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新撰組異聞 〜 里の宴に藤の宴 〜
〜 第三版 〜
今は秋。
ここは、京の町。
暑さは続くが、涼しさを感じる時間が増えてきた。
ここは、屯所。
縁。
山南敬助は普通に歩いている。
沖田総司の明るい声が、山南敬助の元に聞こえた。
「山南さん!」
山南敬助と立ち止まると、沖田総司の声が聞こえた方向を微笑んで見た。
沖田総司は山南敬助の元に微笑んで来た。
山南敬助は沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は山南敬助に微笑んで話し出す。
「今日は明里さんに逢う日ですよね。」
山南敬助は沖田総司に困惑した様子で話し出す。
「実は、急な予定が入ったために、明里に逢う時間が作れないかも知れない。」
沖田総司は山南敬助に考え込みながら話し出す。
「私が山南さんの代理で明里さんに会えば、明里さんの寂しさが少しは紛れますよね? 斉藤さんの都合が合えば、斉藤さんも明里さんに会っても良いですか?」
山南敬助は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司と斉藤君が行けば、明里は喜ぶと思う。斉藤君の都合の確認は、総司に頼んでも良いかな?」
沖田総司は山南敬助に笑顔で話し出す。
「斉藤さんの予定は、私が確認します! 山南さんは用事が終わったら、明里さんに直ぐに逢ってくださいね!」
山南敬助は沖田総司に微笑んで頷いた。
沖田総司は笑顔で居なくなった。
山南敬助は微笑んで居なくなった。
それから僅かに後の事。
ここは、屯所。
縁。
斉藤一は普通に歩いている。
沖田総司の明るい声が、斉藤一の元に聞こえた。
「斉藤さん〜!」
斉藤一は立ち止まると、沖田総司の声が聞こえた方向を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一の元に笑顔で来た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「斉藤さん! 今夜は明里さんに逢いに行きます! 予定が無ければ一緒に行きましょう!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「今夜は山南さんが彼女に会う予定だろ。俺達も一緒に会って良いのか?」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「山南さんは急な予定が入ったので、明里さんに逢えない可能性があります。山南さんの代わりに、私と斉藤さんが明里さんに会って良いか質問しました。山南さんは笑顔で了承しました。山南さんは予定が終わったら、明里さんに直ぐに逢いに来るそうです。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「斉藤さん! 少し経ったら出掛けます! 忘れずに準備をしてくださいね!」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は笑顔で居なくなった。
斉藤一は普通に居なくなった。
それから暫く後の事。
ここは、山南敬助と明里が逢う約束の場所。
明里は微笑んで居る。
卓の上には、美味しい酒と美味しい肴が載っている。
沖田総司は微笑んで訪れた。
斉藤一は普通に訪れた。
明里は沖田総司と斉藤一を無表情で見た。
斉藤一は明里を普通の表情で見た。
明里は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。
「沖田様。斉藤様。いらっしゃいませ。早く席に付いてください。」
沖田総司は明里に微笑んで軽く礼をした。
斉藤一は明里に普通の表情で軽く礼をした。
沖田総司は微笑んで席に付いた。
斉藤一は普通に席に付いた。
明里は微笑んで席に付いた。
明里は沖田総司と斉藤一を心配そうに見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一を不思議そうに見た。
斉藤一は明里を普通の表情で見た。
沖田総司は明里に微笑んで話し出す。
「山南さんは急な予定が入りました。山南さんの代理で、私と斉藤さんが来ました。山南さんは予定が終わったら、明里さんに直ぐに逢いに来るそうです。」
明里は沖田総司に安心した様子で話し出す。
「山南先生が無事と分かり安心しました。では、三人で先に楽しみましょう。」
沖田総司は明里に微笑んで話し出す。
「はい。」
斉藤一は明里に普通の表情で軽く礼をした。
沖田総司は卓を笑顔で見た。
明里は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。
「沖田様。斉藤様。美味しいと評判のお酒と美味しいと評判の肴を用意しました。遠慮せずに思い切り味わってください。」
沖田総司は明里を見ると、微笑んで話し出す。
「ありがとうございます。」
斉藤一は明里に普通の表情で軽く礼をした。
明里は沖田総司の杯と斉藤一の杯に微笑んで酌をした。
沖田総司は杯の酒を美味しそうに飲んだ。
斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲んだ。
明里は沖田総司と斉藤一を微笑んで見た。
沖田総司は杯の酒を飲むのを止めると、明里に微笑んで話し出す。
「明里さんは山南さんが来ないと知った時に、落ち込むと思って心配しました。今の明里さんは元気です。安心しました。」
明里は沖田総司に微笑んで話し出す。
「山南先生と過ごせないのは、とても寂しいです。ですが、私のために、沖田様と斉藤様に迷惑は掛けられません。今日は、沖田様と斉藤様に、私の馴染みのお客様になって頂ける大切な機会になりました。落ち込む暇はありません。」
沖田総司は明里を不思議そうに見た。
明里は斉藤一の杯に微笑んで酌をした。
