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〜 雪月花 新撰組異聞外伝 編 〜


〜 小暑至 紫陽花の八重咲く如く弥つ代にを 〜


〜 改訂版 〜


登場人物

沖田総司、藤田五郎、藤田時尾



「紫陽花の 八重咲く如く 弥つ代にを いませわが背子 見つつ思はぬ」

「万葉集 第二十巻 四四四八番」より

作者:橘諸兄(たちばなのもろえ)



今は明治。



ここは、東京。



過ごしやすい日から、暑さを感じ始める日へと移り始めている。



藤田五郎と時尾が祝言を挙げてから、幾つかの季節は二巡りや三巡りを迎えようとしている。



ここは、藤田五郎と妻の時尾の住む家。



藤田五郎は仕事に出掛けているため居ない。

時尾は家に居る。



時尾は微笑んで家事をしている。



時尾は体がだるく感じる時がある。

時尾は不思議に思いながらも、普段どおりに家事をする。



暫く後の事。



ここは、藤田五郎の家。



玄関。



藤田五郎は普通に帰ってきた。



時尾は微笑んで来た。



藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「お帰りなさいませ。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「先に晩酌をしますか?」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「準備をしている最中です。少しお待ちください。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。



藤田五郎は家の中に普通に入って行った。

時尾は家の中に微笑んで入って行った。



少し後の事。



ここは、藤田五郎の家。



食卓の有る部屋。



藤田五郎は杯の酒を普通の表情で飲んでいる。

時尾は微笑んで居る。

食卓には、酒と肴が載っている。



時尾は藤田五郎の杯に酒を微笑んで注いだ。

藤田五郎は杯を持ち、時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、時尾に普通に話し出す。

「俺に遠慮せずに先に食事をしろ。」

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「お気遣いありがとうございます。少し経ったら食事をします。」

藤田五郎は杯の酒を飲み干すと、時尾に普通に話し出す。

「食事をする。準備を頼む。」

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「少しお待ちください。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。



時尾は微笑んで居なくなった。



少し後の事。



ここは、藤田五郎の家。



食卓の有る部屋。



藤田五郎は普通に居る。

食卓には酒と肴が載っている。



時尾は食事を持ち、微笑んで来た。



藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は食卓に食事を微笑んで置いた。

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「いただきます。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は普通の表情で食事を始めた。

時尾は微笑んで食事を始めた。



翌日の事。



ここは、東京。



今日も少し暑く感じる。

僅かだが、夏の気配を感じ始めている。



ここは、藤田五郎の家。



藤田五郎は仕事に出掛けていて居ない。

時尾は家に居る。



庭。



時尾は微笑んで洗濯物を干している。



時尾は洗濯物を干し終えると、空を微笑んで見た。



雨の降る様子のない、落ち着いた空になる。



時尾は庭を微笑んで見た。



早く咲いた紫陽花が、僅かに色付いている。



時尾は家の中に微笑んで入って行った。



暫く後の事。



ここは、藤田五郎の家。



玄関。



藤田五郎は普通に来た。



時尾は微笑んで来た。



藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「お帰りなさいませ。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「伝えたい話が有ります。お時間は大丈夫でしょうか?」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「家の中で話しても良いですか?」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。



藤田五郎は家の中に普通に入って行った。

時尾は家の中に微笑んで入って行った。



少し後の事。



ここは、藤田五郎の家。



食卓の有る部屋。



藤田五郎は普通に居る。

時尾は微笑んで居る。



時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「今日、お医者様から子供を授かった診立てを頂きました。産み月は、十二月の予定です。」

藤田五郎は時尾に普通に話し出す。

「分かった。体に気を付けろ。無理をするな。」

時尾は藤田五郎に微笑んで軽く礼をした。

藤田五郎は時尾を普通の表情で見た。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「晩酌の用意をします。少しお待ちください。」

藤田五郎は時尾に普通に話し出す。

「先に食事をする。酒は部屋で飲みたい。肴は普段より多く用意して欲しい。」

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「分かりました。先に食事の用意をします。食事の後に、お酒と肴の用意をします。お酒と肴の用意を早める場合は、遠慮なく教えてください。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。



時尾は微笑んで居なくなった。



少し後の事。



ここは、藤田五郎の家。



食卓の有る部屋。



藤田五郎は普通に居る。



時尾は食事を持ち、微笑んで来た。



藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は食卓に食事を微笑んで置いた。

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎を微笑んで見た。



暫く後の事。



ここは、藤田五郎の家。



藤田五郎の部屋の前に在る縁。



藤田五郎は普通に来た。



藤田五郎は庭を普通の表情で見た。



庭に変わった様子は無い。



藤田五郎は部屋の中に普通に入って行った。



直後の事。



ここは、藤田五郎の家。



藤田五郎の部屋。



藤田五郎は部屋の中に普通に入った。



部屋の中に変わった様子は無い。



藤田五郎は普通に座った。



少し後の事。



ここは、藤田五郎の家。



藤田五郎の部屋。



藤田五郎は普通に居る。



時尾が酒と肴を持ち、部屋の中に微笑んで入って来た。



藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は机に酒と肴を置くと、藤田五郎に微笑んで話し出す。

「お肴を普段より多く用意しました。お酒も普段より多く用意しました。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「失礼します。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。



