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新撰組異聞 〜 藤袴物語 〜


〜 改訂版 〜


今は秋。


ここは、京の町。


涼しさを感じる日が続くようになった。


ここは、藤袴が咲く場所。


沖田総司と子供達は、楽しそうに遊んでいる。


斉藤一と少女は、沖田総司と子供達から少し離れた場所で座って様子を見ている。


原田左之助は斉藤一と少女から少し離れた場所に静かに来た。


少女は沖田総司と子供達を微笑んで見ている。

斉藤一は辺りを普通の表情で見回した。


原田左之助はため息をつくと、寂しそうに去って行った。


少女は斉藤一を不思議そうに見た。

斉藤一は少女を見ると、普通に話し出す。

「何でもない。気にするな。」

少女は斉藤一に微笑んで頷いた。

斉藤一は少女を普通の表情を見た。

少女は沖田総司と子供達を微笑んで見た。

斉藤一は少女を普通の表情で見た。


沖田総司と子供達は、楽しそうに遊んでいる。


子供は沖田総司に意味ありげな笑顔で話し出す。

「総司お兄ちゃん。早く終わらなくても良いの?」

沖田総司は子供を不思議そうに見た。

子供達は沖田総司に微笑んで話し出す。

「僕達と長く遊んでいたら、せっかくお姉ちゃんを誘ったのに話す時間がなくなるよ。」

「はじめお兄ちゃんとお姉ちゃんは、総司お兄ちゃんと話したくて待っているはずだよ。」

「総司お兄ちゃん。早く行かないとお姉ちゃんが寂しがるよ。」

「お姉ちゃんを一人にしては駄目だよ。」

「総司お兄ちゃん。早く終わろうよ。」

沖田総司は顔を赤くして子供達を見た。

子供達は沖田総司を笑顔で見た。

沖田総司は子供達に顔を赤くしながら話し出す。

「みんなの言う通り、終わりにするね。」

子供達は沖田総司に笑顔で話し出す。

「総司お兄ちゃん! ありがとうございました! また遊んでください!」

沖田総司は子供達に顔を赤くしながら頷いた。


子供達は元気良く走りながら去って行った。


沖田総司は斉藤一と少女の元へと、顔を赤くしながら歩き出した。


少女は沖田総司を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。


沖田総司は斉藤一と少女の元に微笑んで来た。


少女は沖田総司を微笑んで見ている。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。待たせてごめんね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんと子供達の遊んでいる姿を見るのは楽しいです。心配しないでください。」

沖田総司は少女を安心した表情で見た。

少女は沖田総司を微笑んで見た。


それから少し後の事。


ここは、京の町。


原田左之助の気になる女性の“おまさ”が住む家。


家の外。


原田左之助はおまさが家から出てくるのを笑顔で待っている。


おまさは原田左之助の前に普通に現れた。


原田左之助はおまさに笑顔で話し出す。

「おまさちゃん! こんにちは!」

おまさは原田左之助に普通に話し出す。

「こんにちは。」

原田左之助はおまさに笑顔で話し出す。

「おまさちゃんはいつも素っ気無いな!」

おまさは原田左之助に普通に話し出す。

「私と左之助さんは特別な関係ではないので普通にしています。」

原田左之助はおまさを苦笑しながら見た。

おまさは原田左之助に微笑んで話し出す。

「左之助さんは、いつも突然に訪ねて来ては突然に帰るわよね。少しくらい気を遣ってくれても良いと思うの。」

原田左之助はおまさに微笑んで話し出す。

「分かった。贈り物を用意するよ。おまさちゃんは何が欲しい?」

おまさは原田左之助に微笑んで話し出す。

「左之助さんが気の利いた物を選ぶのは大変というより無理よね。普通の物で良いわよ。」

原田左之助はおまさに笑顔で話し出す。

「分かった! おまさちゃん! またな!」

おまさは原田左之助に微笑んで話し出そうとした。


原田左之助は笑顔で走って去って行った。


おまさは原田左之助の去って行く姿を見ながら、僅かに呆れた様子で呟いた。

「なぜいつも突然に訪ねて来て突然に帰るのかしら? なぜ一緒に出掛けようと誘ってくれないのかしら? 何より、左之助さんは大事な一言を言っていないわ。何を考えているのかしら。」


