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新撰組異聞 〜 七夕月の頃 〜
〜 改訂版 〜
少し経つと七月になろうとする頃の事。
ここは、京の町。
お雪の家。
近藤勇はお雪の元を訪れている。
ここは、お雪の家に在る一室。
近藤勇とお雪は、一緒に居る。
お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。
「近藤先生と一緒に七夕を行いたいです。七夕当日までにご都合の良い日はありますか?」
近藤勇はお雪に困惑した様子で話し出す。
「都合の良い日は直前にならないとはっきりとしない。分かったら直ぐに連絡する。」
お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。
「分かりました。先生のご都合が付いた時にご連絡してください。」
近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。
「お雪。私以外に七夕を一緒に行いたい人はいるか?」
お雪は近藤勇を不思議そうに見た。
近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。
「七夕を一緒に行ないたい人がいたら教えてくれ。直ぐに笹などの用意をしよう。」
お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。
「仲の良い女の子がいます。その女の子と一緒に七夕を行いたいです。」
近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。
「笹などの手配をしておく。必要な物があれば遠慮なく言ってくれ。」
お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。
「お気遣いありがとうございます。」
近藤勇はお雪に微笑んで頷いた。
それから数日後の事。
ここは、お雪の家。
玄関。
沖田総司はお雪の元を微笑んで訪れた。
お雪は沖田総司の前に微笑んで現れた。
沖田総司は文と小さな包みをお雪に差し出すと、微笑んで話し出す。
「こんにちは。近藤さんから文と七夕の準備のためのお金を預かりました。」
お雪は沖田総司から文と小さな包みを受け取ると、微笑んで話し出す。
「わざわざ来て頂いてありがとうございます。」
沖田総司はお雪に不思議そうに話し出す。
「近藤さんが、お雪さんが誰かと一緒に七夕を行うので、手伝うように言われました。私一人で間に合わなければ、斉藤さんに手伝うように話しをするそうです。」
お雪は文と小さな包みを懐に丁寧に仕舞うと、沖田総司に微笑んで話し出す。
「美鈴さんと一緒に七夕を行いたいと思いました。沖田さんは美鈴さんと親しいので、美鈴さんのご都合を確認して頂けると嬉しいです。」
沖田総司はお雪に微笑んで話し出す。
「分かりました。鈴ちゃんに確認をしてきます。」
お雪は沖田総司に微笑んで話し出す。
「暗い時間に二人では不安ですし、美鈴さんの行き帰りの心配があります。美鈴さんのご家族の方が心配されると思います。差し支えなければ、沖田さんと斉藤さんもご一緒して頂けると嬉しいです。」
沖田総司はお雪に微笑んで話し出す。
「私は近藤さんから許しをもらえれば、七夕に参加したいです。斉藤さんも私と同じ気持ちだと思います。近藤さんと斉藤さんには、私から話しをしておきます。」
お雪は沖田総司に微笑んで話し出す。
「ありがとうございます。」
沖田総司はお雪を微笑んで見た。
それから少し後の事。
ここは、京の町。
少女の家。
沖田総司が少女の元を訪れている。
ここは、少女の部屋。
沖田総司と少女は、一緒に居る。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「お雪さんが鈴ちゃんと一緒に七夕を行いたいと話していたんだ。鈴ちゃんの送り迎えは私が就くから心配しなくていいよ。差し支えなければ、私と斉藤さんも参加しても良いかな?」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「みなさんと一緒に七夕を行なえて嬉しいです。私はいつでも大丈夫です。みなさんのご都合に合わせて決めてください。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「斉藤さんに予定を確認するね。予定が決まったら、直ぐに連絡するね。」
少女は沖田総司に微笑んで頷いた。
それから少し後の事。
ここは、屯所。
斉藤一の部屋。
斉藤一は普通の表情で机に向かっている。
沖田総司が笑顔で入ってきた。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に恥ずかしそうに話し出す。
「すいません。任務中でしたね。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「少しの時間なら構わない。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「お雪さんと鈴ちゃんが七夕を行うそうです。私は鈴ちゃんの送り迎えと手伝いを兼ねて参加する予定です。斉藤さんも一緒に七夕を行いませんか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「俺は誘われていないだろ。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「お雪さんと鈴ちゃんは、私や斉藤さんと一緒に七夕を行うのが楽しみだと話していました。私が近藤さんに話しをして、斉藤さんも参加する許しをもらいました。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「分かった。俺も参加する。七夕はいつ行なうんだ?」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「私と斉藤さんの都合の良い日にしましょう。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
