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新撰組異聞 〜 菊月の宴 〜


〜 改訂版 〜


今は晩秋。


ここは、京の町。


屯所。


縁。


芹沢鴨は一人で普通に歩いている。


芹沢鴨の前を斉藤一が一人で歩く姿が見えた。


芹沢鴨は斉藤一に向かって、歩調を僅かに速めて歩き出した。


斉藤一は立ち止まると、芹沢鴨を普通に見た。


芹沢鴨は斉藤一の傍に普通に来た。


斉藤一は芹沢鴨に普通の表情で軽く礼をした。

芹沢鴨は斉藤一に普通に話し出す。

「やっと見つけた。」

斉藤一は芹沢鴨を普通の表情で見た。

芹沢鴨は斉藤一に普通に話し出す。

「斉藤。少し早いが飲みに行く。付き合え。」

斉藤一は芹沢鴨に普通に話し出す。

「総司は居ませんが良いのですか?」

芹沢鴨は斉藤一にぶっきら棒に話し出す。

「今回は総司が一緒に居ると面倒だから誘わない。」

斉藤一は芹沢鴨を普通の表情で見た。

芹沢鴨は斉藤一に普通に話し出す。

「斉藤。行くぞ。」

斉藤一は芹沢鴨に普通の表情で軽く礼をした。


芹沢鴨は微笑んで歩き出した。

斉藤一は芹沢鴨の後ろを普通に歩き出した。


それから少し後の事。


ここは、京の町。


一軒の家。


庭には菊の花が咲く姿が見える。


ここは、一室。


芹沢鴨、斉藤一、綺麗な女性が居る。

床の間には、花瓶に挿した菊の花が飾ってある。


綺麗な女性は芹沢鴨に抱き付くと、寂しそうに話し出す。

「芹沢先生。寂しかったです。」

芹沢鴨は綺麗な女性に微笑んで話し出す。

「最近の屯所に二人で居ると落ち着かないだろ。せっかく逢うのだから、落ち着いた場所が良いだろ。寂しいと思うが、我慢してくれ。」

綺麗な女性は芹沢鴨に抱き付きながら、拗ねた様子で話し出す。

「先生のお話しは分かります。でも、一人は寂しいです。」

芹沢鴨は女性に寂しそうに話し出す。

「俺も寂しいよ。」

綺麗な女性は芹沢鴨に抱き付きながら、微笑んだ表情になった。

芹沢鴨は綺麗な女性を微笑んで見た。

綺麗な女性は芹沢鴨に抱き付きながら、斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は綺麗な女性に普通の表情で軽く礼をした。

