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新撰組異聞 〜 牡丹雪の忘れ物 〜


〜 第三版 〜


今は冬。


ここは、京の町。


寒い日が続いている。


ここは、酒や食事が楽しめる店。


二階。


一室。


芹沢鴨、沖田総司、斉藤一は、杯の酒を飲んでいる。

芹沢鴨、沖田総司、斉藤一の前には、酒と肴が置いてある。


芹沢鴨は杯の酒を飲みながら、沖田総司の肩を楽しそうに抱いた。

沖田総司は杯の酒を飲むのを止めると、芹沢鴨を僅かに困惑した様子で見た。

斉藤一は杯の酒を飲みながら、芹沢鴨と沖田総司を普通の表情で見た。

芹沢鴨は沖田総司の肩を抱きながら、杯の酒を僅かに不機嫌そうに飲み乾した。

斉藤一は杯の酒を飲みながら、芹沢鴨を普通の表情で見た。

芹沢鴨は沖田総司の肩を乱暴に放した。

沖田総司は芹沢鴨を心配そうに見た。

斉藤一は杯の酒を飲みながら、芹沢鴨と沖田総司を普通の表情で見た。


芹沢鴨はふすまを開けると、沖田総司を部屋の外に不機嫌そうに出した。


沖田総司は芹沢鴨と斉藤一を心配そうに見た。


芹沢鴨はふすまを普通に閉めた。


沖田総司の姿は見えなくなった。


斉藤一は杯の酒を飲みながら、芹沢鴨を普通の表情で見た。

芹沢鴨は杯に酒を注ぐと、直ぐに飲み干した。

斉藤一は杯の酒を飲みながら、芹沢鴨を普通の表情で見ている。

芹沢鴨は斉藤一に近付くと、強い調子で話し出す。

「斉藤! 総司を助けただろ!」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、芹沢鴨を普通の表情で見ている。

芹沢鴨は斉藤一に強い調子で話し出す。

「総司は帰したが、斉藤は帰さないぞ!」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、芹沢鴨を普通の表情で見ている。

芹沢鴨は斉藤一に強い調子で話し出す。

「斉藤! この俺を無視するのか?!」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、芹沢鴨に普通に話し出す。

「芹沢さんを無視していません。」

芹沢鴨は斉藤一に強い調子で話し出す。

「斉藤! 総司を助けた質問が残っているぞ!」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、芹沢鴨に普通に話し出す。

「申し訳ありませんが、質問の意味が分かりません。」

芹沢鴨は斉藤一を睨みながら、杯に酒を注いだ。

斉藤一は杯の酒を飲みながら、芹沢鴨を普通の表情で見た。

芹沢鴨は杯の酒を飲み乾すと、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤は面白い。せっかくだから、話題を変えよう。」

斉藤一は杯の酒を飲むのを止めると、芹沢鴨に普通の表情で軽く礼をした。

芹沢鴨は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。総司をからかうと楽しいぞ。総司は面白い人物だと思わないか?」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、芹沢鴨を普通の表情で見た。

芹沢鴨は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤は総司をどのように思っているんだ?」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、芹沢鴨に普通に話し出す。

「どのようにも思っていません。」

芹沢鴨は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤も本当に面白い人物だな。」

斉藤一は杯の酒を飲むのを止めると、芹沢鴨に普通の表情で軽く礼をした。

芹沢鴨は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。俺と二人で飲めて楽しいか?」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、芹沢鴨を普通の表情で見た。

芹沢鴨は斉藤一に強い調子で話し出す。

「斉藤! 俺と酒を飲むのが楽しくないから質問に答えないのか?!」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、芹沢鴨を普通の表情で見ている。

芹沢鴨は斉藤一に強い調子で話し出す。

「俺は斉藤を帰さないと言っている! 本当は不安で仕方がないのだろ?!」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、芹沢鴨を普通の表情で見ている。

