〜　雪月花　新撰組異聞　編　〜


〜　春宵の夢物語　温泉と白梅と雪　風に乱れて　〜


登場人物

沖田総司、斉藤一、少女［美鈴・鈴］

夜の国の住人：夢



「梅の花　枝にか散ると　見るまでに　風に乱れて　雪ぞ降り来る」

「万葉集　第八巻　一六四七番」より

作者：忌部黒麻呂（いむべのくろまろ）



今は春。



ここは、京の町。



寒い日と暖かい日の混じる日が続いている。

暖かい春の気配が少しずつ増えている。



ここは、屯所。



沖田総司の部屋。



沖田総司は床の中で静かに寝ている。



部屋の中が不思議な空気に包まれた。



沖田総司は床の中でゆっくりと目を開けた。



少女が沖田総司を笑顔で覗き込んでいる。



沖田総司は、夜の国の住人で少女と同じ顔の“夢”だと直ぐに分かった。



沖田総司は床の中で、夢に微笑んで話し出す。

「夢ちゃん。こんばんは。」

夢は沖田総司の顔を覆い、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。こんばんは。」

沖田総司は床の中で、夢を微笑んで見た。

夢は沖田総司から微笑んで離れた。

沖田総司は床の上に体を微笑んで起こした。

夢は沖田総司に微笑んで抱き付いた。

沖田総司は床の上に体を起こして、赤面して動きを止めた。



夢は沖田総司を微笑んで抱いて、不思議な空気に包まれた。

沖田総司は床の上に体を起こして、赤面して動きを止めて、不思議な空気に包まれた。



夢は沖田総司を微笑んで抱いて、静かに居なくなった。

沖田総司は床の上に体を起こして、赤面して動きを止めて、静かに居なくなった。



一瞬の後の事。



ここは、夜の国。



夜空には、月と満天の星が輝いている。



僅かに寒さは感じるが、心地良い空気に包まれている。



夢の家。



一室。



暖かい空気に包まれている。



夢は沖田総司を微笑んで抱いて、静かに現れた。

沖田総司は赤面して動きを止めて、静かに現れた。



夢は沖田総司から微笑んで放れた。

沖田総司は夢を赤面して見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。夜の国へようこそ。」

沖田総司は夢を赤面して見ている。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「夜の国の雪の降る季節が終わろうとしています。今夜の夜の国は雪が降る可能性が高いです。雪見温泉が楽しめる可能性があります。夜の国に招待しました。」

沖田総司は夢に赤面して微笑んで話し出す。

「雪見温泉に浸かって楽しめる可能性があるんだ。楽しみだな。」

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「今回の雪見温泉を楽しめる可能性の高い場所も、私の家から離れています。総司さん。案内します。」

沖田総司は夢に苦笑して話し出す。

「夢ちゃん。夜の国に来る時と同じ行動をしないよね。」

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。今回も夜の国に来る時の方法を希望しているのですね。」

沖田総司は夢に慌てて話し出す。

「希望はしていない！」

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「分かっています。焦らないでください。」

沖田総司は夢を苦笑して見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。本当は夜の国に来る時の方法を希望しているのですか？」

沖田総司は夢に慌てて話し出す。

「本当に希望していない！　夢ちゃんと一緒に直ぐに行く！　夜の国に来る時と同じ方法を実行しないでくれ！」

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は夢を安心して見た。



僅かに後の事。



ここは、夜の国。



温泉地。



山に覆われている。

山も周りも、僅かな雪に包まれている。

川の流れは絶え間なく続いている。

滝から水が絶え間なく落ちている。

滝の音が絶え間なく聞こえる。



一軒の落ち着いた雰囲気の宿。



僅かな雪に包まれる雪景色が見える。

川が見える。

滝も見える。

滝の音が絶え間なく聞こえる。



一室。



暖かさに包まれている。



夢は微笑んで、静かに現れた。

沖田総司も微笑んで、静かに現れた。



沖田総司は夢に微笑んで話し出す。

「今回も暖かい部屋だね。」

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は夢を微笑んで見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。夜の国の温泉を楽しんでください。」

