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新撰組異聞 〜 青水無月の頃 〜
〜 第三版 〜
今は仲夏。
ここは、京の町。
青空が広がっている。
ここは、屯所。
稽古場。
稽古を受ける隊士達が集まっている。
稽古場の傍。
永倉新八は普通に歩いている。
稽古場が静かな雰囲気になっている。
永倉新八は不思議な様子で立ち止まった。
永倉新八は稽古場に不思議な様子で入って行った。
直後の事。
ここは、屯所。
稽古場。
永倉新八は稽古場に不思議な様子で入ってきた。
隊士達が困惑した表情で居る。
永倉新八は隊士達を不思議な様子で見た。
若い隊士が永倉新八に困惑して話し出す。
「永倉さん。稽古を始められません。」
永倉新八は若い隊士に普通に話し出す。
「稽古を受ける隊士が、一人か二人が居ない様子だな。今回の稽古の内容は、全員が揃ってから始める必要は無い。稽古を始めろ。」
若い隊士は永倉新八に困惑して話し出す。
「稽古場に居ない隊士は、一人のみです。みんなで、一人の到着を待っています。」
永倉新八は若い隊士に普通に話し出す。
「稽古場に居ない隊士は誰だ?」
若い隊士は永倉新八に困惑して話し出す。
「今回の剣術師範の沖田さんです。みんなで沖田さんの到着を待っています。」
永倉新八は若い隊士を普通の表情で見た。
若い隊士は永倉新八に言い難い様子で話し出す。
「永倉さん。沖田さんの居場所を知りませんか?」
永倉新八は隊士達に普通に話し出す。
「土方さんに相談する。みんな。稽古の準備を続けろ。」
隊士達は永倉新八に困惑した表情で軽く礼をした。
永倉新八は稽古場を普通に出て行った。
僅かに後ろの事。
ここは、屯所。
土方歳三の部屋。
土方歳三は普通に居る。
永倉新八は部屋を普通に訪れた。
土方歳三は永倉新八を普通の表情で見た。
永倉新八は土方歳三に普通に話し出す。
「稽古場に居る隊士達が、総司が稽古場に現れないために、稽古を始められないと話しています。稽古場に居る隊士達が、総司の居場所を知らないかと話しています。」
土方歳三は永倉新八に普通に話し出す。
「永倉。総司を探してくれ。」
永倉新八は土方歳三に普通に話し出す。
「私は近藤さんから用事を頼まれています。稽古場に現れない総司を見付ける行為は、至難の行為です。別な人物に頼んでください。」
土方歳三は永倉新八に普通に話し出す。
「永倉の話は当たっているな。総司を探す件は、別な人物に頼む。」
永倉新八は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
土方歳三は永倉新八に普通の表情で頷いた。
永倉新八は部屋を普通に出て行った。
土方歳三はため息を付くと、困惑した表情で呟いた。
「今回も、居ないのか・・・」
少し後の事。
ここは、屯所。
土方歳三の部屋。
土方歳三は考え込む様子で居る。
斉藤一は部屋を普通に訪れた。
土方歳三は斉藤一に困惑して話し出す。
「今回の剣術師範の総司が、稽古場に現れないそうだ。隊士達は、総司が稽古場に現れないために、稽古を始められずに困っているそうだ。斉藤。総司を探してくれ。」
斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。
「今回も俺が総司を探すのですか?」
土方歳三は斉藤一に困惑して話し出す。
「稽古場に現れない総司を短時間で見付けられる人物は、斉藤のみだ。」
斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。
「俺は任務中です。」
土方歳三は斉藤一を考え込んで見た。
斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。
土方歳三は斉藤一に普通に話し出す。
「頼める人物は、斉藤のみだ。今から、斉藤の任務は、総司を見付ける内容に変える。」
斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
土方歳三は斉藤一に普通の表情で頷いた。
斉藤一は部屋を普通に出て行った。
暫く後の事。
ここは、京の町。
青空が広がっている。
ここは、時折、沖田総司が訪れる寺。
境内。
沖田総司は子供達と楽しく遊んでいる。
子供達も沖田総司と楽しく遊んでいる。
沖田総司は境内を笑顔で見た。
斉藤一が沖田総司を見ながら、普通に歩く姿が見える。
沖田総司は斉藤一に手を振ると、斉藤一に笑顔で声を掛ける。
「斉藤さん〜!」
子供達は沖田総司が手を振る方向を笑顔で見た。
斉藤一は普通に来た。
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「斉藤さん! こんにちは!」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
子供達は斉藤一に笑顔で話し出す。
「はじめお兄ちゃん! こんにちは!」
斉藤一は子供達に普通の表情で頷いた。
沖田総司が子供達に微笑んで話し出す。
「みんな。仲良く続きを遊んでね。」
子供達は沖田総司と斉藤一に笑顔で話し出す。
「はい!」
沖田総司は子供達を微笑んで見た。
斉藤一は子供達を普通の表情で見た。
子供達は、沖田総司と斉藤一から少し離れた場所へ元気良く走って行った。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。今日は任務が早く終わったのですか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「土方さんに頼まれて、総司を呼びにきた。今の俺の任務は、総司を見付ける内容に変わっている。」