芹沢鴨は斉藤一に強い調子で話し出す。

「斉藤! 何か言え!」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、芹沢鴨に普通に話し出す。

「芹沢さんと一緒に飲むのは楽しいです。今回も楽しい気持ちで一緒に来ました。芹沢さんは怖くありません。芹沢さんはいずれ帰られます。俺もいずれは部屋の外に出られます。心配していません。」

芹沢鴨は斉藤一を見ながら、杯の酒を嬉しそうに注いだ。

斉藤一は芹沢鴨を見ながら、杯の酒を飲むのを普通に止めた。

芹沢鴨は杯の酒を飲みながら、斉藤一を不思議そうに見た。

斉藤一は芹沢鴨に普通に話し出す。

「今のような内容の話をすれば、芹沢さんは喜ぶのですね。」

芹沢鴨は杯の酒を飲むのを止めると、斉藤一を睨んだ。

斉藤一は芹沢鴨を普通の表情で見た。

芹沢鴨は斉藤一に近付くと、睨みながら話し出す。

「斉藤。俺をどのように思っているんだ?」

斉藤一は芹沢鴨に普通に話し出す。

「芹沢さんの判断にお任せします。」

芹沢鴨は斉藤一から普通に離れた。

斉藤一は杯の酒を飲みながら、芹沢鴨を普通の表情で見た。

芹沢鴨は杯に酒を注ぐと、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤はやはり変わった人物だな。総司と物凄く似ている。一緒に居ると面白い。」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、芹沢鴨に普通の表情で軽く礼をした。

芹沢鴨は杯の酒を微笑んで飲み乾した。

斉藤一は杯の酒を飲みながら、芹沢鴨を普通の表情で見た。

芹沢鴨は障子を僅かに開けると、外を普通の表情で見た。

斉藤一は杯の酒を飲むのを止めると、芹沢鴨と外を普通の表情で見た。


外は牡丹雪が降り始めている。


芹沢鴨は牡丹雪の降る様子を見ながら、斉藤一に普通に話し出す。

「外は寒いだろうな。」

斉藤一は牡丹雪の降る様子を見ながら、芹沢鴨に普通に話し出す。

「この部屋は寒いですが、外は更に寒いと思います。」

芹沢鴨は斉藤一を見ると、微笑んで話し出す。

「斉藤は本当に面白い人物だな。」

斉藤一は芹沢鴨に普通の表情で軽く礼をした。

芹沢鴨は杯に酒を注ぐと、斉藤一に微笑んで話し出す。

「確かに外は寒いよな。」

斉藤一は芹沢鴨を普通の表情で見た。

芹沢鴨は酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。帰って良いぞ。」

斉藤一は芹沢鴨に普通に話し出す。

「先程から余り時間が経っていませんが、帰っても良いのですか?」

芹沢鴨は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。

「俺の気が変わらない内に早く帰れ。」

斉藤一は芹沢鴨に普通の表情で軽く礼をした。

芹沢鴨は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。外は寒い。雪だるまを忘れずにしっかりと持って帰れよ。」

斉藤一は芹沢鴨を普通の表情で見た。

芹沢鴨は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。

「暫く経つと雪だるまになるが、今は雪だるまではなかった。つい間違えてしまった。雪だるまは、大事なものだろ。しっかりと持って帰れよ。」

斉藤一は芹沢鴨に普通に話し出す。

「大事なものかは分かりませんが、雪だるまはしっかりと持って帰ります。」

芹沢鴨は杯の酒を飲みながら、斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は芹沢鴨に普通に話し出す。

