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新撰組異聞 〜 白木蓮の思い人 〜


〜 第三版 〜


ここは、京の町。


お雪の家。


客間。


土方歳三は微笑んで居る。

お雪も微笑んで居る。

食卓に、美味しい酒と美味しい肴が乗っている。


土方歳三はお雪の耳元で微笑んで囁いた。

「いつ見ても綺麗ですね。」

お雪は土方歳三に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。」

土方歳三はお雪を微笑んで見た。

お雪は徳利を持つと、土方歳三の杯に微笑んで酌をした。

土方歳三は杯の酒を飲むと、お雪の耳元で微笑んで囁いた。

「俺は教養と美しさを兼ね備える女性が好きです。」

お雪は徳利を持ち、土方歳三を微笑んで見た。

土方歳三はお雪を微笑んで見た。

お雪は徳利を食卓に置くと、土方歳三の耳元で微笑んで囁いた。

「土方先生の身近に、土方先生のお話に該当する女性がいらっしゃるのですか?」

土方歳三はお雪の耳元で微笑んで囁いた。

「奇跡と思えるほど身近に居ます。」

お雪は土方歳三を微笑んで見た。

土方歳三もお雪を微笑んで見た。

お雪は徳利を持つと、土方歳三の杯に微笑んで酌をした。

土方歳三は杯の酒を微笑んで飲んだ。

お雪は徳利を食卓に置くと、土方歳三の耳元で微笑んで囁いた。

「土方先生。実は、気になる男性に会いました。」

土方歳三はお雪の耳元で微笑んで囁いた。

「お雪さんが気になる男性。」

お雪は土方歳三を微笑んで見た。

土方歳三はお雪の耳元で微笑んで囁いた。

「期待しても良いですか?」

お雪は土方歳三を微笑んで見ている。

土方歳三はお雪を不思議な様子で見た。


お雪は障子を微笑んで開けた。

土方歳三はお雪と障子の開く様子を不思議な様子で見た。


隣の部屋が見えた。


土方歳三は隣の部屋を不思議な様子で見た。


客間の隣の部屋。


斉藤一が杯の酒を普通の表情で飲んでいる。

食卓には、美味しい酒と美味しい肴が乗っている。


斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三とお雪に普通の表情で軽く礼をした。


直後の事。


ここは、お雪の家。


客間の隣の部屋。


斉藤一が杯の酒を普通の表情で飲んでいる。

食卓には、美味しい酒と美味しい肴が乗っている。


お雪は微笑んで来た。


土方歳三は不思議な様子で来た。


斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三とお雪に普通の表情で軽く礼をした。

お雪は土方歳三と斉藤一に微笑んで話し出す。

「土方先生と私の近くに居る男性。今の私が一番に気になる男性です。」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三とお雪を普通の表情で見た。

土方歳三はお雪と斉藤一を見ながら、ため息を付いた。

お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤様。お酌をいたします。」

斉藤一は杯の酒を飲み干すと、お雪に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三はお雪と斉藤一を見ながら、軽くため息を付いて呟いた。

「今の展開になると分かっていれば、斉藤も同じ部屋で酒を飲ませれば良かった。」

お雪は徳利を持ち、斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は杯を持ち、お雪に普通の表情で軽く礼をした。

お雪は徳利を持ち、斉藤一の杯に微笑んで酒を注いだ。

斉藤一は杯を持ち、お雪に普通の表情で軽く礼をした。

お雪は徳利を持ち、土方歳三を微笑んで見た。

土方歳三はお雪に不思議な様子で話し出す。

「今のお雪さんが、斉藤を一番に気になる男性に選んだ理由を教えてください。」

お雪は徳利を食卓に置くと、土方歳三に微笑んで話し出す。

「今の状況で、普通にお酒を飲む人物に、私は初めて会いました。冷静で動じない人物。私は斉藤様が気になる男性になりました。」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三とお雪を普通の表情で見た。

お雪は斉藤一を微笑んで見た。

土方歳三は斉藤一とお雪を見ながら、軽くため息を付いた。

お雪は土方歳三を微笑んで見た。

斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三とお雪を普通の表情で見ている。

お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤様は不思議な方ですね。土方先生と一緒に幾度でも来てください。」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、お雪に普通に話し出す。

「要望があれば幾度でも来ますが、面倒な状況に巻き込まないでください。」

お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤様を面倒な状況には巻き込みません。遠慮せずに幾度でも来てください。」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、お雪に普通の表情で軽く礼をした。

