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新撰組異聞 〜 向暑の砌 〜
〜 改訂版 〜
ここは、京の町。
毎日のように暑さを感じるようになってきた。
ここは、お雪の家。
お雪の妹のお孝は、お雪の体調を気遣った近藤勇に呼ばれて大阪から着ている。
ここは、客間。
近藤勇、お雪、お孝が居る。
近藤勇はお孝に微笑んで話し出す。
「大坂から訪ねてきてくれてありがとう。京の町をゆっくりと楽しんでくれ。」
お孝は近藤勇に素っ気無く話し出す。
「もちろん京の町は楽しみますが、仕事があるので長居はしない予定です。」
近藤勇はお孝に微笑んで話し出す。
「仕事が気になるのは分かる。もし、長居がしたくなった時は、遠慮なく言ってくれ。」
お孝は近藤勇に微笑んで話し出す。
「新撰組の隊士は、人斬りで出世や武士の身分を得た代表のように大坂でも噂しています。私は姉さんのように人斬りの世話にはなりません。京の町が素敵でも長居はしないと思います。」
近藤勇はお孝を苦笑した表情で見た。
お雪はお孝に僅かに強い調子で話し出す。
「お孝。近藤先生や新撰組の隊士の方達に失礼な話しをしては駄目よ。早く謝りなさい。」
お孝はお雪を不思議そうに見た。
近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。
「お雪。私の心配は必要ない。」
お雪はお孝を困惑した様子で見た。
お孝は近藤勇とお雪を不思議そうに見た。
それから少し後の事。
ここは、お雪の家。
近藤勇は既に居ない。
お雪、お孝、手伝いの人が居る。
ここは、お雪の部屋。
お雪とお孝が居る。
お雪はお孝に困惑した様子で話し出そうとした。
お孝はお雪が話し出す前に、微笑んで話し出す。
「姉さん。先程はあのような話をしたけれど、京の町に来られて嬉しいから、暫く滞在しようと思っているの。」
お雪はお孝を心配そうに見た。
お孝はお雪を微笑んで見た。
それから少し後の事。
ここは、お雪の家。
玄関。
沖田総司が微笑んで訪ねてきた。
お雪は沖田総司の前に微笑んで現れた。
沖田総司はお雪に微笑んで話し出す。
「近藤さんは居ますか?」
お雪は沖田総司に微笑んで話し出す。
「先生は少し前にお帰りになりました。」
沖田総司はお雪に微笑んで話し出す。
「分かりました。では失礼します。」
お雪は沖田総司を微笑んで見た。
お孝が沖田総司とお雪の前に不思議そうに現れた。
沖田総司はお孝を不思議そうに見た。
お雪は沖田総司に微笑んで話し出す。
「妹のお孝です。」
沖田総司はお孝に微笑んで話し出す。
「初めまして。私は新撰組の一番組組長を務めている沖田総司と申します。」
お孝は沖田総司の手を掴むと、笑顔で話し出す。
「初めまして! お孝です! 沖田さんは武士ですよね! 若いのに偉いのですね! 素敵ですね!」
沖田総司は顔を赤くしてお孝を見た。
お孝は沖田総司の腕を掴みながら、沖田総司に笑顔で話し出す。
「沖田さん! 京の町の案内をお願いしても良いですか?!」
お雪はお孝に困惑した様子で話し出す。
「お孝。沖田さんの手を放して謝りなさい。」
お孝は沖田総司の腕を掴みながら、お雪を不思議そうに見た。
お雪はお孝を沖田総司から引き離すと、沖田総司に申し訳なさそうに話し出す。
「沖田さん。申し訳ありません。今日は早くお帰り頂いても良いですか?」
沖田総司は顔を赤くしながら、お雪とお孝に軽く礼をした。
お孝は沖田総司とお雪を不思議そうに見た。
沖田総司は顔を赤くしたまま去って行った。
お雪はお孝に困惑した様子で話し出す。
「お孝。沖田さんは忙しい方なの。京の町の案内を頼むのは失礼よ。」
お孝はお雪に不思議そうに話し出す。
「近藤さんは局長で偉いけれど、素朴すぎて京の町を案内してもらっても楽しくないわ。一番組組長の沖田さんは怖い人と噂されているけれど、近藤さんも姉さんも沖田さんは笑顔で話しをする人だと話していたわよね。実際に会ったら明るい人に感じたわ。沖田さんは京の町を楽しく案内してくれるわよね。」
お雪はお孝に困惑した様子で話し出す。
「近藤先生も沖田さんも真面目で忙しい方なの。お孝の都合を押し付けては駄目よ。」
お孝はお雪に微笑んで話し出す。
「分かったわ。」
お雪はお孝を心配そうに見た。
その翌日の事。
ここは、京の町。
屯所。
近藤勇の部屋。
沖田総司は近藤勇に呼ばれて普通に訪れた。
