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新撰組異聞 〜 寒牡丹物語 〜


今は冬。


ここは、京の町。


寒い日が続いている。


ここは、沖田総司と少女が良く訪れる寺。


境内。


沖田総司は微笑んで居る。

少女も微笑んで居る。


沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。観たい花があるよね。一緒に観よう。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「寒牡丹が観たいです。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「寒牡丹は何処に咲いているの?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「寒牡丹は大きなお屋敷に咲いていると聞いた時があります。」

沖田総司は少女に申し訳なく話し出す。

「鈴ちゃん。今は忙しいんだ。寒牡丹を探す時間が無いんだ。少し待ってくれるかな?」

少女は沖田総司に寂しく話し出す。

「長い期間を待つと、寒牡丹の見頃が終わってしまいます。」

沖田総司は少女に申し訳なく話し出す。

「都合が付いたら直ぐに探す。大丈夫だよね。」

少女は沖田総司に寂しく話し出す。

「総司さんから一緒に花を観ようと誘いました。私は寒牡丹が観たいと話しました。総司さんは忙しいから少し待つように話しました。何故、忙しいのに誘うのですか? 何故、嬉しい気持ちにさせてから、寂しい気持ちにさせるのですか?」

沖田総司は少女に申し訳なく話し出す。

「鈴ちゃん。ご免ね。直ぐに寒牡丹を探すよ。元気を出して。」

少女は沖田総司に悲しく話し出す。

「総司さんは直ぐに怒ります。総司さんは私に嘘を付きました。総司さんには、二度と逢いません。」

沖田総司は少女に悲しく話し出す。

「鈴ちゃん。ご免ね。」

少女は沖田総司を悲しく見た。


少女は山門に向かって悲しく歩き出した。


沖田総司は少女を慌てて追い掛けようとした。


沖田総司の体が動かない。


沖田総司は少女に慌てて大きな声を掛けた。

「鈴ちゃん〜!!」


少女は山門を潜って居なくなった。


沖田総司は驚いた表情で目を開けた。


ここは、屯所。


沖田総司の部屋。


部屋の中は暗闇に包まれている。


沖田総司は床の中に居る。


沖田総司は床の上に、体をゆっくりと起こした。

沖田総司は床の上に体を起こして、疲れた様子で、静かに息をはいた。

沖田総司は床の上に体を起こして、不安な様子で、部屋の中を見た。


部屋の中は暗闇に包まれている。

部屋の中に変わった様子は無い。


沖田総司は床の上に体を起こして、安心した様子で、呟いた。

「夢。良かった。」

沖田総司は床の上に体を起こして、不安な様子で、下を見て、呟いた。

「体調の悪くなる時間が増えていた。任務の忙しくなる時間が増えていた。鈴ちゃんに優しく接する時が減っているかも知れない。正夢になる可能性がある。」


急に寒さを感じた。


沖田総司は床に横になった。


眠くなる様子が無い。


沖田総司は床の中で不安な様子になった。


暫く後の事。


ここは、京の町。


青空が見える。


ここは、屯所。


土方歳三の部屋。


土方歳三は普通に居る。

沖田総司も普通に居る。


土方歳三は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。大寒の頃に、寒稽古を行いたいと考えている。任務に支障が出ないように、寒稽古は数日に分けて行いたいと考えている。剣戟師範の一部と幹部の一部になるが、考えを聞いている。」

沖田総司は土方歳三に普通に話し出す。

「暗い中や寒い中で、斬り合う時があります。寒稽古には鍛錬の意味もあります。良いと思います。」

土方歳三は沖田総司に普通に話し出す。

「一番組から十番組を複数の組で合同にして、寒稽古を行いたいと考えている。他の隊士達は、分散させて、寒稽古を行いたいと考えている。今の俺の話す方法の場合、該当の組長か当日参加する幹部が、稽古を就ける状況になる。」

沖田総司は土方歳三を複雑な表情で見た。

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司。寒稽古を就けるのは嫌なんだ。」

沖田総司は土方歳三に不機嫌に話し出す。

「私は嫌だと話していません!」

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司。何故、不機嫌になっているんだ?」

沖田総司は土方歳三に不機嫌に話し出す。

「私は不機嫌になっていません!」

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「寒稽古の予定が決まったら、総司に話す。」

沖田総司は土方歳三に不機嫌に話し出す。

「分かりました!」

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司。話は終わりだ。」

沖田総司は土方歳三に不機嫌に軽く礼をした。

土方歳三は沖田総司に微笑んで頷いた。


沖田総司は部屋を不機嫌に出て行った。


土方歳三は不安な表情で軽く息をはいた。


暫く後の事。


ここは、沖田総司と少女が良く訪れる寺。


本堂。


沖田総司は微笑んで居る。

少女も微笑んで居る。


沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。寒くない?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「大丈夫です。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「寒くなったら無理をしないで教えてね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「寒い時期は花が少ないね。鈴ちゃん。寂しいよね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「寒い時期に綺麗に咲くお花があります。寂しくないです。」

