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新撰組異聞 ~ 西瓜物語 西瓜の贈り物 ~
今は初秋。
ここは、京の町。
夏のような暑い日が続いている。
ここは、お雪の住む家。
一室。
沖田総司は微笑んで居る。
少女は微笑んで居る。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「私が多摩で過ごした時に、麻疹にかかり寝込んだ時があるんだ。私が近藤さんに西瓜を食べたいと話しんだ。試衛館に西瓜が見舞いの品で届いたんだ。美味しい西瓜だったんだ。」
少女は沖田総司を心配して見た。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「西瓜を食べた数日後に元気になったんだ。麻疹は完治したよ。大丈夫だよ。」
少女は沖田総司を安心した表情で見た。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「見舞いの品に西瓜を用意した人物は誰だと思う?」
少女は沖田総司を考えながら見た。
沖田総司は少女を微笑んで見た。
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「分かりません。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「お雪さんが部屋に来たら同じ質問をしたいんだ。答えは少し待ってね。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「はい。」
沖田総司は少女を微笑んで見た。
お雪が部屋の中に微笑んで入ってきた。
沖田総司はお雪を微笑んで見た。
少女もお雪を微笑んで見た。
お雪は沖田総司と少女に微笑んで話し出す。
「楽しく話す最中に邪魔をしてしまったのね。ご免なさい。」
少女はお雪に微笑んで話し出す。
「総司さんが私に質問しました。私は答えが分かりませんでした。総司さんとお雪さんに質問したいと話しました。お雪さんは邪魔をしていません。」
お雪は沖田総司に微笑んで話し出す。
「私に答えられる質問なのですか?」
沖田総司はお雪に微笑んで話し出す。
「私が多摩で過ごした時に、麻疹にかかり寝込んだ時があります。私が近藤さんに西瓜を食べたいと話しました。試衛館に西瓜が見舞いの品で届きました。美味しい西瓜でした。私は西瓜を食べて数日後に元気になりました。西瓜を見舞いの品に用意した人物は誰だと思いますか?」
お雪は沖田総司に微笑んで話し出す。
「沖田さんが、私と美鈴さんに、質問しました。西瓜のお見舞いを用意した人物は、私と美鈴さんが共に知る人物ですね。」
沖田総司はお雪を微笑んで見た。
お雪は沖田総司に微笑んで話し出す。
「沖田さんのために西瓜を用意した人物は、斉藤さんだと思います。」
沖田総司はお雪に微笑んで話し出す。
「正解です。」
少女はお雪に微笑んで話し出す。
「お雪さん。凄いです。」
お雪は少女に微笑んで話し出す。
「私の推理が当たって嬉しいわ。」
少女はお雪を微笑んで見た。
沖田総司はお雪と少女に微笑んで話し出す。
「斉藤さんは、私が麻疹にかかり寝込んでいた時に、偶然に多摩に来たそうです。私と斉藤さんは、強い縁があると改めて思いました。」
少女は沖田総司を微笑んで見た。
お雪は沖田総司と少女を微笑んで見た。
数日後の事。
ここは、お雪の住む家。
一室。
斉藤一は普通に居る。
お雪は微笑んで居る。
少女も微笑んで居る。
少女は斉藤一に微笑んで話し出す。
「総司さんが、多摩で過ごした時に、麻疹に掛かったそうです。総司さんのために西瓜のお見舞いが届いたそうです。西瓜をお見舞いに用意したのは、斉藤さんだと教えてくれました。総司さんは斉藤さんと強い縁があると改めて思ったそうです。」
お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。
「沖田さんの話を聞いて、さすが斉藤さんだと思いました。」
斉藤一はお雪と少女に普通に話し出す。
「仕事で多摩に行った時に、土方さんに偶然に会いました。土方さんは総司が熱を出して寝込んでいると話しました。総司も土方さんも、知る人物です。総司に見舞いの品を用意しました。総司には印象的な出来事だったらしく、俺と総司の強い繋がりを感じたようです。」
少女は斉藤一に微笑んで話し出す。
「私も、総司さんと斉藤さんには、強い繋がりがあると思います。」
お雪も斉藤一に微笑んで話し出す。
「私も、斉藤さんと沖田さんには、強い繋がりがあると思います。」
斉藤一はお雪と少女を普通の表情で見た。
少女は斉藤一に微笑んで話し出す。
「総司さんと斉藤さんは、お互いを物凄く理解しています。」
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「俺が総司の見舞いの品に西瓜を選んだ頃は、俺と総司は数回ほどしか逢っていない。当時は、俺と総司は、お互いを理解できるほど過ごしていない。」