近藤勇は沖田総司に微笑んで話し出す。
「お雪の妹のお孝さんが、京の案内を総司に頼みたいそうだ。」
沖田総司は近藤勇を僅かに困惑した様子で見た。
近藤勇は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司。任務の調整はする。頼むな。」
沖田総司は近藤勇に僅かに困惑した様子で軽く礼をした。
近藤勇は沖田総司を不思議そうに見た。
その翌日の事。
ここは、京の町。
少女は一人で微笑んで歩いている。
沖田総司が顔を赤くして歩いている姿が見えた。
お孝が沖田総司の腕を掴みながら、嬉しそうに歩いている姿が見えた。
少女は歩きながら、沖田総司とお孝を寂しそうに見た。
沖田総司とお孝の姿は、たくさんの人の姿に紛れて見えなくなった。
少女は僅かに寂しそうな様子で歩きながら居なくなった。
それから数日後の事。
ここは、京の町。
お孝は一人で普通に歩いている。
沖田総司が少女に笑顔で話しながら歩いている姿が見えた。
少女は沖田総司を微笑んで見ながら歩いている姿が見えた。
お孝は沖田総司と少女を不思議そうに見た。
沖田総司と少女は、たくさんの人の姿に紛れて見えなくなった。
お孝は不思議そうに歩きながら居なくなった。
それから数日後の事。
ここは、お雪の家。
玄関。
少女は微笑んで訪れた。
お孝は少女の前に不思議そうに現れた。
少女はお孝を不思議そうに見た。
お孝は少女に不思議そうに話し出す。
「あなたは誰なの?」
少女はお孝を見ると微笑んで話し出す。
「申し遅れました。私は美鈴と申します。お雪さんと親しくさせて頂いております。今日はお雪さんに逢いにきました。」
お孝は少女に微笑んで話し出す。
「私はお雪の妹のお孝です。」
少女はお孝に微笑んで軽く礼をした。
お孝は少女に不思議そうに話し出す。
「美鈴さん。近藤さんや姉さんは、沖田さんは明るい性格の人だと話していたの。沖田さんと一緒に居ると楽しいと思って、京の町の案内を頼んだの。沖田さんは京の町の説明をする以外は、余り話さなかったの。美鈴さんと一緒に居る時の沖田さんを見ていたら、楽しそうに話していたの。私は沖田さんと一緒に居ても楽しくなかったの。美鈴さんは沖田さんと一緒に居て楽しいの?」
少女はお孝に不思議そうに話し出す。
「沖田さんは笑顔でたくさんお話しをする方です。一緒に居ると楽しいです。」
お孝は少女を不思議そうに見た。
少女もお孝を不思議そうに見た。
お孝は少女に不思議そうに話し出す。
「私が沖田さんと居ても楽しくないのは、沖田さんも近藤さんのように田舎者で人斬りだからなのかな?」
少女はお孝に真剣な表情で話し出す。
「沖田さんは、田舎者でも人斬りでもありません。」
お孝は少女に不思議そうに話し出す。
「沖田さんは多摩の出身よね。」
少女はお孝に真剣な表情で話し出す。
「沖田さんは、多摩で過ごした時期はありますが、江戸の出身です。」
お孝は少女を不思議そうに見た。
少女はお孝に真剣な表情で話し出す。
「近藤さんも沖田さんも人斬りではありません。お雪さんがお慕いする方を悪く言わないでください。」
お孝は少女に僅かに不機嫌そうに話し出す。
「なぜ真剣になるの?」
少女はお孝に真剣な表情で話し出す。
「近藤さんや沖田さんやお雪さんが可哀想だからです。」
お孝は少女に僅かに不機嫌そうに話し出す。
「私は近藤さんに遠慮せずに話しが出来るの。近藤さんにあなたに酷い言葉を言われたと相談をしたら、沖田さんはどのような状況になるのかしら? 沖田さんはあなたをどのように思うのかしら?」
少女はお孝を困惑した様子で見た。
お孝は少女に僅かに不機嫌そうに話し出す。
「あなたの許しが出たから、近藤さんに近い内に相談をするわね。」
少女はお孝に申し訳なさそうに話し出す。
「申し訳ありません。言い過ぎました。」
お孝は少女に僅かに不機嫌そうに話し出そうとした。
お雪がお孝と少女の元に微笑んで現れた。
少女はお雪を不安そうに見た。
お孝はお雪を僅かに驚いた表情で見た。
お雪はお孝と少女を不思議そうに見た。
少女はお雪に申し訳なさそうに話し出す。
「すいません。失礼します。」
お雪は少女を心配そうに見た。
少女はお雪とお孝に軽く礼をすると、不安そうに居なくなった。
お雪はお孝に不安そうに話し出す。
「お孝。美鈴さんに何を言ったの?」
お孝はお雪に普通に話し出す。
「酷い言葉や内容の話しはしていないわよ。」
お雪はお孝に不安そうに話し出す。
