新撰組異聞　〜　短夜に雨が降る　〜


〜　改訂版　〜


今は夏。


ここは、京の町。

青空が広がっている。

蒸し暑さは感じない。

沖田総司は楽しそうに歩いている。

山南敬助が沖田総司の前に微笑んで現れた。

沖田総司は立ち止まると、山南敬助に楽しそうに話し出す。

「これから斉藤さんと子供達と一緒に遊びます！　山南さんも一緒に遊びませんか？！」

山南敬助は沖田総司に微笑んで話し出す。

「良く見掛ける可愛い女の子が居ませんね。」

沖田総司は山南敬助に顔を赤くしながら話し出す。

「彼女はとても仲の良い大切な友達です。優しくてとても良い子です。斉藤さんに逢って欲しいと何度も話しているのですが、なかなか逢ってくれません。」

山南敬助は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司にとって大切な友達ならば、斉藤君も機会が合えば会うと思います。焦らずに待ってみてはどうですか？」

沖田総司は山南敬助に笑顔で話し出す。

「はい！」

山南敬助は沖田総司を微笑んで見た。

子供達は山南敬助と沖田総司の元気良く現れた。

山南敬助は子供達に微笑んで話し出す。

「こんにちは。」

沖田総司は子供達に笑顔で話し出す。

「こんにちは！」

子供達は山南敬助と沖田総司に笑顔で話し出す。

「山南のお兄ちゃん！　総司お兄ちゃん！　こんにちは！」

沖田総司は子供達を笑顔で見た。

山南敬助は沖田総司と子供達に微笑んで話し出す。

「私は屯所に戻ります。みんなで楽しんで遊んでください。」

沖田総司は山南敬助に笑顔で話し出す。

「はい！」

子供達も山南敬助に笑顔で話し出す。

「はい！」

山南敬助は沖田総司と子供達を微笑んで見た。


沖田総司は突然に目を開けた。

辺りは暗闇に包まれている。

沖田総司は床に横になって寝ている。

ここは、京の町。

屯所。

沖田総司の部屋。

沖田総司は床の上にゆっくりと体を起した。

床の上に体を起したまま、不思議そうに呟いた。

「以前と同じ出来事の夢を見たんだ。なぜ夢の中に山南さんが現れたのかな？」

雨の降る音が聞こえてきた。

沖田総司は床の上に体を起したまま、寂しそうに呟いた。

「あの時は楽しい出来事がたくさんあったな。」

床の上に体を起したまま、寂しそうに軽く息をはいた。

寂しそうな様子で床に着くと、直ぐに目を閉じた。


ここは、京の町。

雨が静かに降っている。

ここは、紫陽花がたくさん咲く場所。

沖田総司と少女は、傘を差しながら居る。

沖田総司は傘を差しながら、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。雨が降ったから予定を変更したけれど、楽しい？」

少女は傘を差しながら、沖田総司に微笑んで話し出す。

「雨の降る中で咲く紫陽花は綺麗です。雨の降る日の楽しみもたくさんあります。総司さんと一緒に過ごせます。今日も楽しいです。」

沖田総司は傘を差しながら、少女を笑顔で見た。

少女は傘を差しながら、紫陽花を微笑んで見た。

沖田総司は傘を差しながら、少女を笑顔で見た。

少女は傘を差しながら、沖田総司を見ると、不思議そうに話し出す。

「総司さん。紫陽花を見ないのですか？」

沖田総司は傘を差しながら、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんが楽しそうに紫陽花を見る姿を見ていたくなったんだ。」

少女は傘を差しながら、沖田総司に申し訳なさそうに話し出す。

「この場所の紫陽花が咲く様子は綺麗なので、総司さんに雨の降る日に咲く紫陽花を見て頂きたいと思いました。総司さんはたくさんの場所にお出掛けしているから、雨の降る日にお出掛けしたいと思わないですよね。一人だけで楽しんでしまってごめんなさい。次回からは、天気の悪い日にお出掛けする場所を決める時は気を付けます。」

沖田総司は傘を差しながら、少女に慌てた様子で話し出す。

「この場所に咲く紫陽花は綺麗だよ！　私は京の町や花や歌に疎いから、鈴ちゃんにたくさん迷惑を掛けているよね！　鈴ちゃんは丁寧にたくさん教えくれるから勉強になっているんだ！　鈴ちゃんが楽しいと、私も楽しくなるんだ！　鈴ちゃん！　紫陽花を一緒に楽しんで見よう！」

