このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

新撰組異聞 〜 初秋の頃 薄荷の香り 〜


〜 改訂版 〜


今は、秋。


ここは、京の町。


夏のような暑さが続いている。


沖田総司達が京の町に着いてから迎える初めての秋になる。

沖田総司と少女が逢ってから迎える初めての秋になる。


沖田総司達には、京の町の慣れない決まり事などはあるが、希望に満ちている秋になる。

沖田総司達には、慌しい日もあるが、厳しい日もあるが、楽しくて嬉しい秋になる。


近藤勇と芹沢鴨の二人を頂点とする壬生浪士組は、壬生に在る八木邸に屯所を構えている。

沖田総司達は京の町の警護をしっかりと勤められるように、日々の稽古に励んでいる。


ここは、屯所。


壬生浪士組の隊士達の稽古が終わった。


井戸の傍。


原田左之助は苦笑して来た。

沖田総司は微笑んで来た。

斉藤一は普通に来た。


原田左之助が沖田総司に苦笑して話し出す。

「総司。稽古の時は、常に厳しい。」

沖田総司は原田左之助に不思議な様子で話し出す。

「普段の稽古に付いてこられない人物は、日々の鍛錬を怠っている証拠です。原田さんにしては珍しい内容を話しますね。」

原田左之助は沖田総司を苦笑して見た。

沖田総司は斉藤一を見ると、斉藤一に笑顔で話し出す。

「ねっ! 斉藤さん!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

原田左之助は斉藤一に確認する様子で話し出す。

「斉藤も総司の稽古は厳しいと思うだろ。」

斉藤一は原田左之助を普通の表情で見た。

原田左之助は斉藤一を確認する様子で見た。

斉藤一は原田左之助を普通の表情で見ている。

原田左之助は斉藤一を見ながら、軽くため息をついた。

沖田総司は原田左之助を不思議な様子で見た。

原田左之助は沖田総司を見ながら、軽くため息をついた。


少し離れた場所から、近藤勇の穏やかな声が聞こえた。

「総司。外は暑い。稽古で更に汗をかいただろ。体を拭いてから話すように。」


沖田総司は少し離れた場所を笑顔で見た。

原田左之助は少し離れた場所を微笑んで見た。

斉藤一は少し離れた場所を普通の表情で見た。


近藤勇が微笑んで居る。


沖田総司は近藤勇に笑顔で話し出す。

「はい!」


近藤勇は斉藤一と原田左之助に微笑んで話し出す。

「斉藤。左之助。早く体を拭くように。」


原田左之助は近藤勇を見ると、近藤勇に笑顔で話し出す。

「はい!」

斉藤一は近藤勇に普通の表情で軽く礼をした。


沖田総司は井戸から水を笑顔で汲んだ。

沖田総司は手拭を桶に浸してから、手拭を固く絞ると、体を笑顔で拭き始めた。

斉藤一は桶に手拭を浸してから、手拭を固く絞ると、体を普通の表情で拭き始めた。

原田左之助は桶に手拭を浸してから、手拭を固く絞ると、体を笑顔で拭き始めた。


近藤勇は微笑んで居なくなった。


原田左之助は手拭で体を拭きながら、沖田総司に苦笑して話し出す。

「季節は秋になっているが、毎日が夏だな。」

沖田総司は手拭で体を拭きながら、原田左之助に苦笑して話し出す。

「はい。」

原田左之助は手拭で体を拭きながら、沖田総司に苦笑して話し出す。

「普段も汗をかく。稽古も汗をかく。夏のような暑さ。少し辛い。」

沖田総司は手拭で体を拭きながら、原田左之助に苦笑して話し出す。

「風呂に浸かって気持ち良くなっても、暑いために、直ぐに汗をかきますよね。今の頃に、汗をかきにくい方法を知りたいですよね。」

原田左之助は手拭で体を拭きながら、沖田総司に苦笑して話し出す。

「風呂に浸かりながら、さっぱりとする方法。知りたいな。」

沖田総司は手拭で体を拭きながら、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。良い方法を知りませんか?」