おまさはため息をつきながら、家の中へと入って行った。


それから数日後の事。


ここは、京の町。


原田左之助は一人で普通に歩いている。


少女は一人で微笑んで歩いている。


原田左之助は少女の姿を見ると、微笑んで歩き出した。


少女は原田左之助の様子を見ると、不思議そうに歩き出した。


原田左之助は少女の前に微笑んで立ち止まった。

少女は原田左之助の前に不思議そうに立ち止まった。


原田左之助は少女に思い切った様子で話し出す。

「俺は総司の同僚で原田左之助というんだ。以前にほんの少しだけ会ったのを覚えているかな?」

少女は原田左之助に不思議そうに軽く礼をした。

原田左之助は少女に微笑んで話し出す。

「俺を覚えていてくれたんだ。嬉しいな。」

少女は原田左之助を微笑んで見た。

原田左之助は少女に微笑んで話し出す。

「突然で悪いけれど、時間に余裕があったら話しがしたいんだ。怪しい話しや変な話しではないから心配しないでくれ。」

少女は原田左之助に不思議そうに軽く礼をした。

原田左之助は少女を微笑んで見た。


原田左之助は微笑んで歩き出した。

少女は原田左之助を見ながら、不思議そうに歩き出した。


それから少し後の事。


ここは、京の町。


静かで落ち着いた雰囲気の寺。


境内。


原田左之助と少女は一緒に居る。


原田左之助は少女に微笑んで話し出す。

「立ち話は疲れるよな。寺の中で座って話しをしよう。」

少女は原田左之助に微笑んで軽く礼をした。


原田左之助と少女は、寺の中へと入って行った。


それから僅かに後の事。


ここは、寺の中。


縁の傍。


原田左之助と少女は、縁の傍に座った。


原田左之助は少女に苦笑しながら話し出す。

「今更だけど何と呼べば良いのかな?」

少女は原田左之助に微笑んで話し出す。

「私の名前は美鈴といいます。鈴と呼ぶ人もいます。どちらの呼び方でも構いません。」

原田左之助は少女に言い難そうに話し出す。

「では、美鈴ちゃんと呼んでも良いかな?」

少女は原田左之助に微笑んで軽く礼をした。

原田左之助は少女に言い難そうに話し出す。

「実は、俺はとても気になる人がいるんだ。でも、その人は俺に素っ気無い態度を良く取るんだ。」

少女は原田左之助を不思議そうに見た。

原田左之助は少女に寂しそうな微笑みで話し出す。

「俺はその人の笑顔がたくさん見たいんだ。その人の笑顔を見ると俺は元気になるんだ。でも、俺は田舎者だろ。気の利いた言葉も品物も知らないんだ。美鈴ちゃんは京の人だから、いろいろと教えてもらえたら嬉しいなと思って呼び止めたんだ。」