少女は傘を差しながら、沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は傘を差しながら、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。いつも言い方が悪くて迷惑をかけてごめんね。」

少女は傘を差しながら、沖田総司を見て、微笑んで首を横に振った。

沖田総司は傘を差しながら、少女を笑顔で見た。


ここは、京の町。

曇り空となっている。

沖田総司と少女は、話しながら歩いている。

山南敬助は沖田総司と少女の傍に来ると、微笑んで話し出す。

「総司も美鈴さんも楽しそうですね。」

沖田総司は山南敬助に嬉しそうに話し出す。

「はい！　楽しいです！」

少女は山南敬助に微笑んで話し出す。

「私は、山南さんとお話しが出来たので、楽しくなりました。」

山南敬助は少女を微笑んで見た。

沖田総司は山南敬助と少女を寂しそうに見た。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。優しい方とお話しをすると、楽しい気持ちになりますね。山南さんは優しい方なので、お話しをすると、楽しい気持ちになりますよね。」

山南敬助は少女に微笑んで話し出す。

「ありがとう。」

少女は山南敬助を微笑んで見た。

沖田総司は山南敬助と少女を寂しそうに見た。


沖田総司は寂しそうに目を開けた。

辺りは暗闇に包まれている。

沖田総司は床に横になって寝ている。

ここは、屯所。

沖田総司の部屋。

沖田総司は床の上にゆっくりと体を起した。

床の上に体を起したまま、軽く息を吐くと、悲しそうに呟いた。

「最近の夢には、山南さんが必ず現れる。今夜の夢は、今までとは違って、現実とは違う出来事だった。なぜなのかな？」

雨の降る音が聞こえてきた。

沖田総司は床の上に体を起したまま、寂しそうに軽く息をはいた。

寂しそうな様子で床に着くと、直ぐに目を閉じた。


ここは、京の町。

雨が静かに降っている。

ここは、たくさんの紫陽花が綺麗に咲く場所。

沖田総司と少女は、傘を差しながら紫陽花を見ている。

少女は傘を差しながら、沖田総司を心配そうに見た。

沖田総司は傘を差しながら、少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。何か遭ったの？」

少女は傘を差しながら、沖田総司に心配そうに話し出す。

「総司さん。お忙しそうですね。無理をしないでくださいね。」

沖田総司は傘を差しながら、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんは心配しなくても大丈夫だよ。」

少女は傘を差しながら、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。今日は用事があるので、少し早く帰りたいです。」

沖田総司は傘を差しながら、少女に僅かに不機嫌そうに話し出す。

「鈴ちゃん。嘘を付いているね。」

少女は傘を差しながら、沖田総司を困惑した様子で見た。

沖田総司は傘を差しながら、少女に不機嫌そうに話し出す。

「私と一緒に居ても楽しくないから、嘘を付いて早く帰りたいんだ！　一緒に居ても楽しくないと、はっきりと言えば良いだろ！」

少女は傘を差しながら、沖田総司に小さい声で話し出す。

「総司さんがお疲れになっている様子に見えました。総司さんのお体の具合が悪いのかと思って、早く休んで頂く方法を考えました。用事があると嘘を付いてしまって申し訳ありませんでした。」

沖田総司は傘を差しながら、少女に慌てた様子で話し出す。

「鈴ちゃん！　強い言い方をしてごめんね！　怖かったよね！　もしかしたら、鈴ちゃんの言う通り疲れているのかも知れないね！　気を遣わせてごめんね！」

少女は傘を差しながら、悲しそうに下を向いた。

沖田総司は傘を差しながら、少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。大丈夫？」

少女は傘から手を放した。

少女の傘は地面に落ちた。

沖田総司は少女に自分の傘を預けて、少女の傘を手に取ろうとした。

少女は沖田総司の傘を受け取らずに、自分の傘を悲しそうに手に取った。

沖田総司は少女に向かって傘を差すと、心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。大丈夫？」

少女は傘を差すと、沖田総司に微笑んで話し出す。

「大丈夫です。でも、少し濡れてしまいました。」

沖田総司は自分に向かって傘を戻すと、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんが風邪を引くと困るから、残りの時間は、鈴ちゃん家で話しをして過ごそう。」