「美鈴さんは優しくて周りに気を遣う方なの。お孝の話す内容によっては、美鈴さんの負担になっているかも知れないの。」
お孝はお雪を不思議そうに見た。
お雪はお孝に不安そうに話し出す。
「美鈴さんは、沖田さんや新撰組に関する悩みを相談できる人がほとんどいなくて、辛くて寂しいと思うの。お孝。美鈴さんを気遣ってあげてね。」
お孝はお雪に不思議そうに頷いた。
お雪はお孝を不安そうに見た。
それから数日後の事。
ここは、京の町。
沖田総司と少女が良く訪れる寺。
寺の中。
沖田総司と少女が居る。
少女は沖田総司に心配そうに話し出す。
「総司さん。酷い言葉を言われたり注意を受けたりしていませんか?」
沖田総司は少女に不思議そうに話し出す。
「誰からも酷い言葉を言われてないし注意も受けていないよ。」
少女は沖田総司を心配そうに見た。
沖田総司は少女に心配そうに話し出す。
「鈴ちゃん。大丈夫?」
少女は沖田総司に申し訳なさそうに話し出す。
「総司さん。迷惑を掛けてごめんなさい。」
沖田総司は少女の手を優しく取ると、微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんは迷惑を掛けていないよ。もし鈴ちゃんが迷惑を掛けたとしても、私が鈴ちゃんに心配を掛けないように解決するよ。鈴ちゃん。一人で悩まないでね。」
少女は沖田総司に不安そうに頷いた。
沖田総司は少女の手を優しく取りながら、微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。明日か明後日にも逢おうよ。」
少女は沖田総司に心配そうに頷いた。
沖田総司は少女の手を優しく取りながら、微笑んで話し出す。
「楽しみだね。」
少女は沖田総司を微笑んで見た。
それから暫く後の事。
ここは、屯所。
斉藤一の部屋。
沖田総司が心配そうに訪れた。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に心配そうに話し出す。
「鈴ちゃんが私に何か起きているのではないかと心配しています。鈴ちゃんに心配する理由を尋ねたのですが、答えてくれませんでした。鈴ちゃんは斉藤さんになら理由を話すと思います。お願いします。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
その翌日の事。
ここは、京の町。
少し早めの時間のため、暑さも厳しくなく落ち着いた様子となっている。
ここは、少女の家。
玄関。
斉藤一が普通に訪れた。
少女は不思議そうに現れた。
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「予定がなければ、一緒に出掛けないか?」
少女は斉藤一に不思議そうに頷いた。
斉藤一は少女を普通の表情で見た。
それから少し後の事。
ここは、京の町。
落ち着いた雰囲気の寺。
寺の中。
斉藤一と少女が居る。
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「美鈴さん。悩みがあるのなら隠さずに言え。」
少女は斉藤一に心配そうに話し出す。
「総司さんが酷い言葉を言われたり注意を受けたりしていませんか?」
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「俺の知る限りになるが、総司の身に美鈴さんの心配する事態は起きていない。」
少女は斉藤一を僅かに安心した様子で見た。
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「美鈴さん。総司を心配する理由を教えてくれ。」
少女は斉藤一を困惑した様子で見た。
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「美鈴さんが理由を教えてくれないと、俺や総司がもしもの時に対処できない。」
少女は斉藤一に小さい声で話し出す。
「総司さんとお雪さんの妹さんのお孝さんが、楽しそうに歩いている姿を何回か見ました。お雪さんの家でお孝さんと偶然に会いました。お孝さんは近藤さんや総司さんを田舎者や人斬りだと言いました。新撰組と関係のない方が、田舎者や人斬りだと噂するのは何度も聞きました。お孝さんはお雪さんの妹さんです。近藤さんや総司さんやお雪さんが、お孝さんが噂と同じ内容のお話しをしていると知ったら悲しみます。」