斉藤一は手拭で体を拭きながら、沖田総司に普通に話し出す。

「薄荷湯。」

沖田総司は手拭で体を拭きながら、斉藤一に笑顔で話し出す。

「薄荷湯! 気持ち良いです! 良い方法です!」

原田左之助は手拭で体を拭きながら、沖田総司に笑顔で話し出す。

「薄荷湯に浸かってさっぱりとしたいな!」

沖田総司は手拭で体を拭きながら、原田左之助に笑顔で話し出す。

「原田さん! 近藤さんに薄荷湯に浸かりたいと頼みましょう!」

原田左之助は手拭で体を拭きながら、沖田総司に笑顔で話し出す。

「総司! 物凄く良い! 物凄く賛成する!」

沖田総司は手拭で体を拭き終わると、原田左之助を笑顔で見た。

原田左之助も手拭で体を拭き終わると、沖田総司を笑顔で見た。

斉藤一は手拭で体を拭きながら、沖田総司と原田左之助を普通の表情で見た。


沖田総司は笑顔で歩き出した。

原田左之助も笑顔で歩き出した。


斉藤一は手拭で体を拭きながら、沖田総司と原田左之助を普通の表情で見ている。


沖田総司は笑顔で止まった。

原田左之助も笑顔で止まった。


沖田総司は斉藤一を見ると、斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 近藤さんに一緒に頼む手伝いをお願いします!」


斉藤一は体を普通の表情で拭き終わった。


斉藤一は普通に来た。


沖田総司は笑顔で歩き出した。

原田左之助も笑顔で歩き出した。


斉藤一は普通に歩き出した。


数日後の事。


ここは、屯所。


風呂場。


湯船から湯気が見える。


薄荷湯ではなく普通の湯になる。


沖田総司は風呂に笑顔で浸かっている。


風呂場の外。


土方歳三は風呂場を微笑んで見た。

斉藤一は風呂場を普通の表情で見た。


風呂場。


沖田総司は風呂に浸かり、土方歳三と斉藤一を見ると、土方歳三と斉藤一に笑顔で話し出す。

「土方さん! 斉藤さん! お風呂を頂いています!」


風呂場の外。


斉藤一は沖田総司の表情を普通で見ている。

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司。あの子は毎日のように風呂に浸かる雰囲気がある。あの子は可愛い笑顔で風呂に浸かる雰囲気がある。」


