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最後のリレーつばめの旅

2011(平成22)年1月9日(日) -その1-
前夜
小倉駅(北口)

2004(平成16)年、九州新幹線の新八代駅から鹿児島中央駅までの部分開業からもうすぐ7年、いよいよ今年、2011(平成23)3月には、九州新幹線の博多駅から新八代駅までが開業し、ついに全線開通となります。
開業とともに、特急「リレーつばめ」号は廃止となり、それにより、全国で唯一の、新幹線と在来線の同一ホームによる乗り換えも見納めとなってしまいます。
今回は、自身が2004(平成16)年までに成し得なかった、門司港駅から鹿児島中央駅までの九州縦断を、特急「リレーつばめ」号と「つばめ」号を乗り継いで行う旅としました。
併せて、2004(平成16)年の九州新幹線の部分開業により、JR九州から分離された「肥薩おれんじ鉄道」と、2011(平成23)3月の九州新幹線の全通により、運転区間と本数が激減する特急「有明」号にも乗車してきました。

まずは、門司港駅始発の特急「リレーつばめ」号に乗車するために、九州には前日入りしました。
初めて「ひかりレールスター」に乗車し、17時前に、小倉駅に下り立ちました。
早速、この日の宿となる、JR九州ホテル小倉にチェックインしました。
部屋からは、小倉駅の新幹線上りホームがよく見えました。
新幹線を楽しむのは後にして、どこかで夕食を食べることも兼ねて、少し出掛けることにしました。

まったく下準備もなく、小倉駅の券売機の前に立ちましたが、近距離切符の料金が書かれている路線図を見て、筑豊本線の若松駅まで行くことにしました。
若松駅へ行くには、折尾駅で乗り換える必要がありますが、このとき、「そうだ」と、この日の夕食を折尾駅で食べようと決めました。
しばらくして、折尾駅に到着、すっかり暗くなった区間を若松駅まで往復しました。

再び、折尾駅に戻り、早速、東筑軒の立ち食い店に入り、ごぼう天うどんを頂きました。
あっさりしたつゆに、うどんがよくからみ、また、かしわやごぼう天がとても美味しかったです。
夕食を美味しく頂いたところで、折尾駅の東口を出てみました。
大正時代に建てられたルネッサンス様式の駅舎がライトアップされていました。
しかしながら、この歴史ある駅舎は、高架化事業により、取り壊される(移築される)とのことです。
売店で東筑軒の「かしわめし」を購入し、改札内に戻りました。

その後、西小倉駅に戻り、小倉城へと向かいました。
特にライトアップはされていませんでしたが、その姿を撮影することができました。
付近では、「小倉イルミネーション2010」と題した、イベントが行われていました。
美しいイルミネーションを見ながら、平和通りに戻り、北九州高速鉄道の旦過駅からモノレールに乗車し、小倉駅に戻りました。

ホテルに戻り、ビールの肴に「かしわめし」などを美味しく頂きつつ、小倉駅に発着する新幹線の様子を楽しみました。

左上:小倉駅(北口)
左中:折尾駅(東口)
右中:小倉城
左右下:小倉イルミネーション2010

折尾駅(東口)
小倉城
小倉イルミネーション2010
小倉イルミネーション2010
門司港〜久留米
3M (リレーつばめ3号)
門司港駅
発車案内板

翌早朝、JR九州ホテル小倉をチェックアウトし、小倉駅から普通列車で、門司港駅に移動しました。
改札を抜け、一旦、駅舎の外に出ました。
2005(平成17)年2月13日に 「寝台特急あさかぜ号と関門海峡の旅」 で訪れて以来でした。
まだ真っ暗な中で駅舎を撮影し、再び駅舎内へと戻りました。
ふと、「記念入場券」の文字を見つけ、みどりの窓口へと入り、2種類を1枚ずつ購入しました。
その後も、待合室の中を見たりと、駅舎内をぐるっと一回りしてから、再び改札を通りました。

まず初めに乗車するのは、門司港駅6時54分発の特急「リレーつばめ3」号です。
新八代駅から「つばめ3」号に乗り継いで、鹿児島中央駅を目指します。
改札上部の発車案内板には、「新八代」ではなく、「鹿児島中央」と表示されていました。
門司港駅で「鹿児島中央」の文字を見ることができるのも、残りわずかです。

5番線ホームには、すでに特急「リレーつばめ3」号が発車のときを待っていました。
シックなスタイルの787系は、レトロな門司港駅ホームにマッチしていました。
門司港方の4両編成は、熊本止まりの有明編成、新八代方の7両編成は、つばめ編成です。
乗降口のサインや、車両横のロゴなどを撮影しました。
先頭車両へと行きましたが、ライトを点灯しておらず、また、周囲もまだ真っ暗でしたので、撮影は断念して、列車に乗り込みました。
ホームで撮影していても列車に乗り込む人の姿はほとんどありませんでしたので、そうだろうなとは思っていましたが、指定された車両には乗車していたのは、自身だけでした。

そして、いよいよ、特急「リレーつばめ3」号は、静かに門司港駅を発車しました。
まだまだ薄暗い中を進みます。
九州の夜明けは、東日本に比べてずいぶん遅いんだなということを初めて実感しました。
車窓を眺めていると、早速、検札がありました。