時尾は部屋を微笑んで出て行った。



部屋の中が心地好い空気に包まれた。



藤田五郎は障子をゆっくりと少し開けた。



月の光が辺りを明るく照らしている。

庭には、早く咲いた紫陽花が僅かに色付いている。

庭には、季節はずれの桜が咲いている。

季節はずれに咲いた桜が月の光を受けて咲いている。

早く咲いた紫陽花も月の光を受けて咲いている。



藤田五郎は横を普通の表情で見た。



沖田総司が藤田五郎を笑顔で見ている。



藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! おめでとうございます!」

藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! お父さんになりましたね!」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「祝いの言葉は受け取るが、産み月は十二月だ。誕生は暫く先だ。」

沖田総司は藤田五郎に苦笑して話し出す。

「斉藤さん。父親になったんですよ。もっと喜んでください。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「時尾は子供を授かって幾月も経っていない。時尾の体調、子供が無事に生まれるための準備、子供を育てる準備。確認の必要な物事がたくさんある。子供を授かったと喜んで浮かれている状況ではない。」

沖田総司は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。時尾さんから子供を授かった話を聞いた当日に、私を呼びました。斉藤さんは冷静沈着だから、本当は嬉しいのに、様々な状況を考えてしまって、素直に喜びを表現できないのですね。考えず悩まず、喜んでください。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司の今の質問に答える。前半の質問は、俺が少し前に答えた。後半の質問は、総司は今回の状況では早く呼ばないと、呼んだ時に大騒ぎするから、仕方が無く呼んだ。」

沖田総司は藤田五郎に拗ねた様子で話し出す。

「斉藤さん。酷いです。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「俺は間違った内容を話していない。拗ねるな。」

沖田総司は藤田五郎に拗ねて話し出す。

「斉藤さん。お父さんになったんですよ。優しく接してください。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「父親になる。総司に優しく接する。別な行為だ。」

沖田総司は藤田五郎を寂しく見た。

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に寂しく話し出す。

「斉藤さんが羨ましいです。」

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は藤田五郎を寂しく見た。

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「時尾に酒と肴を用意してもらった。付き合うだろ。」

沖田総司は藤田五郎に寂しく話し出す。

「私は今も斉藤さんと一緒に酒が飲めません。斉藤さんの晩酌に付き合える人物を連れてくれば良かったですね。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「酒は俺が一人で飲む。総司は普段どおり酒は飲まなくて構わない。時尾に肴を多く用意してもらった。総司は肴を普段どおり食べろ。」

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。俺に祝いの言葉を話すために来たのだろ。笑顔で過ごせ。」

沖田総司は藤田五郎に落ち込んで話し出す。

「はい。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。長く落ち込むならば、二度と呼ばない。」

沖田総司は藤田五郎に慌てて話し出す。

「斉藤さん! 私は斉藤さんとたくさん話したいです! 止めてください!」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司と居ると面白い。総司を二度と呼ばない決断をすると、面白い状況が減る。安心しろ。」

沖田総司は藤田五郎を複雑な様子で見た。

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。俺は酒を飲む。付き合え。」

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「はい。」

藤田五郎は杯に酒を注ぐと、杯の酒を普通の表情で飲んだ。

沖田総司は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通に話し出す。

「千枚漬けを用意した。総司は以前に美味しいと話した。遠慮せずに食べろ。」

沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「千枚漬けが食べられるのですね! 嬉しいです!」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通に話し出す。

「総司。手を出せ。」

沖田総司は藤田五郎に手を差し出すと、藤田五郎に微笑んで話し出す。

「お願いします。」

藤田五郎は杯の酒を飲むのを止めると、沖田総司の掌に千枚漬けを普通に載せた。

沖田総司は千枚漬けを美味しく食べた。

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に手を微笑んで差し出した。

藤田五郎は杯の酒を飲むのを止めると、沖田総司の掌に千枚漬けを普通に載せた。

沖田総司は千枚漬けを美味しく食べた。

藤田五郎は千枚漬けを食べながら、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さんに祝いの品を贈ります。」

藤田五郎は杯の酒を飲むと、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は庭を微笑んで見た。



庭には、季節はずれの桜と、早く咲いた紫陽花が、月の光を受けて咲いている。



沖田総司は藤田五郎を見ると、藤田五郎に微笑んで話し出す。

「“紫陽花の 八重咲く如く 弥つ代にを いませわが背子 見つつ思はぬ”」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通に話し出す。

「総司。俺が以前に贈った歌だ。」

沖田総司は藤田五郎を焦って見た。

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通に話し出す。

「忘れていたのか。」

沖田総司は藤田五郎を更に焦って見た。

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通に話し出す。

「総司。落ち着け。」

沖田総司は藤田五郎に落ち込んで話し出す。

「次に逢った時に、紫陽花を詠んだ他の歌か、別な歌を、祝いの歌の贈り物に用意します。」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通に話し出す。

