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プノンペン点描2011年4月更新
    


今回はプノンペン市内で見かけた興味深い風景を紹介します。
(2008年9月〜2009年8月までの情報です)

















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(1)将棋を指す人たち


 
 カンボジア市内オルセーマーケットの小さな食堂の片隅で、中年のおっさん二人が将棋に興じていました。カンボジアの将棋は、タイ将棋「マークルック」と同じであります。タイの将棋は、馬(マー)が巨大でありますが、カンボジアのものは、少々小さくなっています。

 どこの国でも、こういうところで暇そうに時間つぶし(?)をしているのは、100%男です。男っていうのは、無駄なことを必死にやるんですねえ。かわいいといえば、かわいいですが.......、まあ、アホですな。指しているのがアホならば、見てる人は、もっとアホです。
 
 
 ここはシソワットキー通り東の公園であります。日曜日の昼下がり、木陰で一局。比較的若い人たちが将棋を見ています。のどかであります。お金をかけてるんですかねえ。




                            

   (2)パンクの修理をする人


 
 プノンペンでは自転車が大変便利です。町がまっ平らで、坂道がありません。また、自動車の数が少ないので、大きな道でも自転車で我が物顔で走ることができます。プノンペンはいみじくも一国の首都であります。その首都の幹線道路を自転車ですいすい走れるというのは、驚くべき事です。

 しかし、難点もあります。それは「パンク」です。道の凹凸はもちろん、釘やねじ、ガラスの破片などが落ちています。それをふんづけると、パンクします。タイヤのゴムがへたっていることも大きな要因の一つです。


 

 この日もセントラルマーケットで買い物をして、その帰り道です。どうもガラスの破片を踏んだらしい。道端にはこの写真のような修理のお兄ちゃんが待っています。(このお兄ちゃんは奥さんと子供がいました)。


 
 私が少年のころのパンク修理は、軽石で患部を削り取って、ゴムの切片をニカワ交じりの接着剤でくっつけてました。最近は、接着剤付きのゴム片を張り付けておしまいです。ローラーで数回押しつければおおむね終了です。

 この兄ちゃんは接着剤のようなものでゴムの切片を張り付けて、そのあとで、上から油を燃やし熱を加え、ゴム片を溶かして接着しました。動かないように万力で固定します。あまり強く熱すると、タイヤのチューブのほうも溶けてしまうので、その熱の塩梅が難しいようです。

 ところが、この修理は信用性に欠けてまして、数日後、接着の部分から空気が漏れてしまいました。彼の努力はむなしく終わってしまったのです。





                            

          (3)自転車を運ぶ人たち


  

 プノンペン市内で使われている自転車は、たぶん、100%日本製(といてっても、中国で生産された日本製ですが)であります。部品を作ることが出来ないので、中古の自転車の部品を別の中古の自転車に転用して改造して、売りだすのです。数十ドルで購入することができます。

 ここは、プノンペンの河港から数キロ北上したところです。日本からのコンテナが着きました。HANJIN(韓進)グループのコンテナです。実は、私の日本の家の近くにも、中古自転車の集荷・転売をしている会社があって、そこにはよくこの韓進マークのコンテナが止まっています。

 

 人が大勢集まって来ました。見物ではありません。積荷降ろしの労働者と見張り人です。 一台一台降ろして、並べていきます。


 
 
 このように日本の文字が書かれた自転車ばかりです。お分かりと思いますが、これらはいわゆる放置自転車です。駅前などに放置されえていた自転車でしょう。放置自転車は、一定の期間市役所等が保管し、その後、指定の業者に払い下げされるのでしょう。そして、コンテナに乗せられ、はるばる、プノンペンまで来ました。

 現在、日本のスーパーなどで自転車はおおむね一万円前後で買えます。中国製です。それが放置され、業者に払い下げられます。たぶん、タダだと思います。その後、集荷、港への運搬、船でカンボジアに運搬、通関して上陸、問屋が小売りに卸し、そして、数十ドルでプノンペン市民が購入します。どこでだれがどのように利益を上げるのでしょうか。けっこう面白そうなテーマです。






(4)鳥を捕まえる人たち



 
 プノンペン王宮前の広場です。広場の前に小さな寺院があります。(下の写真)。ここにはいつも参詣客が絶えません。花を売る人、線香を売る人、供え物を売る人など。

 鳥かごを持った人もいます。これはいくらかの喜捨をして、籠の中の鳥を逃がしてやるものです。日本語では「放生(ほうじょう)」というようです。捕えた魚や鳥を逃がしてやり、生き物に対する憐みの気持ちを表します。
 
 
 ところが、せっかく逃がしてやった鳥も、憐れ、また捕まってしまいます。写真のように、鳥もち棒をもった人が待っています。理由は不明ですが、鳥はあまり遠くに飛ばないで、近くの小さな木に止まります。とりあえず、一服しているところを、バードハンターに御用になってしまうのです。

 この鳥は再び寺院の前に連れていかれ、喜捨の対象となるのであります。喜捨をする人は、善行を重ねることができ、鳥もちのハンターは、「放生」担当者に鳥を売ることができ、(自分がお布施をもらうことも可能です)、そして、鳥はこの近辺にいる限り、食べ物には事欠かず、第一、人が多いので天敵のカラスも来ません。そういう次第で、この「放生」は三方みなめでたしであります。

 
 (写真上)網で大量捕獲を企てる人もいます。絵の下側に「ひも」がかすかに見えますが、「ひも」の先に男の人が待っています。鳥が網の所に集まると、ひもを引きます。網が坂の上の方にパタンと倒れ、数羽の鳥が網でかぶせられます。逃げられるようで、けっこう逃げられないで捕まってしまいます。まさに、一網打尽。

 
 こういう普通の服装をした「おっさん」も鳥捕獲に興じています。やはり、捕まえて、売るんでしょうねえ。酔狂で捕まえているとは、とても思えません。

 実は、座っている子供も鳥を捕まえている子供です。これはたぶんお小遣い稼ぎでしょう。こうして仏の教えは、多くの人々に楽しみと実益を与えています。まずは、幸せと言えるかもしれません。
 








       (5)昆虫の佃煮を売る人、買う人


 
 これも王宮前の公園です。昆虫の揚げ物(煮物かな?)を売っています。向こうの黄色いシャツを着ている人は、つまみ食いをしそうな勢いです。


 緑色のかごは「コオロギ」で、その隣の赤いかごは「イナゴ」か「バッタ」のようです。手前右の足がたくさん生えているのは「クモ」ですね。手前左の白っぽいものは、なんだか分かりません。おじさんが持っているのは、一見、カエルのようですが、たしか、ニワトリだったと思います。


  
 
 中央は「ゲンゴロウ」です。その左のうすい緑色のかごは「カイコのさなぎ」です。カイコのさなぎは臭いです。その奥は「タガメ」です。「タガメ」も臭いです。その右の緑色のかごは「コオロギ」です。

 子供のころ、秋になると、イナゴを捕まえて、佃煮にして食べたことがありますが、これはけっこううまかったと記憶しています。あとは、タニシも肉がコリコリしていてうまかった。アメリカザリガニの尻尾を焼いて食おうとしましたが、これは生臭くて、食える代物ではありませんでした。


(6)バレンタインデー



 

 バレンタインデーには、このような特別のショップが辻辻に出ます。
 カンボジアでは、花を贈ったり、食事に誘ったりするのが、一般的のようです。贈り物を手にした娘さんをオートバイに乗せて、町を走り回る兄ちゃんを見ました。
 あれが今風なんでしょうね。事故を起こさないように気をつけましょう。





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