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新撰組異聞 〜 夏椿 〜
〜 改訂版 〜
ここは、京の町。
梅雨が終わり掛けている。
今日は曇り空だが雨の降る心配のない空模様となっている。
ここは、沖田総司と少女が良く訪れる寺。
寺の中。
縁の傍。
沖田総司と少女は、一緒に居る。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんが見たい珍しい花は何かな?」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「“海芋”が見たいです。」
沖田総司は少女に不思議そうに話し出す。
「かいう?」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「“海芋”は、“海”、“芋”と書きます。白色と黄色の綺麗な花が咲くそうです。異国の花だと聞きました。」
沖田総司は少女に不思議そうに話し出す。
「鈴ちゃんは芋の花が見たいの?」
少女は沖田総司に考え込みながら話し出す。
「聞いただけなので詳しくは分かりませんが、海芋は食べないそうです。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「白色と黄色の花なんだ。早く見てみたいね。」
少女は沖田総司に微笑んで頷いた。
子供達が寺の中に笑顔で入ってきた。
沖田総司は子供達に笑顔で話し出す。
「みんな! こんにちは!」
少女は子供達を微笑んで見た。
子供達は沖田総司と少女に笑顔で話し出す。
「総司お兄ちゃん! お姉ちゃん! こんにちは!」
沖田総司は子供達を笑顔で見た。
少女は子供達を微笑んで見ている。
子供達はお参りをすると、直ぐに居なくなろうとした。
沖田総司は子供達を不思議そうに見た。
「みんな。もう行くの?」
子供達は沖田総司に微笑んで話し出す。
「約束していないのに僕達と話しをしたら姉ちゃんに悪いよ。」
「僕達はお参りに来ただけだから、お姉ちゃんと遠慮しないで話してね。」
少女は子供達を恥ずかしそうに見た。
沖田総司は少女と子供達を不思議そうに見た。
子供達は元気良く去って行った。
沖田総司は少女を見ると、微笑んで話し出す。
「子供達は遠慮しているみたいだね。」
少女は沖田総司を見ると、恥ずかしそうに頷いた。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんは私の大切な友達だから子供達が遠慮したのかな?」
少女は沖田総司を僅かに寂しそうに見た。
沖田総司は少女に心配そうに話し出す。
「私はまた鈴ちゃんを困らせる話しをしたんだね。ごめんね。」
少女は沖田総司を見ながら、微笑んで小さく首を横に振った。
沖田総司は少女を安心した表情で見た。
その翌日の事。
ここは、京の町。
陽がゆっくりと落ち始めている。
沖田総司は不逞浪士を冷たい表情で追い掛けている。
不逞浪士は沖田総司から必死の形相で逃げている。
不逞浪士の前に壁が見えた。
壁の近くには夏椿が咲いている。
不逞浪士は立ち止まると、恐怖の表情で振り向いた。
沖田総司は冷たい表情のまま、不逞浪士を塞ぐように立った。
不逞浪士は沖田総司を恐怖の表情で見た。
沖田総司は刀を素早く抜くと同時に、不逞浪士を冷たい表情で斬った。
不逞浪士は恐怖の表情のまま、傍に咲く夏椿に血を付けて、地面へと崩れ落ちた。
沖田総司は刀を持ちながら、不逞浪士と夏椿を冷たい表情で見た。
不逞浪士は恐怖の表情を残したまま、事切れた状態で地面に倒れている。
夏椿の白い花が僅かに赤くなっている。
沖田総司は刀を持ちながら、冷たい表情で辺りを見回した。
ちょうど同じ頃。
ここは、京の町。
不逞浪士が必死の形相で走っている。
不逞浪士の前に壁が見えた。
不逞浪士は立ち止まると、後ろを必死の形相で見た。
不逞浪士の前に、斉藤一が普通の表情で現れた。
不逞浪士は斉藤一を恐怖の表情で見た。
斉藤一は素早く刀を抜くと、不逞浪士を普通の表情で一突きにした。
不逞浪士は恐怖の表情のまま、地面へと崩れ落ちた。
斉藤一は刀を持ちながら、辺りを普通の表情で見回した。
夏椿の傍に、不逞浪士が息を潜めるようにして隠れている姿が見えた。
斉藤一は普通の表情で刀を持ちながら、不逞浪士の前に静かに来た。
不逞浪士は斉藤一を恐怖の表情で見た。
斉藤一は普通の表情のまま、素早い動きで不逞浪士を斬った。
不逞浪士は恐怖の表情のまま、夏椿の花に血を付けて、地面へと崩れ落ちた。
斉藤一は刀を持ちながら、不逞浪士達と夏椿を普通の表情で見た。
沖田総司が斉藤一の傍に冷たい表情で現れた。
斉藤一は刀を持ちながら、沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は夏椿と地面に倒れている不逞浪士達を冷たい表情で見た。
不逞浪士達は恐怖の表情を残しながら、事切れた状態で地面に倒れている。
夏椿の白い花が僅かに赤くなっている。
沖田総司は冷たい表情のまま、急いでその場を後にした。
斉藤一は普通の表情のまま、急いでその場を後にした。
その翌日の事。
ここは、沖田総司と少女が何度か訪れた事のある寺。
境内。
沖田総司と少女は、一緒に居る。
沖田総司と少女の前には、夏椿が咲いている。
沖田総司は夏椿を指すと、少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。白色の椿のような花の名前は何というのかな?」