芹沢鴨は斉藤一を見ると、ぶっきら棒に話し出す。

「斉藤。金は用意するから、当分の間は適当な場所に居てくれ。」

斉藤一は芹沢鴨に普通の表情で軽く礼をした。

芹沢鴨は財布を取り出すと、斉藤一に向かって軽く投げた。


財布は斉藤一の前で止まった。

斉藤一は財布を普通の表情で拾った。

芹沢鴨は斉藤一にぶっきら棒に話し出す。

「たいした金額は入っていないから、全て使って構わない。」

斉藤一は財布を持ちながら、芹沢鴨に普通の表情で軽く礼をした。

芹沢鴨は斉藤一にぶっきら棒に話し出す。

「言い忘れていたが、直ぐに出掛けずに、暫くは家の中に居てくれ。」

斉藤一は財布を持ちながら、芹沢鴨に普通の表情で軽く礼をした。

芹沢鴨は綺麗な女性を微笑んで見た。

綺麗な女性は芹沢鴨に微笑んで抱き付いている。

斉藤一は財布からお金を取り出すと、金額の確認を普通の表情のまま素早く行なった。

芹沢鴨は綺麗な女性を微笑んで見ている。

綺麗な女性は芹沢鴨に微笑んで抱き付いている。

斉藤一はお金を仕舞うと、芹沢鴨の前に財布を普通の表情で置いた。

芹沢鴨は財布を取ると、斉藤一に不思議そうに話し出す。

「財布は要らないのか?」

斉藤一は芹沢鴨に普通に話し出す。

「お言葉に甘えて、全て使う予定です。財布は先にお返しいたします。」

芹沢鴨は財布を仕舞うと、斉藤一を苦笑しながら見た。

斉藤一は芹沢鴨に普通に話し出す。

「芹沢さん。お金が足りない時はどのようにすれば良いですか?」

芹沢鴨は斉藤一に苦笑しながら話し出す。

「俺宛に請求するように説明しろ。」

斉藤一は芹沢鴨に普通に話し出す。

「お金が足りない時は、店の人に芹沢さん宛てに請求するように伝えます。」

芹沢鴨は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤は本当に面白いな。」

斉藤一は芹沢鴨に普通の表情で軽く礼をした。

芹沢鴨は斉藤一を微笑んで見た。

綺麗な女性は芹沢鴨に抱き付きながら、斉藤一を微笑んで見た。


斉藤一は部屋を普通に出て行った。


綺麗な女性は芹沢鴨に抱き付きながら、微笑んで話し出す。

「面白い方ですね。」

芹沢鴨は綺麗な女性に微笑んで話し出す。

「斉藤は飲み代を全て俺に請求する気だな。」

綺麗な女性は芹沢鴨に抱き付きながら、微笑んで話し出す。

「出掛ける場所と請求金額について興味が湧きますね。」

芹沢鴨は綺麗な女性に寂しそうに話し出す。

「寂しいな。」

綺麗な女性は芹沢鴨に抱き付きながら、不思議そうな表情になった。

芹沢鴨は綺麗な女性に寂しそうに話し出す。

「俺より斉藤を気にする発言をしているからだ。」

綺麗な女性は芹沢鴨に抱き付きながら、微笑んで話し出す。

「先生。寂しそうな表情をしていますが、楽しそうな声色ですよ。先生も私と同じく興味があるのですね。」

芹沢鴨は綺麗な女性に微笑んで話し出す。

「斉藤は面白い。だから傍に置きたくなる。」

綺麗な女性は芹沢鴨に抱き付きながら、微笑んで話し出す。

「先生のお気に入りの方は、もう一人いますよね。可愛い女の子と良く一緒に居て、先生がからかうと顔が赤くなって、良く一緒に居る女の子のためならば先生にも容赦なく怒る方です。」

芹沢鴨は綺麗な女性に微笑んで話し出す。

「総司も面白いぞ。総司も傍に置きたくなる。」

綺麗な女性は芹沢鴨に抱き付きながら、微笑んだ表情になった。

芹沢鴨は綺麗な女性に微笑んで話し出す。

「どちらも良い男だぞ。俺の目に狂いは無いから間違いない。」

綺麗な女性は芹沢鴨に微笑んで抱き付いている。

芹沢鴨は綺麗な女性に微笑んで話し出す。

「総司と斉藤は、一見すると全く似ていないが、良く見ると物凄く似ている。総司と斉藤が出会ったのは、偶然の出会いではなく、必然の出会いだと思う。」

綺麗な女性は芹沢鴨に微笑んで抱き付いている。

芹沢鴨は綺麗な女性に微笑んで話し出す。

「総司と斉藤は可愛い。総司と良く一緒に居る子も可愛い。だが、俺にとって一番に可愛いのはお前だ。」

綺麗な女性は芹沢鴨に抱き付きながら、嬉しそうに話し出す。

「先生。嬉しい。」

芹沢鴨は綺麗な女性を微笑んで見た。

綺麗な女性は芹沢鴨に嬉しそうに抱き付いている。

芹沢鴨は綺麗な女性に微笑んで話し出す。

「二人で酒が飲みたくなった。」

綺麗な女性は芹沢鴨から放れると、微笑んで話し出す。

「直ぐに準備をします。」

芹沢鴨は綺麗な女性に微笑んで頷いた。

綺麗な女性は芹沢鴨を微笑んで見た。


ちょうど同じ頃。


ここは、芹沢鴨、斉藤一、綺麗な女性の居る家。


庭。


芹沢鴨と綺麗な女性の話し声が微かに聞こえてくる。


斉藤一は菊の花を普通の表情で見ている。


菊の花は綺麗に咲いている。


斉藤一は視線を戻すと、家の外へと普通に出て行った。


それから少し後の事。


ここは、屯所。


縁。


斉藤一は一人で普通に歩いている。


沖田総司は斉藤一の前に微笑んで現れた。


斉藤一は立ち止まると、沖田総司を普通の表情で見た。


沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。時間に余裕が出来ました。少し遅めの時間ですが、陽が落ちていないので、鈴ちゃんに逢いに行きます。斉藤さんは鈴ちゃんに逢っていませんよね。一緒に出掛けませんか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司が一人で出掛けろ。」