少女は原田左之助に微笑んで話し出す。

「原田さんのお話しをされている方は、私より年上の方ですか?」

原田左之助は少女に微笑んで話し出す。

「美鈴ちゃんより年上だよ。明るくて笑顔の可愛い人だよ。」

少女は原田左之助に微笑んで話し出す。

「その方の好きな物をご存知ですか?」

原田左之助は少女に恥ずかしそうに話し出す。

「それが、好きな物について余り話してくれないから、詳しい内容が分からないんだ。」

少女は原田左之助に微笑んで話し出す。

「美味しいお菓子を贈り物にするというのはどうですか?」

原田左之助は少女に微笑んで話し出す。

「美鈴ちゃんは美味しい菓子を売る店をたくさん知っているよな。教えてくれるかな?」

少女は原田左之助に微笑んで軽く礼をした。

原田左之助は少女に紙と筆を差し出すと、微笑んで話し出す。

「店の場所や菓子について書いてくれるかな。」

少女は原田左之助から紙と筆を微笑んで受け取った。

原田左之助は少女を微笑んで見た。

少女は紙にお店の場所やお菓子の名前などを微笑んで書き始めた。

原田左之助は少女を微笑んで見ている。

少女は原田左之助に紙と筆を微笑んで差し出した。

原田左之助は少女から紙と筆を受け取ると、微笑んで話し出す。

「美鈴ちゃん。ありがとう。」

少女は原田左之助に微笑んで話し出す。

「その方が喜んでくれると良いですね。」

原田左之助は紙と筆を脇に置くと、少女に微笑んで話し出す。

「俺は花に関しても疎いんだ。今の時期に見頃の花を教えてくれるかな?」

少女は原田左之助に微笑んで話し出す。

「見頃の花はたくさんあります。見に行く予定ですか? 渡す予定ですか?」

原田左之助は少女に恥ずかしそうに話し出す。

「考えていなかった。今の質問は忘れてくれ。」

少女は原田左之助に微笑んで軽く礼をした。

原田左之助は境内を微笑んで見た。

少女も原田左之助を微笑んで見た。

原田左之助は境内を指すと、少女に微笑んで話し出す。

「美鈴ちゃん。藤色をした花の名前は何と言うのかな?」

少女は原田左之助の指す先を見ると、微笑んで話し出す。

「藤袴と言います。秋の七草の一つです。」

原田左之助は指すのを止めて少女を見ると、微笑んで話し出す。

「ふじばかま。」

少女は原田左之助を微笑んで見た。

原田左之助は少女に微笑んで話し出す。

「美鈴ちゃん。親切に教えてくれてありがとう。」

少女は原田左之助に微笑んで軽く礼をした。

原田左之助は少女に微笑んで話し出す。

「美鈴ちゃんに話し掛ける機会が訪れなくて苦労したんだ。別な内容で質問する時があるかも知れない。その時も親切に教えてくれると嬉しいな。」

少女は原田左之助に微笑んで軽く礼をした。

原田左之助は少女に微笑んで話し出す。

「総司が美鈴ちゃんのために、斉藤に花や歌に関する質問をしている様子を何度も見掛けるんだ。」

少女は原田左之助を微笑んで見た。

原田左之助は少女に微笑んで話し出す。

「総司が美鈴ちゃんを物凄く大切な友達と喩えているけれど、気にするなよ。」

少女は原田左之助を恥ずかしそうに見た。

原田左之助は少女に微笑んで話し出す。

「家まで送るよ。」

少女は原田左之助に微笑んで話し出す。

「お気遣いありがとうございます。一人で帰れます。」

原田左之助は少女に微笑んで話し出す。

「美鈴ちゃんを一人にして何か遭ったら、総司と美鈴ちゃんに申し訳ない。美鈴ちゃんの行きたい所か家の近くまで送るよ。」

少女は原田左之助に微笑んで話し出す。

「お言葉に甘えて、家の近くまでお願いします。」

原田左之助は少女に微笑んで頷いた。

少女は原田左之助を微笑んで見た。


その翌日の事。


ここは、京の町。


原田左之助がいろいろな場所を忙しそうに走り回る姿が見られた。


それから数日後の事。


ここは、おまさの住む家。


家の外。


原田左之助は小さな包みと小さな花束を持ちながら、おまさを微笑んで待っている。


おまさは原田左之助の前に普通に現れた。


原田左之助は片手で小さな花束を持ちながら、片手で小さな包みを差し出すと、おまさに笑顔で話し出す。

「おまさちゃん! 菓子を買ってきたんだ! 食べてよ!」

おまさは原田左之助から小さな包みを受け取ると、微笑んで話し出す。

「美味しいと評判のお店のお菓子を買ってくれたのね。買うのに苦労したわよね。味わって食べるわ。ありがとう。」

原田左之助は花束を持ちながら、おまさを嬉しそうに見た。