それから何日か後の事。
沖田総司、斉藤一、お雪、少女が、七夕を行う日となった。
ここは、京の町。
朝から良い天気が続き、今の空は綺麗な橙色に染まっている。
ここは、お雪の家。
斉藤一とお雪は、七夕の準備をしている。
ここは、玄関。
沖田総司と少女が、楽しそうに訪れた。
お雪は沖田総司と少女の元に微笑んで現れた。
少女はお雪に微笑んで話し出す。
「こんばんは。よろしくお願いします。」
お雪は少女に微笑んで話し出す。
「こちらこそよろしくお願いします。」
少女はお雪に微笑んで話し出す。
「七夕の準備のお手伝いをさせてください。」
お雪は少女に微笑んで話し出す。
「美鈴さんはお客様だから気を遣わないで。準備が出来るまで、沖田さんと二人で休んでいてください。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。来たばかりで少し疲れたよね。一緒に少し休もう。」
少女は沖田総司に微笑んで頷いた。
沖田総司、お雪、少女は、家の中へと入って行った。
それから少し後の事。
ここは、京の町。
たくさんの星が綺麗に輝いている。
ここは、お雪の家。
家に在る庭。
少し大きめの笹に、短冊やたくさんの飾りが飾ってある。
沖田総司と少女は、楽しそうに話しをしている。
ここは、家に在る縁。
斉藤一とお雪は、一緒に座っている。
お雪は斉藤一の杯に微笑んで酌をした。
斉藤一はお雪に軽く礼をすると、杯の酒を普通の表情で飲んだ。
沖田総司は斉藤一とお雪の傍に、苦笑しながら来た。
お雪は沖田総司を微笑んで見た。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に苦笑しながら話し出す。
「斉藤さん。良く考えたら、七夕というのは、笹と美味しい食べ物や酒がある以外は、普段と大きな違いはありませんね。」
斉藤一は杯の酒を飲み終わると、沖田総司に普通に話し出す。
「他に何か希望があるのか? もしかして七夕にちなんだ歌を詠みたくなったのか?」
沖田総司は斉藤一に苦笑しながら話し出す。
「いいえ。既にとても楽しい七夕を過ごしています。歌を詠むのは遠慮させてください。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一を苦笑しながら見た。
お雪は沖田総司に微笑んで話し出す。
「沖田さんもお酒を召し上がられますか?」
沖田総司はお雪に微笑んで話し出す。
「私は遠慮させてください。」
お雪は沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。私の分の酒を代わりに飲んでも良いですよ。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司の分の酒を味わって飲まさせてもらう。」
お雪は斉藤一の杯に微笑んで酌をした。
斉藤一はお雪に軽く礼をすると、杯の酒を普通の情で飲み始めた。
沖田総司は少女の元へと微笑んで歩いて行った。
斉藤一とお雪の二人となった。
お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。
「沖田さんがお酒を飲まないのは、美鈴さんが一緒に居るからですよね。」
斉藤一は杯の酒を飲み終わると、お雪に普通の表情で軽く礼をした。
お雪は斉藤一の耳元に顔を近づけると、微笑んで何かを囁いた。
斉藤一はお雪の囁く内容を普通の表情で聞いている。
ちょうど同じ頃。
ここは、家に在る庭。
沖田総司は少女の元に微笑んで来た。
少女は沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司が少女に微笑んで話し出す。
「星が綺麗に輝いているね。」
少女は沖田総司に微笑んで頷いた。
沖田総司は少女を微笑んで見た。
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「織姫様と彦星様も、星を見ながら楽しくお話しをしていますよね。とても羨ましいです。」
沖田総司は少女を不思議そうに見た。
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「でも、私は好きな人と一年に一回しか逢えないのは寂しいです。だから、毎日をしっかりと過ごしたいと思います。」
沖田総司は少女を不思議そうに見ている。
少女は沖田総司に申し訳なさそうに話し出す。
「すいません。一人ではしゃぎすぎました。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「楽しんでいる鈴ちゃんを見ていると、私も楽しくなるよ。だから、今の私はとても楽しいよ。」
少女は沖田総司を安心した様子で見た。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんは短冊に願い事を書いた?」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「はい。総司さんも短冊にお願い事を書きましたか?」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「私も既に短冊に願い事を書いたよ。鈴ちゃんは短冊にどのような願い事を書いたの?」
少女は沖田総司を恥ずかしそうに見た。
沖田総司は大きめの笹に飾ってある短冊を楽しそうに見た。
少女は沖田総司を困惑した様子で見た。
沖田総司は大きめの笹に飾ってある短冊を楽しそうに見ている。
少女は沖田総司に困惑した様子で話し出す。
「総司さん。恥ずかしいです。」
沖田総司は大きめの笹に飾ってある短冊を見ながら、少女に微笑んで話し出す。
「私の書いた短冊も見せてあげるよ。だから、鈴ちゃんの書いた短冊を教えて。」
少女は沖田総司の腕を困惑した表情で軽く掴んだ。
沖田総司は少女を微笑んで見た。
少女は沖田総司の腕を掴みながら、今にも泣きそうな声で話し出す。
「総司さん。恥ずかしいです。」