沖田総司は斉藤一に寂しそうに話し出す。

「鈴ちゃんはとても良い子です。なぜ鈴ちゃんに逢ってくれないのですか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺が居ると邪魔だろ。」

沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「鈴ちゃんは斉藤さんに逢いたいと話しています。斉藤さんと鈴ちゃんが逢ったら、良い友達になるはずです。なぜ斉藤さんが一緒に居ると邪魔になるのですか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「初めて逢うには時間が僅かに遅い。いずれ会うから、今日は総司が一人だけで会え。」

沖田総司は斉藤一に嬉しそうに話し出す。

「斉藤さん! 鈴ちゃんと逢うのは約束ですよ! 忘れたら駄目ですよ!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一を嬉しそうに見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。帰ってきたら一緒に飲みに出掛けないか?」

沖田総司は斉藤一に嬉しそうに話し出す。

「ぜひ一緒に飲みたいです! 私が屯所に戻る時間がもったいないですよね! 一緒に出掛けながら店や待ち合わせについて決めましょう!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。


沖田総司は斉藤一の手を取ると、嬉しそうに歩き出した。

斉藤一は普通に歩き出した。


それから少し後の事。


ここは、京の町。


沖田総司と斉藤一は、一緒に歩いている。


斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。飲み代を用意しているか?」

沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「一人分の飲み代なら用意してあります。今は持ち合わせが少ないので、二人分の飲み代はないと思います。今から財布の中身を確認します。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「今日は臨時収入があった。今回は飲み代の心配をせずに、酒と肴を味わいながら楽しめるぞ。」

沖田総司は斉藤一に嬉しそうに話し出す。

「本当ですか?! 飲んでみたい酒や食べてみたい肴がたくさんあります! 遠慮せずに頼めるのですね?!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に嬉しそうに話し出す。

「とても嬉しいです! 今夜は張り切って酒と肴を楽しみます!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を嬉しそうに見た。


それから暫く後の事。


ここは、京の町。


沖田総司や斉藤一が普段に訪れる店より高級な雰囲気の店。


店に在る一室。


卓の上には、普段より豪華な肴と酒が並んでいる。


沖田総司は肴や酒を嬉しそうに見ている。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。


沖田総司は斉藤一に嬉しそうに話し出す。

「いただきます!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は杯に酒を注ぐと、美味しそうに飲み始めた。

斉藤一は杯に酒を注ぐと、普通の表情で飲み始めた。

沖田総司は杯の酒を飲みながら、肴を美味しそうに食べ始めた。

斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲んでいる。

沖田総司は肴を食べ終わると、斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 酒も肴も美味しいです!」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一の前に肴を置くと、笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 美味しい肴です! ぜひ食べてください!」

斉藤一は杯の酒を飲み終わると、肴を普通の表情で食べた。

沖田総司は斉藤一を笑顔で見た。

斉藤一は肴を食べ終わると、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に嬉しそうに話し出す。

「斉藤さんも美味しいと感じたのですね! 嬉しいです!」

斉藤一は杯に酒を注ぐと、普通の表情で飲み始めた。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 他にも飲みたい酒や食べたい肴があります! 頼んでも良いですか?!」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一を嬉しそうに見た。


ちょうど同じ頃。


ここは、屯所。


近藤勇の部屋の前。


縁。


近藤勇は一人で微笑んで月を見ている。


芹沢鴨が近藤勇の傍に普通に来た。


近藤勇は芹沢鴨に普通に話し出す。

「芹沢さん。こんばんは。」

芹沢鴨は近藤勇に普通の表情で頷いた。

近藤勇は芹沢鴨に普通に話し出す。

「総司や斉藤を気に入られたようですね。」

芹沢鴨は近藤勇に僅かに不機嫌そうに話し出す。

「俺が近藤と土方のお気に入りを気に入ったら駄目なのか?」

近藤勇は芹沢鴨に普通に話し出す。

「私の言い方が悪かったようですね。失礼しました。」

芹沢鴨は近藤勇に僅かに不機嫌そうに頷いた。

近藤勇は芹沢鴨に普通に話し出す。

「芹沢さんは以前から共に行動している同志が居ますよね。知り合ってからさほどの月日が経っていない総司や斉藤を何度も連れて出掛けていますよね。ちょうど良い機会だと思い質問しました。私の言い方が悪かったり、答え難い質問だったりする場合は、返事をされなくても構いません。」