少女は傘を差しながら、沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は傘を差しながら、少女を微笑んで見た。


ここは、京の町。

曇り空が広がっている。

沖田総司と少女は、歩いている。

山南敬助が沖田総司と少女の傍に微笑んで歩いてきた。

沖田総司は山南敬助に笑顔で話し出そうとした。

少女は沖田総司が話し出す前に、山南敬助に微笑んで話し出す。

「こんにちは。」

山南敬助は少女に微笑んで話し出す。

「こんにちは。今日も元気で楽しそうですね。」

少女は山南敬助に微笑んで話し出す。

「はい。」

山南敬助は少女を微笑んで見た。

沖田総司は山南敬助と少女を寂しそうに見た。

少女は山南敬助に微笑んで話し出す。

「私は何も悪くないのに、総司さんは何度も怒ります。総司さんは、直ぐに怒るし、怖いので、嫌いです。山南さんや斉藤さんは優しい方です。私は山南さんや斉藤さんのように優しい方とお話ししたいです。山南さんとお話し出来る明里さんが羨ましいです。」

山南敬助は少女に微笑んで話し出す。

「総司の気の短さには、以前から困っていました。良い機会なので、私から総司にしっかりと注意します。美鈴さん。総司を呆れずに、出来るだけ一緒に居てあげてください。」

少女は山南敬助に微笑んで頷いた。

山南敬助は少女を微笑んで見た。

沖田総司は山南敬助と少女を寂しそうに見た。


沖田総司は寂しそうに目を開けた。

辺りは暗闇に包まれている。

沖田総司は床に横になって寝ている。

ここは、屯所。

沖田総司の部屋。

沖田総司は床の上にゆっくりと体を起した。

床の上に体を起したまま、軽く息を吐くと、悲しそうに呟いた。

「今夜の夢にも山南さんが現れた。しかも、今夜の夢も現実とは違う出来事だった。毎日のように見たくない内容の夢を見る。寝ているのに疲れる。ゆっくりと休みたいな。」

部屋の中には、沖田総司の寂しげな呟きしか聞こえない。

沖田総司は床の上に体を起したまま、寂しそうに軽く息をはいた。


ここは、京の町。

曇り空が広がっている。

ここは、季節の花が咲く場所。

大きな木の下。

沖田総司、斉藤一、少女は、座りながら話しをしている。

少女は沖田総司に包みを差し出すと、微笑んで話し出す。

「今日は羊羹を用意しました。」

沖田総司は羊羹を手に取ると、少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃん！　ありがとう！　いただきます！」

少女は包みを脇に置くと、別な包みを手に取った。

沖田総司は羊羹を美味しそうに食べている。

少女は斉藤一に包みを差し出すと、微笑んで話し出す。

「斉藤さん。甘くないお団子を用意しました。いかがですか？」

斉藤一は少女に頷くと、お団子を普通の表情で手に取った。

少女は包みを脇に微笑んで置いた。

斉藤一はお団子を普通の表情で食べ始めた。

少女は沖田総司と斉藤一を微笑んで見た。

沖田総司、斉藤一、少女は、羊羹とお団子を食べ終わった。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は木の幹にもたれ掛かって寝ている。

少女は沖田総司に心配そうに手を伸ばした。

沖田総司は突然に目を開けると、厳しい声で話し出す。

「邪魔だ！　来るな！」

少女は沖田総司に差し出す手を驚いた表情で止めた。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。美鈴さんから早く手を離せ。」

沖田総司は少女の手首を強く握っている。

沖田総司は少女の手首から手を放すと、慌てた様子で話し出す。

「鈴ちゃん！　ごめん！　夢を見ていた！　痛くない？！　大丈夫？！」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私は大丈夫です。」

沖田総司は少女の手を心配そうに取ろうとした。

少女は微笑んで手を引いた。

斉藤一は沖田総司と少女に普通に話し出す。

「そろそろ戻らないか？」

少女は包みを手に取ると、斉藤一に微笑んで頷いた。

沖田総司は斉藤一に心配そうに頷いた。

斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。

少女の包みを持つ手が僅かに弱まった。

包みが地面にゆっくりと落ちた。

少女は沖田総司と斉藤一を恥ずかしそうに見た。

沖田総司は少女の手を心配そうに掴んだ。

少女は一瞬だけ痛そうな表情になったが、沖田総司を直ぐに微笑んだ表情で見た。

沖田総司は少女の手首を優しく握ると、心配そうに話し出す。

「私が鈴ちゃんの手首を強く握った時に痛めたんだね。」

少女は沖田総司を困惑した様子で見た。

沖田総司は少女の手首を優しく放すと、斉藤一に心配そうに話し出す。

「斉藤さん。鈴ちゃんが手首を痛めたのを、私より早く気付いたのではないですか？」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。医者に診てもらおう。」