沖田総司は少女に申し訳なさそうに話し出す。
「ごめんね。調子に乗り過ぎた。」
少女は沖田総司の腕を掴みながら、悲しそうに下を向いた。
沖田総司は少女に心配そうに話し出す。
「鈴ちゃん。ごめんね。泣かないで。」
少女は沖田総司の腕を掴みながら、悲しそうに下を向いている。
沖田総司は少女に心配そうに話し出す。
「鈴ちゃんが短冊に書いた願い事が、とても気になったんだ。鈴ちゃんは短冊に書いた願い事を知られたくないのだろ。それに、人の願い事を見るのは、調子に乗り過ぎだよね。私はいつも調子に乗り過ぎてしまう。これからは気を付けるね。」
少女は沖田総司の腕を掴んで、下を向いたまま、小さい声で話し出す。
「総司さん。私が短冊に書いたお願い事を見ても構いません。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんの短冊に書いた願い事は見ないよ。鈴ちゃんの願い事が早く叶うと良いね。」
少女は沖田総司の腕を掴みながら、顔を上げると、恥ずかしそうに頷いた。
沖田総司は少女に笑顔で話し出す。
「良かった〜! 鈴ちゃんの笑顔が見られた〜! 嬉しいな〜!」
少女は沖田総司の腕を掴みながら微笑んだ。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。織姫星と彦星を教えてくれる?」
少女は沖田総司の腕を離すと、微笑んで頷いた。
沖田総司は少女を微笑んで見た。
少女は夜空を微笑んで指した。
沖田総司は夜空を微笑んで見た。
ちょうど同じ頃。
ここは、家の中に在る一室。
障子が半分ほど開いている。
斉藤一とお雪は、沖田総司と少女を一緒に見ている。
斉藤一は沖田総司と少女を見ながら、お雪に普通に話し出す。
「滅多にない程の良い機会だったのに、美鈴さんを泣かせそうになったために、普段どおりの雰囲気になりましたね。」
お雪は沖田総司と少女を見ながら、斉藤一に微笑んで話し出す。
「沖田さんは美鈴さんの願い事が、とても気になるのですね。」
斉藤一はお雪を見ると、普通に話し出す。
「短冊は誰かに見られる可能性があるから、願い事の内容は限られてしまいます。総司は舞いあがってしまって忘れていますね。」
お雪は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一はお雪に普通に話し出す。
「お雪さんが美鈴さんと総司を誘って七夕を行ったのに、お雪さんの気配りと気遣いが無駄になりそうですね。」
お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。
「少しずつお二人の雰囲気が良くなっているように感じます。今夜はそれで良いと思いましょう。」
斉藤一はお雪の普通の表情で軽く礼をした。
お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。
「次の七夕の時に、お二人がどのようになられているのか、とても知りたいです。」
斉藤一はお雪に普通の表情で軽く礼をした。
お雪は斉藤一を微笑んで見た。
その翌日の事。
ここは、お雪の家。
近藤勇が訪れている。
ここは、家に在る縁。
庭に大きめの笹が飾ってある様子が見える。
近藤勇とお雪は、一緒に居る。
近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。
「七夕の飾りは綺麗だな。さすがお雪だな。」
お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。
「私は飾りを作っただけです。沖田様や斉藤様にたくさん手伝って頂きました。みなさまにとても感謝しています。」
近藤勇はお雪を微笑んで見た。
お雪が近藤勇に微笑んで話し出す。
「近藤先生。私の我がままを聞いて頂いて嬉しいです。ありがとうございます。」
近藤勇はお雪に微笑んで頷いた。
お雪は近藤勇を微笑んで見た。
近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。
「お雪が短冊に書いた願い事が凄く気になるんだ。教えてくれないか?」
お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。
「秘密です。」
近藤勇はお雪を微笑んで見た。
お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。
「先生。みなさんが真剣に考えて短冊に願い事を書きました。必ず叶うと良いですよね。」
近藤勇はお雪に微笑んで頷いた。
お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。
「先生。来年も一緒に七夕を行いたいです。よろしくお願いします。」
近藤勇はお雪に微笑んで頷いた。
織姫星と彦星が綺麗に輝く夜は、ゆっくりと時間が流れている。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載されている物語の改訂版です。
改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上の点、ご了承願います。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。
沖田総司さん、斉藤一さん、お雪さん、鈴ちゃん、そして、近藤勇さんとお雪さんの七夕の物語です。
お雪さんはこの年の冬頃に亡くなったそうです。
そのため、次の年の七夕にはお雪さんは既に亡くなっていると思われるため、お雪さんと新撰組の人達が一緒に行なった七夕は一回だけと思われます。
斉藤一さんとお雪さんが気を遣ったのに、細かい状況に気が付かずに、普段どおりに話しをしている沖田総司さんです。
鈴ちゃんが短冊に書いた願い事は秘密です。
皆様でご想像してみてください。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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