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新撰組異聞 〜 初雪に君影草 〜


〜 改訂版 〜


ここは、京の町。


たくさんの花が咲いている。


ここは、季節の花がたくさん咲く場所。


沖田総司と少女は、芍薬を見ている。


沖田総司芍薬を指しながら、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。桃色のような色の芍薬の名前は何というの?」

少女は芍薬を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「“暁”といいます。」

沖田総司は芍薬を指すのを止めると、少女に微笑んで話し出す。

「暁のような芍薬に見えるね。」

少女は沖田総司を見ると、微笑んで頷いた。

沖田総司は別の芍薬を指すと、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。桃色を薄くしたような色の芍薬の名前は何というの?」

少女は芍薬を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「“大手鞠”といいます。」

沖田総司は芍薬を指すのを止めると、少女に微笑んで話し出す。

「鞠みたいな芍薬に見えるね。」

少女は沖田総司を見ると、微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんは物知りだね。」

少女は沖田総司を恥ずかしそうに見た。

沖田総司は別の芍薬を指すと、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。白い芍薬の名前は何というの?」

少女は芍薬を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「“初雪”といいます。」

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「初雪は鈴ちゃんのようだね!」

少女は恥ずかしそうに下を向いた。

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「変な事を言ってしまったんだね。ごめんね。」

少女は顔を上げて沖田総司を見ると、恥ずかしそうに話し出す。

「私を芍薬に喩えて頂いて、更に初雪にまで喩えて頂いたので、恥ずかしくなりました。」

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「芍薬の初雪は鈴ちゃんみたいだよ! 鈴ちゃんは白くて初雪みたいで可愛いよ!」

少女は沖田総司に恥ずかしそうに話し出す。

「私は白さや初雪とは違うと思います。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんは白くて初雪のようだよ。謙遜する必要はいなよ。」

少女は沖田総司に恥ずかしそうに話し出す。

「沖田さん。人を褒めるのが上手ですね。お世辞でも褒められると嬉しいです。」

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「お世辞ではないよ! 本当だよ!」

少女は沖田総司に恥ずかしそうに話し出す。

「私のために気を遣って頂いてありがとうございます。」

沖田総司は少女に不思議そうに話し出す。

「鈴ちゃん。話しは変わるけれど、桜の花の描かれている土鈴と、藤の花の描かれている土鈴を、身に付けているね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「藤の花の土鈴は、お祖母さんが私の生まれた時にお守り代わりに用意してくれました。桜の花の土鈴は、お姉さんから譲り受けました。割れないように少し離して身に付けています。目立ちますか?」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「お祖母さんとお姉さんからの贈り物なんだ。少し離して身に付けているのは気にならないから安心して良いよ。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。二つの土鈴を見せてもらっても良いかな?」

少女は桜の花の描かれた土鈴を丁寧に取ると、沖田総司に微笑んで差し出した。

沖田総司は桜の花の描かれた土鈴を受け取ると、笑顔で見た。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は桜の花の描かれた土鈴を笑顔で鳴らした。

少女は沖田総司を微笑んで見ている。

沖田総司は桜の花の描かれた土鈴を鳴らしながら、少女に微笑んで話し出す。

「お祖母さんやお姉さんは、元気にしているの?」

少女は沖田総司に僅かに寂しそうに話し出す。

「お祖母さんもお姉さんも亡くなりました。」

沖田総司は桜の花の描かれた土鈴を鳴らすのを止めると、少女に心配そうに話し出す。

「寂しい出来事を思い出させてしまってごめんね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私は大丈夫です。気にしないでください。」

沖田総司は桜の花の描かれた土鈴を持ちながら、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんにとって、二つ共に大事な土鈴なんだね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。藤の花の描かれた土鈴は、私が生まれてからずっと一緒です。桜の花の描かれた土鈴は、お姉さんに譲って欲しいと言った時に、私が桜の花の描かれた土鈴が似合う年齢になったら譲ると言いました。お姉さんが亡くなる直前に、今の私なら大丈夫だと言って譲り受けました。二つの土鈴は、私にとって大切な形見でお守り代わりの土鈴です。」

沖田総司は桜の花の描かれた土鈴を持ちながら、少女に微笑んで話し出す。

「大事な土鈴を見せてくれてありがとう。返すね。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に桜の花が描かれた土鈴を微笑んで差し出した。

