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新撰組異聞 〜 中秋の名月 〜
〜 第三版 〜
中秋の名月の観られる日が近付く頃。
ここは、京の町。
お雪の家。
近藤勇は体調の悪いお雪を心配して、見舞いを兼ねて訪ねてきた。
一室。
近藤勇は心配して居る。
お雪は微笑んで居る。
近藤勇はお雪に心配して話し出す。
「お雪。体は辛くないか?」
お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。
「お医者様から頂いたお薬をしっかりと飲んでいます。お薬が効いているようです。調子の良い日が続いています。」
近藤勇はお雪を安心した表情で見た。
お雪は近藤勇を微笑んで見た。
近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。
「月見が近付いているな。」
お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。
「はい。」
近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。
「お雪と共に月見を楽しみたい。」
お雪が近藤勇に申し訳なく話し出す。
「知り合いの女の子とお月見の約束をしてしまいました。」
近藤勇はお雪を残念な様子で見た。
お雪は近藤勇に申し訳なく話し出す。
「先生の予定を確認せずに、私の予定を勝手に決めてしまいました。申し訳ありません。」
近藤勇はお雪に微笑んで小さく首を横に振った。
お雪は近藤勇を安心した表情で見た。
近藤勇はお雪に羨ましく話し出す。
「最近のお雪は、とても楽しい様子に感じる。」
お雪は近藤勇を不思議な様子で見た。
近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。
「お雪が一人で過ごす時間が多い。お雪に寂しい思いをさせている。お雪に申し訳ないと思う日が続いている。最近のお雪の笑顔を見ていると、とても楽しい様子に感じる。お雪の知り合いの子に感謝している。」
お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。
「親しい女の子は、優しくて良い子です。沖田様や斉藤様だけでなく、私にまで気を遣います。心配になる時があります。」
近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。
「女性のみでの月見は心配だ。総司と斉藤に、同席を頼む。」
お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。
「お気遣いありがとうございます。沖田様と斉藤様が一緒ならば、安心してお月見を楽しめます。」
近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。
「楽しい月見を過ごせると良いな。」
お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。
「はい。」
近藤勇はお雪を微笑んで見た。
お雪も近藤勇を微笑んで見た。
暫く後の事。
ここは、屯所。
近藤勇の部屋。
近藤勇は普通に居る。
土方歳三は部屋を普通に訪れた。
近藤勇は土方歳三を微笑んで見た。
土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「近藤さん。俺に頼み事があるのだろ。遠慮せずに言ってくれ。」
近藤勇は土方歳三に微笑んで話しです。
「お雪に中秋の名月の日の月見に誘った。お雪は既に別な予定を入れたと申し訳なく話した。女性のみの月見は心配だ。中秋の名月の日は、総司と斉藤を同席させたい。」
土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「近藤さんはあの子と総司に負けたのか。」
近藤勇は土方歳三を苦笑して見た。
土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「近藤さんは恋敵達のために気を遣っているのか。」
近藤勇は土方歳三に僅かに寂しく話し出す。
「私はお雪の望みを全て叶えたい。私に出来る内容は限られている。口惜しい。悲しい。」
土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「総司も斉藤も、中秋の名月の日の予定は調整する。安心してくれ。」
近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。
「歳。ありがとう。」
土方歳三は近藤勇を微笑んで見た。
近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。
「歳。中秋の名月の夜は、一緒に酒を飲んで過ごしたい。」
土方歳三は近藤勇に不思議な様子で話し出す。
「みんなが帰った後に、お雪さんに逢わないのか?」
近藤勇は土方歳三に寂しい微笑みで話し出す。