おまさは小さな包みを持ちながら、原田左之助を微笑んで見た。

原田左之助は小さな花束を差し出すと、おまさに笑顔で話し出す。

「おまさちゃん! 花も用意したんだ! 受け取ってくれると嬉しいな!」

おまさは片手で小さな包みを持ちながら、原田左之助から小さな花束を不片手で思議そうに受け取った。

原田左之助はおまさを嬉しそうに見た。

おまさは小さな包みと小さな花束を持ちながら、不思議そうに呟いた。

「藤袴の花束の贈り物。」

原田左之助はおまさに微笑んで話し出す。

「藤袴の花が咲く様子を見ていたら、おまさちゃんが喜ぶ姿を想像したんだ。藤袴の花束は綺麗で変わっていると思って用意したんだ。」

おまさは小さな包みと小さな花束を持ちながら、原田左之助を苦笑しながら見た。

原田左之助はおまさに不思議そうに話し出す。

「藤袴は人に贈らない花なのか?」

おまさは小さな包みと小さな花束を持ちながら、原田左之助に苦笑して話し出す。

「余り贈り物にしない花だと思う。でも、嬉しいわ。ありがとう。」

原田左之助はおまさを安心した様子で見た。

おまさは小さな包みと小さな花束を持ちながら、原田左之助を微笑んで見た。

原田左之助はおまさに微笑んで話し出す。

「今日はこれで帰るよ。また逢おうな。」

おまさは小さな包みと小さな花束を持ちながら、原田左之助に慌てた様子で話し出す。

「左之助さん! 待って!」

原田左之助はおまさを不思議そうに見た。

おまさは小さな包みと小さな花束を持ちながら、原田左之助に微笑んで話し出す。

「左之助さん。時間に余裕があったら、美味しいと評判のお菓子を一緒に食べない?」

原田左之助はおまさに嬉しそうに話し出す。

「おまさちゃんと一緒に菓子が食べたい! ぜひ菓子を一緒に食べさせてくれ!」

おまさは小さな包みと小さな花束を持ちながら、原田左之助に微笑んで話し出す。

「左之助さんにお菓子と花について教えた人は、京の町に詳しい育ちの良い人に感じるわ。」

原田左之助はおまさに微笑んで話し出す。

「俺の仕事仲間と親しくしている子に教えてもらったんだ。その子もおまさちゃんと同じく良い子なんだ。田舎者の俺に丁寧にいろいろと教えてくれたんだ。」

おまさは小さな包みと小さな花束を持ちながら、原田左之助に微笑んで話し出す。

「左之助さんに丁寧に教えるのだから良い子よね。その子にしっかりと感謝しなさいね。」

原田左之助はおまさに微笑んで頷いた。

おまさは小さな包みと小さな花束を持ちながら、原田左之助に微笑んで話し出す。

「私のために気の利いた贈り物をしようと努力してくれてありがとう。」

原田左之助はおまさを微笑んで見た。

おまさは小さな包みと小さな花束を持ちながら、原田左之助に微笑んで話し出す。

「左之助さん。美味しいお菓子や綺麗な花の贈り物を楽しみに待っているわよ。でも、直ぐに終わったら寂しいから、無理をしないで長く続けてね。」

原田左之助はおまさに微笑んで話し出す。

「おまさちゃん。今の話しは良い返事だと考えて良いのかな?」

おまさは小さな包みと小さな花束を持ちながら、原田左之助に微笑んで話し出す。

「左之助さんの想像に任せるわ。」

原田左之助はおまさに抱き付くと、嬉しそうに話し出す。

「やった〜! 努力するよ! だから楽しみに待っていろよ!」

おまさは小さな包みと小さな花束を持ちながら、原田左之助に苦笑しながら話し出す。

「左之助さん。花とお菓子がつぶれるわよ。喜ぶのは後にして、先にお菓子を一緒に食べましょう。」

原田左之助はおまさを放すと、笑顔で頷いた。

おまさは小さな包みと小さな花束を持ちながら、原田左之助を苦笑した表情で見た。

原田左之助はおまさを嬉しそうに見た。


それから数日後の事。


ここは、京の町。


屯所。


縁。


沖田総司は微笑んで歩いている。


原田左之助は小さい包みを持ちながら、沖田総司の前に笑顔で来た。

沖田総司は原田左之助の前で、微笑んで立ち止まった。


沖田総司は原田左之助に微笑んで話し出す。

「原田さん。嬉しい出来事があったのですか?」

原田左之助は小さい包みを持ちながら、沖田総司に嬉しそうに話し出す。

「あったよ!」

沖田総司は原田左之助を微笑んで見た。

原田左之助は小さい包みを持ちながら、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司。今日は仲の良い子と会うんだろ。」