少女は沖田総司に微笑んで手を差し出した。

沖田総司は少女の手から少し離れているのに、桜の花の描かれた土鈴を離した。

少女は沖田総司と桜の花の描かれた土鈴を驚いた表情で見た。

沖田総司は桜の花の描かれた土鈴に慌てて手を差し出した。

桜の花の描かれた土鈴は、沖田総司の指先に僅かに触れた。
沖田総司は桜の花の描かれた土鈴を慌てて握り締めようとした。

桜の花の描かれた土鈴は、沖田総司の手の中に納まらずに地面へと落ちた。


桜の花の描かれた土鈴は、地面に落ちた瞬間に小石に当たった。


小石に当たった瞬間に、桜の花の描かれた土鈴が割れた。


少女は割れた桜の花の描かれた土鈴を驚いた表情で見た。

沖田総司も割れた桜の花の描かれた土鈴を驚いた表情で見た。


少女は驚いた表情でしゃがみ込んだ。

沖田総司も驚いた表情でしゃがみ込んだ。


少女は桜の花の描かれた割れた土鈴を丁寧に拾い始めた。

沖田総司は少女に申し訳なさそうに話し出す。

「鈴ちゃん。ごめんね。」

少女は桜の花の描かれた割れた土鈴を拾いながら、沖田総司に微笑んで話し出す。

「沖田さんから土鈴を受け取る時の注意が足りませんでした。土鈴が割れたのは仕方がありません。」

沖田総司は少女に申し訳なさそうに話し出す。

「鈴ちゃんは悪くないよ。私の不注意だ。申し訳ない。」

少女は桜の花の描かれた土鈴を拾い終わると、沖田総司を見て、微笑んで話し出す。

「私も大事な土鈴と言いながら注意が足りませんでした。」

沖田総司は少女に申し訳なさそうに話し出す。

「鈴ちゃん。私はどうすればいい?」

少女は桜の花の描かれた割れた土鈴を持ちながら、沖田総司に微笑んで話し出す。

「私には藤の花の描かれた土鈴があります。お姉さんからは、桜の花の描かれた土鈴の他にも譲り受けた物や思い出があります。沖田さん。心配しないでください。」

沖田総司は少女を申し訳なさそうに見た。

少女は桜の花の描かれた割れた土鈴を持ちながら、沖田総司に微笑んで話し出す。

「本当に心配しないでください。」

沖田総司は少女に申し訳なさそうに頷いた。

少女は桜の花の描かれた割れた土鈴を持ちながら、沖田総司を微笑んで見た。


それから暫く後の事。


ここは、京の町。


屯所。


斉藤一の居る部屋。


沖田総司は困惑した様子で訪れた。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に困惑した様子で話し出す。

「私の不注意で、鈴ちゃんがお姉さんから譲り受けた大切な形見の土鈴を割ってしまいました。鈴ちゃんは私を責めずに、鈴ちゃんも不注意だったから、気にしないようにと笑顔で話していました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「形見の品を壊された本人が気にするなと言うのなら、言われた通りに気にするな。」

沖田総司は斉藤一に困惑した様子で話し出す。

「形見の土鈴が割れた原因は、私の不注意です。気にしないでと言われても気になります。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「気にするなと言う相手の前で、総司が気にしていたら、相手は更に困るか悩むぞ。」

沖田総司は困惑した様子で考え込み始めた。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に考え込みながら話し出す。

「斉藤さんは花について詳しいですよね。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「それほど詳しくはないが、一応は知っている。」

沖田総司は斉藤一に考え込みながら話し出す。

「相談に乗ってください。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。


それから少し後の事。


ここは、山南敬助の居る部屋。


沖田総司は考え込みながら訪れた。


山南敬助は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司。何かありましたか?」

沖田総司は山南敬助に真剣な表情で話し出す。

「山南さんにお願いがあります。」

山南敬助は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は山南敬助に真剣な表情で話し出す。

「実は、探している物があります。この近くでは普通に探していては見当たらないらしく、取り寄せが必要になるらしいです。山南さんに相談するように助言がありました。迷惑だと思ったのですが、山南さんに相談にきました。」

山南敬助は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司は何を探しているのですか?」

沖田総司は山南敬助の耳元に顔を近づけると、真剣な表情で囁いた。

山南敬助は沖田総司の話しを微笑んで聞いた。

沖田総司は山南敬助の耳元から真剣な表情で離れた。

山南敬助は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司の探している物が手に入るかも知れません。確認のために何日かください。」

沖田総司は山南敬助に微笑んで話し出す。

「よろしくお願いします。」

山南敬助は沖田総司に微笑んで頷いた。


沖田総司は微笑んで部屋から出て行った。


それから数日後の事。


ここは、京の町。


沖田総司と少女が何度か訪れている寺。


寺の中。


縁の傍。


沖田総司と少女は、一緒に居る。


沖田総司は少女を微笑んで見た。


少女の胸元には、藤の花の描かれた土鈴が一つだけ見える。


少女は藤の花の描かれた土鈴を一瞬だけ寂しそうに見た。

沖田総司は少女を心配そうに見た。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女を心配そうに見ている。