沖田総司は少女に恥ずかしく話し出す。

「気付かなかった。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「寒い時期は咲くお花は少ないです。分かり難いと思います。」

沖田総司は少女に恥ずかしく話し出す。

「鈴ちゃん。気を遣ってくれてありがとう。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。今の時期に観たい花はある?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「寒牡丹が観たいです。」

沖田総司は少女を驚いた表情で見た。

少女は沖田総司を不思議な様子で見た。

沖田総司は少女に不安な様子で話し出す。

「寒牡丹は何処に咲いているのかな?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さん。寒牡丹より寒椿が観たいです。」

沖田総司は少女に不安な様子で話し出す。

「鈴ちゃん。もしかして、寒牡丹は大きな屋敷などに咲いているのかな?」

少女は沖田総司を不安な様子で見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「寒牡丹が咲く場所を探すね。心配しないで。」

少女は沖田総司に心配して話し出す。

「総司さん。お仕事が忙しいですよね。無理をしないでください。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。私は大丈夫だよ。楽しみに待っていてね。」

少女は沖田総司を心配して見た。

沖田総司は少女に不安な様子で話し出す。

「鈴ちゃん。私は変な内容を話したのかな?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「大丈夫です。」

沖田総司は少女を安心した表情で見た。


暫く後の事。


今は、夜になる。


ここは、屯所。


斉藤一の部屋。


斉藤一は普通に居る。


沖田総司は部屋を疲れた様子で訪れた。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に不安な様子で話し出す。

「斉藤さん。寒牡丹の咲く場所を知りませんか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「寒牡丹は大きな屋敷で良く見掛けるらしい。」

沖田総司は斉藤一に疲れた様子で話し出す。

「鈴ちゃんが寒牡丹を観たいと話しました。近くの寺などに尋ねました。寒牡丹は植えていないか、寒牡丹の見頃ではなかったです。大きな屋敷は気軽に尋ねられません。斉藤さん。寒牡丹の咲く場所を知りませんか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺も大きな屋敷に咲く花の詳細は分からない。」

沖田総司は斉藤一を不安な様子で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。疲れているだろ。大丈夫か?」

沖田総司は斉藤一を不安な様子で見ている。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「寒牡丹の咲く場所について確認する。」

沖田総司は斉藤一に不安な様子で話し出す。

「ありがとうございます。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。無理するな。」

沖田総司は斉藤一に不安な様子で話し出す。

「はい。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。


数日後の事。


ここは、沖田総司と少女が良く訪れる寺。


本堂。


沖田総司は考えながら居る。

少女は不思議な様子で居る。

少女の傍には、包みが置いてある。


沖田総司は少女に申し訳なく話し出す。

「鈴ちゃん。寒牡丹の咲く場所が見付からないんだ。斉藤さんにも探して欲しいと頼んだんだ。待っていてね。」

少女は沖田総司に心配して話し出す。

「総司さん。私は大丈夫です。無理をしないでください。」

沖田総司は少女に申し訳なく話し出す。

「寒牡丹の見頃が終わる前に見付けるね。」

少女は沖田総司に心配して話し出す。

「寒牡丹の見頃は、暫く続きます。無理をしないでください。」

沖田総司は少女を不安な様子で見た。

少女は沖田総司を心配して見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「考え事をしながら話していたから、難しい表情なってしまった。私は大丈夫だよ。鈴ちゃん。笑顔になって。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。お団子を用意しています。今から食べませんか?」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「ありがとう。」

少女は沖田総司に包みを微笑んで差し出した。

沖田総司は包みから団子を取ると、団子を美味しく食べた。

少女は包みを沖田総司の前に微笑んで置いた。

沖田総司は包みから団子を取ると、団子を美味しく食べた。

少女は沖田総司を心配して見た。

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は包みから団子を取ると、団子を美味しく食べた。


暫く後の事。


今は、夜になる。


ここは、屯所。


斉藤一の部屋。


斉藤一は普通に居る。


沖田総司は部屋を疲れた様子で訪れた。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に不安な様子で話し出す。

