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〜 雪月花 新撰組異聞外伝 編 〜


〜 桜湯に桜花が浮いて 我が待つ君を 〜


登場人物

藤田五郎、藤田時尾、敬一[沖田総司の息子]、美鈴[沖田総司の妻、敬一の母]



「あしひきの 山桜戸を 開け置きて 我が待つ君を 誰れか留むる」

「万葉集 第十一巻 二六一七番」より

作者:詠み人知らず



今は春。



ここは、東京。



桜の花が咲き乱れている。



ここは、沖田総司の息子の敬一と母親の美鈴の住む家。



縁。



敬一は微笑んで来た。



敬一は庭を微笑んで見た。

敬一は庭を不思議な様子で見た。

敬一は庭を見ながら、不思議な様子で呟いた。

「お母さん。庭に居ない。台所にも居ない。お父さんの部屋に居るのかな?」



敬一は不思議な様子で歩き出した。



僅かに後の事。



ここは、敬一と美鈴の住む家。



沖田総司の位牌の有る部屋の前。



敬一は不思議な様子で来た。



敬一は部屋を見ながら、不思議な様子で呟いた。

「お母さん。お父さんと話しているのかな?」

敬一は部屋を考えながら見た。



美鈴が部屋から微笑んで出てきた。



敬一は美鈴を驚いて見た。

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一。お父さんとたくさん話してごめんね。」

敬一は美鈴に慌てて話し出す。

「お母さん! 気にしないで! お父さんとゆっくりと話して!」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「お母さんの話しは終わったわ。敬一。お父さんと話して良いわよ。」

敬一は美鈴に慌てて話し出す。

「僕は大丈夫だよ!」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一。本当に大丈夫?」

敬一は美鈴に慌てて話し出す。

「本当に大丈夫だよ!」

美鈴は敬一を微笑んで見た。

敬一は美鈴に苦笑して話し出す。

「お母さん。話題を変えるね。桜がとても綺麗に咲いているね。」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「桜がとても綺麗に咲いているわね。」

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「お母さん。一緒に桜を見に行こうよ。」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「今から桜を見に行くの?」

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「近所の桜ならば、今から見に行けるよね。」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「今から一緒に桜を見に行きましょう。」

敬一は美鈴を微笑んで見た。

美鈴も敬一を微笑んで見た。



少し後の事。



ここは、たくさんの満開の桜の咲く場所。



敬一は微笑んで来た。

美鈴も微笑んで来た。



敬一は美鈴に笑顔で話し出す。

「お母さん! 綺麗だね!」

美鈴は敬一に微笑んで頷いた。

敬一は美鈴に笑顔で話し出す。

「お母さん! 更に近くで桜を見よう!」

美鈴は敬一に微笑んで呟いた。

敬一は美鈴の手を笑顔で握った。

美鈴は敬一を微笑んで見た。



敬一は美鈴の手を握り、笑顔で歩き出した。

美鈴は微笑んで歩き出した。



少し後の事。



ここは、たくさんの満開の桜の咲く場所。



敬一は笑顔で居る。

美鈴は微笑んで居る。



桜の花は屋根のように美鈴と敬一を覆っている。



美鈴は桜を見ながら、微笑んで呟いた。

「“あしひきの 山桜戸を 開け置きて 我が待つ君を 誰れか留むる”」

敬一は美鈴を心配して見た。

美鈴は桜を微笑んで見ている。

敬一は美鈴に心配して小さい声で話し出す。

「お母さん。」

美鈴は敬一を見ると、敬一に心配して話し出す。

「敬一。疲れたの? 調子が悪くなったの?」

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「疲れていないよ。調子は悪くないよ。お母さんが桜を長く見ているから、疲れていないか心配になったんだ。お母さんと離れて桜を見ていたから、心配になったんだ。」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一とお母さん。離れていないわ。直ぐ傍に居るわよ。」

敬一は美鈴に恥ずかしく話し出す。

「僕がお母さんを誘ったのに、お母さんを一人にしてしまったよね。心配になったんだ。」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一。ありがとう。」

敬一は美鈴を微笑んで見た。

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一。今日は帰りましょう。別な日にゆっくりと桜を見ましょう。」