「みんなと楽しんだ後に、私がお雪に逢うと、お雪の休む時間が減る。お雪が疲れてしまう。中秋の名月の日は、私はお雪に逢うのを止めたいと考えている。」
土方歳三は近藤勇に微笑んで頷いた。
近藤勇は土方歳三を微笑んで見た。
土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「実は、総司と斉藤に、中秋の名月の月見をしたいと誘った。総司からも斉藤からも、断られた。お雪さん、総司、斉藤は、俺と近藤さんに隠れて、着々と準備を進めていたのかも知れない。」
近藤勇は土方歳三に苦笑して話し出す。
「お雪と斉藤が味方について、既に準備が進んでいるのか。」
土方歳三は近藤勇に微笑んで頷いた。
近藤勇は土方歳三を微笑んで見た。
土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「話を戻す。中秋の名月の月見は、俺で良ければ付き合う。」
近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。
「歳。ありがとう。」
土方歳三は近藤勇に微笑んで頷いた。
近藤勇は土方歳三を微笑んで見た。
土方歳三は部屋を微笑んで出て行った。
幾日か後の事。
中秋の名月の輝く夜を迎えた。
ここは、お雪の家。
斉藤一は沖田総司と少女より先に訪れている。
斉藤一はお雪を助けながら、中秋の名月の月見の準備を普通にしている。
少し後の事。
ここは、お雪の家。
玄関。
沖総司は微笑んで来た。
少女も微笑んで来た。
お雪は微笑んで来た。
沖田総司はお雪に微笑んで話し出す。
「こんばんは。」
少女はお雪に微笑んで話し出す。
「こんばんは。中秋の名月の日のお月見にお誘い頂きありがとうございます。」
お雪は沖田総司と少女に微笑んで話し出す。
「細かい挨拶は後にしましょう。家の中で挨拶を含めて話しましょう。」
沖田総司はお雪に微笑んで軽く礼をした。
少女もお雪に微笑んで軽く礼をした。
沖田総司も家の中に微笑んで入って行った。
少女も家の中に微笑んで入って行った。
お雪は家の中に微笑んで入って行った。
少し後の事。
ここは、京の町。
中秋の名月と星が綺麗に輝いている。
ここは、お雪の家。
縁。
薄、お月見団子、里芋料理、枝豆料理、お酒、などが置いてある。
沖田総司は微笑んで座っている。
お雪も微笑んで座っている。
斉藤一は普通に座っている。
庭。
少女は夜空を微笑んで見ている。
縁。
沖田総司はお月見団子を見ながら、お雪に微笑んで話し出す。
「月見団子を食べても良いですか?」
お雪は沖田総司に微笑んで話し出す。
「遠慮せずに食べてください。お酒は飲まないのですか?」
沖田総司はお雪を見ると、お雪に微笑んで話し出す。
「はい。」
斉藤一は中秋の名月を見ながら、杯の酒を普通の表情で飲んだ。
沖田総司は斉藤一に申し訳なく話し出す。
「斉藤さん。今夜の私は酒を飲みません。斉藤さんが一人で酒を飲む状況になります。」
斉藤一は酒を飲みながら、沖田総司を見ると、沖田総司に普通に話し出す。
「気にするな。」
沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は微笑んで居なくなった。
庭。
少女は中秋の名月を微笑んで見ている。
沖田総司は微笑んで来た。
少女は沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「月も星も、綺麗だね。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「はい。」
沖田総司は少女を微笑んで見た。
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「中秋の名月のお月見は、お酒を飲む人達が多いです。総司さんはお酒を飲まないのですか?」
沖田総司は少女に微笑んで頷いた。
少女は沖田総司に申し訳なく話し出す。
「総司さん。私に気を遣わないでください。私は総司さんの楽しむ姿を見たいです。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「私は鈴ちゃんと一緒に楽しみたいんだ。気は遣っていないよ。大丈夫だよ。」
少女は斉藤一を一瞥すると、沖田総司を見て、沖田総司に心配して話し出す。
「斉藤さんが一人でお酒を飲んでいます。総司さんにも斉藤さんにも、申し訳ないです。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「斉藤さんには既に話してあるんだ。斉藤さんの傍にはお雪さんが居るよ。大丈夫だよ。」
少女は沖田総司を不安な様子で見た。
沖田総司は少女に苦笑して話し出す。
「お雪さんは鈴ちゃんに楽しんで欲しくて月見に誘ったんだよ。鈴ちゃんが気を遣い過ぎたら誘った意味がなくなるよ。」
少女は沖田総司に心配して話し出す。
「お雪さんは、近藤さんと一緒に中秋の名月のお月見を過ごしたいと思います。私よりお雪さんを気遣ってください。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「お雪さんは鈴ちゃんの楽しむ姿が見たいと話していたよ。中秋の名月を見ながら楽しんで過ごそう。」
