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新撰組異聞 〜 千年の友の物語 〜


〜 改訂版 〜


今は、夏。


ここは、京の町。


花菖蒲が咲き始めた。


ここは、花菖蒲のたくさん咲く場所。


花菖蒲の傍。


沖田総司は小さい包みを持ち、少女を微笑んで見ている。

少女は花菖蒲のたくさん咲く様子を微笑んで見ている。


少女は沖田総司を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。花菖蒲が綺麗に咲いています。嬉しいです。」

沖田総司は小さい包みを持ち、少女に微笑んで頷いた。


少し後の事。


ここは、花菖蒲のたくさん咲く場所。


一本の大きな木の下。


沖田総司は小さい包みを持ち、微笑んで座っている。

少女は微笑んで座っている。


沖田総司は小さい包みを持ち、少女に微笑んで話し出す。

「花菖蒲の名前。たくさんあるね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は小さい包みを持ち、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんと一緒に居ると勉強になるよ。」

少女は沖田総司に恥ずかしく話し出す。

「私は難しい内容は知りません。恥ずかしいです。」

沖田総司は小さい包みを持ち、少女に微笑んで話し出す。

「私は花について疎いだろ。鈴ちゃんと一緒に居ると勉強になるんだ。恥ずかしく思わないで。」

少女は沖田総司に恥ずかしく話し出す。

「総司さんのお役に立てて嬉しいです。」

沖田総司は小さい包みを持ち、少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。先程の預けた包みには、お団子が入っています。花菖蒲を見ながら食べませんか?」

沖田総司は小さい包みを持ち、少女に笑顔で話し出す。

「嬉しいな!」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は小さい包みを笑顔で広げた。

少女は沖田総司を微笑んで見ている。

沖田総司は団子を取ると、少女に笑顔で話し出す。

「いただきます!」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は団子を笑顔で美味しく食べた。

少女は沖田総司を微笑んで見ている。

沖田総司は団子を取ると、美味で美味しく食べた。


少し後の事。


ここは、花菖蒲のたくさん咲く場所。


一本の大きな木の下。


沖田総司は団子を笑顔で美味しく食べながら、座っている。

少女は微笑んで座っている。


沖田総司は笑顔で美味しく団子を食べ終わった。


包みの中の団子が無くなった。


沖田総司は少女に恥ずかしく話し出す。

「今回も団子をほとんど一人で食べてしまった。ご免ね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんはお仕事やお稽古で忙しいです。お腹が空きます。私は大丈夫です。」

沖田総司は少女を恥ずかしく見た。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は花菖蒲を恥ずかしく見た。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「“千年の友”という名前の花菖蒲があります。素敵な名前だと思います。」

沖田総司は少女を見ると、少女に笑顔で話し出す。

「“千年の友”という名前の花菖蒲があるんだ! 今の居る場所に“千年の友”は咲いているのかな?!」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「“千年の友”を分けてもらえるか確認しよう!」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女を笑顔で見た。

少女は沖田総司を微笑んで見た。


少し後の事。


ここは、花菖蒲のたくさん咲く場所。


花菖蒲の傍。


沖田総司は数本の“千年の友”を笑顔で抱えている。

少女は沖田総司を微笑んで見ている。


沖田総司は数本の“千年の友”を抱えて、少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃんの分の“千年の友”も分けてもらったんだ! 私が“千年の友”を家まで持っていくね!」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。」

沖田総司は数本の“千年の友”を抱えて、少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃんは、私が京の町に着いた時に、最初に友達になってくれたんだ! 鈴ちゃんとは“千年の友”でいたいんだ!」

少女は沖田総司を寂しく見た。

沖田総司は数本の“千年の友”を抱えて、少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃんは物凄く大切な友達だから、千年以上も友達でいたいな!」

少女は沖田総司を寂しく見ている。

沖田総司は数本の“千年の友”を抱えて、少女に不安な様子で話し出す。

「鈴ちゃん。私は今回も変な内容を話したのかな?」

少女は沖田総司に寂しく小さい声で話し出す。

「大丈夫です。」

沖田総司は数本の“千年の友”を抱えて、少女に悲しく話し出す。

「私は風流に疎い。私は京の町の風習に疎い。私と千年も友達で過ごすのは迷惑だよね。気付かなかった。ご免ね。」

少女は沖田総司に慌てた様子で話し出す。

「私は、総司さんと一緒に居られて、とても嬉しいです。総司さんと一緒に千年も過ごせるならば、更に嬉しいです。」

沖田総司は数本の“千年の友”を抱えて、少女に不安な様子で話し出す。

「鈴ちゃん。無理よしないで。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「無理はしていません。総司さんが私と千年以上も一緒に居たい気持ちが分かりました。とても嬉しいです。」

沖田総司は数本の“千年の友”を抱えて、少女に不安な様子で話し出す。

「鈴ちゃん。本当に無理をしていないの?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は数本の“千年の友”を抱えて、少女に笑顔で話し出す。

