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新撰組異聞 〜 松の香りに包まれて 〜


〜 改訂版 〜


新しい年を迎えている。


ここは、京の町。


季節は春になったが、冬の寒さが続いている。


ここは、屯所。


縁。


沖田総司は笑顔で元気良く歩いている。


斉藤一の歩く姿を見付けた。


沖田総司は斉藤一に笑顔で声を掛けた。

「斉藤さん〜!」


斉藤一は普通に止まった。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。


沖田総司は笑顔で走ってきた。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 松湯に浸かりたいと思っています! 二人で頼めば、松湯に浸かれる可能性が更に高くなります! 私と一緒に、近藤さんと土方さんに頼んでください!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 早く行きましょう!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一の手を笑顔で握った。


沖田総司は斉藤一の手を握り、笑顔で歩き出した。

斉藤一は沖田総司を見ながら、普通に歩き出した。


僅かに後の事。


ここは、屯所。


土方歳三の部屋。


土方歳三は机に普通の表情で向かっている。


沖田総司は部屋を笑顔で訪れた。

斉藤一は部屋を普通に訪れた。


土方歳三は沖田総司と斉藤一を不思議な様子で見た。

沖田総司は土方歳三に笑顔で話し出す。

「土方さん! 松湯に浸かりたいです!」

土方歳三は斉藤一に不思議な様子で話し出す。

「斉藤も松湯に浸かりたいのか?」

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を渋い表情で見た。

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

沖田総司は土方歳三と斉藤一を微笑んで見た。

土方歳三は沖田総司に苦笑して話し出す。

「総司も斉藤も、松湯に浸かりたいのか。」

沖田総司は土方歳三に笑顔で話し出す。

「はい!」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司。松にちなむ歌を教える。俺の教える歌を覚えたら、一番風呂に浸かれるようにする。」

沖田総司は土方歳三に笑顔で話し出す。

「土方さん! 私と斉藤さんは、近藤さんにも松湯に浸かれるように頼みます! 土方さんは、松湯に浸かる準備をお願いします!」

土方歳三は沖田総司を苦笑して見た。

沖田総司は斉藤一の手を笑顔で握った。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。


沖田総司は斉藤一の手を握り、部屋を笑顔で出て行った。

斉藤一は沖田総司を見ながら、部屋を普通に出て行った。


土方歳三は苦笑して呟いた。

「さすが総司。歌の説明を聞く前に逃げた。総司は、剣術関係の勘、危険を察知する勘は、天才的だな。」


土方歳三は机に微笑んで向かった。


数日後の事。


ここは、屯所。


日付は調整中だが、屯所で松湯に浸かる内容が決まった。

隊士達は、松湯に浸かる日を楽しみに過ごしている。


土方歳三の部屋。


土方歳三は机に普通の表情で向かっている。


斉藤一は部屋を普通に訪れた。


土方歳三は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。頼みがある。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。