風呂場。


沖田総司は風呂に浸かり、土方歳三を赤面して見た。


風呂場の外。


土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「あの子は薄荷湯の好きな雰囲気がある。」


風呂場。


沖田総司は風呂に浸かり、土方歳三を赤面して見ている。


風呂場の外。


土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「あの子は、菖蒲湯も柚子湯も、好きな雰囲気がある。」


風呂場。


沖田総司は風呂に浸かり、土方歳三を赤面して見ている。


風呂場の外。


土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司。近い内に、あの子に確認を頼む。」


風呂場。


沖田総司は風呂に浸かり、土方歳三を赤面してぐったりとした様子で見た。


風呂場の外。


土方歳三は沖田総司に不思議な様子で話し出す。

「総司。大丈夫か?」

斉藤一は土方歳三と沖田総司を普通の表情で見た。


風呂場。


沖田総司は風呂に浸かり、土方歳三に赤面してぐったりとした様子で話し出す。

「駄目かも知れません。」


風呂場の外。


土方歳三は斉藤一を普通の表情で見た。

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は沖田総司を見ると、沖田総司に慌てて話し出す。

「総司! 今から風呂場に行く! 沈むな!」


風呂場。


沖田総司は風呂に浸かり、土方歳三に赤面してぐったりとした様子で小さい声で話し出す。

「はい。」


少し後の事。


ここは、屯所。


一室。


障子は開いている。


風通しが良くなっている。


土方歳三は苦笑して居る。

沖田総司は浴衣を着て、ぐったりとした様子で床の中に居る。

斉藤一は沖田総司に向かって、団扇を普通の表情で扇いでいる。


土方歳三は沖田総司と斉藤一に苦笑して話し出す。

「斉藤。水が無くなった。水を取りに行く。後を頼む。」

斉藤一は沖田総司に団扇を扇ぎながら、土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。


土方歳三は部屋から苦笑して出て行った。


沖田総司は床の中で、ぐったりとした様子で、斉藤一に小さい声で話し出す。

「斉藤さん。すいません。」

斉藤一は沖田総司に団扇を扇ぎながら、沖田総司に普通に話し出す。

「気にするな。」

沖田総司は床の中で、斉藤一をぐったりとした様子で見た。

斉藤一は沖田総司に団扇を扇ぎながら、沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんについて変な想像をしたのか?」

沖田総司は床の中で、ぐったりとした様子で、斉藤一に小さい声で話し出す。

「鈴ちゃんについて変な想像。何ですか?」

斉藤一は沖田総司に団扇を扇ぎながら、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は床の中で、ぐったりとした様子で、斉藤一を普通の表情で見た。


土方歳三が急須と湯飲みを持ち、部屋の何か普通に入った。


斉藤一は沖田総司に団扇を扇ぎながら、土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

沖田総司は床の上にゆっくりと体を起こした。

土方歳三は沖田総司に苦笑して表情で湯飲みを渡した。

沖田総司は床の上にぐったりとした様子で体を起こして、土方歳三から湯飲みを受け取った。

斉藤一は沖田総司に団扇を扇ぎながら、土方歳三と沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は床の上にぐったりとした様子で体を起こして、湯飲みを持ち、水をゆっくりと飲んだ。


沖田総司の風呂での一件が遭った出来事が関係しているか不明だが、八木邸で薄荷湯を沸かす状況になった。


数日後の事。


ここは、屯所。


沖田総司と原田左之助にとって、薄荷湯に浸かる待望の日を迎えている。


一室。


沖田総司は笑顔で居る。

斉藤一は普通に居る。


沖田総司は斉藤一に嬉しく話し出す。

「斉藤さん! 薄荷湯ですね!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に心配して話し出す。

「斉藤さん。薄荷湯に浸かる間に、変な内容を話さないでくださいね。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「変な内容。是非、教えてくれ。」

沖田総司は斉藤一に赤面して話し出す。

「風呂に浸かるとか〜 柚子湯とか〜 菖蒲湯とか〜」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「風呂に浸かる。柚子湯。菖蒲湯。総司にとって全て普通の内容だと思っていた。今後は、総司に話せない内容になるのか。」

沖田総司は斉藤一に赤面して慌てて話し出す。

「斉藤さん! 私の話す意味は違います!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を赤面して慌てて見た。


少し後の事。


ここは、屯所。


風呂場。


薄荷湯が用意してある。


薄荷の香り広がっている。


温かいのに涼しい湯気が広がっている。


沖田総司は薄荷湯に笑顔で浸かっている。


沖田総司は薄荷湯に浸かり、気持ち良い声を出した。

「薄荷湯は気持ち良いな〜!」

沖田総司は薄荷湯に浸かり、薄荷湯を笑顔で見た。


少し後の事。


ここは、屯所。


縁。


沖田総司は笑顔で歩いている。


沖田総司は笑顔で声を出した。

「薄荷湯は気持ち良いな〜!」


少し離れた縁。


近藤勇は沖田総司を微笑んで見ている。

土方歳三も沖田総司を微笑んで見ている。


縁。


沖田総司の姿は見えなくなった。


少し離れた場所。


近藤勇は土方歳三を微笑んで見た。

土方歳三は近藤勇に微笑んで頷いた。


翌日の事。


ここは、大きな木の下。


沖田総司は笑顔で居る。

少女は微笑んで居る。


沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「昨日、薄荷湯に浸かったんだ! 気持ち良かったよ!」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私も先日になりますが、薄荷湯に浸かりました。気持ち良かったです。」