「良かった〜!」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は数本の“千年の友”を抱えて、少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃん! 末永く一緒に居てね! よろしくお願いします!」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。末永く一緒に居てください。よろしくお願いします。」

沖田総司は数本の“千年の友”を抱えて、少女に笑顔で軽く礼をした。

少女は沖田総司に微笑んで軽く礼をした。

沖田総司は数本の“千年の友”を抱えて、少女を笑顔で見た。

少女は沖田総司を微笑んで見た。


暫く後の事。


ここは、屯所。


近藤勇の部屋。


近藤勇は机に普通に向かっている。


沖田総司は数本の“千年の友”を抱えて、部屋を気良く訪れた。


近藤勇は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は数本の“千年の友”を抱えて、近藤勇に笑顔で話し出す。

「近藤さん! “千年の友”の名前の花菖蒲です! 綺麗で良い名前の花菖蒲です!」

近藤勇は沖田総司に微笑んで話し出す。

「“千年の友”。綺麗で良い名前の花菖蒲だ。」

沖田総司は数本の“千年の友”を抱えて、近藤勇に笑顔で話し出す。

「“千年の友”を或る場所から分けてもらいました! 数に限りがあるので、近藤さんに、一本のみですが、お裾分したくて部屋に来ました!」

近藤勇は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司。ありがとう。」

沖田総司は数本の“千年の友”から一本の“千年の友”を取ると、近藤勇に“千年の友”を笑顔で渡した。

近藤勇は沖田総司から“千年の友”を微笑んで受け取った。

沖田総司は数本の“千年の友”を抱えて、近藤勇に笑顔で話し出す。

「近藤さん! 失礼します!」

近藤勇は“千年の友”を持ち、沖田総司に微笑んで頷いた。


沖田総司は“千年の友”を抱えて、部屋を笑顔で出て行った。


近藤勇は“千年の友”を持ち、“千年の友”を見ながら、微笑んで呟いた。

「“千年の友”。本当に綺麗で良い名前だ。」


少し後の事。


ここは、屯所。


沖田総司の部屋。


沖田総司は笑顔で居る。

机の上には、数本の“千年の友”、数個の花瓶、が置いてある。


沖田総司は机の上に数個の花瓶を笑顔で丁寧に置いた。

沖田総司は“千年の友”を持つと、花瓶に笑顔で丁寧に挿した。


少し後の事。


ここは、屯所。


沖田総司の部屋。


沖田総司は笑顔で居る。

机の上には、“千年の友”を一本ずつ挿した数個の花瓶が置いてある。


沖田総司は“千年の友”を笑顔で見た。


“千年の友”は全て綺麗に咲いている。


沖田総司は“千年の友”を挿した一個の花瓶を笑顔で持った。


沖田総司は“千年の友”を指した花瓶を持ち、部屋を笑顔で出て行った。


少し後の事。


ここは、屯所。


斉藤一の部屋。


斉藤一は普通に居る。


沖田総司は“千年の友”を挿した花瓶を持ち、部屋を笑顔で訪れた。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に“千年の友”を挿した花瓶を渡すと、斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! “千年の友”の名前の花菖蒲です! 斉藤さんは物凄く大切な友達です! 斉藤さんに“千年の友”を贈りたくて来ました!」

斉藤一は“千年の友”を挿した花瓶を持つと、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 花瓶に水を入れてあります! 安心してください!」

斉藤一は“千年の友”を挿した花瓶を持ち、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一を笑顔で見た。

斉藤一は“千年の友”を挿した花瓶を、机の上に普通の表情で静かに置いた。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃんに、“千年の友”の名前の花菖蒲があると、教えてもらいました! 斉藤さんと鈴ちゃんが、直ぐに思い浮かびました!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「“千年の友”と聞いて、俺と美鈴さんを、思い出したのか?」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「はい! 斉藤さんも鈴ちゃんも、私にとって、物凄く大切な人物です! 千年以上も永く友達で過ごしたい人物です!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。美鈴さんに今の内容を話したのか?」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃんにも同じ内容を話しました! 鈴ちゃんは、最初は寂しい様子でしたが、途中から笑顔になりました!」

斉藤一は沖田総司の顔を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を笑顔で見た。

斉藤一は沖田総司の額を指で普通の表情で思い切り弾いた。

沖田総司は額を痛い様子で押さえて、斉藤一に大きな声で話し出す。

「斉藤さん! 痛いです! 何をするのですか?!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司が余りに変な内容を話す。総司の額を叩けば、普通の内容を話すと思った。」

沖田総司は痛い様子で額を押さえて、斉藤一に怪訝な様子で話し出す。

「斉藤さん。話の意味が分かりません。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司の気持ちは分かった。“千年の友”は喜んで受け取る。」

沖田総司は痛い様子で額を押さえて、斉藤一を不思議な様子で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんに他に変な内容は話していないのか?」

沖田総司は痛い様子で額を抑えて、斉藤一に不思議な様子で話し出す。

「話していないと思います。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は痛い様子で額を押さえて、斉藤一を不思議な様子で見た。