少女は沖田総司の指す夏椿を見ると、微笑んで話し出す。
「“夏椿”と言います。」
沖田総司は指すのを止めると、少女を微笑んで見た。
少女は沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は夏椿を見ると、少女に微笑んで話し出す。
「花びらの一部が赤色になっている夏椿があるね。綺麗だね。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「花びらの一部が赤くなっているのは、見頃を僅かに過ぎていると思います。」
沖田総司は少女に恥ずかしそうに話し出す。
「夏椿は何種類かあると思ったけど違うんだ。」
少女は沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は夏椿を恥ずかしそうに見た。
少女は沖田総司を微笑んで見ている。
沖田総司は夏椿を見ながら、何かを思い出した表情になった。
少女は沖田総司を不思議そうに見た。
沖田総司は夏椿を見ながら、少女に考え込みながら話し出す。
「昨日の夕方の斬り合いの最中に、夏椿に良く似た花を見たんだ。もしかしたら、夏椿かも知れない。僅かな時間しか見ていないけれど、斉藤さんなら分かると思うんだ。」
少女は沖田総司の腕を辛そうに掴んだ。
沖田総司は少女を慌てた様子で見た。
少女は沖田総司の腕を掴みながら、辛そうにしている。
沖田総司は少女に心配そうに話し出す。
「鈴ちゃん。深く考えずに話してしまってごめんね。」
少女は沖田総司の腕を掴みながら、辛そうな表情で小さく首を横に振った。
沖田総司は少女に心配そうに話し出す。
「鈴ちゃん。寺の中で休もう。」
少女は沖田総司の腕を掴みながら、辛そうな表情で小さく頷いた。
沖田総司は少女を気遣いながら、ゆっくりと歩き出した。
少女は沖田総司の腕を掴みながら、辛そうな様子のまま、ゆっくりと歩き出した。
それから少し後の事。
ここは、寺の中。
縁の傍。
沖田総司は少女をゆっくりと座らせた。
少女は辛そうな様子のまま、ゆっくりと座った。
沖田総司は少女を抱きしめると、悲しそうに話し出す。
「辛い思いをさせてしまってごめんね。」
少女は辛そうな様子のまま、沖田総司に小さい声で話し出す。
「総司さんのお仕事中に、近くに咲いていた夏椿が赤くなったのですね。」
沖田総司は少女を抱きながら、悲しそうに話し出す。
「辛くて嫌な出来事を思い出させてしまってごめんね。」
少女は辛そうな様子のまま、沖田総司に小さい声で話し出す。
「総司さんは悪くありません。突然に調子の悪くなった私が悪いです。」
沖田総司は少女を抱きながら、悲しそうに話し出す。
「鈴ちゃんは悪くないよ。辛くて当然だよ。自分を責めたら駄目だよ。」
少女は辛そうな様子のまま、沖田総司に小さい声で話し出す。
「何度も調子が悪くなっていたら、私と逢いたくない気持ちになりますよね。」
沖田総司が少女を抱きながら、微笑んで話し出す。
「私は鈴ちゃんと逢うのがとても楽しみだよ。私が楽し過ぎて張り切り過ぎるために、鈴ちゃんに迷惑を掛けているよね。鈴ちゃんが私と逢いたくない気持ちになったらどうしようと何度も思ってしまうんだ。鈴ちゃんと私は同じだね。」
少女は辛そうな様子ではあるが、僅かに安心した表情になった。
沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。疲れたよね。私は傍にいるから、遠慮せずに寝て良いよ。」
少女は沖田総司に小さく頷くと、ゆっくりと目を閉じた。
沖田総司は少女を優しく抱きしめた。
それから少し後の事。
ここは、寺の中。
縁の傍。
沖田総司は少女を優しく抱いている。
少女は僅かに落ち着いた様子で寝ている。
少女はゆっくりと目を開けると、辺りを確認するように見た。
沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで様子を確認した。
少女は沖田総司に申し訳なさそうに話し出す。
「調子が悪くなって寝てばかりいます。申し訳ありません。」
沖田総司は少女をゆっくりと放すと、微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんは私を気遣ってくれるよ。鈴ちゃんは悪くないのだから、謝る必要はないよ。」
少女は沖田総司を安心した表情で見た。
沖田総司は少女を微笑んで見た。
それから暫く後の事。
ここは、京の町。
夜空には月と星の輝きが見える。
ここは、屯所。
斉藤一の部屋。
沖田総司は考え込みながら訪ねてきた。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。海芋という名前の花を知っていますか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「名前は知っているが、実際に見ていない。」
沖田総司は斉藤一に困惑した様子で話し出す。
「鈴ちゃんが海芋を見たいそうです。海芋は異国の花だと聞きました。海芋の咲く場所が見付かりません。斉藤さんなら海芋の咲く場所を知っていると思って相談に来ました。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「海芋は珍しい花だと思う。焦らずに探した方が良いと思う。」
沖田総司は斉藤一に悲しそうに話し出す。