敬一は美鈴に微笑んで頷いた。



敬一は微笑んで歩き出した。

美鈴は微笑んで歩き出した。



翌日の事。



ここは、東京。



桜の花は辺りに咲き乱れている。



ここは、敬一と美鈴の住む家。



玄関。



敬一は微笑んで居る。

美鈴も微笑んで居る。



美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんとご家族に、迷惑を掛けないようにね。」

敬一は美鈴に微笑んで頷いた。

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「行ってらっしゃい。」

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「行ってきます。」

美鈴は敬一を微笑んで見た。



敬一は元気良く出掛けて行った。



少し後の事。



ここは、町中。



敬一は微笑んで歩いている。



敬一は辺りを微笑んで見た。



桜の花が咲き乱れている。



敬一は桜の花を見ながら、考えながら呟いた。

「“あしひきの 山桜戸を 開け置きて 我が待つ君を 誰れか留むる”」



桜の花びらが敬一のもとに舞い落ちてきた。



敬一は桜の花びらを掌で考えながら受け止めた。



桜の花びらが一枚だけ敬一の掌に載っている。



敬一は掌に桜の花びらを載せて、桜の花びらに寂しく息を吹きかけた。



桜の花びらは地面へと舞い落ちていった。



敬一は前を向くと、寂しく息をはいた。



敬一は僅かに寂しく歩き出した。



少し後の事。



ここは、藤田五郎、妻の時尾、幼い息子の勉の住む家。



玄関。



時尾は微笑んで居る。

敬一も微笑んで居る。



敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「時尾さん。斉藤さんは居ますか?」

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「五郎さんは部屋に居るわ。」

敬一は時尾を微笑んで見た。

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「五郎さんに部屋に行って大丈夫よ。五郎さんの部屋にお茶を持っていくわ。」

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。」

時尾は敬一に微笑んで頷いた。



敬一は家の中に微笑んで入って行った。

時尾も家の中に微笑んで入って行った。



僅かに後の事。



ここは、藤田五郎、時尾、勉の住む家。



藤田五郎の部屋の前。



敬一は微笑んで来た。



敬一は部屋を考えながら見た。



藤田五郎が部屋から普通に出てきた。



敬一は藤田五郎を驚いて見た。

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎に僅かに慌てて話し出す。

「斉藤さん。こんにちは。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「部屋の中に入れ。」

敬一は藤田五郎に僅かに慌てて軽く礼をした。



藤田五郎は部屋の中に普通に入って行った。

敬一は部屋の中に僅かに慌てて入って行った。



少し後の事。



ここは、藤田五郎、時尾、勉の住む家。



藤田五郎の部屋。



藤田五郎は普通に居る。

敬一は微笑んで居る。



藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一。何故、部屋の前で黙っていた?」

敬一は藤田五郎に不安な様子で話し出す。

「斉藤さんと話したくて来ました。斉藤さんの部屋の前に来たら、斉藤さんと話す内容が分からない状況に気付きました。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一の思う内容を話せ。」

敬一は藤田五郎を考えながら見た。



部屋の外から、時尾の穏やかな声が聞こえた。

「お茶の用意が出来ました。」



藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「お茶を飲んでから話せ。」

敬一は藤田五郎に考えながら話し出す。

「はい。」

藤田五郎は障子を普通に開けた。



少し後の事。



ここは、藤田五郎、時尾、勉の住む家。



藤田五郎の部屋。



藤田五郎はお茶を普通に飲んでいる。

敬一はお茶を微笑んで美味しく飲んでいる。



敬一はお茶を微笑んで飲み終わった。

藤田五郎はお茶を普通の表情で飲み終わった。

敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「ごちそうさまでした。」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。



敬一は藤田五郎に考えながら話し出す。

「斉藤さん。桜湯に浸かりたいと考えています。桜の樹皮が欲しいのです。今の時季に桜の樹皮を用意するためには、お礼の用意かお金の用意が必要ですよね。僕はお金を持っていません。良い方法が分からないです。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一。桜湯を用意したい理由は何だ?」

敬一は藤田五郎に考えながら話し出す。

「お母さんはお父さんの位牌にたくさんの内容を話しています。お母さんはお父さんと素敵な笑顔で話します。」

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎に考えながら話し出す。

「お母さんはいつも忙しく仕事や家事をしています。お母さんに少しでも喜んで欲しいです。お母さんと一緒に近くに咲く桜を見に行きました。お母さんは桜を見ている時に、とても小さい声で歌を詠みました。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「美鈴さんが小さい声で詠んだ歌。教えろ。」

