は負けないわ。」



歌の贈り物と文をありがとう。

「大野らに 小雨降りしく 木の下に 時と寄り来ね 我が思ふ人」

万葉集に掲載されている歌だ。

良い歌だ。

歌の意味は既に知っているのだろうか。

お雪さんから歌の意味を教えてもらった可能性があるな。

念のために、歌の意味を書く。

「荒れ野に小雨が降っています。木の下に時々は立ち寄ってください。私の好きな人。」

小雨の降る様子を観察する。

小雨の降る中の周囲の様子を観察する。

様々な情景を見て、様々な観察をして、たくさんの想いを感じて欲しい。

お雪さんを観て、お雪さんと話して、様々な内容を学んで欲しい。

新たな歌と新たな文を受け取る日を楽しみに待っている。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語に登場する歌は「万葉集 第十一巻 二四五七番」

「大野らに 小雨降りしく 木の下に 時と寄り来ね 我が思ふ人」

ひらがなの読み方は「おほのらに こさめふりしく このもとに ときとよりこね わがおもふひと」

作者は「柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)歌集より」

歌の意味は「荒れ野に小雨が降っています。木の下に時々は立ち寄ってください。私の好きな人。」となるそうです。

原文は「大野 小雨 木本 時依来 我念人」

時々は私のところに来て安らいでください、という思いを告げた歌だといわれています。

物語の時間設定についてです。

お雪さんは、病気のために体調が悪い設定です。

お孝さんは、お雪さんの看護と見舞い、京の町の観光、などの理由で、大坂から来ている設定です。

藤堂平助さんは、品が良い人、かっこよい人、だと伝わっています。

土方歳三さんが容姿端麗でもてた逸話は有名です。

原田左之助さん、藤堂平助さんも、かっこよい新撰組隊士として有名です。

「仲秋(ちゅうしゅう)」は「陰暦八月の異称」です。

秋の季語です。

「砌(みぎり)」は、幾つか意味がありますが、この物語では「時節。おり。頃。」の意味で使用しています。

「小雨(こさめ)」は「少し降る雨。小降りの雨。細かい雨。」をいいます。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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