「鈴ちゃんが私のために無理をして調子が悪くなる時があります。私のために無理をして調子が悪くなる鈴ちゃんを見ているのは、辛くて悲しいです。鈴ちゃんのたくさんの笑顔が見たいです。」
斉藤一は沖田総司に考える仕草を見せながら話し出す。
「海芋が咲く場所が近くにあるかも知れない。確認するから少し待っていてくれ。」
沖田総司は斉藤一に抱き付くと、嬉しそうに話し出す。
「斉藤さん! ありがとうございます!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。海芋の咲く様子が見付かった訳ではない。喜ぶのは確認が取れてからにしろ。」
沖田総司は斉藤一に抱き付きながら、嬉しそうに話し出す。
「斉藤さんは凄い人です! 大好きです!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「褒めてくれるのは嬉しいが、男から好きと言われるのと男に抱き付かれるのは嬉しくない。」
沖田総司は斉藤一に嬉しそうに抱きついている。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。美鈴さんを何度も抱いていると言ったな。」
沖田総司は斉藤一に抱き付きながら、不思議そうに話し出す。
「はい。鈴ちゃんが辛くて倒れそうな時に、心配なので抱いています。後は、物凄く嬉しい時に、思わず抱いてしまいます。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「何度も抱いたとしても、何もせずに放すんだろ。」
沖田総司は斉藤一に抱き付きながら、不思議そうに話し出す。
「はい。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司は俺に何度も抱き付くし何度も好きと言うよな。女性にも同じように出来るよな。」
沖田総司は斉藤一から離れると、恥ずかしそうに話し出す。
「土方さんが取る行動のようですね。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司には土方さんのような行動や発言は出来ない。次元の高い相手の名前を出すな。」
沖田総司は斉藤一に恥ずかしそうに話し出す。
「確かに土方さんは次元が高すぎですよね。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「美鈴さんが大切な友達ならば、俺と同じように好きと言って抱き付けるよな。」
沖田総司は顔を赤くして斉藤一を見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「今の俺にしたように、美鈴さんに笑顔で抱き付いて好きと言うだけだ。出来るよな。」
沖田総司は顔を赤くして斉藤一を見ている。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に顔を赤くして話し出す。
「先程の斉藤さんへの行動を鈴ちゃんにしたら、鈴ちゃんが会ってくれなくなります。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「美鈴さんは総司に何度も会う。安心しろ。」
沖田総司は顔を赤くしながら、斉藤一に大きな声で話し出す。
「大切な友達の鈴ちゃんに、そのような行動や発言は絶対に出来ません! 私は鈴ちゃんと何度も何度も逢いたいから、そのような行動や発言は絶対に出来ません! 斉藤さんは嘘つきです!」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は顔を赤くしたまま、部屋から物凄い勢いで出て行った。
斉藤一は一瞬だけ僅かに呆れた表情になったが、直ぐに普通の表情に戻った。
それから数日後の事。
ここは、京の町。
落ち着いた雰囲気の寺。
境内。
斉藤一は普通の表情で居る。
沖田総司と少女が、斉藤一の傍に現れた。
斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「斉藤さん! 早いですね!」
少女は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。こんにちは。」
斉藤一は沖田総司と少女に普通の表情で頷いた。
沖田総司は前を指すと、少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。見て。」
少女は沖田総司が指した方向を微笑んで見た。
沖田総司は指すのを止めると、少女を微笑んで見た。
少女は沖田総司を見ると、微笑んで話し出す。
「水辺に白色の珍しい花が咲いていますね。初めて見ました。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「水辺に咲いている珍しい花が海芋だよ。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「海芋を近くで見たいです。」
沖田総司は少女を微笑んで見た。
少女は沖田総司の手を微笑んで取った。
沖田総司は少女を微笑んで見た。
少女は沖田総司の手を放すと、恥ずかしそうに話し出す。
「すいません。」
沖田総司は少女の手を取ると、微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。海芋を近くで早く見よう。」
少女は沖田総司に微笑んで頷いた。
沖田総司と少女は、手を握りながら、微笑んで歩き出した。
斉藤一は普通に歩き出した。
