新撰組異聞　〜　夢現の如くなり　〜


〜　第三版　〜


幕府と薩長中心の新政府の戦いは続いている。

戦況は幕府側に不利に感じる。

幕府側と薩長中心の新政府の戦いの地は、北の国へと移っている。


綺麗に咲く桜はあるが、散り始めている桜が多い。

桜の見頃が終わり掛けているのが分かる。


緊張の日々が続く中で、僅かに落ち着く日が訪れた。


ここは、葉桜になりかけている桜の木。


木の下。


土方歳三は桜の木にもたれたまま、目を閉じている。


土方歳三の元に、以前に聞き慣れた声が、優しさの感じる声が、聞こえてきた。

「土方さん。起きてください。」


土方歳三は桜の木にもたれたまま、ゆっくりと目を開けた。


沖田総司が土方歳三を微笑んで見ている。

土方歳三の見知らぬ少年が土方歳三を微笑んで見ている。


土方歳三は桜の木にもたれたまま、沖田総司と見知らぬ少年に普通に話し出す。

「なぜこの場所に居るんだ？」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「私はなぜこの場所に居るのでしょうか？　土方さん。答えてください。」

土方歳三は桜の木にもたれたまま、沖田総司を怪訝そうに見た。

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方さん。答えが分からないのですね。仕方がありませんね。私が土方さんの代わりに答えを言います。」

土方歳三は桜の木にもたれたまま、沖田総司を怪訝そうに見た。

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「それは、土方さんが私を呼んだからです。」

土方歳三は桜の木にもたれたまま、沖田総司を怪訝そうに見ている。

見知らぬ少年は土方歳三に微笑んで話し出す。

「沖田さんの言う通りです。」

土方歳三は桜の木にもたれるのを止めると、沖田総司に怪訝そうに話し出す。

「俺は呼んでいない。総司の答えは間違っている。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方さんが呼んだから、この場所に来ました。間違いありません。」

土方歳三は沖田総司を納得のいかない表情で見た。

見知らぬ少年は土方歳三と沖田総司を微笑んで見た。

土方歳三は見知らぬ少年に怪訝そうに話し出す。

「君は、誰だ？」

見知らぬ少年は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方さん。初めまして。私は“森成利”と申します。本当の名前ではありませんが、“森蘭丸”の名前でご存知の方が多いようです。」


土方歳三の見知らぬ少年は、名前は“森成利”だが、“森蘭丸”の名前で広く知られている。


土方歳三は森蘭丸を見ながら、考え込んで呟いた。

「森成利？　森蘭丸？」

森蘭丸は土方歳三に微笑んで話し出す。

「幼名は“森乱丸”です。有名な本能寺の変の時は、“森成利”と名乗っていました。それなのに、いつの間にか“森蘭丸”の名前で広く知られるようになっていました。幼名で広く知られるのは仕方が無いとしても、違う字で広く知られるのは不思議ですよね。」

土方歳三は沖田総司と森蘭丸を面倒そうな表情で見た。

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方さん。大丈夫ですか？」

土方歳三は沖田総司に怪訝そうに話し出す。

「総司。森蘭丸と親しいのか？」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「はい。」

土方歳三は沖田総司に考え込みながら話し出す。

「総司。確か・・・」

沖田総司は土方歳三の話しの途中で微笑んで話し出す。

「はい。」

土方歳三は沖田総司に真剣な表情で話し出す。

「総司。俺は近い内に・・・」

沖田総司は土方歳三の話しの途中で微笑んで話し出す。

「時期については詳しく言えませんが、土方さんの場合は、暫く先の出来事になります。」

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「そうなんだ。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「はい。」

