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新撰組異聞 〜 十三夜 〜


〜 改訂版 〜


もう少し経つと十三夜になる頃。


ここは、京の町。


お雪の家。


近藤勇がお雪に逢いに来た。


ここは、客間。


近藤勇とお雪が居る。


お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。

「今日はお時間に余裕がありますか?」

近藤勇はお雪に申し訳なさそうに話し出す。

「今日も任務の関係で長居が出来ない。ゆっくりと過ごせない日が続いて申し訳ない。」

お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。

「お忙しい先生に我がままを言ってしまって申し訳ありませんでした。」

近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。

「私もお雪とゆっくりと過ごしたい。出来るだけ早い内に時間を作る。」

お雪は近藤勇を微笑んで見た。

近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。

「十三夜が近づいてきたな。十五夜を行なったから、十三夜も行なう予定でいるのかな?」

お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。

「先生のお許しが頂ければ、十三夜も行いたいと思っています。」

近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。

「十三夜の当日は、歳に総司と斉藤の任務を調整するように頼む。十三夜の準備は、私や歳が中心になって手配する。」

お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。

「いつもありがとうございます。」

近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。

「お雪にはいつも寂しい思いをさせている。礼を言われると困ってしまう。」

お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。

「私に気を遣わないでください。」

近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。

「お雪。無理はしていないか?」

お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。

「無理はしていません。楽しい出来事がたくさんあるので、不思議な程に調子が良いです。」

近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。

「お雪。十三夜が行なえるように、調子が良くても無理をするな。」

お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。

「分かりました。気を付けて過ごします。」

近藤勇はお雪を微笑んで見た。

お雪も近藤勇を微笑んで見た。

近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。

「また来るよ。」

お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。

「お忙しい中をお越し頂いてありがとうございました。」

近藤勇はお雪を微笑んで見た。


それから少し後の事。


ここは、お雪の家の傍。


近藤勇は普通に歩いている。


お孝が近藤勇を普通の表情で見ている姿があった。


近藤勇はお孝の前に微笑んで来た。


お孝は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん。久しぶりです。」

近藤勇はお孝に微笑んで話し出す。

「こんにちは。」

お孝は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さんに十三夜の日に関するお願いがあります。」

近藤勇はお孝に微笑んで話し出す。

「どのような願いかな?」

お孝は近藤勇に微笑んで話し出す。

「姉さん達だけで十三夜を楽しんでもらうために、私は出掛けたいと考えています。でも、日没以降に女性が一人で出掛けられる場所は無いに等しいですよね。近藤さん。十三夜の予定はありますか?」

近藤勇はお孝に考え込みながら話し出す。

「十三夜の時に私の予定が空くかは分からない。別な者でも良いかな?」

お孝は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん以外の方でも構いませんが、偉い方にしてください。念のために、私の希望を伝えておきます。近藤さんの次に一緒に居たい方は、副長の土方さんです。土方さんの次に一緒に居たい方は、八番組組長の平助さんと呼ばれている方です。」

近藤勇はお孝に苦笑しながら話し出す。

「分かった。念のために、土方と平助にお孝さんの頼みを伝えておく。」

お孝は近藤勇に微笑んで話し出す。

「よろしくお願いします。」

近藤勇はお孝に苦笑しながら頷いた。


それから暫く後の事。


ここは、屯所。


近藤勇の部屋。


土方歳三が近藤勇に呼ばれたため普通に訪れた。


近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「歳。呼び立てて悪かったな。」

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「気にしないでくれ。」

近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「お雪が十三夜を行ないたいそうだ。総司と斉藤の十三夜の日の予定を空けて欲しい。お雪に無理をさせないために、私や歳の方で十三夜の準備を行なうと話した。歳。今回もよろしく頼む。」

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「分かった。」

近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「歳。もう一つ頼みがあるんだ。」

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「もう一つの頼みというのは、十三夜のお孝さんの相手だろ。お孝さんが俺にとても興味を持っているのは知っているよ。お孝さんは悪い子ではないが、俺の付き合う対象ではないんだ。以上の理由から、断りの返事をしておくよ。」

