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~ 雪月花 新撰組異聞 編 ~


~ 秋の夜長の夢語り 紅葉の夜景 いまひとたびの ~


登場人物

沖田総司、斉藤一、少女[美鈴・鈴]

夜の国の住人 夢




「小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば いまひとたびの みゆき待たなむ」

「小倉百人一首 二十六番」、及び、「捨遺集」、より

作者:貞信公(ていしんこう)




今は、秋。



ここは、京の町。



天気の悪い日や陽が沈むと寒さを感じるようになってきた。



僅かだが雨が降っている。



ここは、屯所。



沖田総司の部屋。



蚊帳が吊ってある。



蚊帳の中に床が敷いてある。



沖田総司は床の中で静かに寝ている。



部屋の中が不思議な空気に包まれた。



沖田総司は床の中でゆっくりと目を開けた。



少女が沖田総司を笑顔で覗き込んでいる。



沖田総司は、夜の国の住人で少女と同じ姿の“夢”だと直ぐに分かった。



沖田総司は床の中で、夢に微笑んで話し出す。

「夢ちゃん。こんばんは。」

夢は沖田総司の顔を覆い、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。こんばんは。」

沖田総司は床の中で、夢を微笑んで見た。

夢は沖田総司から微笑んで離れた。

沖田総司は床の上に体を微笑んで起こした。

夢は沖田総司に微笑んで抱き付いた。

沖田総司は床の上に体を起こして、赤面して動きを止めた。



夢は沖田総司を微笑んで抱いて、不思議な空気に包まれた。

沖田総司は赤面して、床の上に体を起こして、不思議な空気に包まれた。



夢は沖田総司を微笑んで抱いて、静かに居なくなった。

沖田総司は赤面して床の上に体を起こして、静かに居なくなった。



一瞬の後の事。



ここは、夜の国。



夜空には、月と満天の星が輝いている。



心地好い空気に包まれている。



夢の家。



一室。



心地好い空気に包まれている。



沖田総司は赤面して、静かに現れた。

夢は沖田総司を抱いて、微笑んで静かに現れた。



夢は沖田総司から微笑んで離れた。

沖田総司は夢を赤面して見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。夜の国に着きました。」

沖田総司は夢に赤面して頷いた。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。今の夜の国の季節は、秋です。今の夜の国は、紅葉が綺麗に染まっています。今夜の夜の国では、たくさんの紅葉を明かりで照らしています。楽しんで頂きたいと思って招待しました。」

沖田総司は夢に赤面して考えながら話し出す。

「たくさんの紅葉を灯りで照らす。綺麗な様子を想像する。」

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「綺麗な光景です。」

沖田総司は夢を赤面して考えながら見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「紅葉の見頃の夜は、寒さを感じます。綺麗な紅葉を見られる場所は、寒さを感じる場所が多いです。防寒を用意しました。紅葉を見終わった後に、お茶と温かい食べ物を用意します。安心して楽しんで過ごしてください。」

沖田総司は夢に赤面して微笑んで話し出す。

「夢ちゃん。たくさんの気遣いありがとう。」

夢は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は夢を赤面して微笑んで見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。夜の国の紅葉を見ながら思い出した歌があります。美鈴さんに紅葉を見ながら歌を贈ると喜ぶと思います。」

沖田総司は夢に赤面して微笑んで話し出す。

「夢ちゃん。夜の国の紅葉を見ながら思い出した歌を教えて。」

夢は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は夢を赤面して微笑んで見た。



沖田総司の後ろと夢の後ろから、斉藤一の普通の声が聞こえた。

「“小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば いまひとたびの みゆき待たなむ”。」



沖田総司は後ろを赤面して微笑んで見た。

夢は後ろを微笑んで見た。



斉藤一は普通に居る。



夢は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。良い時に現れました。」

斉藤一は夢に普通の表情で頷いた。

夢は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。後はお願いします。」

斉藤一は夢に普通の表情で頷いた。

夢は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。

「総司さん。斉藤さん。夜の国の綺麗な紅葉を楽しんでください。後程、逢いましょう。」

斉藤一は夢に普通の表情で頷いた。

沖田総司は夢に赤面して微笑んで頷いた。



夢は微笑んで、静かに居なくなった。



斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。相変わらず赤面している。」

沖田総司は斉藤一に赤面して慌てて話し出す。

「斉藤さんが突然に現れるからです!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司は俺が現れる前から赤面していた。総司の発言は間違っている。」

沖田総司は斉藤一を赤面して動揺して見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。相変わらず面白い。」

沖田総司は斉藤一を赤面して動揺して見ている。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「“小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば いまひとたびの みゆき待たなむ”。“小倉百人一首”に掲載している歌だ。“小倉山”は、京の町に因む山だ。京の町の紅葉を見ながら歌を贈る時の予行練習になる。」

沖田総司は斉藤一を赤面して動揺して見ている。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司が動揺する状況は、歌を覚えられない状況になる。落ち着け。」