斉藤一は少女を普通の表情で見た。
少女は斉藤一に小さい声で話し出す。
「私はお孝さんに注意しているような状況になってしまいました。私はお孝さんのご機嫌を損ねてしまいました。お孝さんは近藤さんに相談すると言いました。近藤さんがお孝さんのお話しを聞いてご気分を悪くされたら、総司さんに迷惑が掛かります。私は総司さんにどのようにしてお詫びをすれば良いのでしょうか?」
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「近藤さんは短気ではないし心の狭い人でもない。近藤さんはお雪さんの妹からの相談だとしても、お雪さんに確認をしてから行動するはずだ。お雪さんに確認ができない場合は、総司の様子を見ながら話をするはずだ。」
少女は斉藤一を心配そうに見た。
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「今日か明日に総司と逢う予定があるのだろ。美鈴さんが不安な顔をしていたら、総司が心配する。不安があるなら、今の内に話せ。俺の出来る範囲で答える。」
少女は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は少女を普通の表情で見た。
それから暫く後の事。
ここは、お雪の家。
玄関。
斉藤一が普通に訪ねてきた。
お雪は斉藤一の前に微笑んで現れた。
斉藤一はお雪に普通に話し出す。
「お孝さんは総司と出掛けている最中でしょうか?」
お雪は斉藤一に不思議そうに話し出す。
「はい。」
斉藤一はお雪に普通に話し出す。
「お雪さん。美鈴さんとお孝さんが話した内容をご存知ですか?」
お雪は斉藤一に心配そうに話し出す。
「お孝は詳しく教えてくれませんが、美鈴さんを不安にする内容だと想像しています。」
斉藤一はお雪に普通に話し出す。
「美鈴さんは人を悪く言わない性格です。総司には状況をほとんど話していないそうです。俺は総司に頼まれて美鈴さんと話しました。美鈴さんは状況を話してくれましたが、総司には伝えられません。総司の心配は続いています。」
お雪は斉藤一に心配そうに話し出す。
「お孝に美鈴さんに謝るように言いました。お孝は酷い内容を話していないと思っているので謝る様子がありません。本当に申し訳ありません。」
斉藤一はお雪を普通の表情で見た。
ちょうど同じ頃。
ここは、お雪の家の近く。
沖田総司とお孝が歩いている。
お孝は微笑んで立ち止まった。
沖田総司は不思議そうに立ち止まった。
お孝は懐から文を取り出して、沖田総司に差し出すと、微笑んで話し出す。
「沖田さん。この文を美鈴さんに届けて欲しいの。」
沖田総司はお孝から不思議そうに文を受け取った。
お孝は沖田総司に微笑んで話し出す。
「沖田さん。美鈴さんが文を読んでいる間は傍に居てあげてね。」
沖田総司は文を持ちながら、お孝を微笑んで見た。
お孝は沖田総司に微笑んで話し出す。
「近い内に大坂に戻ろうと思うの。いろいろとありがとう。」
沖田総司は文を持ちながら、お孝に微笑んで頷いた。
お孝は沖田総司に微笑んで話し出す。
「沖田さんを呼んだのは、文が渡したかったからなの。私の用事は終わったから、沖田さんは美鈴さんに文を早く渡しに行って。」
沖田総司は文を持ちながら、お孝に微笑んで頷いた。
お孝はお雪の家へと向かって微笑んで歩き出した。
沖田総司は文を懐に仕舞うと、少女の家へと向かって微笑んで歩き出した。
それから少し後の事。
ここは、お雪の家。
玄関。
斉藤一とお雪が居る。
お孝は普通に帰ってきた。
お雪はお孝を不思議そうに見た。
斉藤一はお孝を普通の表情で見た。
お孝はお雪と斉藤一に普通に話し出す。
「ただいま。」
斉藤一はお孝を普通の表情で見ている。
お雪はお孝に不思議そうに話し出す。
「早かったのね。」
お孝はお雪に普通に話し出す。
「沖田さんが困った顔をしているから早く帰ってきたの。後は、お詫びも兼ねて早く帰ってきたの。」
斉藤一はお孝を普通の表情で見ている。
お孝は斉藤一に不思議そうに話し出す。
「人斬りも他人の心配をするんだ。もしかして、仲が良いから心配するの?」
斉藤一はお孝を普通の表情で見ている。
お雪はお孝に僅かに強い調子で話し出す。
「お孝。」
お孝はお雪を不思議そうに見た。
斉藤一はお雪とお孝を普通の表情で見た。
それから少し後の事。
