このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

俳 書

『しぐれ会』(安永6年刊)


   四来奉納発句
筑前福岡
湖や一こほしつゝ時雨する
   蝶酔
備後田房
しくれ来て木の葉の赤き野川哉
   古声
陸奥会津
松かせの液雨や鳰のうみのへり
   巨石
上野前橋
椎の木の時雨しくれてぬれにけり
    素輪
伊賀上野
立なから雑(椎)茸くさるしくれ哉
   桐雨
美濃垂井
粟津にもかくやしくれん翁の日
   君里

枯原に白々とふるしくれ哉
   瓦全

   一坐捻香
  嵯峨
むらしくれけふや枯野をかけめくる
    重厚

   年月を経けれは、芭蕉堂の茅か軒端
   に雨の漏ると、看守の僧の告けるに

しくれもる音を手向ん芭蕉堂
    蝶夢

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