近藤勇は土方歳三を苦笑した表情で見た。

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「十三夜の相手が、お雪さんや総司と良く居るあの子ならば、直ぐに了承の返事をするよ。とは言っても、俺は、近藤さんや総司や斉藤と末永く親しい付き合いを続けたいから、無謀な行動はしない。近藤さん。安心してくれ。」

近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「私は歳を信じているから安心してくれ。」

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん。話しを逸らして悪かった。続きを話してくれ。」

近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「一番目の希望は、私だ。しかし、私の予定がはっきりとしないから対象外にしてくれ。二番目の希望は、歳だ。しかし、歳は私に断りの返事をした。歳も対象外になる。三番目の希望は、平助だ。今の状況では、お孝さんの相手は平助になるな。」

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「お孝さんが何を基準に選んだのかが分かる人選だな。」

近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「歳。いろいろと頼むな。」

土方歳三は近藤勇に微笑んで頷いた。

近藤勇は土方歳三を微笑んで見た。


それから少し後の事。


ここは、屯所。


土方歳三の部屋。


藤堂平助は土方歳三に呼ばれたため普通に訪れた。


土方歳三は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「近藤さんから、平助への伝言を頼まれた。今度の十三夜の時に、お雪さんの妹のお孝さんが、平助と一緒に出掛けたいそうだ。お孝さんの相手を頼む。料亭などに予約をする場合は、俺と近藤さんが協力する。」

藤堂平助は土方歳三を僅かに困惑した様子で見た。

土方歳三は藤堂平助に微笑んで話し掛ける。

「平助。俺を恨まないでくれ。意見があれば、近藤さんに言ってくれ。」

藤堂平助は土方歳三に諦めた様子で話し出す。

「意見はありません。」

土方歳三は藤堂平助を微笑んで見た。


その翌日の事。


ここは、京の町。


少女の家。


玄関。


沖田総司は微笑んで訪れた。


少女は沖田総司の前に微笑んで現れた。


沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「お雪さんの家で十三夜を行なう予定なんだ。私と斉藤さんも参加する予定だよ。鈴ちゃんの予定の確認に着たんだ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「十三夜の日は予定を空けて待っています。楽しみです。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんが参加できて嬉しいよ。楽しみだね。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「十三夜の日は、私が鈴ちゃんを迎えに来るね。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女を笑顔で見た。


それから何日か後の事。


十三夜の当日になっている。


ここは、お雪の家。


玄関。


お雪とお孝が居る。


お雪はお孝に心配そうに話し出す。

「藤堂さんに迷惑を掛けないようにね。」

お孝はお雪に微笑んで話し出す。

「もちろん迷惑は掛けないわ。平助さんは強い人だと聞いたわ。姉さんは私の心配をせずに楽しんでね。」

お雪はお孝を心配そうに見た。

お孝はお雪を微笑んで見た。


それから少し後の事。


ここは、京の町。


藤堂平助とお孝は、歩いている。


お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「良く考えると、しっかりとお礼を言っていませんでした。今からお礼を言います。今日は私のために都合を付けて頂いてありがとうございます。」