僅かに後の事。


ここは、沖田総司と子供達が幾度も訪れる寺。


境内。


沖田総司が笑顔で居る。

子供達も笑顔で居る。


沖田総司は子供達に笑顔で話し出す。

「みんな! 今日は何をして遊びたい?!」

子供達は沖田総司に笑顔で話し出す。

「小倉百人一首のかるたで遊びたいです!」

沖田総司は子供達に微笑んで話し出す。

「今日は、かるたの用意をしてないんだ。別な日に、かるたで遊ぼう。」

子供達は沖田総司に笑顔で話し出す。

「小倉百人一首のかるたは、かるたを詠む役が必要だよね! お姉ちゃんも一緒に遊べるね!」

「お姉ちゃんは、かるたを詠むのが上手だよね! 歌の勉強にもなるね!」

沖田総司は子供達に赤面して話し出す。

「今日は、鈴ちゃんと逢う約束をしていないんだ。」

子供達は沖田総司に残念な様子で話し出す。

「総司お兄ちゃん。なぜ、お姉ちゃんを誘わないの?」

沖田総司は子供達に赤面して話し出す。

「鈴ちゃんも用事があるよね。」

子供達は沖田総司に残念な様子で話し出す。

「お姉ちゃんには用事があるんだ。とても残念だな。」

「総司お兄ちゃん。お姉ちゃんを誘って、小倉百人一首のかるたで遊ぼうよ。」

沖田総司は子供達に赤面して話し出す。

「念のために、小倉百人一首の歌の復習をしよう。少し後の日に、小倉百人一首のかるたで遊ぼう。」

子供達は沖田総司に微笑んで話し出す。

「分かった。」

沖田総司は子供達に赤面して頷いた。

子供達は沖田総司に不思議な様子で話し出す。

「総司お兄ちゃん。話の途中から顔が赤いよ。大丈夫?」

「総司お兄ちゃんは、お姉ちゃんについて話すと、時折、顔が赤くなるんだ。」

「忘れていた。」

「忘れたら駄目だよ。」

「今後は気を付けるね。」

沖田総司は子供達に赤面して話し出す。

「みんな。今日は何をして遊ぶ?」

子供達は沖田総司に笑顔で話し出す。

「相撲!」

沖田総司は子供達を赤面して微笑んで見た。

子供達は横を見ると、沖田総司に笑顔で話し出す。

「はじめお兄ちゃんだ!」

沖田総司は横を赤面して不思議な様子で見た。


斉藤一が沖田総司と子供達に向かって普通に歩いてくる。


沖田総司は斉藤一を赤面して微笑んで見た。

子供達は斉藤一を笑顔で見た。


斉藤一は沖田総司と子供達の傍に普通に来た。


沖田総司は斉藤一を赤面して微笑んで見た。

子供達は斉藤一に笑顔で話し出す。

「はじめお兄ちゃん! こんにちは!」

斉藤一は子供達に普通の表情で頷いた。

子供達は斉藤一を笑顔で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。顔が赤い。」

子供達は斉藤一に笑顔で話し出す。

「お姉ちゃんは、かるたを詠むのが上手だよね! みんなで小倉百人一首のかるたで遊べると話していたんだ!」

斉藤一は子供達に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に僅かに赤面して不思議な様子で話し出す。

「斉藤さん。今日は任務ですよね。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「土方さんから、総司に歌を教えたいから、連れてくるように、頼まれた。」

沖田総司は斉藤一に困惑して話し出す。

「今から子供達と相撲で遊ぶ予定です。」

子供達は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司お兄ちゃんとはじめお兄ちゃんの上役さんの頼みだよ。僕達との遊ぶ予定は気にしないで。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「土方さんが斉藤さんに頼んだ内容は、急ぎの内容に該当しませんよね。子供達と遊んでから戻ると伝えてください。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は子供達に笑顔で話し出す。

「みんな! 斉藤さんも同意してくれたよ! 斉藤さんは、頼りになるから、気兼ねなく相撲が出来るよ! 良かったね!」

子供達は沖田総司に不思議な様子で頷いた。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! お願いします!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

子供達は沖田総司を苦笑して見た。

斉藤一は子供達に普通の表情で頷いた。

子供達は斉藤一を見ると、斉藤一に苦笑して軽く礼をした。

斉藤一は子供達に普通の表情で頷いた。

沖田総司は子供達に笑顔で話し出す。

「みんな! 相撲を始めよう!」

子供達は沖田総司に苦笑して頷いた。


斉藤一は普通に居なくなった。


暫く後の事。


ここは、屯所。


土方歳三の部屋。


土方歳三は机に普通に向かっている。


斉藤一は部屋を普通に訪ねた。


土方歳三は斉藤一に残念な様子で話し出す。

「駄目だったか。」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「総司は子供達と遊んでいました。子供達が傍に居ました。総司を無理に連れてくるのは止めました。」

土方歳三は斉藤一に残念な様子で話し出す。

「子供達と一緒に遊んでいたのか。仕方が無いな。」

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は斉藤一に普通に話し出す。

「斉藤。総司に歌を教える良い機会を思い付いた。少し後になるが、手伝ってくれ。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。