少女は沖田総司を心配そうに見た。

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女も沖田総司を微笑んで見た。


それから数日後の事。


ここは、京の町。


少女の家。


少女の部屋。


沖田総司と少女は、一緒に居る。

沖田総司の横には、小さな木箱が置いてある。


沖田総司は少女の前に木箱を置くと、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。開けてみて。」

少女は微笑んで木箱を開けた。

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司を見ると、微笑んで話し出す。

「白い鈴がたくさん咲いている可愛い花ですね。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「“君影草”という名前の花だよ。“鈴蘭”という別名があるんだ。鈴ちゃんと同じ名前の花だね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「君影草に鈴蘭。どちらも素敵な名前ですね。」

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「私は花に疎いから、斉藤さんに鈴が付く名前の花を教えて欲しいと話したんだ。斉藤さんが、小さな白い鈴の形の花がたくさん咲く“鈴蘭”という名前の花があると教えてくれたんだ。でも、京の町や近くでは手に入り難いかも知れないと教えてくれたんだ。山南さんに相談して調べてもらったんだ。」

少女は沖田総司を微笑んで見ながら話し出す。

「私と同じ名前の付いた花ですが、比較が出来ないくらい素敵ですね。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんも鈴蘭もどちらも可愛いよ。」

少女は沖田総司を恥ずかしそうに見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんに鈴蘭をあげる。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「鈴蘭を頂いても良いのですか?」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんの詫びの品として用意したんだ。遠慮なく受け取って。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。言い忘れていたけれど、鈴蘭に生る実は毒性が強いんだって。食べては駄目だよ。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に慌てた様子で話し出す。

「でも、鈴ちゃんは優しいから鈴蘭とは違うよ! いつも変な話しをして迷惑を掛けてごめんね!」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私は大丈夫です。心配しないでください。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「実は、もう一つ詫びの品があるんだ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「可愛い鈴蘭を頂きました。気を遣わないでください。」

沖田総司は懐から鈴を取り出すと、少女に微笑んで差し出した。


小さな金属製の鈴には、藤の花と桜の花の飾りが付いている。


少女は沖田総司と鈴を見ながら、微笑んで話し出す。

「可愛い鈴ですね。本当に頂いても良いのですか?」

沖田総司は少女に鈴を差し出しながら、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんの詫びの品として用意した鈴だから、遠慮なく受け取って。大切な形見の鈴を壊した詫びが、これだけで済むとは思っていない。この鈴が僅かでも代わりになれば良いと思ったんだ。」

少女は沖田総司から鈴を受け取ると、微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。大切にします。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司と鈴を見ながら、微笑んで話し出す。

「鈴に付いている飾りが藤の花と桜の花になっていて素敵ですね。」

沖田総司は少女に恥ずかしそうに話し出す。

「金属製の鈴なら壊れないし、飾りが藤の花だから縁起も良いよね。更に桜の飾りが付いているよね。鈴ちゃんが気に入ると思って贈り物に決めたんだ。」

少女は鈴を持ちながら、沖田総司に微笑んで話し出す。

「私の気持ちを考えて鈴を選んで頂いて嬉しいです。ありがとうございます。」

沖田総司は少女に申し訳なさそうに話し出す。

「たくさん稼げる立場ではないから、今の私には精一杯の詫びの品なんだ。たくさん稼げる立場になったら、モットしっかりとした詫びの品を贈るね。」

少女は鈴を持ちながら、沖田総司に微笑んで話し出す。

「鈴蘭と鈴を頂きました。充分です。大切にします。本当にありがとうございます。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は鈴を持ちながら、沖田総司を微笑んで見た。


それから数日後の事。


ここは、季節の花がたくさん咲く場所。


沖田総司と少女は、一緒に居る。


少女の胸元には、藤の花の描かれた土鈴と、沖田総司の贈った藤の花と桜の花の飾りが付いた金属製の小さな鈴が見える。


沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。芍薬の初雪がたくさん咲いているね。綺麗だね。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「何度も見ても初雪は鈴ちゃんみたいだね。」

少女は恥ずかしそうに下を向いた。

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。私は変な事を言ったんだね。ごめんね。」

少女は顔を上げて沖田総司を見ると、微笑んで話し出す。

「綺麗な花に喩えて頂いてので、恥ずかしくなりました。でも、嬉しいです。ありがとうございます。」

沖田総司が少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃんが怒っていなくて良かった!」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女を笑顔で見た。


ちょうど同じ頃。


ここは、沖田総司と少女の居る場所から少しだけ離れている場所。


芹沢鴨が沖田総司と少女を普通の表情で見ている。


山南敬助の穏やかな声が、芹沢鴨の後ろから聞こえてきた。

「何か企んでいるように見えますよ。」


芹沢鴨は僅かに不機嫌そうに後ろを見た。


山南敬助は芹沢鴨の傍に微笑んで来た。


芹沢鴨は山南敬助に僅かに不機嫌そうに話し出す。

「せっかく楽しんで見ていたのに、なぜ邪魔をするんだ?」

山南敬助は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「私も二人を楽しんで見ていました。一緒に楽しんで見たいと思い声を掛けました。」

