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新撰組異聞 〜 都に咲く孤高の桜 〜
〜 改訂版 〜
斉藤一は、ある事情から、山口一から斉藤一と名前を変えて、江戸から京の町に着た。
京の町では父親の知り合いの世話になっている。
父親の知り合いに剣の腕を見込まれて、歳は若いが剣術の稽古を就ける事となった。
京都の町で桜の咲く姿を見掛けるようになってきた。
そんな桜の咲くある日の事。
ここは京の町に在る一軒の道場。
何人かの門下生達が集まって話しをしている。
斉藤一の元に門下生達の話が聞こえてきた。
門下生達は壬生浪士組の噂話しを始めた。
斉藤一は門下生達から少し離れた場所で、壬生浪士組の噂話を普通の表情で聞いている。
門下生達の話が別な内容に変わった。
斉藤一は普通の表情まま黙ってその場から離れた。
その翌日の事。
斉藤一は壬生狼浪士組が世話になっている家の傍まで来た。
家の中に何人もの人が居るのが、話し声や物音でわかる。
斉藤一は敷地内をさり気なく覗いた。
見知った顔は確認できなかった。
斉藤一は普通の表情のまま、家の前を通り過ぎるように去っていった。
それから数日後の事。
ここは近藤勇の部屋の中。
土方歳三は近藤勇に呼ばれたために部屋を訪れている。
近藤勇は土方歳三に普通に話し出す。
「歳。山口一という名前の子を覚えているか?」
土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「もちろん覚えているよ。最近見掛けないから、どうしているのかと気になっていたんだ。」
近藤勇は土方歳三を微笑んで見た。
土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「もしかして山口君の所在について何かわかったのか?」
近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。
「山口君は京の町に居るようなんだ。」
土方歳三は近藤勇に少し驚いた様子で話し出す。
「京の町に着ているんだ! 奇遇な話しもあるんだな!」
近藤勇は土方歳三に微笑んで頷いた。
土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「京の町に居るのなら、ぜひ壬生浪士組で活躍してもらいたいな。」
近藤勇は土方歳三を微笑んで見た。
土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「山口君は京の町のどこに居るんだ?」
近藤勇は土方歳三に困った様子で話し出す。
「山口君についての話だが・・・」
その翌日の事。
土方歳三は京の町に在る一軒の道場を訪れた。
道場主の家族が現れて、土方歳三を客間へと案内した。
道場主の家族は斉藤一に声を掛けた。
斉藤一は道場主の家族の話を普通の表情で聞いた。
ここは土方歳三が居る客間。
斉藤一は土方歳三の前に普通の表情で現れた。
道場主の家族は客間から直ぐに居なくなった。
土方歳三と斉藤一は、客間に二人だけとなった。
土方歳三は斉藤一に笑顔で話し出す。
「久しぶりだな!」
斉藤一は土方歳三を怪訝そうな表情で睨んだ。
土方歳三は斉藤一に笑顔で話し出す。
「暫く会わない間に雰囲気がかなり変わったな! 以前と比べて更に迫力を感じるぞ! 道場で門下生達に教える威厳も感じるな! さすがだな!」
斉藤一は土方歳三を怪訝そうな表情で睨んでいる。
土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。
「もしかして、俺の事を忘れたのかな?」
斉藤一は土方歳三を怪訝そうな表情で睨みながら、小さく首を横に振った。
土方歳三は斉藤一に安心した様子で話し出す。
「俺の事を覚えていたんだ。忘れられたのかと思って心配したよ。」
斉藤一は土方歳三を怪訝そうな表情で睨んでいる。
土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。