土方歳三は桜を微笑んで見た。


先程まで葉桜になりかけていた桜が、満開になっている。


土方歳三は桜を不思議そうに見た。

沖田総司は桜を微笑んで見た。

森蘭丸も桜を微笑んで見た。

土方歳三は桜を見ながら、沖田総司に微笑んで話し出す。

「桜が満開だな。」

沖田総司は桜を見ながら、土方歳三に微笑んで話し出す。

「はい。」

土方歳三は桜を見ながら、微笑んだ表情で呟いた。

「綺麗だな。」

沖田総司は桜を見ながら、土方歳三に微笑んで話し出す。

「はい。」

土方歳三は桜を見ながら、沖田総司に微笑んで話し出す。

「今は何が起きても不思議に感じない。」

沖田総司は土方歳三を微笑んで見た。

森蘭丸は土方歳三と沖田総司を微笑んで見た。

土方歳三は桜を見ながら、沖田総司に静かに話し出す。

「総司。そっちに・・・」

沖田総司は土方歳三を見ると、話しの途中で微笑んで話し出す。

「近藤さんは、来ていますよ。」

土方歳三は桜を普通の表情で見た。

沖田総司は土方歳三に不思議そうに話し出す。

「土方さんが知りたい人は、近藤さんではないのですか？　土方さんが知りたい人は、永倉さんですか？　原田さんですか？　違うようですね。土方さん。知りたい人は誰ですか？」

土方歳三は沖田総司を見ると、普通に話し出す。

「総司。永倉と原田は、そっちに居るのか？」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「永倉さんも原田さんも来ていません。」

土方歳三は桜を見ると、普通の表情で呟いた。

「そうか。」

沖田総司は土方歳三を微笑んで見た。

土方歳三は沖田総司を見ると、怪訝そうな表情になった。

沖田総司は土方歳三を不思議そうに見た。

土方歳三は沖田総司の顔に怪訝そうな表情で顔を近付けた。

沖田総司は土方歳三に困惑した様子で話し出す。

「土方さん？　何かありましたか？」

土方歳三は沖田総司に顔を近付けながら、怪訝そうに話し出す。

「総司。微妙に若い。理由を言え。」

沖田総司は土方歳三に困惑した様子で話し出す。

「実は、こちらに来ると、自分の最期の時より前の自分の姿で過ごすのを選べます。」

土方歳三は沖田総司に怪訝そうに顔を近付けた。

沖田総司は土方歳三に苦笑しながら話し出す。

「私はみんなが分かる程度に若くなりました。」

土方歳三は沖田総司に顔を近付けながら、納得した表情になった。

沖田総司は土方歳三を安心した表情で見た。

土方歳三は沖田総司から顔を離すと、微笑んで話し出す。

「その時に悩まないために、今からゆっくりと考えるよ。」

沖田総司は土方歳三を微笑んで見た。

土方歳三も沖田総司を微笑んで見た。

森蘭丸は、土方歳三、沖田総司、桜を微笑んで見た。

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方さん。話の途中で誰かの名前を言おうとして止めましたよね。一人だけならば、少しだけ教えられます。」

土方歳三は沖田総司を見ると、普通に話し出す。

「どの名前で言えば良いのかな？」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方さんは斉藤さんについて知りたいのですか？」

土方歳三は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「斉藤さんは簡単にこちらに来る人ではありません。安心してください。」

土方歳三は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「斉藤さんは私と話したいと思ったとしても、私を呼ばないと思います。仮に、私を呼んだとしても、喜んで逢いに行ったら斬りかかりそうです。」

土方歳三は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「斉藤さんに逢いに行く時は、私も刀を持って行けば良いのですね。そうすれば、斉藤さんと安心して逢えますね。」

土方歳三は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は土方歳三を微笑んで見た。

土方歳三は沖田総司に普通に話し出す。

「総司と森蘭丸が俺の元に来た状況から想像すると、俺がそっちに行く時期は近付いていると考えて良いのだろ。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「私は土方さんが呼んだので来ました。少し前に言った答えの通りです。」

土方歳三は沖田総司と桜を普通の表情で見た。

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方さん。悔いの無いように精一杯に生きてください。私達はこちらで待っています。再び楽しく過ごせる日をゆっくりと待っています。」

