このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
2019年の旅日記
吉敷川
〜ホタル塚〜
津和野から山口線で山口へ。
山口線は全線非電化である。
山口で乗り換え、湯田温泉へ。
国道9号山口バイパスから国道435号に入り、吉敷川を越える。
吉敷川は螢の名所であったようだ。
昭和9年(1934年)6月29日、
種田山頭火
も訪れているようである。
大橋小橋、最後のバスも通つてしまつて螢
・バスの花の、白百合の花のすがれてはゐれど
『其中日記(六)』
湯田名所
大橋小橋ほうたるほたる
『草木塔』
「大橋」は、湯田大橋。
良城橋の西側に「ホタル塚」があった。
うつくしき螢の群のかゝやきを
このうつし世の光ともかな
昭和30年(1955年)6月、山口市が湯田大橋に建立。
平成9年(1997年)3月、良城橋改修。
平成10年(1998年)3月、移設。
昭和30年、知人の湯田の山水園主中野仁義
(ひとよし)
の招待で山口を訪れた
吉井勇
が、湯田大橋のホタルを鑑賞した。ちょうどホタルが最盛期であり、吉井勇が「これは素晴らしい。山口でもホタル塚を建てては」と言って京都に帰っていった。
この年は、山口のホタルが昭和10年に天然記念物に指定された20周年にあたり、その記念行事として「うつくしき 蛍の群れのかがやきを このうつし世の光ともかな」という吉井勇の歌碑を湯田大橋に建立したものである。このホタル塚は、儚いホタルの一生を哀れんで、短命であればあるだけ美しいもので、誰もが愛撫する心を持つことを願って歌われたものと聞く。この歌碑の石は、もちろん吉敷川の上流から運ばれたものである。
ふるさとだより「よしき」(2018/12)
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