少女は沖田総司を不安な様子で見た。
沖田総司は少女を微笑んで優しく抱き寄せた。
少女は沖田総司を驚いた表情で見た。
沖田総司は少女を抱いて、少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんは優しいね。鈴ちゃんの笑顔は、たくさんの人達に元気を与えているよ。私も鈴ちゃんの笑顔を見て、元気をもらっているんだよ。」
少女は沖田総司を恥ずかしく見た。
沖田総司は少女を抱いて、少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。月が綺麗だよ。」
少女は夜空に浮かぶ中秋の名月を微笑んで見た。
沖田総司は少女を抱いて、夜空に浮かぶ中秋の名月を微笑んで見た。
縁。
斉藤一は杯を持ち、普通に座っている。
お雪は微笑んで座っている。
お雪は徳利を持つと、杯に微笑んで酒を注いだ。
斉藤一は杯を持ち、お雪に普通の表情で軽く礼をした。
お雪は徳利を傍に置くと、斉藤一に微笑んで話し出す。
「沖田さんは、斉藤さんと一緒にお酒を飲む時間がとても楽しいと、幾度も話しています。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、お雪に普通に話し出す。
「総司は俺にも今の内容を幾度も話します。今夜は美鈴さんが居ます。美鈴さんは酒を飲まないので、総司は酒を飲まないと思います。」
お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。
「寂しいですか?」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司と少女を普通の表情で見た。
お雪は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司と少女を見て、お雪に普通に話し出す。
「今、とても良い雰囲気になっています。総司に僅かな勇気が無く、総司が気の利く性格では無いために、中途半端で終わります。」
お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。
「惚れやすくて、惚れた女性を直ぐに口説いて、たくさんの女性とお付き合いの出来る男性。容姿端麗で、女性に人気があって、口説き上手で、たくさんの女性を喜ばせるお付き合いの出来る男性。一人の女性をとても大切に想っているけれど、相手への想いに気が付くのが物凄く遅くて、大きな悩みを抱えてしまったために、相手への想いを心の底に封じ込めた男性。どなたとお付き合いする女性が幸せなのでしょうか?」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、お雪を普通の表情で見た。
お雪は徳利を持ち、杯に酒を注ぐと、斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さんにも難しい質問でしょうか?」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、お雪を普通の表情で見ている。
お雪は徳利を傍に置くと、斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、お雪に普通に話し出す。
「お雪さんは誰と付き合いたいですか?」
お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。
「私は、私が好きになった男性とお付き合いしたいです。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、お雪を普通の表情で見た。
お雪は沖田総司と少女を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。
「お二人が一緒になった姿を早く見たいです。でも、私が元気な間には叶わないかも知れません。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、お雪に普通に話し出す。
「総司を急かしましょうか?」
お雪が斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。
「お二人の関係がゆっくりと進んでいる様子が分かります。本当に必要な時に、沖田さんを急かしてください。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、お雪に普通の表情で頷いた。
お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。