敬一は藤田五郎に考えながら話し出す。

「“あしひきの 山桜戸を 開け置きて 我が待つ君を 誰れか留むる”」

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎に考えながら話し出す。

「待っている人に会いたいのに、なかなか来てくれないと思っている歌ですよね。」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は藤田五郎に考えながら話し出す。

「お母さんの待つ人物は、お父さんだと思います。引き止めている人物は誰なのか考えました。考えている途中で怖くなってしまいました。途中で考えるのを止めました。」

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎に考えながら話し出す。

「僕に出来る範囲で、お母さんに少しでも楽しんでもらいたいと思いました。僕は何も出来ないと思いました。」

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎に考えながら話し出す。

「桜の花の咲く時季に、桜の花を浮かべた桜湯に浸かったら、お母さんの疲れは癒せるし、お母さんは喜んでくれる、と思いました。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一と今回の歌は、関係無いと思う。」

敬一は藤田五郎を不安な様子で見た。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「総司と美鈴さんにとって、敬一は大切な子供だ。敬一に聞かれたくない内容の歌ならば、敬一の居ない時に歌を詠む。」

敬一は藤田五郎を不安な様子で見ている。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「気になるならば、美鈴さんに聞け。美鈴さんは隠さずに答えるはずだ。」

敬一は藤田五郎を不安な様子で見ている。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一。美鈴さんの前で暗い表情をするな。心配する。」

敬一は藤田五郎を不安な様子で見ている。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「美鈴さんは、敬一の笑顔を見ている時が、一番に嬉しいはずだ。」

敬一は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「時尾に桜湯の用意について確認する。」

敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は藤田五郎を微笑んで見た。



僅かに後の事。



ここは、藤田五郎、時尾、勉の住む家。



食卓の有る部屋。



時尾は微笑んで縫い物をしている。



藤田五郎は普通に来た。

敬一は微笑んで来た。



時尾は縫い物を止めると、藤田五郎と敬一を微笑んで見た。

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「お母さんに桜の花びらを浮かべた桜湯に浸かってもらいたいと思っています。桜湯には、桜の樹皮が必要です。今は桜の花が咲く時季なので、桜湯の用意が出来ません。桜の樹皮を分けてもらえる場所などを教えてもらいたいと思いました。」

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「桜の樹皮。少し余裕があると思うわ。確認するわ。少し待っていてね。」

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。」

時尾は藤田五郎と敬一を微笑んで見た。

藤田五郎は時尾と敬一を普通の表情で見た。



暫く後の事。



ここは、藤田五郎、時尾、勉の住む家。



玄関。



藤田五郎は普通に居る。

敬一は微笑んで居る。



時尾が小さい包みを持ち、微笑んで来た。



藤田五郎は時尾を普通の表情で見た。

敬一は時尾を微笑んで見た。

時尾は小さい包みを持ち、敬一に微笑んで話し出す。

「一回分の桜湯の量だけ用意できたの。大丈夫かしら?」

敬一は時尾に嬉しく話し出す。

「ありがとうございます!」

時尾は敬一に小さい包みを微笑んで渡した。

敬一は時尾から小さい包みを受け取ると、藤田五郎に笑顔で話し出す。

「ありがとうございます!」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は小さい包みを持ち、藤田五郎と時尾に笑顔で礼をした。

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

時尾は敬一に微笑んで頷いた。



敬一は小さい包みを持ち、笑顔で居なくなった。



少し後の事。



ここは、敬一と美鈴の住む家。



玄関。



敬一は小さい包みを持ち、笑顔で帰ってきた。



美鈴は微笑んで来た。



美鈴は敬一を不思議な様子で見た。

敬一は美鈴に小さい包みを渡すと、美鈴に笑顔で話し出す。

「お母さん! 斉藤さんの家から桜の樹皮をもらったんだ! 桜湯に浸かろうよ!」

美鈴は敬一から小さい包みを受け取ると、敬一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんとご家族にお礼を伝えないといけないわね。」