お雪は土方歳三と斉藤一を微笑んで見た。


暫く後の事。


ここは、町中。


土方歳三は普通に歩いている。

斉藤一も普通に歩いている。


土方歳三は斉藤一に悔しい様子で話し出す。

「良い雰囲気が作れたのに。残念だ。斉藤をお雪さんに会わせず、斉藤は別な場所で待たせれば良かった。」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「俺を別な場所で待たせない理由は何ですか?」

土方歳三は斉藤一に僅かに拗ねて話し出す。

「お雪さんの家に、俺が一人で幾度も出掛けると目立つ。周囲が勝手に想像して、噂になると困る。斉藤と共に出掛けると、出掛ける理由を含めて詮索する人物がいない。物凄く楽なんだ。」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「土方さん。相手を考えて拗ねてください。」

土方歳三は斉藤一を苦笑して見た。

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「俺は土方さんと共に外出するのは構いませんが、面倒に巻き込まれる状況は遠慮したいです。土方さん。面倒な言動は控えてください。」

土方歳三は斉藤一に僅かに拗ねて話し出す。

「斉藤から説教を受けているように感じる。」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「俺は土方さんに説教が出来る立場ではありません。土方さんの勘違いです。」

土方歳三は斉藤一を見ながら、軽くため息をついた。

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。お雪さんは、幾度でも来ても良いと話したな。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一に僅かに嬉しく話し出す。

「お雪さんの家に出掛ける口実が出来た。斉藤。俺がお雪さんの家に出掛ける時は、共に来い。」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「土方さん。お雪さんが話した意味を分かっていますか?」

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「勿論。しっかりと分かっている。変な言動はしない。安心して共に来い。」

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見ている。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。用事を思い出した。斉藤は、寄り道をして屯所に戻っても良いし、直ぐに屯所に戻っても良い。斉藤が屯所に戻ったら、近藤さんに俺は遅れると伝えてくれ。近藤さんを含めて、俺が屯所に遅れて戻る理由を尋ねても答えるな。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一を微笑んで見た。


土方歳三は微笑んで居なくなった。


少し後の事。


ここは、町中。


斉藤一は普通に歩いている。


沖田総司の明るい声が、斉藤一の後ろから聞えた。

「斉藤さん〜!」


斉藤一は止まると、後ろを普通の表情で見た。


沖田総司が斉藤一の元に笑顔で走る姿が見える。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。


沖田総司は笑顔で走ってきた。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一を笑顔で見た。


斉藤一は普通に歩き出した。

沖田総司は笑顔で歩き出した。


沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 屯所に帰るのですか?!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さんは土方さんと一緒に出掛けていましたよね! 斉藤さんは先に屯所に帰るのですか?!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 楽しかったですか?!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一に不思議な様子で話し出す。

「楽しくなかったのですか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「面白かった。」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さんの返事がないので、楽しくないと思ってしまいました!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。俺は面白いと話した。」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「楽しいも面白いも同じです!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さんは今日の出掛けた感想を面白いと表現したいのですね! 斉藤さんのこだわりですね!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 面白くて良かったですね! 私も一緒に出掛けたかったです!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司は一緒に出掛けない方が良かったと思う。」

沖田総司は斉藤一に不思議な様子で話し出す。

「私は一緒に出掛けない方が良かったのですか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺は面白いと感じたが、総司は面白いと感じないかも知れない。総司が同行していれば、俺は総司を見る方が更に面白いと感じた。」

沖田総司は斉藤一に不思議な様子で話し出す。

「斉藤さんの話す意味が分かりません。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「先程の話の内容を訂正する。総司。何も感じない。行かなくて良かった。」

沖田総司は斉藤一に不思議な様子で話し出す。

「斉藤さん。先程は面白いと話しました。今は急に何も感じないと話しました。変です。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「先程の内容を正確に話す。何も無い。総司は行かなくて良かった。」

沖田総司は斉藤一を不思議な様子で見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。


京の町に静かに咲く白木蓮。

皆の憧れの白木蓮。

京の町の一郭に咲く白木蓮は、四季を通じて綺麗な姿で咲く。

白木蓮に逢いたくて、幾度も訪れる人物がいる。

白木蓮に逢いたい人物のために、幾度も同行する人物がいる。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の再改訂版です。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

「新撰組異聞 短編 白木蓮にて」で、「美雪太夫」こと「お雪さん」を、白木蓮のような人と書きました。

お雪さんは登場しますが、近藤勇さんは登場しません。

土方歳三さんはお雪さんに言い寄る言動をしていますが、この物語の時間設定では、お雪さんには近藤勇さんがいます。

土方歳三さんとお雪さんの物語が書きたくて考えました。

土方歳三さんがお雪さんに言い寄る言動をする理由は何か?

土方歳三さんの謎の行動の理由は何か?

題名の「白木蓮の思い人」は、誰を差しているか?

皆様のご想像にお任せいたします。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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