「寒牡丹が綺麗に咲く場所が見付かりません。斉藤さんは寒牡丹が綺麗に咲く場所が見付かりましたか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「少し経つと見頃になる寒牡丹を見付けた。」

沖田総司は斉藤一に不安な様子で話し出す。

「鈴ちゃんが待っています。更に早く見頃になる寒牡丹を知りませんか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。相当に不安な様子が伝わる。何が遭った?」

沖田総司は斉藤一に不安な様子で話し出す。

「夢を見ました。鈴ちゃんの観たい花を一緒に観ようと話しました。鈴ちゃんは寒牡丹が見たいと答えました。私は忙しいから寒牡丹を探す時間が無いと話しました。鈴ちゃんは、私は嘘を付いた、私に二度と逢わない、と話しました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「夢の中の出来事だ。心配するな。」

沖田総司は斉藤一に不安な様子で話し出す。

「昨日、鈴ちゃんと実際に話しました。私は鈴ちゃんに寒牡丹を観せると話しました。鈴ちゃんに寒牡丹を見せないと、鈴ちゃんに嘘を付いた状況になります。正夢になる可能性があります。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんは、寒牡丹が観られなくても、総司が嘘を付いたと思わない。安心しろ。」

沖田総司は斉藤一を不安な様子で見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は軽く息をはくと、ゆっくりと目を閉じた。


暫く後の事。


沖田総司はゆっくりと目を開けた。


ここは、屯所。


斉藤一の部屋。


部屋の中は明かりが燈っている。


部屋の中は薄っすらと明るい。


沖田総司は床の中に居る。


沖田総司は床の中で、部屋の中を不思議な様子で見た。


斉藤一は沖田総司の傍で正座をして目を閉じている。


沖田総司は床の中で、不思議な様子で、手をゆっくりと上げた。


寝巻きを着ている。


斉藤一は普通に目を開けると、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は床の上に体を起こすと、斉藤一を不安な様子で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。話す最中に寝ていたぞ。」

沖田総司は床の上に体を起こして、斉藤一に心配な様子で話し出す。

「斉藤さん。もしかして、寝ていない、ですか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「仕方が無いから、総司を着替えさせた。総司は着替え中も起きなかった。」

沖田総司は床の上に体を起こして、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん以外の人物と一緒の場合は、絶対に寝ません。斉藤さんと二人のみだったので、安心して寝てしまいました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺を信頼する気持ちは感謝する。美鈴さんも同様に信頼しろ。」

沖田総司は床の上に体を起こして、斉藤一を不安な様子で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんは、総司が無理をして寒牡丹を探していると知れば心配する。美鈴さんは、総司の疲れている姿を見て心配していると思う。美鈴さんに次に逢った時は、笑顔で接して安心させろ。」

沖田総司は床の上に体を起こして、斉藤一に微笑んで話し出す。

「はい。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は床の上に体を起こして、斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司の額を普通の表情で思い切り弾いた。

沖田総司は床の上に体を起こして、額を痛い様子で押さえた。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は床の上に体を起こして、額を痛い様子で押さえて、斉藤一に少し大きな声で話し出す。

「斉藤さん。痛いです。何をするのですか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。今の時間に大きな声を出すと騒ぎになる可能性がある。屯所の関係者が今の状況を見た場合、納得できる説明が難しい。」

沖田総司は床の上に体を起こして、額を痛い様子で押さえて、斉藤一を複雑な表情で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「剣を持つ時の総司は、動きも勘も天才的に鋭い。剣を持つ時以外の総司は、天才的に鈍い。」

沖田総司は床の上に体を起こして、額を痛い様子で押さえて、斉藤一を怪訝な表情で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司が無茶な言動をたくさんすると、美鈴さんが心配する。気を付けろ。」

沖田総司は床の上に体を起こして、額を痛い様子で押さえて、斉藤一に微笑んで話し出す。

「はい。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「朝になったら、寒牡丹の咲く場所を教える。同日の間に、美鈴さんに逢って安心させろ。」

沖田総司は床の上に体を起こして、額を痛い様子で押さえて、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。ありがとうございます。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司の着る寝巻は、総司の部屋から持ってきた。総司の寝る床は、俺の部屋の床を使った。俺は床の中で少し寝る。総司は部屋に戻って寝ろ。」

沖田総司は床の上に体を起こして、額を押さえるのを止めると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「はい。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は床から微笑んで起きると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。お休みなさい。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで軽く礼をした。

