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新撰組異聞 〜 風待月から七夜月へ 紫陽花の雫 〜
〜 第三版 〜
今は夏の終わり。
沖田総司が体調を崩してから静養と同じ状態になったため、任務に就く時間が減っている。
ここは、京の町。
空の色が橙色に変わり始めている。
ここは、屯所。
沖田総司の部屋。
沖田総司は寂しい様子で居る。
斉藤一は部屋を普通に訪れた。
沖田総司は斉藤一に困惑して話し出す。
「私が斉藤さんに話すために、部屋まで来てくれてありがとうございます。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司が斉藤一に寂しく話し出す。
「鈴ちゃんと紫陽花を再び観る約束をしました。明日が約束の日です。私は約束を守れない可能性が高いです。斉藤さんから鈴ちゃんに、私が出掛けられない内容を伝えて欲しいと思いました。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司は体調が良ければ、短い時間なら外出している。今日の総司の体調は落ち着いている様子に見える。美鈴さんに明日は逢える可能性がある。」
沖田総司が斉藤一に寂しく話し出す。
「鈴ちゃんは今の私の様子を見たら心配します。私は鈴ちゃんに元気な姿で逢いたいです。明日、突然に元気になると思えません。明日、鈴ちゃんに逢うのは無理だと思います。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「美鈴さんに簡単な理由を書いた詫びの文を用意すれば、美鈴さんも新たな約束の日を待つだろ。」
沖田総司は斉藤一に困惑して話し出す。
「文に書く内容が思い浮かびません。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「美鈴さんと約束した時間と約束した場所を教えてくれ。明日は任務に就いたとしても、美鈴さんに都合を付けて逢う。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「ありがとうございます。斉藤さんは頼りになります。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は寂しい微笑みで軽く息をはいた。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は斉藤一に寂しい微笑みで話し出す。
「斉藤さん。いつも迷惑を掛けてすいません。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司が今の内容を話す人物は、俺ではなく、美鈴さんだ。」
沖田総司は斉藤一を困惑して見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
斉藤一は部屋を普通に出て行った。
翌日の事。
ここは、少女の家。
玄関。
斉藤一は普通に訪れた。
少女は不思議な様子で来た。
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「総司の代わりに迎えに来た。」
少女は斉藤一に不思議な様子で話し出す。
「よろしくお願いします。」
斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。
斉藤一は普通に居なくなった。
少女は不思議な様子で居なくなった。
少し後の事。
ここは、紫陽花が綺麗に咲く場所。
斉藤一は普通に来た。
少女は不思議な様子で来た。
少女は斉藤一に不思議な様子で話し出す。
「総司さんは遅れて来るのですか?」
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「細かい説明を省いて話す。総司には当分の間は逢えないかも知れない。」
少女は斉藤一を寂しく見た。
斉藤一は少女を普通の表情で見た。
少女は斉藤一に寂しく話し出す。
「総司さんはお仕事が忙しくなったのですか?」
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「新撰組の任務は忙しい。総司が美鈴さんに逢えない理由は違う。」
少女は斉藤一に心配して話し出す。
「私は総司さんに失礼な言動をしたのでしょうか?」
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「美鈴さんは総司に失礼な言動をしていない。安心しろ。」
少女は斉藤一に不安な様子で話し出す。
「総司さんに何か遭ったのですね。」
斉藤一少女に普通に話し出す。
「詳細は、総司に確認しろ。」
少女は斉藤一を泣きそうな表情で見た。
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「泣いても状況は変わらない。」
少女は斉藤一に悲しく小さい声で話し出す。
「総司さんに二度と逢えないのでしょうか?」