ここは、少女の家。
玄関。
沖田総司は微笑んで訪れた。
少女は沖田総司の前に不思議そうに現れた。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「今日は任務が早く終わったんだ。予定がなければ、少し出掛けようか。」
少女は沖田総司に微笑んで頷いた。
沖田総司は少女を微笑んで見た。
それから少し後の事。
ここは、京の町。
沖田総司と少女が何度か訪れた寺。
寺の中。
沖田総司と少女が居る。
沖田総司は少女に文を差し出すと、微笑んで話し出す。
「お孝さんから文を預かったんだ。」
少女は沖田総司から不安そうに文を受け取った。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。早く読んで。」
少女は不安そうに文を読み始めた。
沖田総司は少女を微笑んで見た。
少女は文を読み終わると、沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「お雪さんとお孝さんは、性格などが正反対の姉妹だね。」
少女は文を持ちながら、沖田総司に微笑んで頷いた。
沖田総司は少女を抱きしめると、微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんの身に何も起きていなくて良かった。鈴ちゃんの笑顔が見られて良かった。」
少女は文を持ちながら、沖田総司に申し訳なさそうに話し出す。
「総司さんにご心配をお掛けして・・・」
沖田総司は少女を抱きながら、話を遮るようにして、微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんの笑顔を見ていると、嬉しくなるんだ。」
少女は文を持ちながら、沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さん。ありがとうございます。」
沖田総司は少女をゆっくりと放すと、微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。見たい花か出掛けたい場所はあるかな?」
少女は文を持ちながら、沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さんのお出掛けしたい場所が良いです。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「私は鈴ちゃんの出掛けたい場所が良いな。」
少女は沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司も少女を微笑んで見た。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の改訂版です。
改訂前の物語の雰囲気や展開を出来るだけ残しながら改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上の点、ご了承願います。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。
「向暑(こうしょ)」は、「暑さに向かう事。日増しに暑くなる事。」という意味です。
主に手紙の挨拶文で用いられる言葉です。
「砌(みぎり)」は、幾つか意味があります。
今回の物語では、「時節。とき。ころ。おり。」という意味で使用しています。
お孝さんは、お雪さんの妹です。
お孝さんは近藤勇さんと付き合います。
後の出来事になりますが、二人の間に「お勇」さんというお子さんが生まれます。
近藤勇さんは、お雪さんともお孝さんとも付合っていた事になります。
近藤勇さんは、お雪さんとお孝さんと同時に付き合っていた様子がありますが、「新撰組異聞」では、同時期に付き合っていない設定にしました。
理由は、お雪さんとお孝さんが同時期に付き合うと、物語の展開が複雑になるためです。
お雪さんとお孝さんは、正反対の性格とイメージして書きました。
今回の物語のお孝さんは、いろいろな発言をしていますが、悪気はありません。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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