土方歳三は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。頼みがある。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「どのような内容の頼みですか？」

土方歳三は沖田総司に普通に話し出す。

「面倒だから斉藤と呼ぶな。このままだと、総司の話した状況のように斉藤に会った途端に斬り掛かりそうな気がしてきた。そちらで俺より先に斉藤に会ったら、俺が悪かったと話していたと伝えて欲しい。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「斉藤さんはそのような状況になる前に、相手を叩き斬るか、最初から近付かない人です。斉藤さんに逢った時に土方さんの話した内容を伝えるのは構いませんが、斉藤さんがこちらに来るのは、間違いなく最後の方です。」

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「そうだな。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「そうですよ。」

土方歳三は沖田総司を微笑んで見た。

森蘭丸は土方歳三と沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司と森蘭丸を見ると、微笑んで頷いた。

森蘭丸は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は土方歳三を見ると、微笑んで話し出す。

「土方さん。私達の戻る時間が近付いてきました。せっかく土方さんがこちらに呼んでくれたので、斉藤さんに逢ってから戻ります。」

土方歳三は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「でも、斉藤さんの姿はこっそりと見るだけにします。」

土方歳三は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は森蘭丸を微笑んで見た。

森蘭丸も沖田総司を微笑んで見た。

土方歳三は沖田総司に不思議そうに話し出す。

「何度も考えたが、俺は総司を呼んだ覚えが無い。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方さん。私に頼み事をしましたよ。」