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「総司は、時間が掛かっても、美鈴さんに必ず逢う。辛くても、総司を信じて待て。」
少女は斉藤一を悲しく見た。
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「総司が約束の日に現れない状況は、今回が初めてなのか。」
少女は斉藤一に悲しく小さい声で話し出す。
「はい。」
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「今後、今回のような出来事が増える可能性が高いと思え。総司に逢えない度に悲しんで落ち込むならば、総司に逢わない決断をしろ。」
少女は斉藤一に悲しく小さい声で話し出す。
「総司さんは、何も教えてくれません。」
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「総司は美鈴さんに何も教えていないのか?」
少女は斉藤一に悲しく小さい声で話し出す。
「はい。」
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「美鈴さん。言い過ぎた。悪かった。」
少女は斉藤一に悲しく小さい声で話し出す。
「大丈夫です。」
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「言い過ぎたが、俺が話した内容は事実だ。」
少女は斉藤一を悲しく見た。
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「総司と一緒に居たいのか?」
少女は斉藤一に悲しく小さい声で話し出す。
「はい。」
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「総司と一緒に居たいと思うならば、逢えない度に泣くのは止めろ。今の内に、先の分も含めて泣け。一人で泣きたいならば、俺は離れた場所で待つ。」
少女は斉藤一に抱き付くと、静かに泣いた。
斉藤一は少女を普通に抱いた。
少し後の事。
ここは、紫陽花が綺麗に咲く場所。
斉藤一は少女を普通の表情で抱いている。
少女は斉藤一に抱き付いて、静かに泣いている。
少女は斉藤一に抱き付いて、静かに泣き止んだ。
斉藤一は少女を普通の表情で抱いている。
少女は斉藤一から悲しい様子でゆっくりと離れた。
斉藤一は少女を普通の表情で見た。
少女は斉藤一に微笑んで話し出す。
「ご迷惑をお掛けしました。」
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「美鈴さんが俺に詫びる言動は無い。」
少女は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「総司は美鈴さんに必ず逢う。総司は騒がしく感じる程に話すが、気が利かないと感じる時が多い。総司は、剣を持つ時には勘の鋭さも気付く早さも天才的に凄いが、剣を持たない時は勘の鈍さも気が付く遅さも天才的に凄い。辛くても、辛抱して待て。」
少女は斉藤一を微笑んで見ている。
斉藤一は少女を普通の表情で見た。
少女は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さんは総司さんをとても理解している様子が分かります。」
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「総司は分かりやすい性格だから、理解する努力が要らない。一緒に居ると楽だ。」
少女は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「少し経つと、紫陽花の季節が終わる。今日は時間に余裕がある。俺に遠慮せずに、紫陽花を楽しんで見ろ。」
少女は斉藤一に微笑んで話し出す。
「総司さんは紫陽花を見られません。私も紫陽花を見ません。総司さんは斉藤さんと私と紫陽花を見たいと話しました。私が斉藤さんと一緒に紫陽花を見たら、総司さんに悪いです。家に帰ります。」
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「家まで送る。」
少女は斉藤一に微笑んで話し出す。
「よろしくお願いします。」
斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。
斉藤一は普通に歩き出した。
少女は微笑んで歩き出した。
暫く後の事。
ここは、京の町。
空の色が橙色に染まり始めた。
ここは、屯所。
沖田総司の部屋。
沖田総司は寂しい様子で居る。
斉藤一は普通に訪れた。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「いろいろと迷惑を掛けてすいません。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一を不思議な様子で見た。
斉藤一は沖田総司の頬を指で思いきり弾いた。
沖田総司が頬を痛い様子で押さえると、斉藤一に大きな声で話し出す。