沖田総司は斉藤一を見ながら、赤面して軽く息をはいた。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を見ながら、赤面して大きく息をはいた。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一に赤面して微笑んで話し出す。

「赤面はしていると思いますが、落ち着きました。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一に赤面して微笑んで話し出す。

「斉藤さん。歌を教えてください。お願いします。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一を赤面して微笑んで見た。



暫く後の事。



ここは、夜の国。



たくさんの綺麗な紅葉の見られる場所。



夜空には、月と満天の星が輝いている。



寒さを感じる。



辺りをたくさんの灯りが照らしている。



紅葉は灯りに当たって輝いている。



沖田総司は上着を着て、微笑んで、静かに現れた。

斉藤一は上着を着て、普通の表情で、静か現れた。

少女は上着を着て、微笑んで、静かに現れた。



沖田総司は辺りを微笑んで見た。

斉藤一は辺りを普通の表情で見た。

少女は辺りを微笑んで見た。

沖田総司は少女を見ると、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。綺麗だね。」

少女は沖田総司を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。綺麗ですね。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

少女は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。

「紅葉がたくさんの灯りを受けて輝いています。」

斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。

「お日様の光を受けて輝く紅葉も綺麗です。夜の中で灯りを受けて輝く紅葉も素敵です。」

斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。

「用意して頂いた上着は、暖かいです。長く外に居ても寒さを感じ難いです。秋の夜の国の紅葉を長く楽しめます。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「夜の国の人達が、紅葉を見た後に、温かいお茶と温かい食べ物を、用意してくれる。安心して楽しめるね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「美鈴さん。夜の国の人達は、温かい食べ物をたくさん用意してくれる。総司はたくさん食べるが、安心して食べられる。」

沖田総司は斉藤一に苦笑して話し出す。

「斉藤さん。一部は事実ですが、今、話す内容ですか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司は温かいお茶と温かい食べ物の用意について話した。俺は事実を話している。問題は無い。」

沖田総司は斉藤一を苦笑して見た。

少女は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。

「総司さん。斉藤さん。お気遣いありがとうございます。」

斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に苦笑して頷いた。

少女は紅葉を微笑んで見た。

沖田総司は少女と紅葉を微笑んで見た。

斉藤一は、沖田総司、少女、紅葉を普通の表情で見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。夜の国の住人から、紅葉を見る最中に、鈴ちゃんに歌を贈ると良いと勧めてくれたんだ。」

少女は沖田総司を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「お歌の贈り物。楽しみです。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「“小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば いまひとたびの みゆき待たなむ”。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「京の町に在るお山と紅葉を詠んだお歌です。」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「京の町の紅葉を見ながら、総司さんから頂いたお歌を詠みたいと思いました。」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。

「総司さん。斉藤さん。お歌の贈り物を勧めた夜の国の住人さんにお礼を伝えたいです。」

沖田総司は少女を考えながら見た。

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「都合が付かないために、美鈴さんは逢えない。俺と総司から、礼を伝える。」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。

「総司さん。斉藤さん。お願いします。」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。

少女は紅葉を微笑んで見た。

沖田総司は、斉藤一、少女、紅葉を微笑んで見た。

斉藤一は、沖田総司、少女、紅葉を普通の表情で見た。



「小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば いまひとたびの みゆき待たなむ」

秋の夜の国。

紅葉の綺麗な頃。

沖田総司、斉藤一、少女は、灯りの照らすたくさんの紅葉を楽しんで見ている。

沖田総司、斉藤一、少女は、お茶と温かい食べ物を楽しんで味わう時間が待っている。

秋の夜の国は、楽しい時間に包まれながら、ゆっくりと過ぎていく。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語に登場する歌は、「小倉百人一首 二十六番」、及び、「捨遺集」

「小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば いまひとたびの みゆき待たなむ」

ひらがなの読み方は「おぐらやま みねのもみぢば こころあらば いまひとたびの みゆきまたなむ」

作者は「貞信公(ていしんこう)」

歌の意味は「小倉山の峰を彩る紅葉の葉よ、お前に心というものがあるならば、もう一度、行幸(天皇のお出かけ)があるまで散らないで待っていておくれ。」となるそうです。

この歌の「小倉山」は、京都府京都市の嵐山に在る、大堰川の北岸に在る山です。

「貞信公(ていしんこう)」は、「藤原忠平(ふじわらのただひら)」です。

「貞信公」は、「諡(おくりな)(死者に生前の徳や行いなどに基づいて贈る称号)」です。

この物語の補足です。

鈴ちゃんは、沖田総司さんが人を斬る場面を見てしまった以降から、沖田総司さんが紅葉の傍に居る状況の時に、調子の悪くなる時がある設定があります。

この物語の時間設定は、鈴ちゃんも含めて楽しめるようにするために、先程の出来事より前の時間設定にしました。

他の物語との時間設定が合わない場合があります。

ご了承ください。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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