「では、失礼させて頂きます。」

芹沢鴨は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで頷いた。


斉藤一は部屋を普通に出て行った。


それから少し後の事。


ここは、お酒や食事が楽しめる店の外。


斉藤一は普通に現れた。


寒さをはっきりと感じる。


牡丹雪が降り続いている。


外は薄っすらと白くなり始めている。


斉藤一は普通に歩き出した。


道に斉藤一の足跡が残っていく。


斉藤一は直ぐに立ち止まると、傍の横道を普通の表情で見た。


沖田総司が寒そうにしながら、一人で立つ姿が見える。


斉藤一は傍の横道に普通に歩き出した。


それから僅かに後の事。


ここは、横道。


斉藤一は沖田総司の傍に普通に来た。


沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。お帰りなさい。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「想像より早い帰りなので安心しました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。相変わらず隠れるのが下手だな。部屋の中からでも総司の居場所が分かったぞ。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「私が真剣に隠れたら、斉藤さんが気付かない可能性があります。斉藤さんが気付かないと私が待つ意味がないですよね。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司が真剣に隠れても、俺は総司の隠れている場所は直ぐに分かる。総司は安心して真剣に隠れてくれ。」

沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「確かに、斉藤さんは私が真剣に隠れていても直ぐに気付きますね。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。寒くなかったのか?」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「寒くありません。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「先に帰らずに、ずっと外で待っているつもりだったのか?」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さんは芹沢さんから私を助けてくれました! 私だけ先には帰れません!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「やはり総司は面白い。次も芹沢さんに誘われたら、総司も誘うように話す。」

沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「斉藤さん。今の話はどのような意味ですか?」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に考え込みながら話し出す。

「斉藤さん。今の話は良い意味に考えて良いのですか?」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一に思い出したように話し出す。

「斉藤さん! 早く戻りましょう! 近藤さんと土方さんが心配しているはずです!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。


沖田総司は微笑んで歩き出した。

斉藤一は普通に歩き出した。


牡丹雪の降り続く道には、沖田総司と斉藤一の足跡が並んで残っている。

沖田総司と斉藤一の足跡の上に、牡丹雪がゆっくりと降り積もっていく。

沖田総司と斉藤一の足跡は、少しずつ消えていく。

沖田総司と斉藤一は、新たな足跡をしっかりと残しながら歩いていく。


沖田総司と斉藤一は、足跡だけを残して姿が見えなくなった。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は、以前に別な場所で掲載した「ぼたん雪の忘れ物」の題名の物語をHPに掲載するために加筆訂正して、更に加筆訂正しました。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

こからは、改訂前の後書きを加筆訂正しながら書きます。

物語の雰囲気から「ぼたん雪の忘れ物」から「牡丹雪の忘れ物」に題名を変更しました。

史実の芹沢鴨さんが亡くなったのは、文久三年九月十六日(1863年10月28日)頃、または、文久三年九月十八日(1863年10月30日)頃といわれています。

史実の芹沢鴨さんは、京の町に着て最初の年に亡くなっています。

史実の斉藤一さんは、壬生浪士組設立当初には参加していない可能性が高いといわれています。

そのため、芹沢鴨さんと沖田総司さんと斉藤一さんが、冬の季節の雪の降る京の町で過ごす設定はありえない事になります。

私は、芹沢鴨さんと沖田総司さんと斉藤一さんが、冬の季節の雪の降る京の町で過ごす物語が書きたいと思いました。

今回の物語は、今回の物語のような出来事があったとしたらと考えながら書きました。

芹沢鴨さんから深紅の紅葉をイメージして「新撰組異聞 短編 紅葉の宴」を考えました。

芹沢鴨さんを雪でイメージすると「牡丹雪」だと思いました。

そこから、題名に牡丹雪を付けて、牡丹雪の降る中の出来事の物語を書きました。

史実の芹沢鴨さんと沖田総司さんは、良くお酒を飲みに出掛けていたそうです。

芹沢鴨さんは沖田総司さんを好きだったのではないかと思いました。

芹沢鴨さんは斉藤一さんを好きな方の人物に考えていたのではないかと思いました。

今回の物語は、沖田総司さんと斉藤一さんの関係が少しずつ変わっていく様子も表現してみたいと考えながら書きました。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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