「美鈴さんは、私に相談する時間は物凄く少ないです。私が近藤さんとお付き合いしている状況のため、美鈴さんと親しく話す機会が少ないため、だと思います。私の身に何が起きたとしても、お二人が幸せになる姿を見たいです。私にもしもの出来事が起きた後も、お二人の想いが叶うように助けてください。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、お雪に普通の表情で軽く礼をした。
お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さんはしっかりと行動しています。私の心配は必要ないですね。押し付けがましい内容を話してしまいました。申し訳ありませんでした。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、お雪に普通の表情で軽く礼をした。
お雪は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司と少女を普通の表情で見た。
庭。
沖田総司は少女を微笑んで抱いている。
少女は微笑んで居る。
沖田総司は少女を抱いて、少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんの笑顔は可愛いな。」
少女は下を赤面して恥ずかしく見た。
沖田総司は少女を抱いて、少女を心配して話し出す。
「鈴ちゃん。怒ったのかな? 私の話す内容が悪かったのかな?」
少女は沖田総司を見ると、沖田総司に恥ずかしく話し出す。
「総司さんにお世辞でも褒めて頂けると嬉しいです。」
沖田総司は少女を抱いて、少女に強い調子で話し出す。
「お世辞ではないよ! 本当の内容だよ!」
少女は沖田総司に小さい声で話し出す。
「申し訳ありません。」
沖田総司は少女を抱いて、少女に心配して話し出す。
「大きな声を出したから、怖かったのかな? 私は怒っていないよ。安心して。」
少女は沖田総司を不安な様子で見た。
沖田総司は少女を抱いて、少女に心配して話し出す。
「強く話してご免ね。話し方が悪くてご免ね。怖い思いをさせて免ね。」
少女は沖田総司に微笑んで小さく首を横に振った。
沖田総司は少女を強く抱くと、少女に嬉しく話し出す。
「良かった! 鈴ちゃんが笑ってくれた!」
少女は沖田総司を驚いた様子で見た。
夜空に浮かぶ中秋の名月は、優しく輝いている。
沖田総司の想い、斉藤一の想い、お雪の想い、少女の想いを、優しい輝きで照らし続けている。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の改訂版です。
改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上、ご了承願います。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。
「十五夜(じゅうごや)」と「中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)」についてです。
「陰暦の八月十五日の夜。満月の夜。」をいいます。
別名には「芋名月(いもめいげつ)」があります。
この時期は、古来より観月に最も良い時節とされています。
秋や冬は空気が乾燥して月が鮮やかに見える事、それに、夜でもそれほど寒くないために、名月として観賞されるようになったそうです。
中国にも同様の風習が唐の時代に確認されているそうです。
更に古くからある事も考えられます。
日本には九世紀から十世紀の頃に渡来したそうです。
貴族を中心に行なっていたそうですが、後に武士や町民にも広まったそうです。
酒宴を開いたり、詩や歌を詠んだり、薄を飾ったり、月見団子・里芋・枝豆・栗などを持ったり、お酒を供えて月を眺めたそうです。
「お月見料理」というそうです。
中国では「月餅」を作ってお供えするそうです。
「月餅」が日本に来て「月見団子」に変わったそうです。
お月見が一般的に行なわれるようになったのは、江戸時代からだそうです。
お月見団子は一般的には自分の家庭で作るそうです。
お月見団子の数は、その年の月の数だけ供えるそうです。
改訂前の「中秋の名月・十五夜」は、「2005年9月18日」、「2007年9月25日」、でした。
第三版の「中秋の名月・十五夜」は、「2011年9月12日」だそうです。
ご確認ください。
「お月見(おつきみ)」または、「月見(つきみ)」は、幾つか意味があります。
この物語では、「月を眺めて楽しむ事。陰暦の八月十五日の月[中秋の名月]と、陰暦の九月十三日の月を観賞する事。陰暦の八月十五日の月[中秋の名月]と、陰暦の九月十三日の月を観賞する宴や集まり。」を差しています。
体調の悪いお雪さんが、斉藤一さんに沖田総司さんと鈴ちゃんへの自分の想いを伝えます。
お雪さんの体調については、「新撰組異聞 短編 竹の春に話しかけ」などに書きました。
ちなみに、風習の関係から、「十五夜」の他に「十三夜」の物語も書きました。
「新撰組異聞 短編 十三夜」です。
ご確認ください。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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