少女は手を振りながら、沖田総司に微笑んで話し出す。

「手首は腫れていません。総司さん。心配しないでください。」

沖田総司は少女の手を取ると、悲しそうに話し出す。

「鈴ちゃん。無理をしては駄目だよ。更に手首を痛めてしまうよ。」

少女は沖田総司に心配そうに小さく頷いた。

沖田総司は少女の手を取りながら、斉藤一に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃんを医者に連れて行きます。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。


ここは、京の町。

診療所。

沖田総司と少女は、医者の前に着た。

医者は沖田総司と少女を普通の表情で見た。

沖田総司は医者に心配そうに話し出そうとした。

少女は沖田総司が話し出す前に、医者に心配そうに話し出す。

「私が滑ってしまいました。自分の体を支えようとした時に、手首をひねったようです。」

医者は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は医者を不安そうに見た。

医者は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は診療所の外に不安そうに出て行った。

それから少し後の事。

ここは、診療所の近く。

沖田総司は診療所を心配そうに見ている。

少女は沖田総司の前に微笑んで来た。

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。大丈夫？」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「怪我と呼ぶほど酷くないそうです。安心してください。」

沖田総司は少女に申し訳なさそうに話し出す。

「鈴ちゃんに怪我をさせてしまった。鈴ちゃんと逢っていたのに眠ってしまった。本当に申し訳ない。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんはお仕事が忙しくてお疲れになっているのだと思います。私の気遣いが足りないために・・・」

沖田総司は少女の話しを遮ると、悲しそうに話し出す。

「鈴ちゃんは何も悪くないよ。悪いのは私だよ。鈴ちゃんは無理しては駄目だよ。」

少女は沖田総司に小さく頷いた。

沖田総司は少女を心配そうに見た。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女を微笑んで見た。


ここは、京の町。

夜になり雨が降り始めた。

京の町はいつもより暗い夜になっている。

ここは、屯所。

沖田総司の部屋。

沖田総司は寂しそうに雨の降る音を聞いている。

斉藤一は声を掛けずに部屋の中に入ってきた。

沖田総司は斉藤一に苦笑しながら話し出す。

「斉藤さん。夜なので、声を掛けてから部屋に入ってきてくれると嬉しいです。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司が暗くなると、辺りが暗くなり雨が降る。さすが総司だな。」

沖田総司は斉藤一を苦笑した表情で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんの怪我が酷くなくて良かったな。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「はい。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に辛そうに話し出す。

「斉藤さん。実は、何日か前から、山南さんが現れる夢を見続けています。最初の頃は現実と同じ出来事だったのに、少しずつ現実とは違う出来事になっていきました。夢の中に現れる人の行動や発言が、現実の人の行動や発言と違ってきています。鈴ちゃんが私は怒るから嫌だと言いました。山南さんも私が頻繁に怒るから注意すると言いました。山南さんや鈴ちゃんが、私が居ない時に夢と同じ話しをしていたかも知れないと考えると、更に辛くて悲しい状況の夢になっていきました。寝ているのに疲れが増していきました。私のために鈴ちゃんが怪我をしました。私は駄目ですね。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に寂しそうに話し出す。

「なぜ、突然に山南さんが現れる夢を見続けるようになったのでしょうか？」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司にとって山南さんが気になる存在だからだろ。」

沖田総司は考え込んだ。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司が山南さんに囚われているために、美鈴さんは何度も辛い思いをしている。今回の総司は、一人で落ち込んで、一人で悩んで、気が付いたら疲れてしまって、美鈴さんに怪我をさせてしまった。確かに総司は駄目だな。」

沖田総司は斉藤一に悲しそうに話し出す。

「斉藤さんの言う通り、鈴ちゃんに迷惑をたくさん掛けています。夢と似た出来事が起きても不思議ではないですよね。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司は一人ではない。無理をするな。俺の話を忘れるな。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで頷いた。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司に斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は普通の表情のまま、黙って部屋を出て行った。