藤堂平助はお孝に僅かに苦笑しながら話し出す。

「気にしないでください。」

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助さんと呼んでも良いですか?」

藤堂平助はお孝に僅かに苦笑しながら軽く礼をした。

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助さんが気さくな方で嬉しいです。」

藤堂平助はお孝を僅かに苦笑した表情で見た。

お孝は藤堂平助を不思議そうに見た。

藤堂平助もお孝を不思議そうに見た。

お孝は藤堂平助に不思議そうに話し出す。

「平助さん。もしかして、悩んでいませんか?」

藤堂平助はお孝を不思議そうに見ている。

お孝は藤堂平助に笑顔で話し出す。

「平助さん! 今日は悩み事や心配事は忘れて楽しみましょう!」

藤堂平助はお孝を僅かに苦笑した表情で見た。

お孝は藤堂平助の腕に嬉しそうに掴まった。

藤堂平助はお孝を苦笑した表情で見た。


それから暫く後の事。


ここは、お雪の家。


お孝は出掛けていて居ない。

手伝いの人は十三夜の準備をしている。

お雪は無理のない程度に十三夜の準備をしている。

斉藤一は十三夜の準備のために沖田総司と少女より先に訪れている。


沖田総司と少女が到着した。


ここは、客間。


沖田総司、斉藤一、お雪、少女が居る。

食卓の上には、いなり寿司、肴、お茶、お酒、などが置いてある。


お雪は、沖田総司、斉藤一、少女に、微笑んで話し出す。

「簡単に物になりますが、食事の用意をしました。十三夜を行なうには少し早い時間なので、先に食事をしませんか?」

沖田総司はお雪に嬉しそうに話し出す。

「私はお雪さんの意見に賛成です!」

斉藤一はお雪に普通の表情で軽く礼をした。

少女はお雪に微笑んで頷いた。

沖田総司はいなり寿司を取ると、笑顔で話し出す。

「いただきます!」

少女はいなり寿司を取ると、微笑んで話し出す。

「いただきます。」

斉藤一は徳利を普通に取ろうとした。

お雪は徳利を取ると、斉藤一の杯に微笑んで注いだ。

斉藤一はお雪に普通の表情で軽く礼をした。

お雪は徳利を傍に置くと、斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲んだ。

沖田総司はいなり寿司を食べ終わると、新たないなり寿司を笑顔で取った。

斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲み終わった。

お雪は徳利を取ると、斉藤一に微笑んで酒を注ごうとした。

斉藤一はお雪が酒を注ぐ前に普通に話し出す。

「お雪さん。俺への気遣いをせずに、ゆっくりと食事をしてください。」

お雪は徳利を置くと、斉藤一に微笑んで軽く礼をした。

斉藤一はお雪を普通の表情で見た。

お雪はいなり寿司を取ると、微笑んで食べ始めた。

沖田総司はいなり寿司を食べ終わると、新たないなり寿司を笑顔で取ろうとした。

少女は沖田総司を微笑んで見ている。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。勢い良く食べているな。お雪さんと美鈴さんはほとんど食べていないぞ。」

沖田総司はいなり寿司を取るのを止めると、お雪と少女を不安そうに見た。

お雪は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私は後でも食べられます。沖田さんは美鈴さんの気遣いだけをしてください。」

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。気付かなくてごめんね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんは大事なお仕事をしています。総司さんが楽しく食べている姿を見ていると、私も楽しくなります。私を気にせずに、たくさん食べてください。」

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃんが家に帰るのは遅くなるから、お雪さんの家でしか食べる時間がないよね。私に遠慮や気遣いをせずに食べないと、体調が悪くなるよ。鈴ちゃんもしっかりと食べてね。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女はいなり寿司を取ると、微笑んで食べ始めた。

沖田総司はいなり寿司を取ると、笑顔で食べ始めた。

斉藤一は、沖田総司、お雪、少女を見ながら、普通の表情で杯の酒を飲んだ。

お雪は、沖田総司、斉藤一、少女を微笑んで見た。


それから少し後の事。


ここは、京の町。


十三夜の綺麗な月が浮かんでいる。


ここは、お雪の家。


縁。


沖田総司は少女と月を見ながら、笑顔で話している。

少女は沖田総司と月を見ながら、微笑んで話している。

お雪は沖田総司と少女を微笑んで見ている。

斉藤一は、沖田総司、お雪、少女を見ながら、普通の表情で酒を飲んでいる。


お雪は、沖田総司、斉藤一、少女に、微笑んで話し出す。

「話しが遅くなりましたが、栗を使ったお菓子を用意してあります。今から用意しても大丈夫ですか?」

沖田総司はお雪を見ると、笑顔で話し出す。

「はい!」

少女はお雪に微笑んで頷いた。


斉藤一はお雪に普通に話し出す。

「俺が手伝いの人に話をしてきます。」

お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。

「お願いします。」

沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。

少女も斉藤一を微笑んで見た。


斉藤一は普通に立ち上がると、縁を歩いて行った。


沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「楽しみだね。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

