このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
芭蕉の句碑
宿かりて名を名乗らするしぐれ哉
JR東海道本線島田駅北口に島田駅緑地公園がある。
島田駅緑地公園に芭蕉の句碑があった。
宿かりて名を名乗らするしぐれ哉
碑の裏に
真蹟懐紙
のパネルがある。
しぐれいと詑しげに降出侍るまゝ旅の一夜を求て炉に焼火してぬれたる袂をあぶり湯を汲で口をうるほすにあるじ情有るもてなしに暫時客愁のおもひ慰に似たり慕て灯火の下にうちころび矢立取出で物など書付るをみて一言の印を残し侍れとしきりに乞ければ
宿かりて名を名乗らするしぐれ哉
碑の裏に句の説明もある。
この句は芭蕉翁の句として
続猿蓑
の終りに「元禄三年の冬、粟津(現在の滋賀県粟津町)の草庵より武江におもむくとて、島田の駅、塚本が家にいたりて」と言う前書と共に載せられているもので、塚本家 は、今の島田市本通3丁目、
静岡銀行島田支店
の場所がその屋敷跡であります。
当時主人は塚本孫兵衛、如舟と号し、土地の名家でもあり、俳人でもあって芭蕉翁も2回同邸を訪れていますが、前期の元禄三年とあるのは、元禄四年の誤りと言われています。
その後、芭蕉翁は、元禄七年帰国の際、また塚本家を訪れ、折からの五月雨に大井川の川止めにあい、四日間同家に滞在して数句を残しています。
島田市
『芭蕉庵小文庫』
(史邦編)、
『泊船集』
(風国編)には「宿かして」とある。
宿かりて名をなのらする時雨哉
此句前書
続猿
に出る。元禄三年冬ハ大津にとしくれて、乙州が新宅に、人に家をかハせて我はとし忘れと云句をして、奥に元禄三年冬末と自筆に書て卓袋に給ふを所持す。猶四年未の歳旦、
大津絵
の句有。続猿草稿の書あやまりか。
(四年)
未の冬と覚え侍るなり。
『蕉翁句集草稿』
芭蕉の句碑
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