沖田総司は夢に微笑んで頷いた。



夢は微笑んで、静かに居なくなった。



沖田総司は部屋の中を微笑んで見た。



斉藤一が沖田総司を普通の表情で見ている。



沖田総司は斉藤一を驚いた表情で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。何故、驚く？」

沖田総司は斉藤一に動揺して話し出す。

「斉藤さん！　何か見ましたか？！」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司が女性と抱き合って現れる姿。総司が抱き合った女性に微笑んで話す姿。総司が抱き合った女性に微笑んで頷く姿。総司が俺を見て動揺する姿。以上の内容を見た。」

沖田総司は斉藤一に動揺して話し出す。

「斉藤さん！　誤解です！」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司が女性と抱き合って現れる姿。総司が抱き合った女性に微笑んで話す姿。総司が抱き合った女性に微笑んで頷く姿。総司が俺を見て動揺する姿。俺の見た様子は全て誤解なのか？」

沖田総司は斉藤一に動揺して話し出す。

「斉藤さん！　何故、意地悪をするのですか？！」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺は総司に意地悪をしているのか？」

沖田総司は斉藤一に動揺して話し出す。

「斉藤さん！　酷いです！」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。



沖田総司は部屋を動揺して出て行った。



少し後の事。



ここは、夜の国。



一軒の落ち着いた雰囲気の宿。



庭園。



白梅の咲き始めた姿が見える。



斉藤一は普通に居る。

少女は考え込んで居る。



少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「白梅が咲き始めています。綺麗ですね。」

斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。

少女は斉藤一を安心した表情で見た。

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「美鈴さん。気になる出来事があるのだろ。悩まずに話せ。」

少女は斉藤一に言い難く話し出す。

「総司さんが部屋を落ち着かない様子で走って出て行く姿を見ました。総司さんが出た部屋には、斉藤さんが一人で居ました。」

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「総司は焦ったために、俺の話す内容を誤解して受け取った。総司は、俺の話を誤解して受け取ったまま、部屋を出た。総司が戻ってきたら、温泉に一緒に浸かるように提案する。総司と温泉に浸かりながら、誤解を解く。美鈴さん。心配せずに待っていろ。」

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「はい。」

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「総司は、美鈴さんに焦った姿を見られたと知ったら、動揺して更に焦る。美鈴さんは何も知らない素振りをしてくれ。」

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「はい。」

斉藤一は少女を普通の表情で見た。

少女は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「美鈴さん。寒くないか？」

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「少し寒いですが、大丈夫です。」

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「寒さを感じるのだろ。風邪をひくと困る。温泉に浸かって体を温めろ。」

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんも風邪をひくと困ります。温泉に浸かって体を温めてください。」

斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。

少女は斉藤一を微笑んで見た。



少し後の事。



ここは、夜の国。



一軒の落ち着いた雰囲気の宿。



一室。



僅かな雪に包まれる雪景色が見える。

川が見える。

滝も見える。

滝の音が絶え間なく聞こえる。



暖かい空気に包まれている。



斉藤一は普通に居る。



扉が静かに開いた。



斉藤一は扉の開く様子を普通の表情で見た。



沖田総司が部屋の中を除く姿が見える。



斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。



沖田総司は斉藤一を驚いた表情で見た。



斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。部屋に居るのは、俺のみだ。早く部屋の中に入れ。」



沖田総司は部屋の中に渋々と入った。



斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。何故、俺を見て驚いた？」

沖田総司は斉藤一に大きな声で話し出す。

「驚いていません！」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。騒ぐな。美鈴さんに総司の声が聞こえる。美鈴さんが心配するぞ。」