「今の歌は、良い歌だと思う。今の歌を祝いの贈り物に受け取る。」

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通に話し出す。

「総司。向こうでも、剣術の技術の高みを目指す他に、歌の知識の高みも目指せ。」

沖田総司は藤田五郎を苦笑して見た。

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。今回は少し長く付き合えるだろ。」

沖田総司は藤田五郎に微笑んで頷いた。

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司、季節はずれの桜の花、早く咲いた紫陽花、を普通の表情で見た。

沖田総司は、藤田五郎、季節はずれの桜、早く咲いた紫陽花、を微笑んで見た。



少し後の事。



ここは、藤田五郎の家。



藤田五郎の部屋。



藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司、季節はずれの桜の花、早く咲いた紫陽花を、普通の表情で見ている。

沖田総司は、藤田五郎、季節はずれの桜、早く咲いた紫陽花を、微笑んで見ている。



沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。戻る時間が近付いてきました。」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。早く呼んでくださいね。」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。



沖田総司は微笑んで、静かに居なくなった。



藤田五郎は杯の酒を飲みながら、庭を普通の表情で見た。



季節はずれの桜は、元の姿に戻っている。

早く咲いた紫陽花は、先程と同じく僅かに色付いている。



藤田五郎は杯の酒を飲みながら、早く咲いた紫陽花を見て、普通の表情で呟いた。

「“紫陽花の 八重咲く如く 弥つ代にを いませわが背子 見つつ思はぬ”」



月の光が早く咲いた紫陽花を僅かに輝かせた。



藤田五郎は杯の酒を飲みながら、早く咲いた紫陽花を見て、普通の表情で呟いた。

「総司と一緒に居ると、楽しくて、飽きない。本当に面白い。」



月の光が季節どおりの桜を僅かに輝かせた。



藤田五郎は杯の酒を飲みながら、早く咲いた紫陽花と季節どおりの桜、を普通の表情で見た。



「紫陽花の 八重咲く如く 弥つ代にを いませわが背子 見つつ思はぬ」

僅かに色付く紫陽花が、藤田五郎の一人のみの酒宴に彩りを添えている。

季節どおりの姿の桜も、藤田五郎の一人のみの酒宴に彩りを添えている。

月の輝きも、藤田五郎の一人のみの酒宴に彩りを添えている。

少しずつ暑さを感じる日が増えてきた。

幾日後には、綺麗に色付く紫陽花が、藤田五郎の一人のみの酒宴に彩りを添える。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語に登場する歌は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

この物語に登場する歌は「万葉集 第二十巻 四四四八番」

「紫陽花の 八重咲く如く 弥つ代にを いませわが背子 見つつ思はぬ」

ひらがなの読み方は「あじさいの やえさくごとく やつよにを いませわがせこ みつつしのはぬ」

作者は「橘諸兄(たちばなのもろえ)」

歌の意味は「紫陽花の花が八重咲くように、いついつまでも栄えてください。あなた様を見仰ぎつつお慕いいたします。」となるそうです。

原文は「安治佐為能 夜敝佐久其等久 夜都与尓乎 伊麻世和我勢故 美都々思努波牟」

藤田五郎さんと高木時尾さんが結婚したのは、明治七年(1874年)の頃だそうです。

明治九年(1876年)十二月十五日に、藤田五郎さんと時尾さんの間に初めてのお子さんになる、長男の勉さんが誕生します。

この物語は、時尾さんが藤田五郎さんに二人の間の子供が出来た事を話す頃を考えて書きました。

藤田五郎さんは、少年時代は山口一さんと名乗っていました。

途中から、斉藤一さん、を含めた幾つもの名前を名乗ります。

藤田五郎さんは山口一の名前以外を名乗る頃から、基本的には一人で生きていたようです。

仲間はいましたが、戦で喪ったり、新撰組内の抗争で喪ったり、諜報活動などで喪ったり、などと常に厳しい中で生きてきました。

史実の藤田五郎さんは、明治時代になってから、時尾さんと結婚する前に別な女性と結婚しています。

この女性とは何年か後に別れています。

離婚なのか、死別なのか、確認が取れませんでした。

「新撰組異聞」関連、及び、「新撰組異聞外伝」関連に、この女性が登場する予定は、この物語の掲載時点では無いです。

時尾さんと結婚して、時尾さんと一緒に住んで、時尾さんとの間に子供が出来る、という、藤田五郎さんが普通に近い生活を始めている様子を考えながら物語を書きました。

この物語の中で、藤田五郎さんが沖田総司さんに「既にもらった歌」という内容を話す場面があります。

「雪月花 新撰組異聞 編 紫陽花迷路」の中で、沖田総司さんが斉藤一さんに贈った歌を差します。

「小暑至(しょうしょいたる)」は「十四節気の“小満”のなかの“中国での七十二候の末候”」の言葉です。

「ようやく暑さが加わり始める」という意味だそうです。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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