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花の街・プノンペン   PART 3

2009年6月28日














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 今月の表紙・資料室(新館)






 
 プノンペン市はこれから雨季に入るところで、花の盛りはちょっと過ぎたようです。雨季と花期が関係があるかどうかはわかりませんが、ついこの前まで、花をたくさん付けていた、街路樹や垣根の花が少なくなったような気がします。

 しかし、まだ元気な木もたくさんありますし、これからが盛りの木もあります。第3回目の「花の街・プノンペン」を紹介します。



ハイビスカス(2009年3月15日撮影)
 

 熱帯の花としては、もっとも日本人になじみのある花の一つであろう。
 ブノンペン市内の至るところで、この花を見ることができる。花の色は純白から黄色、ピンク色、深紅色まで、ほとんどどの色もそろっている。アオイ科フヨウ属である。
 

 
 ハイビスカスはマレーシアの国花である。マレー語では「Bunga Raya」(ブンガラヤ)という。「Bunga」は花、「Raya」は大きい、立派な、偉大な、というような意味である。
 ハイビスカスの花は一日しかもたないが、たくさんの花を咲かせるので、いつも花が咲いているように見える。
 
 これの仲間に「ムクゲ(木槿)」がある。日本でも庭木としてよく植えられている。木槿の花は、大韓民国の「国花」であり、韓国語ではムグンファ(無窮花)という。





バウヒニア(2009年3月8日撮影
 
 この花には約500種類の近隣種があるが、広く栽培されているのは、「フィリソシンカ」と「ムラサキモクワンジュ」の二種類という。前者の花の花弁は部分的に重なっているが、後者の花の花弁は、それぞれ離れている。写真の花は、多分後者のものであろうと思われる。
 プノンペン市内では、大通りではなく、路地、小道の歩道に植わっている。注意して歩けば、見つけることができる。
   

 この道はNO.106、財務省前の通りである。財務省の周囲とその北側の一角で見ることができる。







Derm Chan Kiri(プノンペン大学構内) 2009年3月15日撮影
 巨木である。幹の直径は目分量で1メートルぐらいか。大きな樹冠を形成するので、中庭などに植えると、広い木陰ができる。大学のキャンパスにぴったり合っている。あまり大きくなると、幹や枝を自分で支えられないんじゃないかと、心配でもある。
 「Derm Chan Kiri」とは「山の月の木」という意味だそうだ。
 上の写真は「CJCC(カンボジア・日本人材センター)中庭の巨木である。
 
 3月ごろに薄い「朱色」の花を付ける。花の時期は、樹冠全体がほんのり紅色になる。いい風情である。
 プノンペン大学外国語学部入り口の東側にあるDerm Chan Kiri」。当たり前すぎて、だれも振り返らない。









ランタナ2009年3月9日撮影
 
 
 ランタナの原産地は南アメリカである。観賞用にアジアに導入されたが、たちまち野生化したという。現在ではいたるところで雑草として育っている。
 和名は「シチヘンゲ」、白、黄色、オレンジ、赤などの花を付け、茎にはトゲがある。ランタナの葉には、触れると刺激的なにおいがする。このにおいはあまりいいものではないが、昆虫や小鳥はこの花に引き寄せられる。飛翔性の高いチョウも、この花に止まっていれば、容易に捕獲できる。昆虫採集家にとっては、好都合な花である。
 マレー語では「Kumbang tahi ayam」、「鶏の糞の臭い」という意味である。











キダチセンチ 2009年3月9日撮影
 
 この木は東南アジアの庭園では非常にありふれたものである。プノンペン市内でも街路に沿って植わっているのをよく見る。花は黄色で、枝の先端に咲き乱れる。花の形状は「ナンバンサイカチ」に似ているが、垂れ下がることはない。








オウコチョ 2009年3月19日撮影
 
オウコチョウの「コチョウ」は「胡蝶」であると思われるが、「オウ」の意味が分からない。


 上のオウコチョウはプノンペン大学に自生するもの。花の色は、オレンジ色のような赤である。


 
黄色の花もある。この花はメコン川の中の島で撮影したものである。(2009.6.27.撮影)

 イチゴ色の赤もある。中央の花のふちは「白」っぽくなっている。光の加減ではない。メコン川の中の島にて。2009.6.27撮影。


このページの作成するにあたり、参考にした図書は以下の通りである。
 ウィリアム・ウォーレン著、七里久美訳『熱帯アジアの花:Tropical Flowers』チャールズ・イー・タトル出版1998年






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