土方歳三は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「では失礼します。」

森蘭丸は土方歳三に微笑んで軽く礼をした。

土方歳三は沖田総司と森蘭丸に微笑んで頷いた。


沖田総司は微笑みながら、静かに居なくなった。

森蘭丸は微笑みながら、静かに居なくなった。


土方歳三は桜を微笑んで見た。


桜は先程と同じ葉桜になりかけている状態に戻っている。


土方歳三は笑いを堪えながら桜を見た。


土方歳三の横から、聞き慣れた声が聞こえた。

「土方さん。大丈夫ですか？」


土方歳三は横を普通の表情で見た。


島田魁が土方歳三を不思議そうに見ている。


土方歳三は島田魁を普通の表情で見た。

島田魁は土方歳三に心配そうに話し出す。

「土方さん。何かありましたか？」

土方歳三は島田魁に普通に話し出す。

「桜の季節が終わりに近付いているな。」

島田魁は桜を見ると、土方歳三に普通に話し出す。

「はい。」

土方歳三は島田魁に普通に話し出す。

「それにしても、島田。相変わらず大きいな。」

島田魁は土方歳三と桜を不思議そうに見た。

土方歳三は島田魁を苦笑しながら見た。

島田魁は土方歳三に確認するように話し出す。

「土方さん。相変わらず大きいと表現したのは、桜ではなく、私ですか？」

土方歳三は島田魁に微笑んで話し出す。

「さぁ、どうだろう。」

島田魁は土方歳三と桜を考え込みながら見た。

土方歳三は島田魁と桜を微笑んで見た。

島田魁は土方歳三を見ると、僅かに慌てた様子で話し出す。

「土方さん。そろそろ時間です。」

土方歳三は島田魁に普通の表情で頷いた。

島田魁は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は桜を普通の表情で見た。

島田魁は土方歳三を普通の表情で見ている。

土方歳三は島田魁を普通の表情で見た。

島田魁は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。


土方歳三は普通に歩き出した。

島田魁は普通に歩き出した。


土方歳三の姿と島田魁の姿は、見えなくなった。

辺りに人の姿は見えない。


桜の木の周りに静かな風が吹いた。


桜の葉が重なる音が微かに聞こえる。


桜の葉の重なる音は、静かに辺りを包んだ。


ちょうど同じ頃。


ここは、葉桜になりそうな桜の木。


桜の木の周りに静かな風が吹いている。


桜の葉が重なる音が微かに聞こえている。


武士姿の男性が普通に歩いている。

武士姿の少年も普通に歩いている。


ここは、葉桜になりそうな桜の木の下。


武士姿の男性は普通に立ち止まった。

武士姿の少年は不思議そうに立ち止まった。


武士姿の男性は辺りを普通の表情で見た。

武士姿の少年は、武士姿の男性に不思議そうに話し出す。

「何かありましたか？」

武士姿の男性は、武士姿の少年を見ると、普通に話し出す。

「懐かしい名前で呼ばれた気がしたから、辺りを確認した。」

武士姿の少年は、武士姿の男性に不思議そうに話し出す。

「懐かしい名前で呼ばれたのは、今ですか？」

武士姿の男性は武士姿の少年に普通の表情で頷いた。

武士姿の少年は、武士姿の男性に微笑んで話し出す。

「子供の頃の呼び方が似ている人は、多くないですか？　私は何度も振り向いた経験があります。」

武士姿の男性は、武士姿の少年に普通に話し出す。

「ない。」

武士姿の少年は、武士姿の男性に不思議そうに話し出す。

「ないのですか？」

武士姿の男性は、武士姿の少年に普通に話し出す。

「変わっているな。」

武士姿の少年は、武士姿の男性に不思議そうに話し出す。

「変わっていますか？」

武士姿の男性は、武士姿の少年に普通の表情で頷いた。

武士姿の少年は、武士姿の男性を見ながら考え込んだ。

武士姿の男性は、桜を普通の表情で見た。

武士姿の少年は、桜を見ると、武士姿の男性に微笑んで話し出す。

「桜の花が咲いていますね。」

武士姿の男性は、桜を見ながら普通の表情で頷いた。

武士姿の少年は、武士姿の男性に桜を見ながら微笑んで話し出す。

「でも、もう少し経つと桜は終わりですね。」

武士姿の男性は、辺りを普通の表情で見た。

武士姿の少年は、武士姿の男性に不思議そうに話し出す。

「何かありましたか？」

武士姿の男性は、武士姿の少年を見ると、普通に話し出す。

「やはり変わっている。」

武士姿の少年は、辺りを見ると、武士姿の男性に不思議そうに話し出す。

「何が変わっているのですか？　もしかして、私が変わっているのですか？」

武士姿の男性は、武士姿の少年を普通の表情で見た。

武士姿の少年は、武士姿の男性を不思議そうに見た。


武士姿の男性は、普通に歩き出した。

武士姿の少年は、慌てた様子で歩き出した。


それから僅かに後の事。


ここは、葉桜になりそうな桜の木。


桜の木の周りに静かな風が吹いている。


桜の葉が重なる音が微かに聞こえている。


武士姿の男性の聞き慣れた声が、桜の木の近くから微かに聞こえた。

「斉藤さんは気付いていただろ・・・」

「斉藤さんは相変わらずだっただろ・・・」

「斉藤さんと話したいな・・・」


桜の木の近くから聞こえる微かな声を聞き取れる人物が、一人だけいる。

以前に斉藤一と名乗っていた最強の武士。

しかし、斉藤一は、この場に居ない。


葉桜になりそうな桜の木に優しい風が吹いた。


桜の花びらが青空に向かって舞い上がった。

桜の花びらは陽の光を受けて輝いた。

桜の花びらは陽の光を受けながら、静かに消えていった。




＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊




ここからは後書きになります。

この物語は以前に掲載した物語の再改訂版です。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願いします。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

武士の時代にも新撰組の時代にも、終焉が近い頃の物語です。

新撰組にも武士の時代にも終焉が近い頃の物語になる、沖田総司さんと鬼の副局長ではない土方歳三さんの物語が書きたくて、土方歳三さんと沖田総司さんの上下関係を余り感じない物語が書きたくて、いろいろと考えていました。

