このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
常磐炭鉱専用鉄道 小野田線 4
右にカーブする市道の脇に万石(石炭積込所)が見えてきた。
磐崎坑(西部坑)の遺構である。
近付いてみよう。
万石の前には石垣が並んでいる。
石垣の上には謎のコンクリート構造物。
かつてはこのコンクリートの上に何らかの建物があったのだろうか。
石垣から丘の上を見上げると何やら恐ろしげなコンクリートの建物がみえる。
木々の隙間から見ているので不気味さが倍増する。
後で寄ってみよう。
これが磐崎坑の万石(石炭積込所)だ。
コンクリートのどっしりとした建造物だ
この建物の下の部分に貨車を差し込み、石炭を搭載していたのだ。
石炭を搭載する時、辺りには轟音が響き渡ったに違いない。
上部に石炭を貯め、この逆ピラミッド型の場所からいきおいよく石炭が落ちてきたのだろう。
石炭の搭載を停める為に鉄製の蓋(ダンパー)が装備されていたと推測する。
万石は外部から見る限りよい状態を保っているように見受けられるが、所々鉄筋が露出している所もあり、いつまでこの姿があるのかは分からない。
同じ
ヘリテージツーリズム活動とも合わせ、先行きに注目したい。
磐崎坑の万石を背に、次なる炭鉱 小野田坑へ向けて歩を進める。
正面に見える小山は自然の物ではない。
磐崎坑のズリ(廃炭)を積み上げたズリ山なのだ。高さは145mといわれる。
小野田坑へ向かう前に先程の丘の上に見えたコンクリートの建物の正体を確かめてみる。
うまい具合に丘の上に向かう道があった。
その道を辿るとご覧のような建物が目に入る。
先程下で見た万石と似たような形の建物だ。
資料(常磐地方の鉱山鉄道)を見ると「原炭選炭場」であると思われる。
万石に石炭を貯める前にここに一旦留め置くのだろう。
原炭選炭場の下側を見ると錆び付いたパイプが見えた。
恐らくは閉山後に取り付けられたのだろう。
建物上部に溜まった水をこのパイプを通して抜いていたのだろう。
建物の老朽化で水がそこかしこから漏れるようになったのでパイプは使われなくなったのかもしれない。
原炭選炭場の近くには謎の丸いコンクリート製の建物が見える。
資料によると、「水洗ホッパー」なる施設らしい。
石炭を選り分けるには形が変で小さい。
貨車や機関車を洗う為の施設なのかも知れない。
専用鉄道跡に戻る。
小野田坑に向かって勾配は続く。
眼前に広がる雄大な山は霊峰 湯の岳(593.6m)である。
市道は画像の地点から下りに転じる。市道は湯本市街で県道に通じる。
一方、専用鉄道はこの画像の地点から更に高度を稼ぎ、小野田坑へ直進する。
画像中央の短いガードレールがお分かり頂けるだろうか。
あれこそが専用鉄道跡である。
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