沖田総司は部屋の中を驚いて見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を見ると、安心して軽く息をはいた。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。宿の人達が温泉に浸かる道具を用意してくれた。温泉に一緒に浸かるぞ。」

沖田総司は斉藤一を不思議な様子で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺と一緒に温泉に浸かるのは嫌なのか。仕方がない。俺は一人で温泉に浸かる。」

沖田総司は斉藤一に慌てて話し出す。

「斉藤さんと温泉に浸かる時は楽しいです！　斉藤さん！　温泉に一緒に浸かりましょう！」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は温泉に浸かる準備を普通の表情で始めた。

沖田総司は温泉に浸かる準備を微笑んで始めた。



少し後の事。



ここは、夜の国。



一軒の宿。



露天の温泉。



僅かな雪に包まれる雪景色が見える。

川が見える。

滝も見える。

滝の音が絶え間なく聞こえる。



たくさんの湯気に包まれている。



沖田総司は温泉に微笑んで浸かっている。

斉藤一は温泉に普通の表情で浸かっている。



沖田総司は温泉に浸かり、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。気持ち良いですね。」

斉藤一は温泉に浸かり、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は温泉に浸かり、斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は温泉に浸かり、沖田総司を普通の表情で見た。



雪が降り始めた。



沖田総司は温泉に浸かり、雪の降る様子を微笑んで見た。

斉藤一は温泉に浸かり、雪の降る様子を普通の表情で見た。

沖田総司は温泉に浸かり、雪の降る様子を見て、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。雪が降り始めましたね。」

斉藤一は温泉に浸かり、雪の降る様子を見て、普通の表情で頷いた。

沖田総司は温泉に浸かり、斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は温泉に浸かり、沖田総司を普通の表情で見た。



沖田総司は温泉に浸かり、露天の端に微笑んで動いた。



風が強く吹いた。



雪が風に乗って降っている。



雪が沖田総司の腕に降ってきた。



沖田総司は雪を微笑んで見た。



雪は直ぐに融けた。



斉藤一は温泉に浸かり、露天の端に普通の表情で動いた。



沖田総司は温泉に浸かり、斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。私の腕に雪が降りました。雪は直ぐに融けました。」

斉藤一は温泉に浸かり、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は温泉に浸かり、斉藤一に微笑んで話し出す。

「暫く経つと、辺りが雪に包まれますね。」

斉藤一は温泉に浸かり、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は温泉に浸かり、斉藤一を微笑んで見た。



雪が斉藤一の腕に降ってきた。



斉藤一は温泉に浸かり、雪を普通の表情で見た。



雪は直ぐに融けた。



沖田総司は温泉に浸かり、斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は温泉に浸かり、雪の降る様子を普通の表情で見た。