お雪は沖田総司と少女に微笑んで話し出す。

「話しが遅くなってしまってすいません。」

沖田総司はお雪に微笑んで話し出す。

「菓子は食事が終わって少し経ってから食べた方が、更に美味しく感じます。お雪さん。気にしないでください。」

少女はお雪に微笑んで頷いた。

お雪は沖田総司と少女を微笑んで見た。


斉藤一が、お盆の上にお菓子とお茶を載せて、沖田総司、お雪、少女の元に普通に来た。


お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。」

斉藤一はお盆を脇に置くと、お雪に普通の表情で軽く礼をした。

少女は、沖田総司、斉藤一、お雪の傍に、お茶とお菓子を微笑んで置いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。ありがとう。」

お雪は少女に微笑んで話し出す。

「ありがとう。」

斉藤一は少女を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。お雪さんが十三夜のために用意してくれた菓子です。みんなで楽しんで食べましょう。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

少女はお菓子とお茶を、自分の傍に微笑んで置いた。

お雪は沖田総司に微笑んで話し出す。

「沖田さん。私の分のお菓子を食べてください。」

沖田総司はお雪に笑顔で話し出す。

「ありがとうございます!」

お雪は沖田総司の傍にお菓子を微笑んで置いた。

沖田総司はお菓子を取ると、笑顔で話し出す。

「いただきます!」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は美味しそうにお菓子を食べ始めた。

お雪は沖田総司を微笑んで見た。


沖田総司はお菓子を笑顔で食べ終わった。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司はお菓子を取ると、美味しそうに食べ始めた。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司はお菓子を食べ終わると、笑顔で横を見た。


沖田総司の横にお菓子は無い。


沖田総司は横を不思議そうに見た。

少女は沖田総司にお菓子を微笑んで差し出した。

沖田総司は少女からお菓子を受け取ると、微笑んで話し出す。

「間違えて鈴ちゃんの傍に菓子を置いたんだね。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

斉藤一はお雪の後ろにお菓子を静かに置いた。

お雪はお菓子を取ると、少女の後ろに微笑んで置いた。

少女はお雪と斉藤一を不思議そうに見た。

お雪は少女に微笑んで頷いた。

斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。

少女はお雪と斉藤一に微笑んで軽く礼をした。

お雪は少女を微笑んで見た。

少女はお菓子を取ると、微笑んで食べ始めた。


それから少し後の事。


ここは、お雪の家。


綺麗な虫の声が聞こえる。


ここは、縁。


斉藤一は、沖田総司、少女、月を、普通の表情で見ている。

お雪は、沖田総司、少女、月を、微笑んで見ている。


ここは、庭。


沖田総司と少女は、話しながら月を見ている。


沖田総司は少女を見ると、考え込みながら話し出す。

「お雪さんが私の分として用意してくれた菓子の数より、多く食べた気がするんだ。」

少女は沖田総司を僅かに困惑した表情で見た。

沖田総司は少女に申し訳なさそうに話し出す。

「私は鈴ちゃんの分の菓子を食べてしまったんだね。冷静に考えれば分かったはずなのに、楽しんで食べていたから気が付かなかった。ごめんね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「斉藤さんからお菓子を分けて頂いたので、しっかりと食べられました。安心してください。」

沖田総司は少女に落ち込みながら話し出す。

「私は斉藤さんにお雪さんが用意してくれた菓子を食べるように勧めたのに、私のために斉藤さんは菓子を食べられなくなってしまった。鈴ちゃんには迷惑を掛けてしまった。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「斉藤さんも私も総司さんが美味しく食べている姿を見て楽しい気持ちになりました。お雪さんも総司さんがお菓子を美味しく食べている姿を笑顔で見ていました。」