芹沢鴨は山南敬助に詰まらなさそうに話し出す。

「声を掛けられたのが山南と言うのが詰まらない。あの子に声を掛けて欲しかったな。」

山南敬助は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「今の言葉を総司の前で言ったら大変ですよ。」

芹沢鴨は山南敬助に詰まらなさそうに話し出す。

「当たり前の話しをするな。」

山南敬助は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「今日は何もしないのですか?」

芹沢鴨は山南敬助に詰まらなさそうに話し出す。

「怖い奴がたくさん居るから当分は何もしないよ。」

山南敬助は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「怖い人物とは誰ですか?」

芹沢鴨は南敬助に普通に話し出す。

「斉藤だろ、総司だろ、土方だろ、後は、俺の目の前に居る人物も怖いぞ。」

山南敬助は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「私が怖い人物になるのですか? 私は怖くないので、芹沢さんはお好きなように行動してください。」

芹沢鴨は山南敬助に普通に話し出す。

「好きなようにとは、どのような行動を差すんだ?」

山南敬助は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「総司とあの子に変な事をしたら、斉藤君を誘って闇討ちでもしましょうか? いつでも闇討ち出来るように準備を進めておきます。斉藤君にもしっかりと話しをしておきます。芹沢さんは私を気にせずに行動してください。」

芹沢鴨は山南敬助に普通に話し出す。

「爽やかな微笑みで話しをされると、本当に行動しそうだな。」

山南敬助は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「芹沢さん。冗談ですよ。まさか本気にしたのですか?」

芹沢鴨は山南敬助にぶっきらぼうに話し出す。

「仕方がないな。今夜は一緒に飲みに行くぞ。」

山南敬助は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「私で良ければ、お供いたします。」

芹沢鴨は山南敬助に普通の表情で頷いた。


ちょうど同じ頃。


ここは、芍薬の初雪がたくさん咲く場所。


沖田総司と少女は、一緒に居る。


沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「君影草の別名は鈴蘭! 鈴蘭は鈴ちゃんの花! 鈴ちゃんと一緒に鈴蘭がたくさん咲く様子を早く見たいな!」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女を笑顔で見た。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を加筆訂正するのは止めました。

以上の点、ご了承ください。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。

沖田総司さんと鈴ちゃんが出逢ってから、余り月日が経過していない設定で書きました。

沖田総司さんが、鈴ちゃんが大切にしている鈴を壊してしまいました。

鈴ちゃんは沖田総司さんを笑顔で許しました。

沖田総司さんは、斉藤一と山南敬助さん助けを借りて鈴蘭を手に入れます。

形見を壊されて笑顔で許せるかについてですが、似たような経験をした事があります。

私の場合は形見ではありませんが、個数限定のマグカップを友人が割ってしまいました。

友達は私が大事にしているマグカップだと壊した時点では知りませんでした。

壊れた時には手に入らないマグカップになっていました。

落ち込んだ私は、個数限定だった事や大事にしていた事などを、友達に話しました。

良く考えると、それ程に大事なマグカップなら、最初に友達に言えば良かったと思い諦めました。

後日となりますが、友達がお詫びとして代わりのマグカップを買ってくれました。

現在は、そのマグカップはありませんが、切なくて嬉しい思い出です。

子供の場合は、その子の年齢によって事情が変わるので別な話しになると思います。

子供の逸話もありますが、その時の話しは機会があればしたいと思います。

「鈴蘭」の別名は、「君影草(きみかげそう)」と言います。

鈴蘭は、実が生ります。

緑から赤に変わるそうです。

まだ鈴蘭の実が生る様子を実際に見た事はありません。

鈴蘭の実は有毒なために、牛や馬が食べないので牧草地に群生する事があるそうです。

鈴蘭は、小石川薬園から小石川植物園への転換期の明治四年に栽培されているリストに、「鈴蘭」という名前で掲載されているそうです。

気になるのが、現在の良く見掛る鈴蘭は「ドイツスズラン」です。

そのため、新撰組の人達が、鈴蘭を見られるかについての確認は取れませんでした。

鈴蘭を見られないという確証がなかったので、物語の中に登場しています。

「初雪」という名前の芍薬があります。

新撰組の人達の時代には見られない芍薬かも知れませんが、物語の雰囲気に合うため、物語の中と題名で使用しました。

鈴蘭の花言葉は、「意識しない美しさ。純粋。純愛。」だそうです。

芍薬の花言葉は、「生まれながらの質素。」だそうです。

花言葉は色や咲き方などで変わるので、違う言葉を知る方がいると思います。

ご了承ください。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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