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。


沖田総司は部屋を微笑んで出て行った。


暫く後の事。


朝を迎えた。


ここは、屯所。


沖田総司の部屋の前に在る縁。


沖田総司は部屋から微笑んで出てきた。


沖田総司は空を微笑んで見た。


青空が広がっている。


沖田総司は青空を見ながら、笑顔で声を出した。

「良い天気だな〜! 今日は鈴ちゃんの笑顔を見るぞ〜!」


斉藤一が普通に来た。


沖田総司は斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。昨夜はありがとうございました。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「今日はよろしくお願いします。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。


暫く後の事。


ここは、少女の家。


少女の部屋。


沖田総司は微笑んで居る。

少女も微笑んで居る。


沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「数日の間、いろいろと忙しくて、鈴ちゃんに心配を掛けてしまった。ご免ね。」

少女は沖田総司を心配して見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「私は大丈夫だよ。鈴ちゃん。安心して。」

少女は沖田総司を安心した表情で見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「近い内に寒稽古を行うんだ。寒稽古を行う日は非番になるんだ。近い内に、鈴ちゃんと一緒に出掛けられるよ。」

少女は沖田総司を微笑んで話し出す。

「総司さんとお出掛け出来るのですね。嬉しいです。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。見頃の寒牡丹の咲く場所が見付かったんだ。私と斉藤さんと鈴ちゃんで、食事をしたいと思っているんだ。家の人に確認を取ってくれるかな?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。


数日後の事。


ここは、大きな料亭の近く。


沖田総司は微笑んで来た。

斉藤一は普通に来た。

少女は微笑んで来た。


沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「前に在るお店に、見頃の寒牡丹が咲いているんだ。寒牡丹の観える部屋を予約したんだ。寒牡丹を観ながら食事が出来るよ。庭に出て寒牡丹を観ても良いんだ。」

少女は沖田総司を心配して見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「上役が前に在る店の食事の内容が知りたいと話したんだ。私と斉藤さんで食事をするより、鈴ちゃんも一緒に食事が出来たら楽しいと思ったんだ。費用の心配は要らないんだ。」

少女は沖田総司を安心した表情で見た。

沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

少女は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。

「総司さん。斉藤さん。ありがとうございます。」

沖田総司は少女を見ると、少女に微笑んで話し出す。

「斉藤さんが寒牡丹の咲く場所を見付けたんだ。斉藤さんが店との調整もしたんだ。礼は、私ではなく斉藤さんに言って。」

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。ありがとうございます。」

斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。


斉藤一は料亭の中に普通に入って行った。

沖田総司は料亭の中に微笑んで入って行った。

少女も料亭の中に微笑んで入って行った。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は、沖田総司さん達が京の町に来てから一年近く経った頃を想定して書きました。

数ヶ月後に、山南敬助さんが切腹する出来事が起きると思ってください。

「寒牡丹(かんぼたん)」についてです。

現在の暦で、一月から二月に掛けて咲きます。

「冬牡丹(ふゆぼたん)」と呼ぶ事があります。

栽培方法は違いますが、春に咲く「牡丹」と同じです。

正確に言うと、「寒牡丹」と「冬牡丹」は、違うそうです。

「寒牡丹」は、二季咲き性の品種を、六月頃(現在の暦)に出来たつぼみを切り、八月(現在の暦)に二回目のつぼみを出させるそうです。

「冬牡丹」は、春咲きの品種を促成栽培して、冬に咲かせたものだそうです。

咲く時期によって、「寒牡丹」と「冬牡丹」を分ける説もあります。

咲く時期で分ける場合は、「寒牡丹」は「小寒(一月五日頃〜一月十九日頃)[現在の暦]〜立春の前日(二月四日頃〜二月十八日頃)[現在の暦]」まで咲く牡丹になります。

「冬牡丹」は上記以外の寒い時期に咲く牡丹になります。

「寒牡丹」と「冬牡丹」の分け方は、幾つもの説があり、はっきりとしない部分があります。

物語の雰囲気から「寒牡丹」にしました。

「大寒(だいかん)」についてです。

二十四節気の一つです。

現在の暦で、一月二十日頃、または、一月二十日頃から「立春」までの期間をいいます。

寒さが最も厳しくなる頃です。

寒中の真ん中で、一年で最も寒い時期です。

武道ではこの頃に「寒稽古(かんげいこ)」が行われます。

「寒稽古(かんげいこ)」についてです。

寒中、または、寒の時期に、武道や芸事の稽古などを行う事をいいます。

早朝や深夜や未明の時間に行います。

現在は、未明に行う事はあまりないようです。

寒い中で稽古をするという事で、精神の鍛錬が目的の稽古という意味合いもあるそうです。

寒稽古はどちらかというと精神の鍛錬に重きをおいている稽古のようです。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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