雪は風に乗って降っている。



斉藤一は温泉に浸かり、雪の降る様子を見て、沖田総司に普通に話し出す。

「“梅の花　枝にか散ると　見るまでに　風に乱れて　雪ぞ降り来る”」

沖田総司は温泉に浸かり、斉藤一を不思議な様子で見た。

斉藤一は温泉に浸かり、沖田総司を見ると、沖田総司に普通に話し出す。

「歌の意味は、“梅の花が枝から散ってしまうかと思えるほどに風に乱れて雪が降っています。”、となるそうだ。」

沖田総司は温泉に浸かり、斉藤一を不思議な様子で見ている。

斉藤一は温泉に浸かり、沖田総司に普通に話し出す。

「雪は暫く降り続く様子だ。俺が美鈴さんに宿の庭園の咲き始めの白梅について話す。総司は美鈴さんの様子を見ながら今の歌を話せ。」

沖田総司は温泉に浸かり、斉藤一に不思議な様子で話し出す。

「斉藤さん。何時の間に、鈴ちゃんと宿の庭園に咲く梅の花を見たのですか？」

斉藤一は温泉に浸かり、沖田総司に普通に話し出す。

「総司が慌てて居なくなった間。」

沖田総司は温泉に浸かり、斉藤一に拗ねて話し出す。

「斉藤さん！　酷いです！」

斉藤一は温泉に浸かり、沖田総司に普通に話し出す。

「酷くない。」

沖田総司は温泉に浸かり、斉藤一に拗ねて話し出す。

「斉藤さんは鈴ちゃんが咲き始めた白梅を笑顔で観る姿を観ました！　私は鈴ちゃんが咲き始めの白梅を笑顔で見る姿を観られませんでした！　不公平です！」

斉藤一は温泉に浸かり、沖田総司に普通に話し出す。

「総司は俺が物凄く羨ましいから拗ねているのか。」

沖田総司は温泉に浸かり、斉藤一を拗ねて見た。

斉藤一は温泉に浸かり、沖田総司に普通に話し出す。

「総司が拗ねる間に、俺は美鈴さんと今の歌について話す。美鈴さんは賢いから、歌について細かい内容まで話せる。俺と美鈴さんは、有意義な時間を過ごせる。」

沖田総司は温泉に浸かり、斉藤一に慌てて話し出す。

「私が鈴ちゃんに歌を贈ります！　私も斉藤さんと鈴ちゃんと有意義な時間を過ごします！」

斉藤一は温泉に浸かり、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は温泉に浸かり、斉藤一を安心して見た。

斉藤一は温泉に浸かり、沖田総司に普通に話し出す。

「総司。本当に面白い。」

沖田総司は温泉に浸かり、斉藤一を不思議な様子で見た。

斉藤一は温泉に浸かり、沖田総司を普通の表情で見た。



雪が沖田総司の腕に降ってきた。

雪が斉藤一の腕に降ってきた。



沖田総司は温泉に浸かり、腕を微笑んで見た。

斉藤一は温泉に浸かり、腕を普通の表情で見た。



雪は直ぐに融けた。



沖田総司は温泉に浸かり、斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は温泉に浸かり、沖田総司を見ると、普通の表情で頷いた。



暫く後の事。



ここは、夜の国。



一軒の落ち着いた雰囲気の宿。



一室。



雪が風に乗って舞っている。

雪景色が見える。

川が見える。

滝も見える。

滝の音が絶え間なく聞こえる。



暖かさに包まれている。



斉藤一は掛け布団を抱え、普通の表情で静かに現れた。



沖田総司は横になり、静かに寝ている。

少女も横になり、静かに寝ている。

酒と肴の用意がしてある。



斉藤一は、少女に掛け布団を静かに掛けて、沖田総司に掛け布団を静かに掛けた。

沖田総司は横になり、静かに寝ている。

少女も横になり、静かに寝ている。

斉藤一は杯に酒を注ぐと、杯の酒を普通の表情で飲んだ。



「梅の花　枝にか散ると　見るまでに　風に乱れて　雪ぞ降り来る」

雪の季節が終わろうとする夜の国に降る雪。

辺りは春の気配を見せながらも雪景色に包まれている。

夜の国の春の時間はゆっくりと穏やかに過ぎている。




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ここからは後書きになります。

この物語に登場する歌は「万葉集　第八巻　一六四七番」

「梅の花　枝にか散ると　見るまでに　風に乱れて　雪ぞ降り来る」

ひらがなの読み方は「うめのはな　えだにかちると　みるまでに　かぜにみだれて　ゆきぞふりくる」

作者は「忌部黒麻呂（いむべのくろまろ）」

歌の意味は「梅の花が枝から散ってしまうかと思えるほどに風に乱れて雪が降っています。」となるそうです。

原文は「梅花　枝尓可散登　見左右二　風尓乱而　雪曽落久類」

「春宵（しゅんしょう）」は、「春の夜。春の宵。」です。

「夢物語（ゆめものがたり）」は、「見た夢の話し。夢語り。」です。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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