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車道の痕跡を全く残さぬ峠。
というか、ここにホントちゃんとした平地があった時代があったのだろうか?
いやむしろ、開削される前の坂下峠ってどんなだったんだ?
いやさ、人工的にここまで掘り下げるぐらいだったら普通、トンネル掘るでしょ。
その方が絶対予算は安く上がるはず。
なのにこの超巨大なV字。
果たして作業林道工事の予算でここまでやるかね? |
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ホントね、素人目でも見ても、いかにも崩れそうって感じ。
まあ、そう考えるとトンネル案は確かに「ボツ」かなァ、と言う気はする。
それでも何故ここまでデカイ切り通しが出来たか納得いかない。
だって、やろうと思えばここに2車線規格の道路さえ造れそうじゃない?
前後1車線以下だけどな。
果てして何故こんな巨大切り通しができたか?
実は林道が開削された時は現在の路面(?)よりもっと高い位置に峠があったんじゃないの?
本来はほんの数m程度の切り通しだったんじゃないかと思うの。
だが、その小さな切り通しがあまりにも崩れやすい地質だった為に徐々に崩壊。
更に度々通る車両が更に路面を掘り下げ、
トドメに台風や大雨の日に切り通し内に集中した雨水が濁流となって破壊つくす。
そんな事を何年も繰り返していって巨大切り通しが出来たのだと想像してみる。
案外、元からこんな峠だったのかもしれないが
それはそれで何でこんな地形になったか気になるぞ。
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| 峠を過ぎて下りへ。
案の定、こちら側もざっくり流水によって路面が削られている。 |
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まあ、なんて素敵なジャンプ台!
かつて路面を横切っていた排水溝の残骸。
その前方が流水により削りに削れて、
埋もれていた排水溝下部より更に下までエグり出されている。
一応、迂回ルートもあるがここは一発キメて見たい衝動もあった。
段差も高いし、着地点の状況もよろしくナイ。
だが、『鈴鹿の壁』を突破した今なら・・・
・・・・・。
前方を見据え、グリップを強く握る。
そして僕は山谷を駆け巡るカモシカの如く、アクセル全開カッチョ良くジャンプ!
・・・する訳が無く脇の迂回ルートでカレーにスルー。
また一つ難所(?)をクリアーし、セローさんと共にコマを進める。
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| また凄いのが出てきちゃったよ、おい。
もう既にジャンプとかそういうレベルではなく、「お堀?」とか思わせてしまうような深さなのである |
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『お堀』の下からセローさんを見上げる。
これで何となく此処の深さを理解していただけただろうか?
脇には崩れ落ちた排水溝。
やはり此処も『ジャンプ台』と同じような原理で削れていったのだろう。
しかしまあ、ここまでコテンパンだと反対にすがすがしいね。
一つ前の画像にもあるように、『お堀』の横にはバイク一台が余裕に進めるスペースがある
わざわざ、下に降りなくとも迂回ルートがあるので全然平気・・・ |
| と言う訳には行かなかった。
『お堀』はついに路面中央を横切り深い谷を作り出してしまった。(例によって画像にポインターを)
先に進むには一度谷底へ降り、そのまま一気に駆け上がらなければならない。
下りも上りもかなりの急傾斜だが、最大のポイントは画像向かい側の斜面が谷側に傾斜している事である。
つまり、途中パワー不足により減速してしまうと、重力に引きずられ、最悪谷底へ落ちて「合掌」と言う事になってしまう。
失敗のリスクを考えると、ここでは基本的に一発クリアが前提となる。
ある意味、『鈴鹿の壁』より厳しいポイントかもしれない。
が、以外にあっさりクリア。
全速で底へ降り、そのまま勢い任せに上段へ。
まあ後半勢いが落ちて、おたつき気味だったが結果オーライ。
もう一度やったらどうなるかわからんが、ともかく突破。 |
| 相変わらず横からポロポロ崩れてきているが、だいぶ「道かな?」という位の状況にはなってきた |
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と思ったら、またもや路肩崩壊。
とは言え、ここまで現れてきた難所と比べれば多少「ヌルい」かもしれない。
バイクが通るスペースは十分にある。
が、何故かここは「イヤーな感じ」がした。
ミョーに路面に落ちている小岩が怖い。
なんか、タイヤが弾かれて谷側へ持っていかれそう・・・
そんな訳でここは「押し」でいきました。
うーん、今思えばよっぽど一番最初の
「足場付き崩落箇所」の方が危ない気がするんだけどなァ。
たぶん「ここまで出来すぎた」と言う意識があったんだ思う。
ここまでコケもせず難所をクリアしたのは運がよかっただけ。
その時の「ツケ」が何となく回ってきそう・・・
そんな恐怖心。
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| 四輪も通れそうな状態となってきた所で、すぐさま舗装路が復活する。 |
| つい近年敷かれたと思われる真新しいアスファルト。
その上にやはり最近崩れてきたと思われる土砂。
果たしてこの舗装工事は意味があるのか? |
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道は山肌を縫うように甲賀盆地へと降りていく。
良く見ると山のあちこちに崩れた跡が。
本当にここの地質は脆いんだな。
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| 山を駆け下りの杉の樹林帯へ。
峠では人間の力が自然の力に完膚なきまでに敗北していたが、この場所では人も自然もうまく共存している。
木々の合間からこぼれる陽光が心地いい。
自然はちっぽけな人と言う存在に厳しくも優しくもある。
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| 杉林を抜けると貯水池の前へと出る。
ここまで来るとラストは近い。 |
| 県道129号線とぶつかり全行程終了。
滋賀側はなんの規制も警告も無く、四輪すらウェルカム状態です。(ただし、三重側へ抜けるのは至難の業の上に出口にゲート)
だいぶ端折っているが、実際のところ行程の9割方が舗装路で前述したがダート区間(?)は僅か1km。
だが、その僅か1kmがとんでもないインパクトを持ち、神大滝林道の全てだと言う印象持たせるのである。
果たしてこの『逝きそで逝かない』状況は何時まで保つのだろうか?
それこそ大自然の機嫌次第としか言いようがない。
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