このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

Travel Maker

2014年2月8日の記録的大雪




秦野市に長年住んでますがこれほどの雪に見舞われたのは初めてです。

ここぞとばかりに外へ出て遊びまくってきましたが、最後の最後にトラブルに巻き込まれてしまいました。


おそらくこの日は多くの道路でスタックやスリップなどの事故が多発したかと思いますが、私が遭遇したのは巨大な雪庇(せっぴ)

順を追って2/8の出来事を紹介していきたいと思います。


  ←2/4にも雪が降りました→ 


以前は滅多に雪は降らなかった秦野ですが今年は積もるほど降ったのはこれで3回目?くらいだと思います。

そして今回の2/8の積雪の写真はこちら↓

アスファルトも含め真っ白になりました。これは普通の車ではスリップは必至です・・・・


こんなチャンスは滅多にないということで34歳にもなるオヤジ達3人は立ち上がった。

男はいくつになっても子供のようなものです。とりあえず家の近所をソリを片手に散策。


いったん戻ってきて家の敷地でソリ遊び(^^)v


特性のかまくらを製造。豊富な積雪のおかげで30分ほどで完成。

文字の部分は畑にあった唐辛子を使って作ってみた.。我が子のかまくら初体験の図。


その後は場所を移動。秦野市民の憩いの場の戸川公園もこの日ばかりは職員を含め誰も見かけられない。

滑りながら下へ行くと水無川は表面に氷が張っており、その上にうっすらと雪が積もっていた。


これまた誰もいない林道へ移動。

ここでは林道をひたすらボードで滑ってみた。でも斜度が少なすぎてほとんど滑ることが出来ずちょっと不完全燃焼。

さらにソリを車で引っ張って斜面を登ってみましたがこれは非常に楽しかった。

途中1人だけ登山者とすれ違いましたがこっちを見てニコニコ笑ってました(^_^;)


さらに斜面を求めて蓑毛まで移動。

ただ、ここでは吹雪になっており、時折視界がゼロになる「ホワイトアウト」を何度か体験した。

ただの雪ならば問題ありませんが視界が無いのは非常に怖い。


ここでの「遊び」は諦めて今度は伊勢原の聖峰のほうに行くことにした。


途中、何度かスタックしている車を見かけると車を降りて救助した。

こんな時、ノーマルタイヤしか持たない方の安易な外出は控えるべきだと思うが、どうしても車を使わなければいけない状況にあるのも事実。

助けた人たちは皆トラックだったり清掃会社の人だったりで、仕方ない外出だったんだと思う。




そしてこのあと、今度は私が助けられることになってしまった。


場所は伊勢原市の清掃工場の近く。

さらなる斜面を求めて移動をしていたさなか、私の車は雪庇(せっぴ)に突っ込んでしまった。


※雪庇とは・・・

ある特定の方向から長時間風が吹いている状況のなかで降る雪は、同一方向へと風の力によって流される。

その風の方向に沿って雪が堆積する現象を指すが、山や道路はもとより、家の屋根などでも起こりうる自然現象である。

山の尾根や峠などでは頂点(ピーク)に雪が庇(ひさし)状態に長く雪だまりが形成され、自重を支えられなくなるほど大きくなった雪庇は崩壊し、そのまま雪崩の原因となることが多く、人工的に取り除く処置をする自治体もある。