暫く後の事。


夜になっている。


ここは、京の町。


夜空には、くっきりとした月が綺麗に輝いている。


ここは、屯所。


近藤勇の部屋。


机の上には、沖田総司が近藤勇にお裾分けした“千年の友”を挿した花瓶が置いてある。


近藤勇は“千年の友”を微笑んで見ている。


土方歳三は部屋を微笑んで訪れた。


近藤勇は土方歳三を見ると、土方歳三に微笑んで話し出す。

「歳。部屋まで呼んで悪かった。」

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「俺と近藤さんの仲だ。遠慮しないでくれ。」

近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「総司が、数に限りがある中で、“千年の友”の名前の花菖蒲を、俺に一本だけ分けてくれた。」

土方歳三は“千年の友”を微笑んで見た。

近藤勇は土方歳三を微笑んで見た。

土方歳三は近藤勇を見ると、近藤勇に微笑んで話し出す。

「総司。気の利いた物を贈るようになったのか。」

近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「総司は俺に“千年の友”をお裾分けすると話した。総司が“千年の友”を贈った人物は、お裾分けの俺も含めると、三人だと思う。」

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「斉藤。あの子。以上の二人だな。」

近藤勇は土方歳三に苦笑して話し出す。

「あの子が総司から“千年の友”を贈られた時の様子を想像した。あの子が可哀想になった。」

土方歳三は近藤勇に苦笑して話し出す。

「確かに、あの子が可哀想だ。」

近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「総司から“千年の友”をお裾分けしてもらった時に、最初に思い出した人物。歳だった。」

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さんは“千年の友”で俺を最初に思い出してくれた。お世辞だとしても、嬉しいよ。」

近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「歳は、お世辞も嘘も、直ぐに分かる。私は、歳には、嘘もお世辞も、話さない。」

土方歳三は近藤勇を微笑んで見た。

近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「歳。“千年の友”と月を、酒の肴にして、一緒に飲まないか?」

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「喜んで。」

近藤勇は土方歳三を微笑んで見た。

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「美味しい沢庵が手に入った。酒の肴に追加をしても良いかな?」

近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「喜んで。」

土方歳三は近藤勇を微笑んで見た。

近藤勇も土方歳三を微笑んで見た。


僅かに後の事。


ここは、少女の住む家。


少女の部屋。


机の上には、沖田総司が少女に贈った“千年の友”を挿した花瓶が置いてある。


少女は“千年の友”を微笑んで見ている。


少女は“千年の友”を挿した花瓶を縁の傍に微笑んで動かした。


“千年の友”は月の光を受けて淡く輝いた。


少女は“千年の友”に微笑んで話し掛ける。

「総司さんが私と千年以上も一緒に居たいと話したの。とても嬉しかったの。出来るならば、友達ではなくて。」

少女は話を止めると、“千年の友”を赤面して見た。


“千年の友”は月の光を受けて、淡く輝いている。


少女は“千年の友”に恥ずかしく話し掛ける。

「何時か、総司さんに“千年の友”ではなくて、別な呼び名で呼んで欲しいな。」


“千年の友”は月の光を受けて、淡く輝いている。


少女は“千年の友”を恥ずかしく見た。


近藤勇の想い、土方歳三の想い、沖田総司の想い、斉藤一の想い、少女の想い。

“千年の友”は、たくさんの想いを受けながら、綺麗な姿で咲き続ける。


“千年の友”を聞いた時に、最初に思い浮かべる人物は誰か?

心の中に思い浮かぶ人物が“千年の友”の答えになる。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承ください。

ここからは、改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

「花菖蒲(はなしょうぶ)」の「千年の友(ちとせのとも)」についてです。

「肥後系」です。

この物語の補足です。

新撰組の隊士達、「新撰組異聞」と「新撰組異聞外伝」の登場人物達に、とても似合う名前の花菖蒲だと思いました。

「千年の友」は、いつ頃からある花菖蒲か確認はとっていません。

「千年の友」の花菖蒲を見た時に、「新撰組異聞」と「新撰組異聞外伝」のどちらの物語から先に書くか考えました。

考えた結果、「新撰組異聞」から先に書きました。

この物語を書く時に、「沖田総司さんと斉藤一さん」が最初に思い浮かびました。

次に、「近藤勇さんと土方歳三さん」が思い浮かびました。

その次に、「沖田総司さんと鈴ちゃん」が思い浮かびました。

この三組の物語を書く事に決めてから書き始めました。

物語の時間設定は、沖田総司さんが京に着いた最初の年か、翌年の頃か、三年目の頃にしようと考えました。

京に着いた最初の頃は、いろいろな関係がはっきりとしていない部分があります。

沖田総司さんの状況から考えて、京に着いた翌年の頃なら、みんなが明るい雰囲気で居られるぎりぎりの頃と考えて書きました。

少し早めに咲いた「千年の友」を巡る物語として書きました。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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