沖田総司は落ち込んだ様子で軽く息をはいた。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。綺麗な虫の声が聞こえますね。」

沖田総司は落ち込んだ様子で呟いた。

「鈴ちゃんに慰められてしまった。」

少女は沖田総司を悲しそうに見た。

沖田総司は少女を心配そうに見た。

少女は下を向くと、沖田総司に小さい声で話し出す。

「出過ぎたまねをして申し訳ありませんでした。」

沖田総司は少女に不安そうに話し出す。

「鈴ちゃん。怒ったの?」

少女は下を向いたまま、小さく首を横に振った。

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。泣いているの?」

少女は下を向いたまま、小さく首を横に振った。

沖田総司は少女を抱き寄せると、心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。先程の私の言葉は、鈴ちゃんに迷惑を掛けた自分に対して言ったんだ。誤解を招く言い方をしてごめんね。」

少女は沖田総司を悲しそうに見た。

沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに話し出す。

「私は鈴ちゃんより年上で男なのに、いつも鈴ちゃんに迷惑を掛けている。今も私の気遣いが足りないために、鈴ちゃんが更に気遣う状況になってしまった。お雪さんが私達のために用意してくれた菓子だから、私は斉藤さんや鈴ちゃんにしっかりと食べて欲しいと思ったんだ。私の気遣いが足りないために、斉藤さんが菓子を食べられなくなってしまったし、鈴ちゃんには迷惑を掛けてしまった。」

少女は沖田総司を心配そうに見た。

沖田総司は少女を抱きながら、不安そうに話し出す。

「私は鈴ちゃんにいつも迷惑を掛けている。鈴ちゃんが無理をしていないか、いつも心配になるんだ。私を呆れていないかといつも心配になるんだ。」

少女は沖田総司に心配そうに話し出す。

「私はしっかりとしていません。いつも総司さんに迷惑を掛けています。」

沖田総司は少女を抱きながら、不安そうに様子を見た。

少女は沖田総司を心配そうに見た。


沖田総司と少女の元に、綺麗な虫の声が聞こえてきた。


沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんの言う通り、綺麗な虫の声が聞こえてきた。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女を抱きながら、安心した様子で話し出す。

「鈴ちゃんが怒っていなくて良かった。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんはしっかりとした方です。私は総司さんを怒ったり呆れたりしません。」

沖田総司は少女を嬉しそうに抱いた。

少女は沖田総司を僅かに驚いた表情で見た。

沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。大丈夫? もしかして驚かせてしまったのかな?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「大丈夫です。」

沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し出す。

「良かった。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。


綺麗な虫の声が、沖田総司と少女を包んだ。


十三夜の月は、沖田総司と少女を淡い光で照らした。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。

「新撰組異聞 短編 中秋の名月」より後の出来事の物語です。

沖田総司さん、斉藤一さん、お雪さん、鈴ちゃんで、十三夜を行います。

お孝さんは気を遣って藤堂平助さんと出掛けます。

「十三夜」は、「陰暦十三夜の夜。または、陰暦九月十三日の夜。」をいいます。

「十五夜」に対しての「十三夜」の場合は、「陰暦十三夜の夜」をいいます。

陰暦八月十五日に次いで月が美しい日とされています。

別名には、「後の月(のちのつき)」、「豆名月(まめめいげつ)」、「栗名月(くりめいげつ)」があります。


十三夜は日本独自の風習になるそうです。

時期的に食べ頃の大豆や栗を供えるそうです。

「十五夜」だけ「十三夜」だけなど片方しか行なわないのは、「片見月」といって嫌われたそうです。

十三夜は、現在の暦で十月(または、十一月)になります。

毎年の日付に開きがあります。

初版の掲載時の十三夜は、2005年10月15日でした。

改訂版の掲載時の十三夜は、2008年10月11日になるそうです。

ご確認ください。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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