少女は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さんは、総司さんの気持ちが分かるから、西瓜をお見舞いに用意できたと思います。総司さんと斉藤さんには、強い繋がりがあります。羨ましいです。」
斉藤一は少女を普通の表情で見た。
少女は斉藤一を微笑んで見た。
お雪は斉藤一と少女を微笑んで見た。
暫く後の事。
ここは、屯所。
沖田総司の部屋。
沖田総司は微笑んで居る。
斉藤一は部屋の中に普通に入ってきた。
沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一を微笑んで見ている。
斉藤一は普通の表情で、沖田総司の額を指で思い切り弾いた。
沖田総司は額を痛い様子で押さえると、斉藤一に大きな声で話し出す。
「斉藤さん! 痛いです! 何をするのですか?!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。お雪さんと美鈴さんに、俺が総司の見舞いの品に西瓜を用意した時の出来事を話しただろ。理由を話せ。」
沖田総司は額を押さえて、斉藤一に微笑んで話し出す。
「私と斉藤さんにとって、お雪さんと鈴ちゃんは、大切な人物です。お母さんと鈴ちゃんに、斉藤さんの優しさをたくさん知って欲しくて話しました。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。お雪さんと美鈴さん以外に話した人物はいるのか?」
沖田総司は額を押さえて、斉藤一に微笑んで話し出す。
「お雪さんと鈴ちゃん以外には話していません。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は額を押さえて、斉藤一に微笑んで話し出す。
「子供達にも機会があれば話したいと思っています。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「子供達には話すな。お雪さんと美鈴さん以外には話すな。」
沖田総司は額を押さえて、斉藤一に不思議な様子で話し出す。
「子供達に話したら駄目なのですか?」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は額を押さえて、斉藤一に残念な様子で話し出す。
「残念です。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「残念ではない。」
沖田総司は額を押さえて、斉藤一を残念な様子で見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
翌日の事。
ここは、お雪の住む家。
一室。
沖田総司は笑顔で居る。
斉藤一は普通の表情で居る。
お雪は微笑んで居る。
少女も微笑んで居る。
食卓には、切り分けた西瓜がたくさん載っている。
沖田総司はお雪に笑顔で話し出す。
「美味しい様子が分かる西瓜です! 食べる時が楽しみです!」
お雪は沖田総司に微笑んで話し出す。
「沖田さんと斉藤さんの西瓜に関する出来事を聞く間に、西瓜が食べたいと思いました。今日は西瓜を用意しました。」
沖田総司はお雪を笑顔で見た。
お雪は沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司はお雪に笑顔で話し出す。
「いただきます!」
少女はお雪に微笑んで話し出す。
「いただきます。」
斉藤一はお雪に普通の表情で軽く礼をした。
お雪は、沖田総司、斉藤一、少女、に微笑んで頷いた。
沖田総司は西瓜を笑顔で美味しく食べた。
斉藤一は西瓜を普通の表情で食べた。
少女は西瓜を微笑んで食べた。
お雪も西瓜を微笑んで食べた。
沖田総司は西瓜を食べながら、お雪と少女に微笑んで話し出す。
「斉藤さんが、私の見舞いの品に西瓜を用意した時の出来事を秘密にして欲しいそうです。お雪さんと鈴ちゃんは、他言をしない人物ですが、念のために話しました。」
少女は西瓜を食べながら、沖田総司に微笑んで話し出す。
「分かりました。秘密にします。」
お雪は西瓜を食べながら、沖田総司に微笑んで話し出す。
「分かりました。秘密にします。」
沖田総司は西瓜を食べながら、斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。良かったですね。」
斉藤一は西瓜を食べながら、沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は西瓜を食べながら、斉藤一を微笑んで見た。
暫く後の事。
ここは、屯所。
沖田総司の部屋。
沖田総司は部屋の中に微笑んで入ってきた。