「斉藤さん! 痛いです! 何をするのですか?!」
斉藤一が沖田総司に普通に話し出す。
「総司は鈍過ぎる。」
沖田総司は頬を痛い様子で押さえて、斉藤一を怪訝な様子で見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「美鈴さんに早く逢え。」
沖田総司は頬を痛い様子で抑えて、斉藤一に真剣な表情で話し出す。
「はい。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は頬を痛い様子で抑えて、斉藤一を怪訝な様子で見た。
斉藤一は部屋を普通に出て行った。
幾日か後の事。
ここは、少女の家。
玄関。
沖田総司は微笑んで訪れた。
少女は不安な様子で来た。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。久しぶり。約束をしないで突然に尋ねてご免ね。時間に余裕があれば、出掛けながら話そう。」
少女は沖田総司に心配な様子で小さい声で話し出す。
「はい。」
沖田総司は少女を微笑んで見た。
沖田総司は微笑んで居なくなった。
少女は心配な様子で居なくなった。
少し後の事。
ここは、紫陽花の咲く場所。
紫陽花の見頃は終り掛けている。
遅く咲いた紫陽花は、綺麗な姿で咲いている。
沖田総司は微笑んで来た。
少女は心配な様子で来た。
沖田総司は少女を心配な様子で見た。
少女も沖田総司を心配な様子で見た。
沖田総司は少女に不安な様子で話し出す。
「鈴ちゃん。約束の日に逢えなくてご免ね。約束の日から幾日も逢えない日が続いてご免ね。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さんは忙しいです。気にしないでください。」
沖田総司は少女に不安な様子で話し出す。
「斉藤さんから何も聞いていないの?」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「斉藤さんは総司さんに詳しい内容を尋ねるように話しました。私は斉藤さんから詳しい内容は聞いていません。」
沖田総司は少女に申し訳なく話し出す。
「鈴ちゃん。今後は約束をしっかりと守るよ。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さんは忙しいです。私のために気を遣わないでください。」
沖田総司は少女に真剣な表情で話し出す。
「私は偉い身分ではない。私と鈴ちゃんの間に主従関係は無い。鈴ちゃん。自分を低く話したら駄目だよ。」
少女は沖田総司を不安な様子で見た。
沖田総司は少女に困惑して話し出す。
「私が悪いのに、言い過ぎた。ご免ね。」
少女は沖田総司を見ながら静かに泣き出した。
沖田総司は少女を抱くと、少女に心配して話し出す。
「鈴ちゃん。ご免ね。約束したのに逢えなかった。今後は、しっかりと約束を守るよ。言い過ぎた。ご免ね。」
少女は沖田総司を見ながら、静かに泣いている。
沖田総司は少女を抱いて、少女に悲しく話し出す。
「連絡せずに待たせてご免ね。私に伝えたい想いがあれば、遠慮せずに話して。鈴ちゃん。ご免ね。」
少女は沖田総司に静かに泣いて話し出す。
「総司さんの心配事を増やしてしまいました。ごめんなさい。」
沖田総司は少女を抱いて、少女に悲しく話し出す。
「鈴ちゃんは悪くないよ。悪いのは、私だよ。」
少女は沖田総司を見ながら、静かに泣き止んだ。
沖田総司は少女を抱いて、少女を安心した表情で見た。
少女は沖田総司を不安な様子で見た。
沖田総司を抱いて、少女に申し訳なく話し出す。
「鈴ちゃん。ご免ね。」
少女は沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は少女を抱いて、少女に微笑んで話し出す。
「紫陽花の咲く場所に来た。紫陽花を一緒に観よう。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「はい。」
沖田総司は少女を優しく離すと、少女を微笑んで見た。
少女は沖田総司と紫陽花を微笑んで見た。
沖田総司も少女と紫陽花を微笑んで見た。
紫陽花の見頃は終わり掛けているため、全体的に色あせている。
遅く咲いた紫陽花だけが、見頃になって鮮やかに咲いている。
沖田総司は少女を見ると、少女に残念な様子で話し出す。
「紫陽花の季節は終わりに近付いているね。」
少女は沖田総司を見ると、沖田総司に寂しく話し出す。
「はい。」
沖田総司は辺りを何かを探すように見た。
少女は沖田総司を不思議な様子で見た。
沖田総司は前を指すと、少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。紫陽花が見頃になって咲く場所がある。」
少女は沖田総司の指す先を微笑んで見た。
沖田総司は前を差すのを止めると、少女を微笑んで見た。
少女は沖田総司を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。