斉藤一は明里に軽く礼をすると、杯の酒を普通の表情で飲んだ。
沖田総司は明里に微笑んで話し出す。
「明里さんはいつも明るいですね。一緒に居ると私も明るくなります。」
明里は沖田総司に微笑んで話し出す。
「落ち込むと、私の元にお客様が訪れなくなります。私にとって、一番に困る状況です。」
沖田総司は明里を不思議そうに見た。
明里は沖田総司に微笑んで話し出す。
「沖田様には私の話が不思議に思えるのですね。」
沖田総司は明里を見ながら、微笑んで小さく首を横に振った。
明里は沖田総司に微笑んで話し出す。
「沖田様。以前に、私が嘘を付いているとお話しされましたよね。」
沖田総司は明里を困惑した表情で見た。
明里は沖田総司に微笑んで話し出す。
「このような私ですが、身請けのお話が幾つかありました。ですが、私が“太夫”に成ったら身請けするという、条件付のお話ばかりでした。相手の方には見栄がありますよね。私は、今の世界から外に出してくださる方ならば、誰でも良いと思っていました。このような私にも、夢もあれば欲もあります。お互いに似ていますよね。」
沖田総司は明里を困惑した表情で見ている。
明里は沖田総司に微笑んで話し出す。
「山南先生にお逢いしてから、少し考えが変わりました。山南先生に身請けをして頂きたいと思っています。私の一番の望みです。」
沖田総司は明里を困惑した表情で見た。
明里は沖田総司に微笑んで話し出す。
「もしもの話になりますが、山南先生とお付き合い中に、別な方から身請けのお話があったとします。山南先生に相談した時に、身請けをしないと返事をすれば、私は別な方の身請けのお話をお受けする考えです。」
沖田総司は明里を複雑な表情で見た。
明里は沖田総司に微笑んで話し出す。
「沖田様。私は“太夫”に成りたいです。どれ程に偉い方でも頭を下げる太夫に成りたいです。太夫に成って望みをたくさん叶えたいです。ですが、太夫に成るためには、人気だけでなく、容姿、知識、教養、他にも様々な条件が必要です。何より、太夫に成るには、お金が必要です。結局は同じ所に行き着きますね。」
沖田総司は明里を複雑な表情で見ている。
明里は沖田総司に微笑んで話し出す。
「沖田様。私は、沖田様のような立派な方が、謝る者ではありません。」
沖田総司は明里に困惑した表情で話し出す。
「私には至らない点がたくさんあります。立派と言われると、返事に困ります。あの時は、明里さんに失礼な言動をたくさんとりました。反省したので、明里さんに謝りました。」
明里は沖田総司に微笑んで話し出す。
「沖田様。謙遜しないでください。沖田様は立派な方です。ご自分を信じてください。以前と同じ話になりますが、私に遠慮や気遣いをしないでください。お武家様が私のような者に簡単に謝らないでください。私の話を忘れないでください。」
沖田総司は明里を困惑した表情で見た。
明里は沖田総司に微笑んで話し出す。
「沖田様が既にご存知の内容を、長々と話してしまいました。詰まらない時間を作ってしまい、申し訳ありませんでした。」
沖田総司は明里に困惑した様子で話し出す。
「私は大丈夫です。」
明里は沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は斉藤一と明里に困惑した様子で話し出す。
「すいません。席を少し外します。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。
明里は沖田総司に微笑んで話し出す。
「私に遠慮せずに席を外してください。」
沖田総司は斉藤一と明里に困惑した様子で軽く礼をした。
沖田総司は部屋を困惑した様子で出て行った。
明里は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、明里を普通の表情で見た。
明里は斉藤一の杯に微笑んで酌をした。
斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲んだ。
明里は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は杯を食卓の上に置くと、明里に普通に話し出す。
「総司に馴染みの客になって欲しいと強く思っているようだな。」
明里が斉藤一に微笑んで話し出す。
「新撰組の偉い方が、馴染みのお客様に成れば、私はとても有名に成れます。私の名前を広める大切な機会を逃すようでは、太夫には絶対に成れません。」
斉藤一は明里に普通に話し出す。
「太夫に成りたい思いだけで、先程の話をした訳ではないだろ。総司や俺に話していない内容の方が重要なのだろ。」
明里は斉藤一に微笑んで話し出す。
「さすが斉藤様です。直ぐに気付きましたね。斉藤様とお話しするのは、とても難しいです。斉藤様に隠し事は出来ないので、はっきりと言います。沖田様に、私を分かって欲しい、それ以上に、山南先生と私について分かって欲しいです。だから、私の気持ちを沖田様に話しました。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
明里は斉藤一に微笑んで話し出す。
「後は、先程の話の通り、斉藤様と沖田様に、馴染みのお客様になって頂きたい思いもあります。」
斉藤一は明里に普通に話し出す。
「遠慮する。」
明里は斉藤一に不思議そうに話し出す。
「差し支えなければ、理由を教えてください。」
斉藤一は明里に普通に話し出す。
「周りの人達が、俺と山南さんがあなたを巡って張り合っていると思われるのが面倒だからだ。」
明里が斉藤一に微笑んで話し出す。
「いろいろなお仕事をする方は、世間の目に注意が必要ですよね。斉藤様の断る理由は、当然の理由だと思います。」
斉藤一は明里を普通の表情で見た。
明里は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤様。怖いお顔をされているように感じます。」
斉藤一は明里を普通の表情で見ている。
明里は斉藤一の耳元に顔を近付けると、微笑んで囁いた。