「近藤さんや俺達は、京の町で壬生浪士組を結成したんだ。斉藤君。仲間にならないか?」
斉藤一は土方歳三を怪訝そうな表情で睨んでいる。
土方歳三は斉藤一に少し呆れた様子で話し出す。
「口数が少ないというか、ほとんど話しをしないところは、相変わらず変わっていないな。それだと・・・」
斉藤一は睨んだ表情のまま、土方歳三の話しを遮り普通に話し出す。
「女性にもてない。」
土方歳三は斉藤一に笑顔で話し出す。
「成長したじゃないか! 若いって良いな!」
斉藤一は土方歳三を怪訝そうな表情で睨んだ。
土方歳三は斉藤一の傍に近寄ると、笑顔で肩に手を置いた。
斉藤一は土方歳三を怪訝そうな表情で睨んでいる。
土方歳三は斉藤一の肩に手を置きながら、微笑んで話し出す。
「近藤さんが斉藤君と一緒に壬生浪士組で活動したいと話しをしている。俺は近藤さんの名代で来た。」
斉藤一は怪訝そうな表情から普通の表情に変わった。
土方歳三は斉藤一の肩に手を置きながら、微笑んで話し出す。
「沖田惣次郎という名前の子を覚えているか?」
斉藤一は土方歳三に普通の表情で黙って頷いた。
土方歳三は斉藤一の肩に手を置きながら、微笑んで話し出す。
「斉藤君は既に知っているかも知れないが、今は沖田総司と名乗っている。総司も京の町に着ている。みんなで一緒に壬生浪士組で活動しよう。」
斉藤一は土方歳三を普通の表情で黙って見ている。
土方歳三は斉藤一の肩からゆっくりと手を離した。
斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。
土方歳三は障子を開けた。
敷地内に在る桜の木が、綺麗に咲いている姿が見えた。
土方歳三は斉藤一を見ると、微笑んで話し出す。
「京の町の桜は綺麗だな。」
斉藤一は土方歳三の横に来ると、普通の表情で頷いた。
静かな風が吹いた。
土方歳三と斉藤一の元に、風に乗った桜の花びらが舞い落ちた。
土方歳三は舞い落ちた桜の花びらを微笑んで見た。
斉藤一は舞い落ちた桜の花びらを普通の表情で見た。
土方歳三は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。
土方歳三は真剣な表情になると、斉藤一の肩に静かに手を置いた。
斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。
土方歳三は斉藤一の肩に手を置いたまま、真剣な表情で静かに話し出す。
「斉藤君。近藤さんは立派な人だ。俺の人生を掛けても良い人物だと思っている。」
斉藤一は土方歳三を普通の表情で見ている。
土方歳三は斉藤一の肩に手を置いたまま、真剣な表情で静かに話し出す。
「斉藤君は、近藤さんが壬生浪士組に必要だと見込んだ人物だ。」
斉藤一は土方歳三を普通の表情で見ている。
土方歳三は斉藤一の肩に手を置いたまま、真剣な表情で静かに話し出す。
「俺も近藤さんと同じ考えだ。」
斉藤一は土方歳三を普通の表情で見ている。
土方歳三は斉藤一の肩に手を置いたまま、真剣な表情で静かに話し出す。
「斉藤君が京の町に居ると知ったのは、最近の事なんだ。近藤さんは斉藤君が京の町に居ると知って、俺に直ぐに相談をしてきた。近藤さんが斉藤君を壬生浪士組に誘う話しをしなければ、俺が斉藤君を壬生浪士組に誘いたいと話しをするつもりだった。」
斉藤一は土方歳三を普通の表情で見ている。
土方歳三は斉藤一の肩に手を置いたまま、真剣な表情で静かに話し出す。
「俺自身が斉藤君と一緒に壬生浪士組で活動したいと思ったから、斉藤君に会いに来た。」
斉藤一は土方歳三を普通の表情で見ている。
土方歳三は斉藤一の肩に手を置いたまま、真剣な表情で黙って見た。
斉藤一は土方歳三に普通の表情のまま、静かに話し出す。
「承知。」
土方歳三は斉藤一の肩に手を置きながら、微笑んだ表情になった。
斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。
土方歳三は斉藤一の肩から手を離すと、微笑んで話し出す。
「斉藤君と一緒に壬生浪士組で活動できるんだね。とても嬉しいよ。」
斉藤一は土方歳三を普通の表情で見ている。
土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤君。これから宜しく頼むな。」
斉藤一は土方歳三に普通の表情で黙って頷いた。
土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤君も準備が必要だよね。都合が付いたら直ぐに着てくれ。壬生浪士組の屯所は知っているかな?」
斉藤一は土方歳三に普通の表情で黙って頷いた。
土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。
「待っているよ。」
斉藤一は土方歳三に普通の表情で頷いた。
土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。
「近藤さんと俺から頼みがあるんだ。総司と会った時に、“久しぶり”や“覚えていますか”など、以前に会った事がわかる話をしないで欲しいんだ。」
斉藤一は土方歳三を怪訝そうに見た。
土方歳三は斉藤一に苦笑しながら話し出す。
「理由については、深く追求しないでくれ。」
斉藤一は土方歳三に怪訝そうに話し出す。
「何を企んでいるのかは深く追求しない事にします。ただし、俺を変な事に巻き込まないでください。」
土方歳三は斉藤一に苦笑しながら話し出す。
「斉藤君は想像以上に成長していたんだな。正確に言うと、成長しすぎと言う方が正しいかな? どちらにしても、これからが楽しみだな。」
斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。
「土方さんにお褒め頂き、とても嬉しいです。更なる精進を続けたいと思います。今回の件は、褒めて頂いたという事と、これから任務に付く上で重要な話しではないので、気にしない事にします。」
土方歳三は斉藤一に苦笑しながら話し出す。
「斉藤君。ありがとう。では、また会おう。」
斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
土方歳三は斉藤一を微笑んで見ると、部屋から出て行った。
それから何日もの日々が過ぎた。
京の町では葉桜を見る機会が増えてきた。
斉藤一は壬生浪士組が世話になっている家を訪れた。
壬生浪士組の世話になっている家に在る桜の木は、綺麗な花を咲かせている。
斉藤一は綺麗に咲いている桜の花を普通の表情で見た。
風が吹いた。
桜の花びらが風に乗って、少し離れた場所まで舞い始めた。
斉藤一は桜の花びらの舞う様子を目で追った。
一人の青年が、舞っている桜の花びらを掌で受け止めると、笑顔で握りしめた。
ゆっくりと手を開いて桜の花びらを見ると、更に笑顔になった。
掌に桜の花を載せたまま、桜の木を笑顔で見た。
斉藤一と青年の目が合った。
斉藤一は青年に普通の表情で軽く礼をした。
青年は掌に桜の花びらを載せたまま、斉藤一に不思議そうな表情で軽く礼をした。
斉藤一は普通の表情で青年を見た。
青年は掌に桜の花びらを乗せたまま、斉藤一を不思議そうに見た。
静かな風が吹いた。
青年は慌てた様子で、その場から去っていった。
青年が握り締めていた桜の花びらは、青年の手から離れてゆっくりと舞い落ちた。
斉藤一は青年が居た場所に近づくと、桜の花びらを手に取った。
桜の花びらは綺麗な色をしている。
斉藤一は桜の花びらを掌に載せたまま、青年が去った方向を普通の表情で見た。
微かな風が吹いた。
斉藤一は掌に桜の花びらを載せたまま、青年の去った方向を見ながら呟いた。
「久しぶりですね。」
微かに風が吹いた。
斉藤一の掌の上の桜の花びらが、風に乗ってゆっくりと舞い始めた。
斉藤一はその場から静かに去っていった。
沖田総司は近藤勇の部屋前に到着すると、元気良く声を出した。
「沖田です! 入ります!」
近藤勇の声が部屋の中から聞こえてきた。
「入って良いぞ。」
沖田総司は障子を開けると、近藤勇と土方歳三に笑顔で話し出す。
「遅くなりました!」
近藤勇は沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は元気良く部屋の中に入っていった。
それから少し後の事。
斉藤一が近藤勇の部屋の前に来た。
部屋の中に何人かの人物が居る事が話し声や気配でわかる。
斉藤一は部屋の中に向かって普通に声を掛ける。
「遅くなりました。」
部屋の中から近藤勇の声が聞こえた。
「入っていいぞ。」
斉藤一は障子を開けて、部屋の中へと入っていった。
壬生浪士組は、後に“新撰組”と名前を変えます。
新撰組には最強の剣客と謳われる人物が二人いました。
最強の剣客と謳われた二人の名前は、“新撰組一番組組長 沖田総司”と“新撰組三番組組長 斉藤一”です。
新撰組最強の剣客と謳われる、後の“新撰組三番組組長 斉藤一”が、桜の咲く中で誕生しました。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の改訂版です。
改訂前の物語の雰囲気や展開を出来るだけ残しながら改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上の点、ご了承願います。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。
近藤勇さん、土方歳三さん、沖田総司さん、斉藤一さんの四人が再び出逢った時の物語として、「新撰組異聞 短編 桜舞散り葉桜へ 出逢いの時」を考えました。
江戸でいろいろとあり京に来た斉藤一さんが、近藤勇さん達と京で出会ったのは正しい話しのようです。
すると、どうやって斉藤一さんはみんなと京で出会ったのかと考えました。
近藤勇さんは、斉藤一さんが京に着ている事を既に知っていたという説があります。
近藤勇さんが京に着てから、斉藤一さんも京に着ていると知って連絡を取ったという説もあります。
どちらにしても、斉藤一さんがみんなと一緒に行動するまでには、かなりの日数があります。
近藤勇さん側か斉藤一さん、もしくは両方に、直ぐに一緒に活動できない事情があった。
近藤勇さん側か斉藤一さん、もしくは両方に、お互いが京に居ると知るまでに時間が掛かった。
両方が理由の可能性も考えられます。
他の理由も考えられます。
そこで、この物語を考えました。
この物語では、土方歳三さんが近藤勇さんの代わりとして、斉藤一さんに会いに行きます。
早く話しを進めるなら、近藤勇さんが斉藤一さんに直接会いに行く方が良いとは思います。
土方歳三さんが斉藤一さんに会いに行ったのは、斉藤一さんの性格などを考えての行動だと思ってください。
例えば、土方歳三さんが先に会いに行った方が、斉藤一さんから断りの返事があった時に、別の対応が出来るから考えてとください。
壬生浪士組(後の新撰組)の様子を見に行った斉藤一さんではありますが、土方歳三さんが突然に現れたので、思い切り怪訝な態度を取ります。
土方歳三さんは、斉藤一さんとは対照的に何故か明るい対応をしています。
ちなみに、「新撰組異聞 短編 桜舞散り葉桜へ 出逢いの時」と「新撰組異聞 短編 都に咲く孤高の桜」の一部は同じ場面を書いています。
それぞれ「「新撰組異聞 短編 桜舞散り葉桜へ 出逢いの時」は沖田総司さん側から、「新撰組異聞 短編 都に咲く孤高の桜」は斉藤さん側から、それぞれ見ているような感じで書きました。
そのため同じ場面ではありますが、少しだけ書き方を変えてみました。
ちなみに、時系列でいくと、「新撰組異聞外伝 短編 一瞬の出会い 桜の舞うなか」→「新撰組異聞外伝 短編 桜の舞う中でのすれ違い」→「新撰組異聞外伝 短編 桜散るなか 一瞬の出逢い」→今回の物語「新撰組異聞 短編 都に咲く孤高の桜」→「新撰組異聞 短編 桜舞散り葉桜へ 出逢いの時」となります。
今回のタイトル「都に咲く孤高の桜」は、斉藤一さんをイメージして考えました。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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