左上:門司港駅
右上:発車案内板
左中:特急リレーつばめ3号(門司港方)
右中:「リレーつばめ 鹿児島中央」の方向幕
左下:乗降口のサイン
右下:車両横のロゴ
(以上、門司港駅4,5番線ホームにて)

特急リレーつばめ3号(門司港方)
「リレーつばめ 鹿児島中央」の方向幕
乗降口のサイン
車両横のロゴ
小倉駅に到着
空が白んできた小倉の街

列車は、小倉駅に到着しました。
自身としては、「到着した」というよりは、「戻ってきた」という感じではありました。
早速、自身の乗車している車両にも、乗客がありました。

小倉駅を発車した列車は、昨夜見た景色を見ながら進みます。
空もだいぶ明るくなってきて、ようやく車窓を撮影できるようになってきました。
スペースワールドを過ぎ、黒崎駅、折尾駅と停車するごとに、少しずつ乗客を乗せていきます。

列車は、遠賀川を渡りました。
下流域で川幅の広い遠賀川は、九州北部の景色として自身の中ですっかりお馴染みの景色となっています。
遠賀川を渡ると、次第に内陸部へと入り、小高い山々が近づきます。
山間を抜けると、急に住宅街が広がり、赤間駅に停車しました。
再び少し山間に入った後、市街地へと入ります。

左上:小倉駅に到着
右上:空が白んできた小倉の街
(小倉〜西小倉間にて)
左下:スペースワールドを過ぎる
(枝光〜スペースワールド間にて)
右下:遠賀川を渡る
(水巻〜遠賀川間にて)

スペースワールドを過ぎる
遠賀川を渡る
多々良川を渡る
篠栗線の高架が接近する

九州産業大学付近で、香椎線の高架が頭上を跨ぎ、車窓左手に並びました。
香椎駅を通過し、市街地を進んでいきます。
パッと視界が広がり、多々良川に宇美川が合流し、川幅が広くなったところに架かる名島橋梁を渡ります。
程なくして、車窓左手から、篠栗線の高架が合流し、吉塚駅を通過すると、すぐに、山陽新幹線の高架が同じく車窓左手に並走しました。
ちょうど、博多発新大阪行きの「ひかりレールスター ひかり546」号とすれ違いました。

特急「リレーつばめ3」号は、博多駅に到着しました。
門司港発新八代行きとはいっても、門司港から博多までの区間輸送も兼ねているのでしょうね、改めて身支度を整えるかのように、博多駅では7分の停車時間がありました。
その間に、門司港駅で撮影できなかった、先頭車両を撮影しに、一旦ホームに下りてみました。
精悍な顔つきの787系や、車体横のロゴを撮影しました。

再び車内に戻り、ふと、新幹線ホームを見ると、九州新幹線が発着するホームの駅名標に、「はかたみなみ」の文字と並んで「しんとす」の文字が見えました。
開業がもうすぐそこに迫っていることを感じました。

特急「リレーつばめ3」号は、定時で博多駅を発車しました。
博多駅で多くの座席が埋まるのかと思いましたが、自身の乗車した車両では、それほど乗客はなく、空席が多いままでした。

左上:多々良川を渡る
(千早〜箱崎間にて)
右上:篠栗線の高架が接近する
(箱崎〜吉塚間にて)
左下:特急リレーつばめ3号(新八代方)
(博多駅にて)

特急リレーつばめ3号(新八代方)

雨に濡れる道路
鳥栖貨物ターミナルを過ぎる

列車は、商業地から住宅街を進みます。
この日は、夜が明けてからあまり天気は良くないなと思っていたのですが、とうとうパラパラと雨が窓を打ち始め、道路が雨に濡れているところもありました。
しかしながら、それも部分的だったようで、佐賀県に入る頃には、道路も乾いていました。

田代駅付近から、車窓左手に電気機関車やコンテナが見え、鳥栖貨物ターミナルを通過していることがわかりました。
そして、車窓左手に、鳥栖スタジアムが見えてくると、列車は鳥栖駅に停車しました。
九州新幹線全通後、長崎本線方面の特急列車は維持されますが、鹿児島本線熊本方面の特急列車は激減してしまいます。
鹿児島本線の特急停車駅としては、新設される新鳥栖駅に、その座を譲ってしまいますが、いつかは、この駅にも下車したいという思いです。

鳥栖駅を発車すると、程なくして、車窓右手から左手に、九州新幹線の橋脚が跨いでいきました。
2007(平成19)年の 「寝台特急はやぶさ号と熊本・鹿児島の旅」 で、この付近を通過したときも、すでにこの付近の高架は造られていましたが、「いよいよもうすぐなんだな」という思いでした。
筑後川を渡ると、列車は、久留米駅に到着しました。

左上:雨に濡れる道路
(笹原〜南福岡間にて)
右上:鳥栖貨物ターミナルを過ぎる
(田代〜鳥栖間にて)
左下:九州新幹線高架が跨いでいく
(鳥栖〜肥前旭間にて)
右下:筑後川を渡る
(肥前旭〜久留米間にて)

九州新幹線高架が跨いでいく
筑後川を渡る


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2011(平成22)年1月9日 -その2-

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