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃんも薄荷湯に浸かったんだ! 鈴ちゃんも私と同じ感想なんだ!」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「再び薄荷湯に浸かりたいね!」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃん! 薄荷湯の次に季節に合う風呂は何かな?!」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「薬用風呂の中に、菊湯があります。次の季節に合うと思います。気持ちが良いと思います。」

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「菊湯! 良いね! 近藤さんに話してみるね!」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女を笑顔で見た。


季節は秋だが、少しだけ夏のような暑さが続く気配がある。

薄荷湯は、暑い季節には、とても良い薬用風呂になる。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の物語の出来事や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

「風呂」についてです。

江戸時代には銭湯をたくさんの人達が利用していました。

現在とは違い、「蒸し風呂」のようになっていたそうです。

「戸棚風呂」と呼ばれる形だったそうです。

熱くなっている小石の上に水を掛けて蒸気を出していたそうです。

浴槽には膝の高さほどのお湯しかありませんでした。

下半身はお湯に浸して、上半身は小石から出る蒸気で温めていたそうです。

蒸気が逃げないようにするために、「石榴口(ざくろぐち)」が考えられたそうです。

簡単な説明ですが、天井から低く板を下げて、蒸気を逃げないようにしていました。

お風呂に入る人達はこの板をくぐって、風呂場の中へと入っていったそうです。

現在でいう「風呂」に近い、深く浸かる「風呂」も、江戸時代に出来ました。

「据え風呂」というそうです。

「慶長年間の末頃」に出来たそうです。

井戸水などから沸かすお風呂だったそうです。

一般の庶民の家に広まったそうです。

普及していたのは「鉄砲風呂」や「五右衛門風呂」だったそうです。

「鉄砲風呂」は、簡単に言うと、鉄の筒に燃えている薪を入れてお湯を温めるお風呂です。

鉄の筒でやけどをしないように、筒を遮るように柵で防護していたそうです。

この形のお風呂は、江戸で主流になっていたそうです。

「五右衛門風呂」は、簡単に言うと、下の鉄釜を熱して温めるお風呂です。

こちらはやけどをしないように、「釜板、兼、底板」を下に敷いてお風呂に入ったそうです。

この形のお風呂は、関西で主流になっていたそうです。

この物語の中に「薄荷湯(はっかゆ)」が登場します。

薬用のお風呂を専門に提供する銭湯もあったそうです。

「菖蒲湯」や「柚子湯」は、あったそうです。

「薄荷湯」が何時からあるのかは良く分かりませんでした。

「薄荷」は、江戸時代よりもっと前にあります。

日本に「薄荷」が着たのも、江戸時代よりかなり前の事になるそうです。

後は、当時の「薄荷」の値段がわかりませんでした。

薬用の銭湯専門店で「薄荷湯」があった場合に入る時の値段も、分かりませんでした。

「薄荷」や「薄荷湯」は、高価な可能性があります。

この物語では、新撰組の屯所に現在のように浸かるお風呂があった設定です。

物語の中に「菊湯(きくゆ)」が登場します。

「竜能菊(りゅうのうぎく)」の生葉か乾燥させた葉を使った薬用風呂です。

当時からあったかは別にして、時期的に「菊湯」という薬用風呂があるので、物語に使いました。

物語の進行上、「据え風呂」がある事になっています。

詳しく調べると、つじつまの合わない事が有るかも知れませんが、ご了承ください。

「初秋」についてです。

「しょしゅう。はつあき。」と読みます。

「秋の初め」、「陰暦七月の異称」、です。

この物語では「陰暦七月の異称」の意味で使いました。

楽しんで頂けると嬉しいです。





←前            目次            次→


このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください