ひさしくも見ざりしかもと遠く来てけふ見る海は荒れすさびたり
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遠く来てこよい宿れる海岸のぬくとき夜半を雨降りそそぐ
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まともなる海より昇る朝の日に机のちりのあらわなるかな
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第13歌集『黒土』に収録されている歌。
『牧水歌碑めぐり』(大悟法利雄著)によれば、昭和45年(1970年)3月18日除幕、56番目の牧水歌碑である。
若山牧水は犬吠埼の「暁鶏館」に着くと、奥さんに絵葉書を出している。
いま到着、すてきなところだ、曇った空の下で大きな風が吹いて海がみな眞白だ、やれやれと思ひながらこれより大いに眠らむとぞ思ふ、
曇った空の下で大きな風が吹いて海がみな眞白だ
昭和8年(1933年)3月、
水原秋桜子
は銚子に遊ぶ。
犬吠埼
東風の磯下総の国こゝに尽く
月見草萌ゆるを見たり崎のはてに
『新樹』
犬吠埼遊歩道を上がると、
高浜虚子の句碑
があった。
虚子の句碑
犬吠の今宵の朧待つとせん
簡単な説明が書いてある。
昭和14年4月、虚子が日本探勝会の吟行で来泊されたときの句で、碑は昭和27年7月、銚子ほととぎす会が建立しました。
碑の裏には「銚子ホトトギス會」と書いてある。
やはり「ほととぎす」はカタカナでなければいけないと思う。
犬吠崎の燈台に行く少し手前右手の丘の上に、荒磯を背にして、この句碑が建って居る。高さ二尺七寸の自然石で、昭和二十七年七月、銚子ホトトギス会の建設に成る。句は昭和十四年四月、日本探勝会の吟行で来遊一泊された時の作である。何者の悪戯か、碑面にナイフで落書をした傷痕があるのは惜しい。
山口誓子
は虚子の句碑を見ている。
岬の道の海へ突き出たところに高浜虚子の句碑も立つてゐる。
犬吠の今宵の朧待つとせん
昭和十四年の作。碑は海に背を向け、逆光線で暗かつた。
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