斉藤一は部屋の中に普通に入ってきた。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「お雪さんも鈴ちゃんも、優しい人物です。お雪さんも鈴ちゃんも、他言しません。良かったですね。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。俺の話す意味を本当に理解しているのか?」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「はい。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「食べたいと希望した西瓜が見舞いの品で届いて、西瓜を見舞いの品に選んだ人物が俺だった。以上の出来事は、総司にとって大切な思い出なのだろ。総司は大切な思い出を誰にでも話すのか?」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「誰にでも話しません。斉藤さんと鈴ちゃんは、私にとって物凄く大切な友達です。斉藤さんと鈴ちゃんには、私の大切に感じる出来事を出来るだけ伝えたいです。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は普通の表情で、沖田総司の額を指で思い切り弾いた。
沖田総司は額を痛い様子で押さえると、斉藤一に大きな声で話し出す。
「斉藤さん! 痛いです! 何をするのですか?!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司と長く語り合いたい。総司の奢りで酒が飲みたい。」
沖田総司は額を押さえて、斉藤一に不思議な様子で話し出す。
「私も斉藤さんと長く語り合いたいですが、何故、私が奢るのですか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「俺は総司を友達ではないと幾度も話すのに、総司は俺を大切な友達だと幾度も話す。俺にとって総司は、大切な友達なのだろ。総司は俺より年上だ。総司は一番組組長で、俺は三番組組長だ。総司は俺に酒を喜んで奢れるだろ。」
沖田総司は額を押さえて、斉藤一に考えながら話し出す。
「無理矢理な内容の理由に感じます。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「無理矢理な内容の理由ではない。」
沖田総司は額を押さえて、斉藤一に考えながら話し出す。
「仕方がありません。今回は私が酒を奢ります。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。礼を言う。」
沖田総司は額を押さえて、斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。酒を飲みながら、長く語り合おう。長く語りあった内容は、美鈴さんに差し使えのない範囲で話す。総司。楽しみだろ。」
沖田総司は額を押さえて、斉藤一に怪訝な様子で話し出す。
「斉藤さん。何を考えているのですか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司と酒を飲んで長く語り合う様子を想像して楽しんでいる。」
沖田総司は額を押さえて、斉藤一を考えながら見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は、大切な想いの一部はしっかりと理解しているが、大切な想いの一部は理解していない。
沖田総司は、大切な想いの一部は気付いているが、大切な想いの一部は気付いていない。
斉藤一、お雪、少女の苦労は、暫く続く気配がする。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
「西瓜(すいか)」についてです。
花は夏の季語で、実は秋の季語です。
現在では、西瓜を「夏の名物」として連想する方が多いと思います。
当時の暦から考えると、「夏の名物」より「秋の名物」のイメージが強いと思います。
「西瓜」は、西域から伝わったという事で、「西瓜」と呼ぶようになったといわれています。
十七世紀中期に日本に渡来したといわれています。
それより前の記録や歌などに西瓜の歌や絵などがあるという話があるそうです。
そのため、平安時代後期に作られていたのでは、という説もあるそうです。
現在の西瓜といえば、緑色と黒色の縞模様を良く見掛けます。
緑色と黒色の縞模様の西瓜は、昭和時代初期以降になってから広まったそうです。
それまでは、黒皮や無地などの西瓜が一般的だったそうです。
江戸時代頃は、西瓜は果肉が赤いという事で、気味悪がられていたらしく、広く食べられていなかった話があるそうです。
本格的に西瓜が栽培されるようになるのは、明治時代末期からになるそうです。
この物語の補足です。
沖田総司さんが麻疹になった時に西瓜のお見舞いの品があって食べた出来事について話す場面が登場します。
「新撰組異聞外伝 短編 蘭月の頃」に登場する出来事について差しています。
「初秋(しょしゅう)」についてです。
「秋の初め。陰暦七月の異称。」です。
秋の季語です。
「初秋(はつあき)」についてです。
「秋の初め」です。
秋の季語です。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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