雪庇についての詳細は こちら



その災難に遭った場所がこちら↓ 少し科学的に解明してみよう。

地元の方以外の読者さんは完全無視な感じになってしまいますが、現場は国道246号線伊勢原市の大住台の信号の近くです。

場所が分かったところで、この地点がどんな場所なのかをもう少し詳しく調べてみると・・・


ルート及び標高データの詳細を見るとちょうど峠であることがわかる。

夕方からは強風が吹いていたが、この峠はちょうど左右を山に挟まれており、狭い道路が風の通り道であることがわかる。

B地点である日比田神社あたりから吹く北東からの風がこの峠に集約され、風速は数倍に膨れ上がる。

しかもそれが途切れることなくずっと続くのだ。


これがブリザード状態の峠の写真です。

実はこれ、車を救出した後に撮ったものなので、遭難現場は写真に押さえてない。

なんというか、写真を撮れるような状況になかったのだ。

吹きすさぶ強風が顔面に当たり、すごい痛いので風上(北の方角)を向いて立つことができない。



この左の写真が車の突っ込んだ痕になります。
道路を走ってきていきなり雪庇があるというのは非常に怖い。
そして一面真っ白な光景なので視覚的にも判別が難しい。
私の車は4駆のうえスタッドレスタイヤを履いているので雪道に対しては万全だと思っていた。
また、100回以上車でスキー場に足を運んでいるという経験則から、今回のような事態に陥ることは全く考えていなかった。
雪庇に乗りあげてしまったあとは、前に進むこともバックすることもできなかった。
四輪駆動の車で空転するということがちょっとよく分からなかったが、冷静に見てみると直接の原因は車の下(腹の部分)に雪がたまって圧雪されており、これをどかさないとタイヤの周りの雪を掻きだしたとしても車が浮いてしまっている状態だったこと。


4時ごろに埋まってしまい、1時間ほどかけて男3人で雪を掻きだす作業をしたが、スコップなどがなくこのままでは掘るよりも速いスピードで雪が積もってしまう。

そこで、私の家に置いてある友人の車をここまで持ってきて牽引して救出しようという策を考えた。

車を力づくで動かすにはやはり車の力が必要だ。

ただ、私の車はヴォクシーで友人の車がマーチというのがいささか不安だったが・・・・


吹雪の中、私はこの場に残り、友人二人は私の家まで徒歩で戻っていった。

その間、近くの清掃工場の関係者が通りかかりスコップを貸してくれた。聞くところによるとこの先の道でその人の車もまたスタックしているとのこと。

ただ、このスコップの存在は非常にありがたかった。

作業効率が格段にあがり、どんどん雪をどかすことができる。

それでもまだ私が掘るスピードよりも押し寄せる雪の量のほうが多かった。

絶望的な状態の中、掘り続けていると友人二人が徒歩で戻ってきた。

スタッドレスタイヤを履いたマーチはFF車であるため、ここまで登ってくることが出来なかったという。


ただ、暖かい飲み物と金属のスコップの存在は嬉しかった。

この装備で3人がかりで車の周りを掘り進み、車体の下部に圧雪された雪を掻きだす。

二人が金属スコップで圧雪された雪を掘り出して私の幅広のプラスチックスコップでその引きを放る。

この連携プレイにより、30分ほどの作業で車を救出することができた。

もう夜の19時になっており、暗闇の中でヘッドライトをつけての作業だった。


車が動いた瞬間、3人ともスーパーハイテンションになっていた。

車の後ろにも新たな雪だまりが出来ており、道のカーブの部分には新たな雪庇が出来上がっていた。

こんな短時間で雪庇ができるというのはちょっと怖かった。


もう一度おさらいすると下記のような、悪い条件が重なって今回の遭難の原因となったと言える。


・20年に一度と言われる大雪の日。

・地形による雪庇の出現。

・風向と北部の地形の関係で風の通り道になっていた。

・暴風雪でホワイトアウト一歩手前くらいの視界の狭さの中、峠にさしかかったところで雪庇にぶつかった。


上り坂の為車は上を向いていて、直前の路面の状況はわからない。

視界が悪かったため10メートルくらい先の状況しかわからない。

今回、もしたった一人だったらと思うとぞっとする。

勇作と平三という、高校時代からの強靭な体力を備えている二人と、伊勢原清掃工場の心優しい方のおかげで復帰できたというのは事実。

でもこれでまた「トラブルの対処方法を一つ学んだ」と思えばレベルアップしたということになる。

トラブルも悲観的に捉えずに、「試練」と捉えれば乗り越える壁という考え方もできる。


こんなふうなトラブルをいくつも乗り越えていけば、人生に余裕ができるのかもしれない。



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