敬一は美鈴に笑顔で話し出す。

「お礼は僕から伝えたよ! 大丈夫だよ!」

美鈴は小さい包みを持ち、敬一に微笑んで話し出す。

「敬一。ありがとう。」

敬一は美鈴を笑顔で見た。

美鈴は小さい包みを持ち、敬一に微笑んで話し出す。

「今日は桜湯に浸かりましょう。」

敬一は美鈴に笑顔で頷いた。



少し後の事。



ここは、敬一と美鈴の住む家。



食卓の有る部屋。



敬一は微笑んで居る。

美鈴は桜の樹皮を布袋に微笑んで入れている。



敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「お母さん。先に桜湯に浸かって。」

美鈴は桜の樹皮を布袋に入れながら、敬一に微笑んで話し出す。

「敬一が頂いた桜の樹皮よ。敬一が桜湯に先に浸かりなさい。」

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「お母さん。今回はゆっくりとお風呂に浸かってよ。僕がお風呂の片付けをするよ。」

美鈴は桜の樹皮を布袋に入れるのを止めると、敬一に微笑んで話し出す。

「今日は敬一に甘えても良いのかしら?」

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「今日だけではなくて、ずっと甘えて良いよ。」

美鈴は敬一を微笑んで見た。

敬一は美鈴に苦笑して話し出す。

「僕は頼りないよね。」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一はしっかりとしているわ。敬一は頼りになるわ。」

敬一は美鈴を恥ずかしく見た。

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「桜湯に浸かる準備を続けるわ。桜湯に先に浸かるわ。敬一。お風呂の片付けをお願いするわね。」

敬一は美鈴に微笑んで頷いた。

美鈴は桜の樹皮を布袋に微笑んで入れた。



暫く後の事。



ここは、敬一と美鈴の住む家。



風呂場。



美鈴は桜湯に微笑んで浸かっている。



桜湯には敬一が用意した桜の花が浮かんでいる。



美鈴は桜湯に浸かりながら、桜湯に浮かぶ桜の花を両手で微笑んですくった。



美鈴の両手の中には、桜の花が桜湯に静かに浮かんでいる。



美鈴は桜湯に浸かりながら、美鈴の両手の中の桜湯に浮かぶ桜の花を微笑んで見た。



「あしひきの 山桜戸を 開け置きて 我が待つ君を 誰れか留むる」

桜湯に浮かぶ桜の花。

敬一の用意した桜の花。

桜の花の咲く頃は、桜の花を浮かべる桜湯が楽しめる。



敬一は、桜の花が散った後に、来年の春に浸かるための桜湯の準備を始めたいと思っている。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語に登場する歌は、「万葉集 第十一巻 二六一七番」

「あしひきの 山桜戸を 開け置きて 我が待つ君を 誰れか留むる」

ひらがなの読み方は「あしひきの やまさくらとを あけおきて わがまつきみを たれかとどむる」

作者は「詠み人知らず」

歌の意味は「山桜戸(やまさくらと)を開けたまま、私が待っているあの方を、いったい誰が引き留めているのかしら」となるそうです。

原文は「足日木能 山櫻戸乎 開置而 吾待君乎 誰留流」

「山桜戸(やまさくらと)」は、山桜を板にして作った戸だそうです。

「桜湯(さくらゆ)」についてです。

「桜湯」の言葉でイメージすると、「塩漬けにした八重桜に熱湯を注いだ飲み物。婚礼などの祝賀などにお茶の代わりに用いる飲み物。」、を想像すると思います。

この物語の中に登場する「桜湯」は、「柚子湯」や「菖蒲湯」に代表される薬用風呂です。

薬用風呂の「桜湯」について簡単ですが説明したいと思います。

桜の樹皮を剥ぎ、刻んで日陰干しにしておきます。

桜の木は、「染井吉野(そめいよしの)」、「大島桜(おおしまざくら)」、「山桜(やまざくら)」、のいずれも大丈夫です。

桜の樹皮を剥ぐのは、桜の花が咲き終わった後の夏以降になります。

現在は、花屋でも桜の花が売っています。

その枝を使う事が出来ます。

いつ頃から分かりませんが、桜の樹皮は、漢方を扱う薬局でも手に入る事があります。

「桜湯」の作り方と効能を簡単に説明します。

乾燥して樹皮を布袋に入れます。

布袋を鍋に入れて、水から15〜20分ほど煮出します。

煮出した汁と布袋ごと浴槽に入れます。

入る時に、かき回してお風呂に入ります。

桜の花びらを浮かべると、桜湯に入っている雰囲気が出ると思います

桜の樹皮を煮出した汁には、「消炎効果」があります。

湿疹や打ち身などに効果があります。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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