「斉藤様の心の中に、“無”の世界が見えます。斉藤様の心の中の“無”の世界は、暗黒で深奥の闇のように見えます。斉藤様の心の中の底は見えません。幾つもの出来事を見て、幾つもの体験をされた方とお見受けします。私も幾つもの出来事を見ています。斉藤様の心の中と私の心の中は、似ている部分があるように思います。」
斉藤一は杯の酒を普通の表情で見た。
明里は斉藤一の耳元に微笑んで囁いた。
「山南先生は、このような私を光の世界に導いてくださる大切な方です。」
斉藤一は杯の酒を普通の表情で見ている。
明里は斉藤一の耳元に微笑んで囁いた。
「沖田様の心の中に、僅かですが闇のような世界が見えます。お仕事以外の時の沖田様の心の中に闇のような世界が見える時は少ないです。斉藤様と可愛い笑顔の方のおかげですね。」
斉藤一は杯の酒を普通の表情で見ている。
明里が斉藤一の耳元に、不思議な微笑みで囁いた。
「心の中に暗黒で深奥の闇のような“無”の世界を抱える斉藤様を、光の世界に導ける方が居ます。」
斉藤一は杯の酒を普通の表情で見ている。
明里は斉藤一の耳元に、不思議な微笑みで囁いた。
「斉藤様は既にご存知のようですね。」
斉藤一は杯の酒を普通の表情で見ている。
明里は斉藤一の耳元から、不思議な微笑みのまま離れた。
斉藤一は杯の酒を普通の表情で見ている。
沖田総司が部屋に微笑んで入ってきた。
明里は沖田総司を微笑んで見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一と明里に微笑んで話し出す。
「戻るのが遅くなってすいません。斉藤さん。明里さん。二人で何を話していたのですか?」
明里は斉藤一を見ると、微笑んで話し出す。
「斉藤様。ひ、み、つ、で、良いですよね。」
斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲んだ。
沖田総司は斉藤一に怪訝そうに話し出す。
「斉藤さん。もしかして、私について話していたのですか?」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に怪訝そうに話し出す。
「やはり私について話していたのですね。斉藤さん。隠さずに教えてください。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通に話し出す。
「総司の想像通り、総司について話していた。心配が一つ減って良かったな。」
沖田総司は斉藤一に不安そうに話し出す。
「斉藤さん。もしかして、あの時の私の言動について話していたのですか?」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。
明里は沖田総司と斉藤一を微笑んで見た。
障子越しに山南敬助の影が見えた。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、障子の越しの山南敬助の影を普通の表情で見た。
沖田総司は障子越しの山南敬助の影を微笑んで見た。
明里も障子越しの山南敬助の影を微笑んで見た。
山南敬助が部屋に微笑んで入ってきた。
明里は山南敬助の傍に微笑んで来た。
山南敬助は明里に微笑んで話し出す。
「突然に予定が入ったので、明里に逢いに来るのが遅くなった。」
明里は山南敬助に微笑んで話し出す。
「沖田様と斉藤様から、先生は来られないかも知れないと聞きました。先生は私に逢いに来てくださいました。先生の笑顔が見られました。充分に嬉しいです。」
山南敬助は明里を微笑んで見た。
沖田総司は山南敬助に微笑んで話し出す。
「山南さん。私・・・」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司の話しの途中で、沖田総司の腕を普通に掴んだ。
沖田総司は話しを止めると、斉藤一を不思議そうに見た。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司の腕を普通の表情で放した。
山南敬助は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。
「総司。斉藤君。ありがとう。」
沖田総司は山南敬助に僅かに慌てた様子で軽く礼をした。
斉藤一は杯の酒を飲むのを止めると、山南敬助に普通の表情で軽く礼をした。
山南敬助は微笑んで席に付いた。
明里も微笑んで席に付いた。
沖田総司は山南敬助と明里を微笑んで見た。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、山南敬助、沖田総司、明里を、普通の表情で見た。
それから少し後の事。
ここは、山南敬助と明里が逢う約束の場所。
山南敬助は杯の酒を微笑んで飲んでいる。
沖田総司は肴を美味しそうに食べている。
斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲んでいる。
明里は山南敬助を微笑んで見ている。
食卓の上には、美味しい酒と美味しい肴が載っている。
斉藤一は杯の酒を飲み干すと、山南敬助に普通に話し出す。
「山南さん。俺と総司は失礼したいと思います。」
沖田総司は肴を食べながら、斉藤一を不思議そうに見た。
山南敬助は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。
「総司。斉藤君。今日はありがとう。」
明里は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。
「沖田様。斉藤様。今日はありがとうございました。とても楽しかったです。」
沖田総司は斉藤一を見ながら、肴を食べるのを止めた。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は山南敬助と明里を見ると、微笑んで話し出す。
「山南さん。明里さん。失礼します。」