沖田総司は斉藤一を不思議な様子で見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。今日は隊士達に稽古を就ける日だろ。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「私は隊士達に稽古を就けている最中です。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「今日の剣術師範は総司だ。総司が稽古場に居ないために、隊士達が困っているそうだ。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「子供達と遊ぶ行為は、隊士達に稽古場で稽古を就ける行為より、有意義な行為です。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「今の総司の任務は、有意義な行為をする内容ではなく、隊士達に稽古を就ける行為だ。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「稽古を就けないのが稽古です。私は隊士達に稽古を就けています。私は隊士達に稽古を就けながら、子供達と遊んでいます。更に有意義な行為になっています。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司が稽古場に居る隊士達に、今の内容を話した後に、稽古場から居なくなれば良いだろ。」
沖田総司が斉藤一に微笑んで話し出す。
「稽古場を途中で抜け出すのは難しいです。子供達と遊べなくなります。有意義な行為が出来ません。」
斉藤一が沖田総司に普通に話し出す。
「総司が稽古場で稽古を就けずに過ごす相手が、子供。総司らしい。」
沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司が稽古を就けずに居なくなる時に、美鈴さんと逢う姿を見た時が無い。」
沖田総司が斉藤一に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんは、私が稽古を就けずに逢いに来たと知ったら、物凄く心配するはずです。新撰組の関係者が、私が稽古を就けない理由を、鈴ちゃんと逢うためだと思ったら、鈴ちゃんが悪く言われます。鈴ちゃんは物凄く大切な友達です。私は鈴ちゃんが悪く言われる言動を出来ません。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「直ぐに稽古場に行っても、稽古に間に合いません! 斉藤さん! 子供達と一緒に遊びましょう!」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一を笑顔で見た。
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は笑顔で歩き出した。
斉藤一は普通に歩き出した。
暫く後の事。
ここは、屯所。
敷地内。
沖田総司は微笑んで歩いている。
斉藤一は普通に歩いている。
土方歳三は真剣な表情で来た。
沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。
「土方さん。戻りました。」
土方歳三は沖田総司に僅かに厳しい表情で話し出す。
「総司。今日も剣術師範なのに稽古場に現れなかっただろ。」
沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。
「稽古を就けないのが、私の就ける稽古です。本気で稽古を行いたい人物は、私が稽古を就けなくても、自分で稽古を行います。技術などの上達に本気で悩む人物、効果的な稽古の内容に本気で悩む人物は、私に質問をします。私に質問をしない状況は、稽古を本気で行う気持ちの無い証拠です。本気で稽古を行う気持ちの無い人物に、稽古を就ける時間は無駄です。」
土方歳三は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は土方歳三を不思議な様子で見た。
土方歳三は沖田総司に普通に話し出す。
「総司は稽古を就けずに居なくなる時は、仲の良い女の子と逢っているのか?」
沖田総司は土方歳三に不思議な様子で話し出す。
「私が稽古を就けずに逢いに来たと知ったら、物凄く心配します。新撰組の関係者が、稽古を就けない理由が、大切な友達に逢うためだと思ったら、大切な友達が悪く言われます。大切な友達が悪く言われる行為は出来ません。」
土方歳三は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は土方歳三と斉藤一に微笑んで話し出す。
「土方さん。斉藤さん。失礼します。」
土方歳三は沖田総司に普通の表情で頷いた。
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は微笑んで居なくなった。
土方歳三は斉藤一に僅かに呆れた様子で話し出す。
「総司の言い分は、或る意味になるが、筋が通っている。総司に何も言えなかった。」
斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
土方歳三は斉藤一に感心して話し出す。
「総司は計算をせずに、先程の内容を話している。総司の凄さが分かる話の内容だ。」
斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
土方歳三は斉藤一に普通に話し出す。
「斉藤。今日も総司を短い時間で見付けた。礼を言う。」
斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
土方歳三は普通に居なくなった。
斉藤一は空を普通の表情で見た。
青空が広がっている。
斉藤一は前を普通の表情で見た。
斉藤一は普通に歩き出した。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の再改訂版です。
物語の雰囲気や展開を出来るだけ残して改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上、ご了承願います。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。
沖田総司さんが京都に居た頃の出来事になりますが、沖田総司さんは剣術師範の立場なのに、稽古を就けずに子供達と遊んでいた事があるそうです。
一回や二回などの、少ない回数ではないようです。
沖田総司さんは剣の腕が凄く強いと言われます。
本当の出来事のように思いました。
この物語は、上記の逸話を基にして書きました。
「青水無月(あおみなづき)」は「陰暦六月の異称」です。
「青葉の茂る頃という意味から出来た言葉」です。
言葉の意味が物語の雰囲気が合うと思い、題名に使いました。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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