「はい。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。近くで観よう。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「はい。」
沖田総司は少女の手を微笑んで握った。
少女も沖田総司の手を微笑んで握った。
沖田総司は少女の手を握り、微笑んで歩き出した。
少女の沖田総司の手を握り、微笑んで歩き出した。
僅かに後の事。
ここは、沖田総司が指した紫陽花の咲く場所。
紫陽花は僅かな場所に集まるようにして見頃になって咲いている。
沖田総司は少女の手を握り、微笑んで来た。
少女も沖田総司の手を握り、微笑んで来た。
少女は沖田総司の手を握り、紫陽花を微笑んで見た。
沖田総司は少女の手を握り、少女と紫陽花を微笑んで見た。
少女は沖田総司の手を握り、沖田総司を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。
「紫陽花が綺麗に咲いています。」
沖田総司は少女の手を握り、少女に微笑んで頷いた。
少女は沖田総司の手を握り、沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は少女の手を握り、少女に心配して話し出す。
「鈴ちゃん。今後も逢ってくれるかな?」
少女は沖田総司の手を握り、沖田総司に微笑んで話し出す。
「はい。」
沖田総司は少女の手を握り、少女に安心して話し出す。
「良かった〜 嫌だから逢いたくない返事だった時を想像して、不安になっていたんだ〜」
少女は沖田総司の手を握り、沖田総司に微笑んで話し出す。
「私は総司さんに逢いたくないと思った時は無いです。」
沖田総司は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんも斉藤さんも、優しい。良かった。」
少女は沖田総司の手を握り、沖田総司に微笑んで話し出す。
「斉藤さんは頼りになる優しい人物です。」
沖田総司は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんも私と同じく感じているんだ。嬉しいな。」
少女は沖田総司の手を握り、沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。紫陽花の次に観たい花を教えて。」
少女は沖田総司の手を握り、沖田総司に微笑んで話し出す。
「蓮の花が観たいです。」
沖田総司は少女の手を握り、沖田総司に微笑んで話し出す。
「分かった。詳しい話は別な機会に話そうね。」
少女は沖田総司の手を握り、沖田総司に微笑んで話し出す。
「はい。」
沖田総司は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。戻る時間が近付いているね。」
少女は沖田総司の手を握り、沖田総司に微笑んで話し出す。
「はい。」
沖田総司は少女の手を握り、辺りを困惑した様子で見た。
少女は沖田総司の手を握り、沖田総司を不思議な様子で見た。
沖田総司は少女の手を握り、少女を見ると、少女に恥ずかしく話し出す。
「戻る道が分からなくなってしまった。」
少女は沖田総司の手を握り、沖田総司に微笑んで話し出す。
「戻る道を覚えています。大丈夫です。」
沖田総司は少女の手を握り、少女に恥ずかしく話し出す。
「鈴ちゃん。お願いします。」
少女は沖田総司の手を握り、沖田総司を微笑んで見た。
少女は沖田総司の手を握り、微笑んで歩き出した。
沖田総司は少女の手を握り、苦笑して歩き出した。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の再改訂版です。
改訂前の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上、ご了承願います。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。
この物語の沖田総司さんが体調を崩している時期は、「池田屋事変」を基にしました。
沖田総司さんと鈴ちゃんがこの頃に親しく過ごしていれば、このような出来事が起きる可能性があると思って書きました。
この物語の時間設定では、沖田総司さんは鈴ちゃんに自分の体調について話していません。
沖田総司さんが自分の体調について話すのは、先の時期の設定です。
この物語は、旧暦の月に合わせて題名を考えました。
「池田屋事変」が起きたのは旧暦の「六月(現在の暦の七月頃)」です。
沖田総司さんが鈴ちゃん会いに行ったのも同月の六月として書きました。
季節も時も移り変わる様子も含めて題名を考えました。
「風待月」、「七夜月」、「紫陽花の雫」は、鈴ちゃんをイメージして考えました。
「風待月(かぜまちづき)」は「陰暦六月の異称」です。
「七夜月(ななよづき)」は「陰暦七月の異称」です。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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