それから僅かに後の事。
ここは、境内。
海芋の咲く場所。
沖田総司、斉藤一、少女は、一緒に居る。
少女は海芋を笑顔で見ている。
沖田総司は少女を笑顔で見ている。
斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見ている。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。海芋の花は黄色い部分なんだって。」
少女は沖田総司を見ると、微笑んで話し出す。
「総司さんは物知りですね。」
沖田総司は少女を恥ずかしそうに見た。
少女は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。
「海芋が見られてとても嬉しいです。ありがとうございます。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出そうとした。
斉藤一は沖田総司が話し出す前に、少女に普通に話し出す。
「総司が美鈴さんのために探したんだ。」
沖田総司は斉藤一を不思議そうに見た。
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さん。ありがとうございます。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんに喜んでもらえて嬉しいよ。」
少女は海芋を笑顔で見た。
沖田総司は少女の様子を気にしながら、斉藤一に囁いた。
「斉藤さんが海芋に関する確認や見られるように交渉までしてくれたんですよね。私が一人で見付けたように話して良いのですか?」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で囁いた。
「今の美鈴さんには、総司が海芋を見付けた設定にした方が良いと考えて話した。だが、美鈴さんは俺が海芋を見付けたと気付いているかも知れない。その時はその時だ。」
沖田総司は斉藤一を僅かに困惑した様子で見た。
斉藤一は沖田総司に普通の表情で囁いた。
「美鈴さんが海芋を見て嬉しそうにしているんだ。細かい状況は気にするな。」
沖田総司は斉藤一に僅かに困惑した様子で頷いた。
少女は沖田総司と斉藤一を見ると、微笑んで話し出す。
「総司さん。斉藤さん。海芋を見ながらたくさんお話しをしたいです。」
沖田総司は少女に微笑んで頷いた。
斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。
少女は沖田総司と少女を微笑んで見た。
それから数日後の事。
ここは、沖田総司、斉藤一、少女が、数日前に訪れた寺。
境内。
海芋が咲く場所。
斉藤一と少女は、一緒に居る。
少女は斉藤一に微笑んで話し出す。
「私のために海芋が見られるように手配して頂いてありがとうございました。」
斉藤一は少女を普通の表情で見た。
少女は斉藤一に申し訳なさそうに話し出す。
「私は総司さんや斉藤さんに迷惑をたくさん掛けています。これからは更に気を付けます。」
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「総司は美鈴さんが笑顔で楽しむ姿を見たいから、総司なりに出来る行動をしている。俺は総司を手伝っただけだ。総司も俺も美鈴さんを迷惑だと思っていない。心配するな。」
少女は斉藤一を微笑んで見た。
沖田総司が斉藤一と少女の傍に元気良く現れた。
少女は沖田総司を笑顔で見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に訝しげに話し出す。
「斉藤さん。鈴ちゃんを困らせていませんよね。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
少女は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。
「総司さんに見付けて頂いた海芋は、今日も綺麗に咲いています。海芋を見ながらたくさんお話しがしたいです。」
沖田総司は少女に微笑んで頷いた。
斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。
少女は沖田総司と斉藤一を微笑んで見た。
海芋は黄色の花と白色の苞を水面に映しながら綺麗に咲いている。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の改訂版です。
改訂前の物語や展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上の点、ご了承願います。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。
「夏椿(なつつばき)」(ツバキ科)は、現在の暦で6月〜7月頃に掛けて咲きます。
白色の花びらのふちが、ぎざぎざと波打っているのが特長です。
「海芋(かいう)」(サトイモ科)の別名は「カラー」といいます。
幕末頃にオランダから渡来したそうです。
私は切花になっているカラーを見る機会が多いです。
植わっている姿を始めて見た時もたまに見る時も、不思議な感じがします。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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