芹沢鴨は近藤勇に普通に話し出す。

「二人は可愛くて素直、というのが答えかな。」

近藤勇は芹沢鴨を不思議そうに見た。

芹沢鴨は近藤勇に微笑んで話し出す。

「総司も斉藤も嫌な時ははっきりと言う。性格や行動がはっきりとしているな。たまに頭に来る時があるが、嫌味がないから怒る気にならない。」

近藤勇は芹沢鴨を不思議そうに見ている。

芹沢鴨は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤は違うのか?」

近藤勇は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「芹沢さんと似たような気持ち、と答えておきます。」

芹沢鴨は近藤勇に微笑んで話し出す。

「二人は強いから、はっきりとした性格なのかな? それとも、はっきりとした性格だから強くなったのかな? 近藤はどちらだと思う?」

近藤勇は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「芹沢さんに分からない質問は、私には更に分かりません。」

芹沢鴨は近藤勇に微笑んで話し出す。

「上手い言い方をするな。」

近藤勇は芹沢鴨を微笑んで見た。

芹沢鴨は月を微笑んで見た。

近藤勇は芹沢鴨を普通の表情で見た。

芹沢鴨は近藤勇を見ると、真剣な表情で話し出す。

「いずれ二人に好きな女性が出来ると思う。総司には既に相手が現れているが、総司が鈍過ぎて自分の気持ちに気付いていない。総司が自分の気持ちに気付いた時、総司が自分の気持ちに気付かないまま月日を重ねている時、斉藤に好きな女性が現れた時、総司や斉藤や二人の相手が困っている時は、しっかりと助けてやれよ。」

近藤勇は芹沢鴨を不思議そうに見た。

芹沢鴨は近藤勇に真剣な表情で話し出す。

「近藤と土方の二人で、総司に近寄ってくる女性をいろいろと理由を付けて追い払っているよな。総司は薄々とだが気付いている。斉藤は既に気付いている。だからこそ、総司と斉藤が、近藤や土方に相談や話しをした時には、しっかりと助けてやれよ。」

近藤勇は芹沢鴨に普通に話し出す。

「確かに総司は自分の気持ちに気付いていません。私は、総司にはあの子が合うと思います。斉藤には相手が現れていないように感じます。総司や斉藤が私にそれらしい話しや相談をした時は、芹沢さんの言う通りにしたいと思っています。」

芹沢鴨は近藤勇に微笑んで話し出す。

「多摩の田舎者でも繊細な気持ちを理解できるんだ。」

近藤勇は芹沢鴨を苦笑しながら見た。

芹沢鴨は近藤勇に微笑んで話し出す。

「俺から見れば、近藤はまだまだ未熟だ。大切な時のために、達人の土方にいろいろと教えてもらえ。」

近藤勇芹沢鴨を苦笑しながら見ている。

芹沢鴨は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤。俺の話しが的を射過ぎているから何も言えないのか?」

近藤勇は芹沢鴨を苦笑しながら見ている。

芹沢鴨は近藤勇に微笑んで話し出す。

「土方も総司も斉藤も役に立つ。大事にしろよ。」

近藤勇は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「はい。」

芹沢鴨は近藤勇に真剣な表情で話し出す。

「俺は強い人物や優秀な人物が好きだ。強い人物や優秀な人物と一緒に居ると楽しい。更に一緒に居たくなる。俺は総司と斉藤が好きだ。俺は総司と斉藤を最期まで連れ回す。近藤。覚えていてくれ。」

近藤勇は芹沢鴨を真剣な表情で見た。


芹沢鴨は部屋へと普通に戻って行った。


近藤勇も普通に部屋へと戻って行った。


ちょうど同じ頃。


ここは、京の町。


沖田総司と斉藤一が、一緒に歩いている。


沖田総司は斉藤一に嬉しそうに話し出す。

「今日は、美味しい酒と美味しい肴が、思い切り味わえました! とても嬉しかったです! 斉藤さん! ありがとうございます!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に嬉しそうに話し出す。

「斉藤さん! 再び良い機会があった時にも誘ってくれると嬉しいです!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「後は、美鈴さんが傍に居れば、総司にとって最高の状況になるな。」

沖田総司は顔を赤くすると、斉藤一に慌てた様子で話し出す。

「なぜ鈴ちゃんの名前が出で来るのですか?!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。今の勢いと笑顔で、美鈴さんにある言葉を言うんだ。」