沖田総司は原田左之助に不思議そうに頷いた。

原田左之助は沖田総司に小さい包みを差し出すと、微笑んで話し出す。

「菓子を多めに買ったからお裾分けだ。仲の良い子と一緒に食べてくれ。」

沖田総司は原田左之助から小さい包みを受取ると、不思議そうに話し出す。

「ありがとうございます。」

原田左之助は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「俺はこれからおまさちゃんと一緒に出掛けて、美味しい菓子を食べるんだ。」

沖田総司は小さい包みを持ちながら、原田左之助を不思議そうに見た。

原田左之助は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司も仲の良い子を一日も早く喜ばせろよ。」

沖田総司は小さい包みを持ちながら、原田左之助に不思議そうに頷いた。


原田左之助は嬉しそうに去って行った。


沖田総司は小さい包みを不思議そうに見た。


斉藤一が沖田総司の傍に普通に来た。


沖田総司は小さい包みを持ちながら、斉藤一に不思議そうに話し出す。

「原田さんから、仲の良い子と一緒に食べるようにと、菓子をもらいました。原田さんが仲の良い子を一日も早く喜ばせるようにと言いました。どのような意味でしょうか?」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は小さい包みを持ちながら、斉藤一を不思議そうに見た。

斉藤一は沖田総司の額を普通の表情のまま思い切り弾いた。

沖田総司は片手で小さい包みを持ち、片手で額を抑えると、斉藤一に怪訝そうに話し出す。

「何をするのですか?! 痛いではないですか!」

斉藤一は沖田総司に僅かに呆れた様子で話し出す。

「総司の頭の中にあるはずの必要な物がなかなか見つからない。総司。かなりしぶといな。」

沖田総司は片手で小さい包みを持ち、片手で額を抑えて、斉藤一に怪訝そうに話し出す。

「斉藤さんの話しの意味が分かりません。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「原田さんの話しの通りだ。」

沖田総司は片手で小さい包みを持ち、片手で額を抑えて、斉藤一を怪訝そうに見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。美鈴さんを早く喜ばせろよ。」

沖田総司は片手で小さい包みを持ち、片手で額を抑えて、斉藤一を怪訝そうに見ている。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「今日は美鈴さんと会う日だろ。早く行け。」

沖田総司は片手で小さい包みを持ち、片手で額を抑えて、斉藤一に怪訝そうに頷いた。


斉藤一は沖田総司の元を普通に去って行った。


沖田総司は小さい包みを持って、考え込みながら去って行った。


沖田総司に原田左之助と斉藤一の話す意味が分かるのはいつの日か。

斉藤一と少女の苦労は、まだ続くように感じる。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。

原田左之助さんと結婚をする女性の“おまさ”さんが登場する物語です。

おまささんは、町方の娘さんだそうです。

おまささんの年齢や性格、原田左之助さんと出逢った場所や時期など、詳細は分かりませんでした。

この物語の初版を掲載した時には、原田左之助さんとおまささんが結婚をした時期の詳細は分からなかったのですが、後に結婚をしたらしい時期を知る事が出来ました。

ただ、はっきりとしない部分があるので、今回は詳しい年は控えます。

おまささんの性格は、原田左之助さんと結婚をする事から考えて、物語を書きました。

原田左之助さんとおまささんが結婚をした後に、長男の茂さんが生まれます。

茂さんが生まれた時期は、幕府も新撰組も衰退へと向かう少し前の時期だと思ったのですが、これも違う可能性があります。

初稿版では、原田左之助さんと茂さんは逢っていない可能性があるという内容を書いたのですが、茂さんではなくて、弟か妹に当たる別なお子さんのようです。

「藤袴(ふじばかま)」は、藤色というかピンク色の小さい花がたくさん咲きます。

花の色が藤色で、花弁が袴の形に似ている事から、「藤袴」という名前が付いたそうです。

花の香りは桜餅の香りに似ているという話しを聞きました。

桜餅に似ているとはっきりとは分かりませんでした。

昔は、防虫剤、芳香剤、お茶などに使用していた事があるそうです。

秋の七草の一つです。

「秋の七草」は、「萩。桔梗。葛(くず)。撫子。尾花(おばな。薄[すすき]の事。)。女郎花(おみなえし)。藤袴。」となっています。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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