沖田総司は床に横になると、微笑んで目を閉じた。


ここは、京の町。

青空が広がっている。

沖田総司は笑顔で歩いている。

山南敬助は沖田総司の傍に微笑んで現れた。

沖田総司は山南敬助に笑顔で話し出す。

「山南さん！　今日は明里さんと会うのですか？！」

山南敬助は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は山南敬助に寂しそうに話し出す。

「山南さん。鈴ちゃんに迷惑を掛ける日が増えてしまいました。私は駄目ですね。」

山南敬助は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司は美鈴さんをどのように思っているのですか？」

沖田総司は山南敬助に顔を赤くして話し出す。

「とてもとても大切な友達です。斉藤さんと同じようにとてもとても大切な友達です。」

山南敬助は沖田総司に微笑んで話し出す。

「美鈴さんはとても良い子です。総司にとって、とてもとても大切な友達ならば、とてもとても気遣わないといけませんね。」

沖田総司は顔を赤くしながらも、山南敬助を真剣な表情で見た。

山南敬助は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司は武士で美鈴さんより年上です。総司は美鈴さんをしっかりと守れるはずです。心配せずに過ごしてください。」

沖田総司は山南敬助に笑顔で話し出す。

「山南さん！　ありがとうございます！」

山南敬助は沖田総司を微笑んで見た。


沖田総司は微笑んで目を開けた。

辺りは暗闇に包まれている。
沖田総司は床に横になって寝ている。

ここは、屯所。

沖田総司の部屋。

沖田総司は床の上にゆっくりと体を起した。

床の上に体を起したまま、微笑んで呟いた。

「山南さんと同じ話をした記憶がある。」

床の上に体を起したまま、目を閉じると、微笑んで呟いた。

「山南さん。大切な話を思い出しました。ありがとうございます。」

床の上に体を起したまま、微笑んだ表情で目を開けた。

微笑みながら床に横になると、直ぐに目を閉じた。


ここは、京の町。

曇り空が広がっている。

ここは、季節の花が咲く場所。

沖田総司と少女が居る。

沖田総司は少女を笑顔で見た。

少女は沖田総司に心配そうに話し出す。

「総司さん。無理をしないでください。」

沖田総司が少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。私の心配より自分の心配をしてね。」

少女は手首を振りながら、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。私の手首は・・・」

沖田総司は少女の話しを遮るように、手首を優しく握った。

少女は沖田総司を心配そうに見た。

沖田総司は少女の手を握りながら、心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。無理をしては駄目だよ。」

少女は沖田総司を申し訳なさそうに見た。

沖田総司は少女の手をゆっくりと放すと、微笑んで話し出す。

「いつも迷惑を掛けてごめんね。呆れずに逢ってくれて嬉しいよ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんはしっかりとした方です。呆れたりしません。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。来る途中に紫陽花が咲いていたよね。早く見に行こう。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に笑顔で手を差し出した。

少女は沖田総司の手を微笑んで握った。

沖田総司と少女は、手を繋ぎながら、ゆっくりと歩き出した。




＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の展開や物語の雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。

今回の物語は、沖田総司さんが山南敬助さんへの思いを整理するまでの途中経過だと思ってください。

山南敬助さんが「総司は武士で、美鈴さんより年上」という内容を話す場面があります。

当時の考え方で、年上や武士だと気を遣うのかと疑問を持つ方がいると思います。

例えば、当時も現在と同じように、強い人が弱い人を守るという考え方はあったそうです。

「羊羹（ようかん）」は、江戸時代にはあったお菓子のようですが、当時は高価なお菓子だったとか、一般的には手に入り難いお菓子だったという話しがあります。

この話しを基にして考えると、今回の物語の時間設定では、鈴ちゃんが羊羹を手に入れるより、武士で役職があり高給の沖田総司さんや斉藤一さんが羊羹を手に入れる方がしっくりとくると思います。

今回の物語では、詳細な設定を考えずに物語の中に登場しています。

「短夜」は、「“みじかよ”、または、“たんや”」と読みます。

今回の物語では、「みじかよ」と読んでいます。

「夏の短い夜」という意味です。

紫陽花の時期とは少しずれるかも知れませんが、物語の雰囲気と合うと思い使用しました。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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