沖田総司は立ち止まると、顔を赤くしながら斉藤一を見た。

斉藤一は普通に立ち止まった。


斉藤一は沖田総司の耳元に顔を近付けると、普通の表情で囁いた。

「美鈴さんに言う言葉を教えてやる。」

沖田総司は斉藤一に顔を赤くして話し出す。

「斉藤さん! 酔っていますね! 今夜は奢ってくれたから許します! これ以上は変な話をしたら駄目ですよ!」

斉藤一は沖田総司の耳元から顔を離すと、普通に話し出す。

「俺は総司に仲の良い相手を喜ばす一言を教えようとしただけだ。」

沖田総司は斉藤一に顔を赤くしながら話し出す。

「鈴ちゃんは大切な友達です! 鈴ちゃんを困らせる言葉は絶対に言えません!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺が教えようとしていた言葉を、総司が美鈴さんに言ったら喜ぶぞ。」

沖田総司は斉藤一に顔を赤くして話し出す。

「斉藤さんは私と鈴ちゃんの仲を誤解しています! 鈴ちゃんはとても大切な友達です! 大切な友達だからずっと一緒に居たいです! 斉藤さん! 鈴ちゃんに変な話をしないでください!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司の望み通り、俺は美鈴さんに変な話はしない。」

沖田総司は斉藤一に安心した様子で話し出す。

「安心しました。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。


沖田総司は笑顔で歩き出した。

斉藤一は普通に歩き出した。


それから数日後の事。


ここは、屯所。


芹沢鴨が居る部屋。


芹沢鴨、綺麗な女性、沖田総司と斉藤一が訪れた店の店長が居る。


店長は芹沢鴨に不安そうに請求書を見せた。

芹沢鴨は請求書を見ると、僅かに驚いた表情になった。

綺麗な女性も請求書を見ると、僅かに驚いた表情になった。

芹沢鴨は呆れた様子で財布を出した。

店長は芹沢鴨を不安そうに見た。

芹沢鴨は自分の前にお金を置くと、店長にぶっきら棒に話し出す。

「持っていけ。」

店長は直ぐにお金を取ると、僅かに慌てた様子で仕舞った。

芹沢鴨は店長を普通の表情で見た。


店長は僅かに慌てた様子で部屋を出て行った。


沢鴨は綺麗な女性に微笑んで話し出す。

「斉藤は本当に全額の飲み代を請求したんだ。金額や状況から考えると、総司を誘ったな。」

綺麗な女性は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「先生。とても嬉しそうですね。」

芹沢鴨は綺麗な女性に微笑んで話し出す。

「総司は、斉藤などのごく一部を除いた人物の話なら、ある程度は疑うはずなんだ。斉藤が総司に話した内容や経緯は分からないが、総司は斉藤の話しを素直に信じた。二人は本当に面白い人物だな。」

綺麗な女性は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「お二人は先生が怖くないのですね。」

芹沢鴨は綺麗な女性に微笑んで話し出す。

「お前は俺が怖いか?」

綺麗な女性は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「私も先生は怖くありません。」

芹沢鴨は綺麗な女性に微笑んで話し出す。

「俺を怖くない人物が三人も居るんだ。」

綺麗な女性は芹沢鴨に抱き付くと、微笑んで話し出す。

「先生。沖田様と良く一緒に居る可愛い女の子も居ます。合わせて四人になります。」

芹沢鴨は綺麗な女性に微笑んで話し出す。

「四人もいれば充分だな。」

綺麗な女性は芹沢鴨に抱き付きながら、微笑んで話し出す。

「四人の中で先生を一番に理解しているのは、私です。」

芹沢鴨は綺麗な女性を微笑んで見た。


沢鴨が、土方歳三や沖田総司などに斬られて亡くなるのは、菊月の半ば頃。

もう少しだけ先の出来事になる。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は、既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。

今回の物語の斉藤一さんは、他の物語とは違う雰囲気になっています。

斉藤一さんは周りの状況をしっかりと判断しながら行動しています。

斉藤一さんの言葉に嘘はなく、沖田総司さんをさり気なく巻き込み、芹沢鴨さんの予測の出来ない行動をとっています。

斉藤一さんはちゃっかりとした感じで良い思いをして、沖田総司さんは知らない内に良い思いをしています。

今回の物語の時間設定は、芹沢鴨さんが暗殺された月になります。

今回の物語の設定月の中旬頃に、芹沢鴨さんは土方歳三さんや沖田総司さんなどに暗殺されて亡くなる事になります。

「菊月(きくづき)」は、「陰暦九月の異称」です。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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