初稿版を改訂したいと思いながら、改訂の内容に悩んだため、直ぐに改訂版を書けませんでした。

そのような時に、大河ドラマの「新撰組！」の新年のスペシャルの「新撰組！！」を見て、今なら改訂版が書けるかなと思って書きました。

改訂版は、桜の終わりの頃で書きました。

史実に当てはめると、近藤勇さんと沖田総司さんが亡くなった以降で、土方歳三さんが函館の五稜郭で亡くなるまでの時期で、桜が咲く時期を想定して物語を書くと、かなり限定されます。

史実に当てはめると、土方歳三さんが戦っていた最期の方は、長岡や会津などの北の国が中心となっています。

今回の物語の設定時期に、満開の桜が咲く場所が在るか確定が出来ませんでした。

無理のない設定や物語の雰囲気や展開から、桜の散る頃の設定にして書きました。

今回の物語の設定時期の沖田総司さんは、既に亡くなっています。

本当は、土方歳三さんと桜と函館の物語が書きたかったのですが、全ての状況が合う状況を合わせると、かなり限定されてしまうため、詳細を細かく説明せずに物語を書きました。

斉藤一さんは、名前を幾つも変えて生活していたので、物語の設定時期は斉藤一さん以外の名前を名乗っています。

土方歳三さんが斉藤一さんについて気にしていたかも知れないと考えて、沖田総司さんにそれらしい内容を話す場面を書きました。

斉藤一さんが物語の設定時期に名乗った名前を限定すると、時期が限られる事や難しい事があり、「男性」で物語を書きました。

斉藤一さんと一緒に居る少年は、特定の人物を想定して書いていません。

いろいろと想像しながらお読みください。

「新撰組異聞　短編　初夢」などに登場した、「森蘭丸」こと「森成利」が再度の登場です。

今回の物語でも説明していますが、「蘭丸」ではなく、「乱」「乱丸」「乱法師」という名前が正しいようです。

更に、本能寺の変の時には、「蘭丸」ではなく、「森長定」「森長康」「森成利」という名前のどれかを名乗っていたようです。:

それなのに、後世の物語には「森蘭丸」の名前で登場しています。

今回も「森蘭丸」「森乱丸」「森成利」の名前を使用して書きました。

沖田総司さんが、物語の中で「自分の好きな年齢になれる」という内容を話しています。

この設定は、以前に観た芝居の中に登場した設定です。

自分が亡くなった時に「天国で（記憶はそのままで外見だけ）好きな年齢で生活するとしたらどの年齢が良いですか？　あなたが選ぶ事が出来ます。」と言われたら、どのように答えるか、芝居を観た後に、友達といろいろと話しました。

奥が深い質問だと思います。

皆様はどのように答えるでしょうか？

このエピソードが気に入ったので、今回の物語で書きました。

既に亡くなっている沖田総司さん。

新撰組の仲間達と別の道を選び、会津に残り忠誠を誓った斉藤一さん。

函館に行く事を選び、最期まで武士として生きる事を選んだ土方歳三さん。

様々な生き方になった、土方歳三さん、沖田総司さん、斉藤一さんが登場する物語です。

土方歳三さんと共に函館まで一緒に行き戦った島田魁さんも少しだけ登場します。

土方歳三さん、斉藤一さん、島田魁さんが、戦いが続き、辛く厳しい状況の中で、一時だけでも幸せな気持ちになっていて欲しいと思って書きました。

今回の物語は、夢の中の出来事なのか、それとも、現実の出来事なのか。

皆様のご想像にお任せいたします。

新撰組の隊士達の身長について補足をします。

近藤勇さん、土方歳三さん、沖田総司さん、斉藤一さんは、身長が高いという逸話や説が伝わっています。

一人ずつの身長は省略しますが、１７０ｃｍ〜１８０ｃｍほどあったという逸話や説があります。

島田魁さんは、更に身長が高く、体格の良い人だった、と伝わっています。

身長が２ｍ近かったという説があります。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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