斉藤一は山南敬助と明里に普通の表情で軽く礼をした。
沖田総司は山南敬助と明里に微笑んで軽く礼をした。
山南敬助は沖田総司と斉藤一に微笑んで頷いた。
沖田総司は部屋から微笑んで出て行った。
斉藤一は部屋から普通に出て行った。
それから少し後の事。
ここは、京の町。
夜空にはたくさんの星が輝いている。
沖田総司は不思議そうに歩いている。
斉藤一は普通に歩いている。
沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し出す。
「斉藤さん。なぜ山南さんが来た時に直ぐに帰らなかったのですか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「山南さんが来て直ぐに俺達が帰ると、山南さんが心配や気遣いをするだろ。」
沖田総司は斉藤一を感心した様子で見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「ちなみに、土方さんの場合は、静かに部屋を出る、静かに帰る、以上の行動を土方さんと相手を見ないで判断しなければならない。土方さんの場合は、高度な判断力が必要になる。」
沖田総司が斉藤一に感心した様子で話し出す。
「斉藤さん。凄いですね〜」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「当然の話だ。感心する内容の話ではない。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん〜 意外と恋愛経験が豊富だったのですね〜」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さんはいろいろな物事を知っていますよね。江戸に居る時に逢った少年と、同一人物に思えません。双子の兄弟がいませんか? 絶対に双子の兄弟がいますよね。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は頭を押さえると、痛そうに話し出す。
「痛い〜!」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は頭を痛そうにさすりながら、斉藤一を怪訝そうに見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。大丈夫か?」
沖田総司は頭を痛そうにさすりながら、斉藤一に怪訝そうに話し出す。
「斉藤さん。何かしましたか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。頭が痛いのか? 大丈夫か?」
沖田総司は頭を痛そうにさすりながら、斉藤一に怪訝そうに話し出す。
「やはり、斉藤さん。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は痛そうに頭を押さえて話し出す。
「痛い〜!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。耐えられないほど痛いのか? 無理するな。」
沖田総司は頭を痛そうにさすりながら、斉藤一を怪訝そうに見た。
斉藤一が沖田総司に普通に話し出す。
「早く光の世界に連れて行って欲しいものだな。」
沖田総司は頭を痛そうにさすりながら、斉藤一に不思議そうに話し出す。
「斉藤さん。話の意味が分かりません。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司自身の話だ。総司自身で考えろ。」
沖田総司は頭を痛そうにさすりながら、斉藤一に不思議そうに話し出す。
「斉藤さん。更に話の意味が分かりません。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は頭から手を離すと、斉藤一を不思議そうに見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。楽しかったですね。近い内に一緒に飲みに行きましょうね。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
星空は、光も闇も見せている。
沖田総司と斉藤一は、星空の見せる光と闇に包まれながら、歩き続けた。
* * * * * *
こからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の改訂版です。
改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上の点、ご了承ください。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。
この物語は「新撰組異聞 短編 山里の緑の紅葉」より後の出来事になります。
山南敬助さん、沖田総司さん、斉藤一さん、明里さん、が話す場所を疑問に感じる方がいると思います。
山南敬助さんが明里さんと会うための場所を用意した、などのように想像して読んで頂けると嬉しいです。
今回の物語の明里さんは、前回の物語と違う印象かも知れません。
今回の物語の中で、明里さんが沖田総司さんにいろいろと話す内容は、本心と考えてください。
明里さんは、上品な雰囲気があり、しっかりとした雰囲気もあり、自分の幸せを掴むために行動している人、などのように考えながら物語を書きました。
明里さんは本心が分からない行動を取っていますが、山南敬助さんには素直な気持ちで逢っていると想像してください。
題名の「新撰組異聞 里の宴に藤の宴」は、明里さんの光の世界の宴の相手は? 斉藤一さんの光の世界の宴の相手は? を表現しています。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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