数日後の事。


ここは、屯所。


松湯に浸かる日になる。


新撰組の隊士の人数や任務の関係で、数日に分けて松湯に浸かる。


松湯を用意する姿が見える。


縁。


沖田総司は松湯の用意を嬉しい様子で見ている。


斉藤一は沖田総司の傍に普通に来た。


沖田総司は斉藤一を見ると、斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! やっと松湯に浸かれますね!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「今日は、松湯の一番風呂ではありませんが、別な日に松湯の一番風呂を用意してもらいます! 楽しみです!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を笑顔で見た。


数日後の事。


ここは、屯所。


風呂場。


沖田総司は松湯の一番風呂に笑顔で浸かっている。


湯船からは温かい湯気が立ち上っている。

丁寧に洗った松の葉の入る袋が湯船に浮いている。


沖田総司は松湯に浸かり、松の葉の入る袋を笑顔で持った。


松の香りが沖田総司を包んだ。


沖田総司は松湯に浸かり、松の葉の入る袋を持ち、松の葉の入る袋を湯船に笑顔で戻した。

松の葉の入る袋は、湯船の中でゆっくりと揺れた。

沖田総司は松湯に浸かり、湯船を見ながら、微笑んで呟いた。

「明日になったら、鈴ちゃんに松湯の話をしよう。」


松の香りが少し強まった。


沖田総司は松湯の浸かり、松の葉の入る袋を見ると、突然に赤面した。


松湯に浸かると血行が良くなるといわれている。

松湯は寒い日に浸かるのに良い薬用風呂だと思われる。


沖田総司が松湯に浸かり赤面した理由は何か。

土方歳三と斉藤一は、直ぐに分かる。

沖田総司は、分かっていない。


以上が、松湯を巡る出来事になる。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載張るのは止めました。

以上、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

「風呂」についてです。

江戸時代には銭湯をたくさんの人達が利用していました。

現在とは違い、蒸し風呂のようになっていて、戸棚風呂と呼ばれる形だったそうです。

熱くなっている小石の上に水を掛けて蒸気を出していたそうです。

浴槽には膝の高さほどのお湯しかありませんでした。

下半身はお湯に浸して、上半身は小石から出る蒸気で温めていたそうです。

蒸気が逃げないようにするために「石榴口(ざくろぐち)」が考えられたそうです。

簡単な説明ですが、天井から低く板を下げて、蒸気を逃げないようにしていました。

風呂に入る人達はこの板をくぐって、風呂場の中へと入っていったそうです。

現在でいう風呂に近い深く浸かる風呂も江戸時代に出来ました。

「据え風呂」というそうです。

慶長年間の末頃に出来たそうです。

井戸水などから沸かす風呂だったそうです。

一般の庶民の家に広まったそうです。

普及していたのは「鉄砲風呂」や「五右衛門風呂」だったそうです。

鉄砲風呂は、簡単に言うと、鉄の筒に燃えている薪を入れてお湯を温めるお風呂です。

鉄の筒でやけどをしないように、筒を遮るように柵で防護していたそうです。

この形の風呂は、江戸で主流になっていたそうです。

五右衛門風呂は、簡単に言うと、下の鉄釜を熱して温めるお風呂です。

こちらはやけどをしないように、「釜板、兼、底板」を下に敷いて風呂に入ったそうです。

この形の風呂は、関西で主流になっていたそうです。

「松(まつ)」についてです。

「松」は「まつ」を連想して「神を待つ木」と言われているそうです。

そこから、「門松」は神霊が下界に下りてくるための目印になると考えられているそうです。

このような事から、お正月に「門松」を飾るようになったそうです。

「松湯(まつゆ)」についてです。

「松」には精油成分があります。

皮膚を刺激して体の血行を良くする効能があるそうです。

神経痛や肩こりや腰痛などに効果があると言われています。

松湯の入り方を簡単に書きます。

松の葉は生のまま使います。

松の樹脂が残らないように、ぬるま湯で綺麗に洗い流します。

一番簡単な松湯の入り方は、洗った松を湯船に浮かべます。

直接浮かべない場合の方法を書きます。

200g程度の丁寧に洗った松の葉を、水から火にかけて、15〜20分程度煮出します。

煮出し終わったら、布で漉しながら湯船に入れます。

湯船に全体にいきわたる様にかき混ぜます。

松湯に入る手順はこのような感じです。

効能を含めた詳細は、各自でお調べください。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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