このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

中国(杭州・紹興・上海)−3 西湖十景(その1)編


 2004年10月9日(土)。この日は西湖を一周することに決めていた。
 
 杭州は浙江省の省都である。秦の時代に始皇帝が銭塘県を設置したのが始まりとされる。昔から「上有天堂、下有蘇杭(天上に極楽あり、地上に蘇州と杭州あり)」と称されてきた。五代の呉越と南宋の時代には都にもなっている。 前述 の通り、13世紀末にはマルコ・ポーロが訪れ、「世界で最も美しく華やかな街」と絶賛している。

 その杭州のシンボルが、西湖である。西湖の名は、絶世の美女 西施 にちなんで名付けられたという。西湖は周囲15kmなので、全体を一望することができ、手軽に一周することができる。西湖の名所は西湖十景という。西湖十景は、現代の観光協会が選定したものではなく、南宋の時代だという。
 前日のサイクリングで、自転車では湖畔に入れない部分があることが判明したので、歩いて一周することにした。時刻をメモしたので、西湖を歩いて観光したいという方のお役に立てば幸いである。

参考データ
挑戦者34歳独身男性1名
気温20度以上だが、汗ばむことなくきわめて快適
ウォーキングシューズ
体調睡眠不足も解消し、きわめて快調
会話一切無し


 8時40分 : 望湖賓館を元気よく出発
 
 ホテルから西湖まで約5分かけて歩くと、ちょうど西湖の東北の端、地図で言えば一番右上に出ることができる。早速歩き出そうとしたところ、左側に銅像が何体かあるのに気付いた。早速確認しに行ったところ、予想以上の有名人であった。

8時50分 : 白居易像

 白居易(772〜846)は別名を「白楽天」ともいい、唐の詩人である。代表作は、玄宗皇帝と楊貴妃の愛を描いた「長恨歌」である。今回僕は、飛行機や列車の中で読むために「沙門空海 唐の国にて 鬼と宴す」の巻ノ一と巻ノ二を持ってきたのだが、その登場人物の銅像に出会えるとは思わなかった。
 「沙門空海」の舞台は長安だが、白居易はその後822年から824年まで杭州刺史を務めている。下の銅像は、白居易が杭州を去るときを描いたものであり、左側に立ってお辞儀されているのが白居易である。

白居易像

 白居易像の写真を撮り終えてから、本格的なスタートである。西湖を時計の反対周りであるくことにした。

西湖の湖畔


< ①断橋残雪 >
9時5分 : 断橋残雪の石碑

 西湖十景には、下のような石碑が立っており、これを探すのも楽しみの一つである。
 断橋残雪は、冬の雪景色を鑑賞するには最高の場所だそうだが、そもそも杭州にはそれほど雪は降らないという。

断橋残雪

 断橋残雪から始まる、湖の中の道を白堤という。これは白居易が杭州刺史のときに修復した堤なので、この名があるという。

白堤宝石山と保俶塔


< ②平湖秋月 >
9時25分 : 平湖秋月の石碑

 その名の通り、月の名所である。満月の夜には月が湖面に浮かぶという。この場所に月見用の建物が建てられたのは唐代というから驚きである。

平湖秋月

御書楼御書楼から見た白堤


 御書楼から歩いて10分ほどで、秋瑾(1875〜1907)の像と墓がある。日本留学中に反清革命運動に参加し、男女平等を訴えた。帰国後も革命活動を行ったが逮捕され、処刑された。生家が紹興にあるのだが、今回は時間が無くて訪問できなかった。

秋瑾像秋瑾墓



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